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貯金をするとき、100万円の次は500万円を目標にする方も多いでしょう。ところで、500万円という貯金額は多いほうなのでしょうか?
本記事では、年齢や世帯構成、年収ごとの平均貯金額を紹介した上で、将来のための適切な貯金額や貯金を増やすポイントなどを解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
貯金500万円は多い?みんなの貯金額はどれくらい?
ここでは、令和5年の金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」から、年齢別、世帯別、年収別に平均貯金額をみてみます。
なお、平均額は、貯金額が極端に多い人がいる場合には引き上げられてしまいます。また、以下に紹介する平均値は貯蓄なし(金融資産非保有)の世帯も含めたものですが、貯蓄なしの世帯は全体の28.4%に及びます。[参考1]ここでは、実態をつかみやすくするために、平均値だけでなく中央値も載せています。中央値とは、データを小さい順に並べたとき、真ん中にくる値です。
参考1:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」per32301.xlsx シート4
1.【年齢別】の平均貯金額
次の表は、世帯主の年齢別に貯金額の平均値と中央値を示したものです。[参考2]
世帯主の年齢 | 平均値 | 中央値 |
20歳代 | 151万円 | 10万円 |
30歳代 | 599万円 | 130万円 |
40歳代 | 811万円 | 180万円 |
50歳代 | 1,212万円 | 200万円 |
60歳代 | 1,862万円 | 530万円 |
70歳代 | 1,683万円 | 650万円 |
参考2:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」per32301.xlsx シート4
貯金額が500万円の場合、平均値を基準にすると、20代では平均より多く、30代以上では平均よりも99万円少なくなります。実際には中央値に近い貯金額の人が多いと思われるため、中央値をみると、50歳代までは200万円以下であり、貯金500万円は決して少ないほうではありません。
参考までに、各年代で貯蓄なしの世帯の割合は、次のようになっています。[参考3]
世帯主の年齢 | 金融資産非保有世帯の割合 |
20歳代 | 42.2% |
30歳代 | 30.2% |
40歳代 | 30.0% |
50歳代 | 30.3% |
60歳代 | 24.6% |
70歳代 | 21.6% |
参考3:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」per32301.xlsx シート4
20代では約4割、30代~50代では約3割は貯蓄がありません。つまり全体としてみると現役世代で貯金500万円は多いと考えられます。
特に若い20~30代で500万円貯めているのはかなり頑張っているといえるでしょう。住宅ローンや教育費の負担が大きい40代や50代でも、500万円の貯金を確保しているなら相当優秀です。老後2,000万円問題が話題になったこともありましたが、50代で500万円の貯金があれば、退職金と合わせて2,000万円用意できる可能性も高いでしょう。
2.【世帯別】の平均貯金額
続いて、世帯構成別に貯金額の平均値、中央値を表にすると、次のとおりです。[参考4]
世帯構成 | 平均値 | 中央値 |
世帯主のみ(単身世帯) | 941万円 | 100万円 |
世帯主夫婦のみ | 1,516万円 | 450万円 |
世帯主夫婦と子のみ | 1,212万円 | 400万円 |
世帯主夫婦と親のみ | 1,615万円 | 585万円 |
その他・類型不能 | 1,039万円 | 150万円 |
参考4:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」per32301.xlsx シート4
単身世帯よりも二人以上世帯の方が、貯金額の平均値、中央値は高くなっています。なお、二人以上世帯では、夫婦のみ、夫婦と子、夫婦と親のいずれの世帯でも中央値が400万円以上となっています。結婚して家族で暮らしている世帯では、500万円程度の貯金がある世帯も珍しくないのです。
3.【年収別】の平均貯金額
次に、年収別に貯金額の平均値、中央値をみてみましょう。[参考5]
年間収入 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | 321万円 | 0円 |
300万円未満 | 645万円 | 50万円 |
300万円以上500万円未満 | 1,041万円 | 230万円 |
500万円以上750万円未満 | 1,293万円 | 451万円 |
750万円以上1,000万円未満 | 1,795万円 | 900万円 |
1,000万円以上1,200万円未満 | 2,324万円 | 1,200万円 |
1,200万円以上 | 4,344万円 | 1,500万円 |
無回答 | 349万円 | 488万円 |
参考5:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」per32301.xlsx シート4
年収が多いほど、貯金額が増えていることがわかります。年収750万円未満の世帯では500万円の貯金は同収入帯の方と比べると多い方ですが、年収750万円以上では同収入帯の方と比べると貯金500万円というのは多いとは言えないでしょう。
年代別・年収別の平均貯蓄額や貯蓄方法については、「貯蓄はいくら必要?年代・年収別の平均額や貯蓄方法・ポイントについて徹底解説」で詳しく説明しています。こちらの記事もぜひ読んでみてください。
老後資金に500万円は足りない?
