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結婚すると、結婚指輪や結婚式、新婚旅行、新生活の準備などにお金がかかります。
そのため、結婚を考えているカップルの多くは貯蓄に励んでいますが、具体的にどのくらいのお金が必要なのか、いくら貯めたら結婚できるのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ゴールが見えないと貯蓄の計画・目標が立てにくくなりますので、あらかじめ結婚に必要な貯蓄額をチェックしておきましょう。
この記事では、結婚に必要な貯蓄額や、貯蓄計画の立て方などについて解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
結婚にかかる費用の総額はいくら?
結婚に向けて貯蓄を始めるにあたり、まず知っておきたいのは結婚にかかる具体的な費用です。
結婚情報誌ゼクシィでおなじみの株式会社リクルートが公開している「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、結婚にかかる費用の平均額は415.7万円です。
ここでいう「結婚費用」とは、結納にかかる費用から、婚約・結婚指輪代、結婚式・披露宴代、新婚旅行の費用、新婚旅行のお土産代まで含むものです。
なお、415.7万円は全国平均です。そのため、地域によっては平均額を上回ったり、下回ったりすることがあります。
結婚費用の内訳や、それぞれの平均額は、「結婚式の費用はいくら必要?費用の内訳と準備する方法を解説」で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
結婚までの平均貯金額はいくら?
結婚するのに必要な費用の平均は415.7万円ですが、必ずしも結婚までに400万円以上の大金を貯めなければいけないというわけではありません。
1.夫婦の結婚費用のための平均貯金額
実際に結婚費用を貯めていた夫婦の貯蓄額は、「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると全国平均(推計値)で317.2万円であり、結婚にかかった費用の平均額より100万円程度少なくなっています。
そもそも結婚にかかる費用は個人差が大きく、結納や結婚式・披露宴、新婚旅行の有無とその規模・行き先、購入する指輪の種類などによって、平均額から大きく乖離することもあります。
2.親や親族から結婚費用を援助してもらえる場合もある
双方の親や親族から結婚費用を援助してもらえるケースも多いです。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、親や親族からの援助額の全国平均(推計値)は181.1万円となっています。
3.披露宴をおこなう場合は一般的にご祝儀を受け取れる
披露宴をおこなう場合には、列席者からご祝儀または会費を受け取るのが一般的であり、その分だけ夫婦の負担は軽減されます。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、ご祝儀制の披露宴・ウエディングパーティを実施した夫婦が受け取ったご祝儀総額の全国平均(推計値)は197.8万円です。
親や親族から援助を受けられ、ご祝儀も受け取るのであれば、夫婦の実質的な負担はかなり軽くなるでしょう。
貯蓄が少ないからといって悲観せず、実際に必要な支出を把握して必要な結婚費用を貯めるにはどうすれば良いか、しっかり話し合うことが大切です。
結婚までに必要な資金を把握しておくことが大切
結婚費用の内訳は多岐にわたりますが、なかでも大きな費用がかかるのは、「婚約指輪・結婚指輪」「結納」「結婚式・披露宴」「新婚旅行」の4つです。
これらの費用は支払いのタイミングが異なります。一度に全額用意するのが難しい場合でも、それぞれお金が必要になるタイミングに合わせて計画的に準備することで、うまく乗り切りましょう。
以下では、いつまでに、どのくらいの費用を用意しておけば良いのかを、一覧にまとめました[参考1]。
主な結婚費用の項目に対する支払時期の目安と平均費用(全国・推計値)
結婚費用の項目 | 支払時期の目安 | 平均費用 | |
婚約指輪 | 挙式の13.4ヵ月前 | 38.2万円 | |
