もうすぐ出産!生まれる前に知っておきたい「立会い出産」のこと

もうすぐ出産!生まれる前に知っておきたい「立会い出産」のこと

大切なわが子が産まれる瞬間に立ち会いたい、立ち会ってほしいと思う方も多いでしょう。

出産の喜びを夫婦で分かち合える立会い出産ですが、実はメリットだけではなくデメリットもあります。

この記事では、実際に立会い出産した先輩パパママの声や、立会い出産のメリット・デメリット、必要な準備について解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

立会い出産の割合は?

立会い出産とは、夫や両親など、医療者以外の人に付き添ってもらって分娩することを指します。立会い出産をすることで出産中の不安が取り除かれて、産痛緩和効果が得られることがわかっています。

平成24年に行われた「母親が望む快適で安全な妊娠出産に関する全国調査」(公益財団法人 日本医療機能評価機構)では、53%ものママが夫立ち会いのもとで出産していることがわかっています。ちなみに親が立ち会う割合は12%で、ひとりで出産したママの割合は41%でした

立会い出産を希望する夫婦の数は2006年の調査から増加しており、ひとりで出産するママの割合は年々減少しています。

基本的には希望すればほとんどの施設で立会い出産が可能ですが、中には医療関係者以外が分娩室に入れない施設もあるため注意が必要です。

また、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、立会い出産を禁じる病院もあります。立会い出産を希望する場合は、よく調べて立ち会い可能な病院を選ぶ必要があります。

立会い出産をするかしないかはママ次第

立会い出産をするかどうかは、夫婦にとって大きな決断です。

立会い出産しなかったことを後悔するかもしれませんし、立会い出産時の出血や壮絶さにショックを受けてしまう男性もいます。

夫婦の意思をしっかりと確認するために、事前に立会い出産について話し合うようにしましょう。特に、出産の当事者であるママの意思を尊重することが大切です。

ここで、先輩パパママの「立会い出産を希望したかどうかとその理由」をご紹介しますので、参考にしてください。

【立会い出産を希望しなかった先輩パパママの声】

(30代・男性)
逆子(=帝王切開)だった為、立会い不可でした。

(20代・女性)
苦しむ姿をあえて夫に見せなくてもいいかなと思った。

(30代・女性)
ひとりで問題ないと思った。

【立会い出産を希望した先輩パパママの声】

(20代・男性)
記念の瞬間なので、自分も見届けるべきだと思っていた。また、その場で励ましたりする必要があると思った。

(30代・男性)
妻が初産のため、心配だった。少しでも近くにいるほうが良いのではと考えていた。

(40代・男性)
誕生の時に会っておきたかった。

(30代・女性)
滅多にないことなので一緒に経験できたらいいな、旦那さんにも出産の状況を経験させてあげたいなと思いました。側にいてもらった方が心強いかなと思いました。

(30代・女性)
誕生する貴重な瞬間を感じてほしいと思いました。また、親になるという自覚がうまれることにもつながるのではないかと思いました。

(40代・女性)
こどもが生まれる時を、夫と共有したかった。

出産に立ち会うと決めた場合は、当日スムーズに立ち会えるように各所への連絡をしておきましょう。病院に立会い出産が可能か確認し、夫の会社にも連絡を入れて休みを調整します。

立会い出産のメリットとデメリット

夫婦にとって印象深い思い出になる立会い出産は、夫婦の絆が深まる可能性がある一方、立会い出産が原因で夫婦関係がギクシャクしてしまうケースもあるため、注意が必要です。

立会い出産には、メリットだけではなくデメリットもあることをしっかりと理解したうえでどうするかを決めるようにしましょう。ここからは、立会い出産のメリット・デメリットと、実際に立会い出産を経験した先輩パパママの声をご紹介します。

立会い出産のメリット

1.ママが安心できる

出産は想像以上の痛みをともなうものです。初めての出産であれば当然のことですが、何度出産しても痛みに慣れることはなく、陣痛をひとりで耐えるのはママにとって辛い時間になります。

そんなときに手を握って励ましてくれるパパの存在は、非常に心強くて安心できるものです。頼れる人が近くでサポートしてくれると、辛い痛みの中でも前向きに出産に臨むことができるでしょう。

2.パパに父親の自覚が芽生える

ママは10ヵ月間お腹で赤ちゃんを育てるため、親としての自覚は芽生えやすいでしょう。一方でどんなにママをサポートしてくれるパパでも、実際に子どもと接していないうちは、父親としての自覚が芽生えにくいかもしれません。

そんなパパも実際に命が誕生する場面に立ち会うことで、父親としての自覚が生まれてわが子への愛情が深まっていきます。立会い出産は、子育てに積極的になってくれるきっかけにもなるでしょう。

3.夫婦の絆が深まる

辛い出産を一緒に乗り越えたことで、より夫婦の絆が深まるのも立会い出産の大きなメリットです。

頭では「出産は痛くて大変なもの」と理解していても、実際に出産がどれほど壮絶なものかをイメージできない男性も多いです。痛みや大変さを共有することで、「頑張ってくれたママ」「サポートしてくれたパパ」とお互いへの愛情が増して夫婦の絆が深まるでしょう。

立会い出産のデメリット

立会い出産には、デメリットも存在しています。場合によっては夫婦仲を左右してしまうこともあるため、デメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。