貯金をする目的は人それぞれですが、誰にとっても貯金の必要性が高いのが老後資金です。貯金が500万円ある場合、老後資金として十分かが気になるでしょう。
総務省の「令和5年度家計調査(家計収支編)」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯及び単身無職世帯の家計収支について、次のような調査結果が出ています。[参考6]
まず、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の消費支出の平均は1ヵ月あたり25万959円です。税金・社会保険料等の非消費支出3万1,538円と合わせると、1ヵ月あたり28万2,497円かかります。一方、1ヵ月あたりの実収入(主に公的年金)の平均は24万4,580円となっており、毎月約3.8万円が不足します。
65歳以上の単身無職世帯の場合には、1ヵ月の支出は消費支出14万5,430円、非消費支出1万2,243円の合計15万7,673円です。実収入は12万6,905円なので、毎月約3万円不足する計算になります。
つまり、老後に年金をもらっても、生活費は毎月3万円以上不足するのです。500万円の貯金があっても、10~11年しか生活できないことになります。
厚生労働省の簡易生命表によると、令和4年時点で日本人の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳です。[参考7]60~65歳から老後生活に入ると仮定すると、少なくとも20~25年分くらいの生活費をまかなえる貯金が必要でしょう。500万円貯金があっても、老後生活には十分ではありません。また上記はあくまでも平均額のため、ゆとりある生活を送りたい場合や大きな出費が見込まれる場合など、より多くの貯金が必要でしょう。
なお、47Lifeでは、都道府県別に月々の老後資金についてアンケートをとっています。「【老後資金】47都道府県、老後資金はどのように貯める?月々いくら?」に詳しく紹介しているので、こちらも読んでみてください。
老後資金の備え方については「老後生活・資金不足の備えの記事一覧」に参考になる記事が多数あります。将来の不安を解消するために役立ててください。
参考6:総務省「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概要」
参考7:厚生労働省「令和4年簡易生命表(1 主な年齢の平均余命)」
500万円貯めるためのポイント
貯金が500万円あっても老後資金には足りないかもしれません。しかし、最初から多くの額を貯金しようとしても難しいので、まずは500万円の貯金を目指しましょう。ここからは、500万円を貯めるポイントを説明します。
1. 固定費を見直す
貯蓄に回す額を増やすには、毎月かかる生活費を減らさなければなりません。生活費を抑えるために最も効果的な方法は、固定費の削減です。
例えば、通信費や電気代、ガス代などは、契約先を変えるだけで減らせる可能性があります。もっと安くできないか検討してみましょう。
住宅ローンの返済が負担になっている場合には、借り換えによって月々の返済額を減らせる場合があります。賃貸の場合には、家賃の安いところへ引っ越すことも考えてみましょう。
2. 家計簿をつけて収支を把握する
貯蓄をするにあたって、毎月の収入と支出を記録しておくことは重要です。家計簿をつけることによって、無駄な支出に気づくこともできます。これまで家計簿がなかなか続かなかった人も、貯金をすると決めたら家計簿をきちんとつけるようにしてみましょう。
家計簿のつけ方や続けるためのポイントについては、「家計簿に必要な項目とは?家計簿をつける際のポイントなども徹底解説!」を参照してみてください。
3. 使っていないサブスクリプションはないか確認する
最近は、毎月一定額を支払うことで継続的にサービスが受けられるサブスクリプションサービス(サブスク)が増えてきました。音楽や動画の配信、デジタル雑誌の購読、洋服や雑貨のレンタル、化粧品の定期購入などが代表的ですが、その他にもさまざまなサブスクがあります。
サブスクでは毎月支払う金額は数百円程度でも、トータルではかなりの費用がかかってしまいます。使っていないサブスクは速やかに解約するのがおすすめです。
4. 貯金用で口座を分ける
使うお金の口座と貯めるお金の口座は、分けましょう。貯金専用の口座を作り、給料が出たときに貯金に回す分を先に入金してしまうのが確実です。
銀行の自動積立定期預金を利用すれば、給与振込口座から貯金用の口座に毎月指定した額を振替できます。貯金を自動化すれば、手間なく着実に貯められます。貯金用の口座のお金については、よほどのことがない限り手を付けないことも大切です。
5. 様々な貯金方法を試してみる
毎月の貯金を自動化するだけでなく、さまざまな方法でコツコツと貯めましょう。例えば、手元にある小銭を貯金箱に入れていくだけでも、お金は貯められます。具体的な方法は、「500円玉貯金はどうやればいい?メリットや貯めるコツ・ポイントについて詳しく紹介」や「小銭貯金で上手にお金を貯めるには?小銭貯金をやる際の注意点やポイントについて紹介」を参考にしてください。