結婚指輪 | 挙式の10.6ヵ月前 | 28.1万円 (2人分) | |
結納 | 結納式 | 挙式の9.2ヵ月前 | 20.6万円 (食事を含む費用) |
両家の顔合わせ | 挙式の9.8ヵ月前 | 6.7万円 (食事を含む費用) | |
結婚式・披露宴 | 挙式の2〜3週間前 | 327.1万円 (挙式・披露宴の総額) ※自己負担額の平均153.7万円 | |
新婚旅行 | 予約時〜出発3週間前 | 43.4万円 (お土産代を除く2人分の旅行費用) |
それぞれの費用について、詳しくみいきましょう。
1.婚約指輪・結婚指輪
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、婚約指輪と結婚指輪の購入額の全国平均(推計値)は、それぞれ38.2万円、28.1万円(2人分)となっています。
費用をおさえるには、婚約指輪は購入せず、普段から身につけやすいシンプルな結婚指輪のみ購入するのもひとつの方法でしょう。中には、婚約指輪の代わりに時計やネックレスなど、他の記念品を購入する方もいるようです。
婚約指輪と結婚指輪の平均的な購入時期は、それぞれ挙式の13.4ヵ月前、10.6ヵ月前です。
2.結納
結納については、儀式としての「結納(結納式)」はおこなわず、両家の顔合わせのみおこなうケースが多いようです[参考1]。
結納・両家の顔合わせの実施状況(全国・推計値)
両方をおこなった | 結納のみおこなった | 両家の顔合わせのみおこなった | どちらもおこなわなかった | 無回答 |
6.2% | 1.6% | 83.5% | 8.6% | 0.2% |
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、食事を含む結納式の費用と両家の顔合わせの費用の全国平均額(推計値)は、それぞれ20.6万円、6.7万円となっています。
両家の顔合わせのみおこなう場合は6万円程度を用意しておけばよいのですが、両方おこなう場合には30万円程度の費用を想定しておきましょう。
また、結納(結納式)や両家の顔合わせは、挙式の9〜10ヵ月前におこなうのが一般的です。
3.結婚式・披露宴
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、結婚式と披露宴・ウエディングパーティにかかる費用の総額は、全国平均(推計値)で327.1万円。結婚費用の中でも大きな割合を占めます。
なお、ご祝儀制の披露宴・ウエディングパーティでは、受け取れるご祝儀の分だけ負担が軽減され、夫婦の実質的な負担額の全国平均(推計値)は153.7万円となっています。 親からの援助なども期待できるなら、過度に心配する必要はないといえるでしょう。
一方で、途中でプランを変更したり、列席者の数が増えたりして、全体の8割近くのケースで当初の見積りよりも金額が上がっており、上乗せ額は平均で97.5万円におよびます。二次会やその他の諸費用なども含め、なるべく余裕を持って準備しておきたいところです。
結婚式・披露宴にかかる費用は、多くの式場が「前払い」で、成約時に5〜20万円程度の内金を支払い、挙式の2〜3週間に残額を支払うのは一般的です。
一部の式場では、当日払いやカード払いができる場合もあり、ご祝儀を支払いに充てることも可能です。
結婚式・披露宴にかかる費用を全額前払いするのが難しい場合には、当日払いやカード払いができる式場を選ぶのも手でしょう。
4.新婚旅行
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、お土産代を除く2人分の新婚旅行費用の全国平均額(推計値)は43.4万円です。
新婚旅行に行かなかった(行かない)夫婦が約2割(22.2%)いる一方、新婚旅行に行った夫婦の2.5%は150万円以上かけています。
新婚旅行代金の支払い時期の目安は、予約時〜出発3週間前。インターネット予約の場合は予約時の一括払い、店頭申し込みの場合は、予約時に内金、出発3週間前に残金を支払うケースが一般的です。
結婚式が終わってから検討し始める夫婦も多く、比較的支払い時期や金額を調整しやすい費用といえるでしょう。
参考1:ゼクシィ「結婚トレンド調査2023 首都圏」
結婚費用を上手に貯金する秘訣は?