1.パパがショックを受けてしまうことがある

出産では多量の出血だけではなく、便や尿が出てしまうことがあります。また、痛みで叫んでいる姿をパパに見られてしまうことにもなります。夫とはいえ、このような姿を見せることを恥ずかしいと思ってしまうママは珍しくありません。逆に、その壮絶さを見てパパがショックを受けてしまうこともあります。

「本当に立ち会ってもらいたいのか」「どれほど出産が壮絶なのか」についてよく話し合って、どうするのかを決めるようにしましょう。

2.パパに対してイライラしてしまうことがある

ママが痛みに必死に耐えているとき、ビデオカメラを回したりウロウロしたりしているパパを見ると、イライラしてしまうことがあります。知識がないまま立会いをすると、医師や助産師の邪魔になって出産を妨げてしまうこともあるかもしれません。

出産後にこういったパパの行動を思い返して、出産時のことを責めてしまうママも珍しくありません。夫婦仲をギクシャクさせてしまう原因となるため、立会い出産はあくまでサポートで、イベントではないことをしっかりと伝えておきましょう。

立会い出産を経験した先輩パパママの声

(30代・男性)
妻の要望で立ち会ったのですが、立ち会って良かったです。この瞬間に立ち会えたことは一生忘れないと思う。私はこれから出産を迎える方々にも立会い出産をお勧めしたいです。

(30代・男性)
人から人が出てくる、当たり前のことに感激し、赤ちゃんの生きようとする生命力に感動しました。

(40代・男性)
こどもが生まれてくる瞬間は、震えるほど感動でした。

(40代・男性)
女性って大変だな、生命って神秘的、お疲れ様よくがんがったね、支えになれて良かった、赤ちゃんかわいいなど、様々な気持ちが溢れました。

(30代・女性)
夫は、私が苦しんでいる姿を見て、実際に産まれる瞬間に立ち会い、「感動した。嬉しかった。」と話していました。男性は産まれた瞬間に急に親になるので(女性は妊娠中から親になる自覚が出てきますが)、父と母としてその瞬間を一緒に感じられたことはわたしにとっても非常に貴重だったと思います。

(30代・女性)
一緒に経験できて、思い出を共有できたというのは良かったです。出産前に期待していた心強さは、私自身が自分に必死すぎて特別感じませんでした。ただ自分に必死だったので、後々、周りの状況がどんなだったのか確認するのにはとても良かったです。ドラマのように旦那さんが感動で泣いて「ありがとう」みたいなのはなかったです。

(40代・女性)
こどもが生まれた感動を共有できてよかった。さらに、陣痛の間もそばにいてくれたので、心強かった。

出産前に準備しておくこと、当日にやるべきこと

立会い出産をすると決めたら、夫婦それぞれが事前に準備を進める必要があります。ここからは、出産前の準備と立会人が当日にやるべきことについて解説していきます。

出産前の準備

出産前に行っておきたい準備は、以下の4つです。

  • ママの入院準備
  • カメラや痛み緩和のテニスボールなど必要なものの準備
  • 出産についての正しい知識の共有
  • してほしいことの共有

必要になりそうな荷物は、ママとパパで一緒に準備を行いましょう。急に陣痛が来て入院になると、パパだけでは必要になるものが判断できないためです。

また、パパがショックを受けたり正しくサポートできなかったりしないように、正しい出産についての知識をつけて多くことも大切です。両親学級などに行き、心の準備をしておきましょう。

「陣痛のときは腰を押してほしい」「飲み物は〇〇がいい」など、してほしいものや要望があれば、出産前にしっかりと伝えておくようにしてください。

立会人が当日にやるべきこと

実際に立会い出産をするとき、立会人のパパができるサポートややるべきこととしては以下のようなものが挙げられます。

【陣痛時】

  • 腰のマッサージ
  • 手を握ったり話しかけたりして安心させる
  • 話しかけたり励ましたりして痛みを和らげるサポートをする
  • 水や食料の準備

【分娩時】

  • 汗拭き
  • 水分補給のサポート
  • 呼吸法のリード
  • 手を握ったり言葉をかけたりして安心させる

【出産後】

  • ママに感謝の言葉をかける
  • 両親や親戚、仕事関係者などへの連絡

何をしたらいいかわからないときは、あらかじめ話し合ったママの要望を思い返してみましょう。「何かできることはある?」と声をかけてあげると、ママもしてほしいことを言いやすくなるでしょう。

出産後の各所への報告方法やタイミング、ツールについて詳しくは「【パパママ初心者必見】出産報告の仕方を例文付きでまるっと解説」で紹介していますので、ぜひこちらも参考にしてください。

まとめ

夫婦にとって大きな思い出になる立会い出産。全体の半数以上の夫婦が立会い出産をしていますが、自分たちは立会い出産するかどうかについては夫婦でよく話し合い、後悔のない選択をしましょう。

立会い出産によって、夫婦の仲が強まる可能性もあれば、出産の光景にパパがショックを受けてしまい、その後の夫婦生活に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

立会い出産をする夫婦が増えているからといって、立ち会わないパパは愛情がないということには決してなりませんので、それぞれの夫婦に合った選択にしてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

記事提供元:株式会社ぱむ