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共働き夫婦の場合、夫と妻の両方に収入がありますので、家計をどちらが管理するのか、あるいはそれぞれが自分で管理するのか、あらかじめ決めておかなければなりません。
また、専業主婦(夫)の場合、専業主婦(夫)は収入がないため、夫と妻それぞれが管理したり、どちらか一方が支出を負担したりする方法は向きません。
お金の管理方法をあいまいにしたまま結婚生活をスタートすると、お金の使い方や貯め方がバラバラになり、トラブルの原因になる可能性があります。
すでに夫婦になった方はもちろん、近々結婚する予定がある方も、早い段階でお金の管理方法をしっかり決めておくことが大切です。
この記事では、共働き夫婦や専業主婦(夫)のお金の管理方法を決める前にやるべきことや、管理方法の種類と特徴、お金を貯めるコツについて解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
夫婦がお金の管理方法を決めるまでにやるべきこと
夫婦でお金を管理する方法は複数ありますが、どの方法を選択するかを決める前に、事前にやっておかなければならないことがいくつかあります。
ここでは、お金の管理方法を決めるまでにやるべきことを4つのポイントにして説明します。
予備知識として、結婚生活で必要となる生活費の目安については「新婚夫婦の生活費、どれくらいが理想?平均は?」で詳しく紹介していますので、あわせて読んでみてください。
1.お金を貯める目的(ゴール)を明確にする
お金を貯める理由は人それぞれで、マイホームを建てるための資金を作りたいという人もいれば、子どもの教育費を貯めたいという人もいます。
明確な目的がなく「とりあえず」で貯蓄しているとモチベーションがなかなか上がらないでしょう。
さらに、いつまでにいくら必要で、それまでに毎月(毎年)どのくらいのペースで貯金しなければならないのか、資金形成の計画を具体的に立てることができません。
まずは夫婦で同じ方向を向いて貯蓄できるよう、お金を貯める目的(ゴール)を明確にしておきましょう。
2.お互いの収入や貯蓄額を把握する
お金の問題はデリケートなので、たとえ夫婦や恋人であっても、お互いの収入についてあらためて話し合うのは気が引けるという方は少なくありません。
しかし、お互いの収入や現在の貯蓄状況がわからないと、どのくらい貯蓄に回せるのか、目的(ゴール)まであとどのくらい貯めればいいのか、正確な状況を把握しづらくなります。
お金の話し合いは、後回しにするほど切り出しにくくなります。
家計を共有するのであれば、結婚が決まった段階や、新婚のうちにお互いの給与明細や通帳を見せ合い、収入や貯蓄額を開示しておくことをおすすめします。
3.家計の支出を整理する
お金を管理するうえで、「毎月何に、どのくらい支出しているか」を正確に把握することは重要なポイントです。
結婚するまでは、相手が収入を何に使っているかを細かくチェックする機会はほぼないでしょう。
お金のことを話し合うときは、月や年ごとの支出をノートなどに書き出し、あらためてその内容を整理してみると良いかもしれません。具体的に何にどれくらい使っているのかを把握することで、節約できるポイントを見つけられ、具体的にいくら貯蓄に回すことができるのかを計算しやすくなります。
4.今後のライフプランや働き方を話し合っておく
お金を貯める目的を明確にするためには、今後のライフプランや働き方について話し合っておく必要があります。
ライフプランとは「人生の計画」のことで、人生で起こる大きなイベントを洗い出し、何歳でいくら必要になるかを検討することです。ライフプランのなかでは、出産や教育資金、住宅購入、車の買い替え、退職時期などを考えていきます。
子どもが生まれたら育休をとるのか、時短勤務をするかどうか、子育てを優先させてパートタイムや契約社員へ転換するか、それとも親の助けや外注などを検討して夫婦共働きをするか、なども話し合っておきましょう。
以上、お金の管理方法を決める前にやっておきたいことを4つ紹介しました。
いずれの場合も大切なのは、相手の意見を確認しながら話し合いを進めていくのが大切です。
夫婦として共同生活をしていくうえで、どちらか一方が決めたルールに従わなければならないということではありません。
きちんと相手の意向を確かめ、お互いが納得して話し合いを行うように心掛けましょう。
準備が整ったら、お金の管理方法の選択肢から、自分たちに合うものを選択していきます。
それぞれの方法に特徴・メリット・デメリットがありますので、どの方法を選択するのがベストなのか、慎重に見極めましょう。
【管理方法1】家計独立型:夫婦それぞれが管理する方法
夫婦それぞれが自分の収入を管理する方法は、家計独立型と呼ばれています。
衣類や趣味に関連するもの、交際費といった自分のものはそれぞれ自分の収入から捻出し、家賃や光熱費などの夫婦共通の出費はルールを決めて互いに負担するのが一般的です。
例えば家賃や光熱費、通信費などの固定費は夫が負担し、食費や日用品費などの変動費は妻が負担するなど、費用ごとにどちらが支払うのかを決めておく方法もあります。
家計独立型のメリット
家計独立型は、家計に関する出費以外は自由にお金を使えるため、出費のたびに相手に報告する手間が省けるところが利点です。
家計独立型のデメリット
一方で、支出が多くなりやすく、お金が貯まりにくいといったデメリットもあります。