ここでは二人で協力して結婚費用を計画的に準備していくうえで心がけたいポイントを4つご紹介します。
1.お互いの金銭感覚を確認しておく
お互いの金銭感覚を確認しておくことは、結婚費用の貯金だけでなく、結婚後に二人で生活していくうえでも重要です。
金銭感覚は、一緒に買い物へ行った際や、持ち物、プレゼントの値段などからも垣間見えます。欲しいと思ったものを無計画にすぐ買ってしまったり、使うべきところになかなかお金を使えなかったりすると、金銭面だけでなく、精神面にも負担がかかり、ケンカや別れの原因にもなりかねません。
金銭感覚のずれを感じた場合は、お互いに指摘し合い、改善する努力をしましょう。
例えば趣味に際限なくお金を使ってしまう人は、使っても良い金額を事前に決めておく、お金のかからない別の趣味を見つけるなどの対策が有効です。
2.お金の管理方法を決めておく
二人で協力して貯めていくお金をどのように管理するか決めておきましょう。
確実に結婚費用を貯めるには、結婚費用のための口座をつくり、毎月の給料を受け取ったら、一定額ずつその口座に移していくのがおすすめです。
収支や貯金額を共有して把握できる「家計簿アプリ」や「資産管理アプリ」、指定した金額を口座から自動で引き落とし積立用口座に入金できる「定額自動入金サービス」なども活用すると良いでしょう。
毎月の積立額は、目標額とお金が必要になる時期から逆算して決めます。
3.無理に貯金しようとしない
希望をすべて叶えようとすると、予算はどんどん膨らんでしまいます。希望には優先順位をつけ、無理なく準備できる予算の範囲で、優先順位の高いものから実現していきましょう。
無理に希望を叶えようとして、結婚の時期が遅れたり、お互いの仲が険悪になったりしては本末転倒です。
無理なく貯金額を増やすには、毎月決まって出ていく固定費の見直しが有効です。スマホの通信プランやあまり利用していない定額サービス(サブスクリプションサービス)の解約なども検討すると良いでしょう。
4.不満を感じたらすぐに話し合う
結婚費用の貯金をしていくなかで不満を感じることもあるかもしれません。お金を貯めるには、今までは自分のために使えていたお金が減り、我慢すべき部分も出てきます。そのようなときは、なるべく早めに二人で話し合い、互いに納得できる解決法を見い出したり、譲歩したりすることで不満を溜め込まないようにしましょう。
結婚費用を貯めるまでの流れ
先に記載した表をもとに、結婚費用の貯蓄計画を立てるときのポイントを4つご紹介します。
1.現在の二人の貯蓄額を把握する
まずは、現時点の二人の貯蓄額を正確に把握するところから始めましょう。
それぞれ通帳を持ち寄り、総額でいくらあるのか計算します。
投資をしているのであれば、金融資産についても把握しておきましょう。
2.いつまでに、いくら貯めるのか計画する
二人の貯蓄額などの資産がわかったら、いつまでにいくらくらい貯める必要があるのかを確認します。
どの項目にいくらかかるのか、この時点では詳しく算出することはできませんので、平均相場をベースにして考えると良いでしょう。
二人の貯蓄額は合算しても良いのですが、別々に出す場合は負担割合もしっかり決めておきます。
3.親からの援助の有無を確認する
結婚式にかかる費用について、親や親族から援助を受けられるかどうかは、貯蓄の目標額を大きく左右する重要な要素です。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏」によると、結婚費用に関して親や親族からの援助が「あった」と回答した夫婦は全体の78.7%にのぼる一方で、約5組に1組(21.3%)の夫婦は援助が「なかった」と回答しています。
また、親・親族からの援助額の全国平均(推計値)は181.1万円ですが、あくまで平均ですので、実際にどのくらいの援助を受け取れるかは人によって異なります。
援助額が想定より多ければ問題ありません。しかし、想定額を下回っていた場合、貯蓄額が少ないと結婚費用が不足する恐れがあります。
お金の問題なので、双方の親に直接尋ねるのは気が引けるかもしれませんが、結婚の貯蓄計画を立てるうえで大きなウエイトを占める要素ですので、援助の有無や具体的な金額を提示してもらうことをおすすめします。