ボーナスが出る場合には、毎月の貯金に上乗せして貯金することもできます。詳しくは、「ボーナス貯金は何割が理想?貯金のメリットや方法について詳しく解説」で説明していますので、読んでみてください。
6. 買うものの優先順位を決めておく
欲しい物を次々と買っているとお金は貯まりません。とはいえ、ケチケチするのではなく、必要なものにはお金を使うことも大事です。欲しいものをリストアップし、優先順位をつけて無駄のない買い物をしましょう。
7. iDeCoや新NISA、個人年金保険を始めてみる
貯金だけでなく投資も活用してお金を増やすことも考えましょう。
今はiDeCoや新NISAといった制度があり、税制上の優遇を受けながら投資をおこなうこともできます。投資には元本割れのリスクもありますが、長期的な運用によりリスクが抑えられます。老後資金のようにすぐに使わないお金は、投資を活用して貯蓄するのもおすすめです。
個人年金保険に加入して老後資金を貯める方法もあります。個人年金保険とは、契約時に定めた年齢まで保険料を払い込んだ後、一定期間あるいは一生涯年金の給付が受けられる保険です。保険料を払っている期間は生命保険料控除(個人年金保険料控除)を受けることも可能であるため、税制メリットを受けながら老後資金の準備ができます。
老後資金は単一の手段で準備するのではなく、複数の手段を活用しリスクを分散しながら準備する必要があります。毎月投資のみを行い、いざ使用するときに相場が不安定な場合は取り崩すのに躊躇するでしょう。貯蓄や年金保険で確実な部分を確保しているからこそ、投資でリスクが取れるのです。
フコク生命のみらいプラスは、ライフプランに合わせて柔軟な設計ができるため、老後資金に限らず、教育資金などにも活用できる個人年金保険です。将来のための計画的な貯蓄に活用されることをおすすめします。
8. 保険を見直してみる
生命保険や医療保険、自動車保険などに入っていれば、定期的に保険料の支出があります。保障が手厚いほど保険料は高くなってしまいます。保険の見直しにより不必要な保障を外せば、保険料を抑えられることがあります。
保険の見直しをした際、今の保険では不十分と思うこともあるでしょう。資料請求ページよりフコク生命の保険の資料請求ができます。無駄を省いて必要な保障を用意するためにぜひ役立ててください。
貯金をするための注意点
お金が貯まるまでには時間がかかります。貯金を始めた後、挫折しないために、特に注意しておきたい点をご紹介します。
1. 衝動買いをしない
欲しい物があったとき、衝動買いするのは避けましょう。ただし我慢し過ぎるとストレスが溜まって、つい衝動買いしてしまうこともあります。自分が自由に使えるお小遣いも適度に確保しておくことが必要です。つまりお金を計画的に使い、適度なお小遣いを持つことで、無理な我慢をしない生活を送ることが衝動買いを防ぎ、貯金の成功につながります。
2. 無理して貯金をしようとしない
早く貯金を増やしたいという気持ちから無理な貯金額を設定すると、生活が圧迫され失敗してしまうことがあります。生活費に余裕がない状況で高額な貯金を続けると、思わぬ出費時に貯金を取り崩すことになり、貯金に対する意欲を失い、長期的な計画が妨げられる可能性があります。
まずは生活費を確保しつつ、余裕のある金額を設定することが重要です。無理のない範囲で貯金額を見直し、少しずつ増やしていくことで、継続的な貯金習慣が身につくように心がけましょう。
3. リボ払いや分割払いは控える
クレジットカードのリボ払いや分割払いは、月々の支払額が減ったように見えても、長期的には高額な手数料がかかり、支払総額が増加し貯金の妨げになります。無駄な支出を避けるため、クレジットカードの利用は1回払いを基本として大きな買い物は事前にお金を貯めてから購入するように心掛けましょう。
まとめ
将来のライフプラン実現のためには、貯金が必要です。500万円の貯金があっても、老後資金としては十分とは言えません。しかし、まずは500万円を目標に貯蓄をしてみるのもよいでしょう。
貯蓄をするには、まず家計簿をつけて、毎月の収支を把握することから始めます。その上でストレスが溜まらないように適度な小遣いを設定して、衝動買いや無駄遣いをせずに計画的な消費を心掛けることが重要です。
さらに家計の見直しをして、固定費を削減すれば、無理なく貯金額を増やせます。また保険の見直しをすることで、無駄のない保険料で必要な保障を用意することも忘れないでおきましょう。
このように変動費である日常の買い物などと無意識のうちに消費している固定費の両面から無理なく節約する習慣を身に付けることが、目標額の貯蓄成功の近道となります。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
森本 由紀(もりもと ゆき)
行政書士、FPライター。法律事務所で経験を積んだ後、独立。クライアントの生活設計や子育てについてのアドバイス、気持ちを整理するためのカウンセリングに力を入れている。FPとして、各種サイトで法律・マネー記事やコラムの執筆・監修も担当。AFP(日本FP協会認定)、2級FP技能士、行政書士
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