新婚カップルのための補助金・助成金一覧

新婚カップルのための補助金・助成金一覧

入籍して年収や年齢などの要件を満たせば、住居を購入した場合や、住居を借りる場合の費用の補助を受けられる「結婚新生活支援事業」という制度を用意している自治体があります。このように新婚カップル向けに、独自の補助金・助成金を用意している自治体は多く存在します。

この記事では、結婚新生活支援事業の概要の他、新婚カップル向けの代表的な自治体の補助金・助成金制度を紹介します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

新婚カップルのための補助金・助成金は何がある?

新婚カップルの住居の購入費や賃貸の家賃・敷金・礼金などを補助する「結婚新生活支援事業」をご存じでしょうか。

2020年9月に、「内閣府がこの結婚新生活支援事業の補助金額の上限を30万円から60万円に引き上げる方針を固めた」と報道され、SNS上でも話題となりました。

その影響で、他にも新婚カップルのための自治体独自の補助金や助成金が多く存在することも知られるようになっています。

では、新婚カップル向けの補助金や助成金にはどんなものがあり、どんな条件を満たすと受け取れるものなのでしょうか。この記事では、新婚カップルにとってうれしい制度を紹介していきます。

いま話題の「新婚世帯が60万円もらえる制度」とは?

いま話題の「結婚新生活支援事業」は2016年にスタートした事業で、要件を満たした新婚カップルが自治体から上限30万円(来年から60万円)を受け取ることができる制度です。

少しずつ支給金額や世帯の所得要件、事業を行う自治体が増えるなど拡充は進んでいます。しかし、頻繁に変更になっているため情報が錯綜している制度ですので、ここで一度整理しておきましょう。

令和2年度の結婚新生活支援事業の概要

まず内閣府の資料をもとに、いま現在の結婚新生活支援事業の概要を解説します。

対象となるのはどの自治体?

この補助金を受け取るための最大の要件は、お住まい(予定含む)の自治体が結婚新生活支援事業を実施しているかどうかです。

令和2年7月10日時点で実施しているのはわずか281市区町村で、東京都などの都市部はほとんど該当しません。対象となる自治体はこちら(内閣府ホームページに飛びます)からご確認ください。

お住まい(予定含む)の自治体がこの事業の対象であれば、このまま読み進めましょう。もし対象でない場合は、「自治体独自の補助金を紹介!」をぜひ参考にしてください。

対象となるのはどんな世帯?

補助金を受け取れる世帯の要件は以下のとおりです。

①令和2年1月1日から現在住んでいる市区町村の事業終了日までに入籍した世帯

②夫婦の所得合計が340万円未満(ただし奨学金返還中の場合は、奨学金の年間返済額を夫婦の所得から差し引くことが可能)の世帯※年収に換算すると約480万円

③夫婦ともに婚姻日時点での年齢が34歳以下の世帯

④その他、各市区町村が定める要件を満たす世帯

対象となるのはどんな費用?

補助金を受け取れるのは、結婚に伴い新居を購入または借りる場合です。

具体的に補助の対象となる費用は以下のとおりです。

①新居の住居費(新居の購入費や家賃、敷金・礼金、共益費、仲介手数料)

②新居への引っ越し費用(引っ越し業者や運送業者に支払った引っ越し費用)

受け取れる金額はいくら?

上記①・②の費用を合計して、1世帯当たり30万円が上限 ※自治体によって異なる場合があります。

どうやって申請する?

自治体ごとの「結婚新生活支援事業補助金交付申請書」や所得証明書、戸籍謄本などの必要書類を、お住まいの市区町村の窓口に直接申請します。 必要書類や窓口は自治体により異なるため、事前にホームページなどで確認しましょう。

令和3年度は上限が60万に!その他緩和される要件とは?

令和3年度には、補助金の上限額が60万円に増えるだけでなく、受け取り対象世帯の要件も緩和される予定です。

対象となるのはどんな世帯?

①令和3年1月1日から現在住んでいる市区町村の事業終了日までに入籍した世帯

②夫婦の所得合計が420万円未満(ただし奨学金返還中の場合は、奨学金の年間返済額を夫婦の所得から差し引くことが可能)の世帯※年収に換算すると約540万円

③夫婦ともに婚姻日時点での年齢が39歳以下の世帯

④その他、各市区町村が定める要件を満たす世帯

受け取れる金額はいくらになる?

令和2年度と同じく住居費や引越費用を合計して、1世帯当たり60万円が上限

※自治体によって異なる場合があります。

自治体独自の補助金を紹介!

日本では、その他にも少子化対策として地域特性に応じた支援に取り組んでおり、自治体ごとにさまざまな支援が用意されています。

以下では、6つの自治体の事例を紹介します。 ※2020年10月時点での情報です。今後、自治体により変更や打ち切りの可能性があるため、利用の際は必ず自治体のホームページなどで確認してください。

結婚新生活支援事業に5万円上乗せ「茨城県日立市」

前述した結婚新生活支援事業に補助金を上乗せしている自治体もあります。その一例として、「茨城県日立市」は補助金30万円に5万円を上乗せして35万円としています。

定住したら祝金がもらえる「香川県さぬき市」「群馬県桐生市黒保根町」

結婚後1年以上居住し、その後も定住する意思がある場合は10万円分の共通商品券が受け取れる「香川県さぬき市」や、結婚後に定住する意思があれば5万円、床面積66㎡以上かつ1,000万以上の住宅を新築した場合は新築祝金15万円が受け取れる「群馬県桐生市黒保根町」のように、祝金を複数用意する自治体もあります。

新婚さんいらっしゃい事業「岐阜県中津川市」

岐阜県中津川市」では、以下の要件を満たした場合、月額最大1万円(×最大12ヵ月)が補助されます(世帯の合計所得が340万円未満の世帯には、引っ越し費用を最大3万円補助)。

①結婚後6ヵ月以内の夫婦でどちらか一方が世帯主

②夫婦の合計年齢が80歳以下

③市内の民間賃貸住宅に入居され、市に住民票がある

④家賃の月額が4万円を超えている(共益費、駐車場代、受託手当などを除く)

出会いからサポート「兵庫県南あわじ市」

自治体として出会いの場を提供したり、男女をマッチングする仕組みを用意し、登録料を一部補助するケースも多くあります。

とりわけ兵庫県南あわじ市は、「ハッピーマジックの会」という出会いの場を提供する他、家賃補助や結婚支援生活支援補助金など、出会いから結婚までの一連の流れをサポートしています。

・ハッピーマジックの会

男性は20歳以上60歳未満の独身で淡路島在住、在勤または出身者のみ、女性は20歳以上60歳未満の独身であれば入会でき、定期的な交流イベントの開催やお見合い相談などが行われています。

出産祝金が手厚い「長野県天龍村」

長野県天竜村」も、結婚相談所などの入会金・登録料に援助を行う他、結婚祝金や出産祝金を用意しています。

結婚祝金

天龍村に2年以上居住及び住所を有し、かつ永住の意志がある夫婦に、1組5万円を支給します。

出産祝金

夫婦のいずれかが天龍村に2年以上居住及び住所を有し、かつ永住の意志のある夫婦に、第1子と第2子が誕生した場合は各20万円、第三子以降は各50万円を支給します。

まとめ

結婚新生活支援事業がインターネットやSNSで話題となり、自治体独自の新婚カップル向けの補助金や助成金にも注目があつまっています。

婚約中や新婚カップルは、これから居住する自治体にはどんな制度があるのかやその要件、金額などを事前にしっかり確認しておきましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

【執筆者】
ファイナンシャルプランナー
金子 賢司(かねこ けんじ)

個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。