子なし夫婦の老後対策とは?選択理由や備えについて詳しく解説

子なし夫婦の老後対策とは?選択理由や備えについて詳しく解説

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子なし夫婦のなかには、「子どもを持たないことを選択した自分たちは少数派なのだろうか」「子どもがいないことで老後どのような影響があるのだろうか」などさまざまな不安や疑問を抱いている方もいるかもしれません。

この記事では、子なし夫婦の現状や選択理由、老後対策などについて詳しく解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

子なし夫婦を選択する人は増えている?

子なし夫婦を選択する人が増えているかについて、断定はできません。ただし、出生率や出産・育児の現状からある程度推測することができます。
まずは、出生率と出産・育児の現状から見てみましょう

出生率の現状

内閣官房が発表しているデータによると、2022年の1〜10月までの出生数は前年の同じ期間と比べると4.8%も少なくなっています。出生人数でいうと、2022年の年間の出生数は、初めて80万人を下回ると予想されています。[参考1]

出生率が低下している原因はさまざまですが、ひとつとして未婚率の上昇が挙げられます。日本では、1975年頃から未婚率が各年齢層で上昇しています。特に25〜29歳の女性の未婚率は、1990年時点で40.4%だったのに対し、2020年時点では62.4%と大幅に上昇しました。[参考2]

参考1:内閣官房こども家庭庁設立準備室「こども・子育ての現状と若者・子育て当事者の声・意識
参考2:内閣府「令和4年度版 少子化社会対策白書

出産・育児の現状

日本の出産・育児の現状について解説します。
まず出産の現状ですが、出産年齢は高齢化してきており、第一子出産時の女性の平均年齢が1975年は25.7歳だったのが、2021年には30.9歳となっています。[参考3]

また、周産期死亡率は、母親の年齢が45歳以上になると、20歳代の3倍近くに達しています。[参考4]
よって、高齢で結婚した夫婦、あるいは子どもができないままある程度年齢が経過した夫婦は、出産リスクを避けるために、子なし夫婦を選ぶ層も一定数存在すると考えられるでしょう。

育児については、障壁となっている待機児童問題に改善の兆しが見られます。実際に待機児童数は、4年連続で減少しています。[参考5]
そのため、以前よりも育児がしやすい環境が整いつつあると考えられます。

参考3:厚生労働省「令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況
参考4:厚生労働省「妊産婦の診療の現状と課題
参考5:厚生労働省「令和4年4月の待機児童数調査のポイント

子なし夫婦を選択する理由

子なし夫婦を選択する理由には、さまざまなものがあります。ここからは、子なし夫婦を選択するおもな理由について解説します。

今の仕事を続けていきたい

子なし夫婦を選択する理由として、今の仕事を続けていきたいという声もあります。理由として、仕事と育児の両立は容易ではないと感じている人が多いためです。

実際に2015~2019年時点では、約3割の女性が、出産・育児を機に退職しています。[参考6]
また、女性の年齢階級別正規雇用比率は、25~29歳の58.7%を上限に低下しています。このことからも、仕事と育児の両立の難しさがうかがえます。

実際に若年層の意見としても、以下のように仕事と育児の難しさについて言及しているものがあります。

  • 特に女性にとって、子育てとキャリアを両立することは困難。(24歳/大学生・大学院生/女性)
  • フルタイム共働きで子育ては無理があるかもしれない。(28歳/会社員/男性)
  • 保育施設に預けられず、職場復帰が遅れてしまうことは問題。(24歳/大学生・大学院生/女性)[参考6]

ただし仕事の継続を優先することで、経済的不安が軽減されるという側面もあります。

参考6:内閣官房こども家庭庁設立準備室「こども・子育ての現状と若者・子育て当事者の声・意識

将来に不安を抱えている

将来への不安も、子なし夫婦を選択する理由のひとつです。例えば、低賃金や雇用の不安定化、年金制度への不信感などが原因で不安を抱く夫婦が多いです。
内閣官房こども家庭庁設立準備室の調査によると、2021年時点では子どもを持たないという選択をした夫婦のうち、60.4% が「子育てや教育にお金がかかりすぎる」ことを理由として挙げています。[参考7]

この傾向は若い世代ほど顕著です。おもな原因としては、20代や30代といった子育て世代の所得の減少が考えられます。
また内閣官房こども家庭庁設立準備室の調査によって、1997年の20代は年収が300万円台の雇用者の割合がもっとも多かったことがわかっています。[参考8]

国税庁の民間給与実態統計調査によると、2021年の平均年収は20〜24歳で269万円、25〜29歳で371万円です。[参考9]
大きく捉えると、1997年と2021年で20代の平均年収はあまり変化がないといえるかもしれません。しかし、給与は業種や企業規模、地域などによっても変わることから、20代という年齢のくくりの中で、収入の格差が生じるのも事実です。
実際、若年層の人のなかには、以下の理由で子どもを持つのが難しいと考えている人がいます。[参考10]