また、どちらかが昇給したときや、妊娠・出産にともなって産休や育休に入った場合などは、負担割合の見直しが必要になります。
家計独立型を選択するときは、貯蓄用の口座を別途用意してそれぞれが毎月一定額を振り込む、収入状況に変化があったら、その都度、話し合いの場をもうけるといったルールを設定しておくことが大切です。
【管理方法2】家計共有型:どちらか一方が管理する方法
夫または妻がすべての家計を管理する方法で、家計共有型ともいいます。
給与日になったら、どちらか片方の口座または共有の口座に全額、または決まった額を入金し、一括管理します。
家計共有型のメリット
家計の管理を任せた方は基本的にお小遣い制となり、毎月決まったお金を配偶者から受け取ることになります。
毎月の収入・支出を把握しやすいため、使途不明金が発生しにくく、目標に向けて着実にお金を貯めやすいところがメリットです。
家計共有型のデメリット
家計の管理を任せている方は毎月決まったお金(お小遣い)しか使えないため、月によっては交際費が不足したりすることから、「もう少しお小遣いが欲しいな…」と不満や不平を感じやすい傾向にあります。
また、家計管理を担当する側の管理が甘かったり、得意でなかったりすると、計画通りに財産を運用できない可能性があるところが難点です。
家計共有型でお金を管理する場合は、お金の管理が得意な方を家計管理の担当に選ぶこと、お小遣いについては夫婦で話し合い、納得のいく額を定めるのがポイントです。
【管理方法3】全額一方負担型:どちらか一方が支出を負担する方法
夫または妻のどちらかが家計の支出のすべてを負担する方法で、全額一方負担型とも呼びます。
例えば夫が家計の支出すべてを負担し、妻の収入は丸ごと貯蓄に回すといったパターンがあります。
全額一方負担型のメリット
全額一方負担型のメリットは、どちらか一方の収入をまるごと貯蓄に回せることです。確実に貯蓄分を確保でき、お金の使い過ぎを回避できます。
また、お金の流れを把握しやすいこともメリットです。どちらか一方の通帳で支出を管理するため、1ヵ月の支出が分かりやすくなります。
全額一方負担型のデメリット
この方法はどちらか片方の収入が家計の支出を上回っていることを前提としているため、収入状況によっては実践できない場合があります。
また、近年は夫婦が協力して家計を支えるという考えが主流になりつつあります。
共働き夫婦で全額一方負担型を取り入れる場合は夫婦のどちらかが何らかの理由で収入がない、または減っている間に、一時的な措置として取り入れるケースが多いようです。
全額一方負担型を選択すると、家計を負担している側の収入に大きく依存した生活となるため、急な病気やケガなど不測の事態が起きた場合に何も対策をしていないと家計に大きな打撃となる場合があります。負担してもらう側もきちんと貯蓄等をして備えておくことが大切です。
もしも、夫婦どちらかが急に働けなくなった場合に家計がどうなるのか、「働けなくなったときの不足額シミュレーション」であらかじめ確認しておきましょう。
共働き・専業主婦(夫)の場合はどう管理したらよい?
ここまで、お金の管理方法について解説してきました。
では、共働きのケースと専業主婦(夫)のケースでは、どういった管理方法が向いているのでしょうか。
2つのケースで、お金の管理ポイントや注意点についてもあわせて解説します。
共働きの場合
共働きの場合、お互いに一定の収入が入るためどの管理方法でも問題ありませんが、どちらか一方が支出を負担する全額一方負担型は、どちらか一方の収入で生活費をまかない、もう一方の収入はそのまま貯蓄に回すシンプルな方法なので効率よく貯金できるでしょう。
また、それぞれが管理する家計独立型で、支出をそれぞれが担当して支払う場合、不公平感が生じることもあります。もし家計独立型を採用するなら、事前の話し合いが重要です。
専業主婦(夫)の場合
専業主婦(夫)の場合、配偶者がすべて負担する全額一方負担型となります。
夫婦どちらが家計管理を担当するかについては、どちらのほうが節約が得意か、時間的余裕があるかなどを考慮して事前に決めておきましょう。
専業主婦(夫)の場合、老後にもらえる年金額も気になるところです。専業主婦(夫)の年金額や年金の種類について、「専業主婦(主夫)に保険はいらない?みんなの加入状況や保障額から解説」や「専業主婦(主夫)がもらえる年金はいくら?年金額を増やす方法はある?」も参考にしてみてください。
お金を貯めるために気をつけること
ここからは、お金を貯めるために気をつけることについて解説します。
お互いが無理のない範囲で管理する
お金を貯めるためには、夫婦がお互い無理のない範囲でお金を管理することが重要です。
夫婦のどちらか、もしくは双方が無理をしている状態では、お金をうまく管理できる時間は長く続きません。
お金を貯めるときは、無理のない範囲で管理していくよう心がけましょう。
優先順位をしっかりと話し合う
お金を貯めるときに気をつけたいのは、夫婦で納得できる優先順位を決めることです。
たとえば、貯金のために家族旅行を諦めたり、車の買い替え時期をずらしたりするとき、それは家族にとってベストな選択でしょうか。何を優先し、何を後回しにするのかを夫婦でしっかり話し合いましょう。
優先順位を決めるときは、今後のライフイベントを洗い出し、必要になる資金や時期を把握してから話し合うとスムーズに進みます。
お金を貯めるコツは?