4.最終的な貯蓄の目標額を決める
自分たちの貯蓄額や、親からの援助額などをもとに、いつまでに・どのくらいのお金を貯めておくべきか、最終的な目標額を設定します。
貯蓄計画を立てたら、スケジュール表やスケジュールアプリなどを使って情報をまとめておくと、進捗状況がわかりやすくなります。
結婚後に必要になるものも事前に確認しておこう
結婚後は、夫婦ふたりでの新生活がスタートします。
新しい生活は何かと物入りですので、結婚にかかる初期費用だけでなく、結婚後の生活に必要なお金も合わせて貯蓄しておくと、生活の基盤を整えやすくなります。
1.引越し
結婚を機に引越しする場合には、その費用も準備しておきましょう。
アパートや賃貸マンションの賃貸契約時には、家賃の0〜2ヵ月分程度の敷金・礼金、仲介手数料、火災保険料などの費用がかかります。引越し先の物件や時期によっても費用は大きく変わりますが、引越し業者への支払いなども含め、20〜30万円程度の費用は想定しておくべきでしょう。
マイホームの購入を検討しているのであれば、希望の条件や資金計画などを夫婦で話し合い、早めに準備を始めることをおすすめします。
2.家具・家電
リクルートブライダル総研が実施した「新婚生活実態調査2023」によると、新婚生活を始めるにあたって、約8割の夫婦がインテリア・家具、家電製品の支出がある(予定を含む)と回答しています。
購入(支出)金額の平均は、インテリア・家具が24.4万円、家電製品が28.8万円となっています。
人によっては車を購入したり、生命保険に加入したりする費用も必要になりますので、結婚費用と同様、何に・どのくらいの費用がかかるのかを項目別に書き出していくと良いでしょう。
新婚生活で必要な家具の選び方や費用を抑えるコツなどについては、「新婚生活で必要な家具・家電とは?費用や選び方のポイントを紹介」で紹介していますので、参考にしてください。
3.保険を見直す
このタイミングで保険の見直しをおこなうのもおすすめです。現在お互いが保険に加入しているのであれば、内容の確認や受取人変更をしておきましょう。 加入していない場合には、パートナーのために保険の加入を検討しましょう。自分にはどんな保障が必要かわからない方は、「あなたにぴったりな保障がわかるシミュレーション」を試してみてください。
新婚生活にかかる費用について、いまいちイメージが湧きにくい場合や、実際の生活でやりくりがうまくいかないと感じた場合は、ファイナンシャルプランナーなど、お金のプロに相談することも検討しましょう。
周りの新婚カップル・友達に相談してみるのもおすすめです。
ファイナンシャルプランナーへの依頼は基本的に有料ですが、新婚生活の費用だけでなく、税金や保険についても相談できるため、お金に関するアドバイスをまとめて受けることができます。
その際、今後の生活や将来の目標などを箇条書きにしてまとめておくと、より具体的なアドバイスをもらえますので、夫婦ふたりで事前にしっかり話し合っておくことをおすすめします。
また、自治体によっては新婚生活を始めるための補助金・助成金がもらえることもあります。詳しくは「新婚カップルのための補助金・助成金一覧」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
結婚には、婚約・結婚指輪の購入、結納、結婚式・披露宴、新婚旅行など、さまざまなお金がかかります。
総額は平均で400万円以上ですが、支払い時期は異なり、親や親族の援助やご祝儀があれば自己負担分は軽減されるため、必ずしも400万円貯めなければ結婚できないわけではありません。結納や婚約指輪を省略する、新婚旅行を兼ねて少人数で海外挙式をおこなうなど、費用を節約するコツもあります。
いつまでに、どのくらいの費用を貯めれば良いのかきちんと把握できていれば、結婚の準備を進めつつ、必要な費用を貯蓄することができます。ふたりで話し合って計画的にお金を貯めていきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