新婚夫婦が目標に向けてお金を貯めるために、押さえておきたいコツやポイントを4つご紹介します。
1.定期預金や保険積立を使って計画的に貯蓄する
生活費の余りを貯蓄するという方法だと、支出が増えてしまい、貯蓄に回せる分が減ってしまうおそれがあります。
毎月決まった額を貯蓄に回したいのなら、定期預金や積立保険を利用するなど、強制的に貯蓄する手段を取り入れるのがおすすめです。
例えば、将来に必要な資金づくりができる個人年金保険に、フコク生命「個人年金保険みらいプラス」があります。セカンドライフの資金準備はもちろん、将来必要になる資金を準備するにあたって有効な保険ですので、老後に向けた準備を検討している方はぜひチェックしてみてください。
2.突発的な支出をカバーできる費用を準備しておく
毎月ギリギリの生活を送っていると、ケガや病気で入院・手術をしたときや、家電が壊れたときなど、突発的な支出に対応できなくなるおそれがあります。
「万が一」が起こった場合に備え、毎月の固定費や予測をつけやすい変動費などとは別に、イレギュラーな支出に対応するためのお金も少しずつ、一定の額まで積み立てておくのがベストです。
目標(ゴール)として設定している貯蓄とは別の緊急用のお金があれば、もしものことがあった場合でも手を付けたくない貯蓄を取り崩さずに対処することができます。
3.家計管理アプリを利用する
家計管理に使えるアプリはいろいろありますが、最近では夫婦で情報を共有できる家計管理アプリが人気を集めています。
アプリに入力した情報は即座に反映され、夫・妻の両方から閲覧・確認できる仕組みになっているので、いつ・何に対して・どのくらいの支出が発生したのか夫婦で把握することができます。
家計を管理している側、任せている側の両方が現在の家計の全容をチェックできるので、家計管理の透明性が高くなります。
4.定期的に支出を見直す
お金を貯めるためには、定期的に支出を見直すことも必要です。
たとえば、使っていないサブスクに入っていたり、ほとんど行かないジムの会員料を払っていたりと見直せる部分について考え直しましょう。
一度見直せばよいものではなく、最低でも1年に一度は支出を洗い出し、不要な支出をあらためる機会を作るとよいでしょう。
5.資産運用を考えてみる
計画的に貯蓄しても、収入が増えなければ貯蓄額は大きく増えません。もちろん、長期的に積み立てることで将来的な貯蓄額は大きくなりますが、より効果的に増やしたいなら資産運用も検討してみましょう。
資産運用とは、資産を預貯金や投資に配分することで、効率よく増やすことです。預貯金のほかにも、株式や債券、投資信託などの金融商品に投資し、収入を増やすことも一つの方法です。
投資を始める場合、まずは非課税で運用できるNISAやiDeCoがおすすめです。
※自己責任で運用するため、将来の受取額は運用実績により異なります。運用結果によっては、受取額が掛金総額を下回る場合があります。
6.子どもが生まれたら学資保険を検討する
子どもが生まれたら、将来かかる教育費の貯蓄もスタートさせる必要があります。
購入のタイミングを自由に決められるマイホームやマイカーとは異なり、子どもの教育費は期限が決まっています。
妊娠中または出産直後から貯蓄の計画を立てるのが理想です。
別途教育費用の口座を用意して貯蓄しても良いですが、必要な資金を効率よく貯めたいのなら、学資保険の活用を検討しましょう。
フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」は、ご自身のライフスタイルに合わせて祝金の受取方法や保険料の払込期間を選ぶことができ、出生前からの加入も可能です。
専属の担当者がアフターサービスも行なってくれるため、すでにお子さまがいる方はもちろん、これからお子さまが生まれる予定のある方も、ぜひ検討してみましょう。
まとめ
共働き夫婦がお金を管理する際は、まずお互いの収入や貯蓄状況を開示したうえで、何のために貯蓄するのか、共通のゴールを設定する必要があります。
お金を管理する方法は複数あり、それぞれメリット・デメリットがありますので、夫婦で話し合い、自分たちのニーズやスタイルに合った方法を選択しましょう。
【執筆者】
大木千夏(おおき ちなつ)
2級ファイナンシャルプランナー技能士・AFPをもつ金融系ライター。独立系FPとしても活動し、お客様の将来の夢を実現するためのお手伝いをしています。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。