  • 自分がこれから先、こどもの生活を保障できるほどお金を稼げる自信がないので、こどもを持つことに後ろ向き。 (24歳/大学生・大学院生/選択しない)
  • コロナ禍で、突然仕事がなくなったり、解雇されたりすることへの不安が強くなった。(28歳/会社員/男性)
  • 教育費が昔より高くなっているのでは。経済的負担を考えると1人しか産めなさそう。(22歳/大学生・大学院生/女性)

一方で、将来への不安が解消されれば、子どもを持つという選択をする夫婦が増える可能性もあるという見方もできます。

参考7・8:内閣府「第1部 少子化対策の現状と課題
参考9:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査(調査結果報告)

精神的・経済的に余裕を持ちたい

子どもを持つことで、精神的に疲弊すると考える人もいます。実際に子育てをして負担に思うこととして「子育てによる精神的疲れが大きい」という項目の割合は、2015年から2022年にかけて14.6ポイント増加しています。[参考11]
また、先ほども触れたとおり、子育てには多くの資金を要します。よって、経済的余裕を持つために子どもを持たないという選択をする夫婦もいます。

パートナーとの時間やそれぞれの時間を楽しみたい

子なしを選択する夫婦のなかには、パートナーとの時間やそれぞれの時間を楽しみたいと考える方もいます。
実際に、 8.2%の夫婦が子どもを持たない理由に「自分や夫婦の生活を大切にしたいから」を選択しています。[参考12]

参考10・11・12:内閣官房こども家庭庁設立準備室「こども・子育ての現状と若者・子育て当事者の声・意識

子なし夫婦を選択した際に考えておくべきこと

続いて、子なし夫婦を選択した際に考えておくべきことについて解説します。

自分たちの将来・老後について備えておく

子なし夫婦を選択した場合、自分たちの将来や老後について、資金や介護の計画を立てしっかりと備えておく必要があります。
厚生労働省の調査によると、2025年には65歳以上の人口が全体の約30%に達するとされています。[参考13]
そのため、高齢者が高齢者の介護をする「老々介護」問題もより深刻になる可能性があります。

子なし夫婦の場合は、老後のリスクがより高まる傾向があるため、貯蓄や保険などを活用してしっかりと備えておきましょう。

参考13:総務省「今後の介護保険をとりまく状況

遺産相続や不動産相続について考えておく

子なし夫婦は、遺産相続や不動産相続について事前によく検討することが重要です。子どもがいない場合、相続先をどうすべきか決めておく必要があります。
遺産や不動産を相続させたい人がいる場合は、遺言書に明記しておきましょう。
ただし、遺留分減殺請求などにより、すべての財産を夫婦の意思どおりに相続するのは難しいケースがあります。[参考14]

参考14:裁判所「遺留分減殺による物件返還請求調停

周りからプレッシャーをかけられる可能性がある

周囲から結婚したなら子どもを持つべきだというプレッシャーを受ける可能性があります。社会的な価値観や家族・親戚との関係などにより、子どもを持たないという選択に対して理解を得られないことが起こり得ます。

周りの目を気にしないというスタンスであればあまり問題になりませんが、そうでない場合は肩身の狭い思いをしてしまう恐れがあります。ただし、あくまで自身の人生であるため、夫婦の意思を最優先で尊重したほうがよいでしょう。

夫婦2人に必要な老後資金はどれくらい?

子なし夫婦の場合、老後に必要な老後資金はどれくらいなのでしょうか。

ここでは平均寿命の伸びを考慮し、60歳から30年間生きると仮定した場合の必要資金について解説します。
まず、令和3年現在、年金受給額は平均で基礎年金5万6,368円、厚生年金14万5,665円のため、仮に基礎年金と厚生年金の両方がもらえるとすると、20万2,033円がもらえる計算になります。[参考15]

また、生命保険文化センターが行った調査によると、老後の日常最低生活費は月あたり平均23.2万円必要ということがわかっています。[参考16]
この時点で最低生活費よりも、もらえる額が少ないことがわかります。ゆとりのある生活となると、老後資金はさらに必要になるでしょう。

ただし実際の生活費は、居住地域や持ち家の有無などで変動します。具体的に必要な金額は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に算出してもらうのがおすすめです。

老後資金や年金についてより詳しい情報が知りたい場合は、下記の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:わたしが老後にもらえる年金はいくら?平均は?
関連記事:老後資金はいくら必要?年金だけでは足りない?金額の目安や備える方法について

参考15:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
参考16:公益財団法人 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?

子なし夫婦の老後の備え方

子なし夫婦が老後に備える方法としては、以下の4つが挙げられます

1.収支を見直し家計簿をつける

家計簿をつけることで、毎月の収支が明確になり、無駄な出費も把握できます。そのため、毎月の固定費削減が期待できます。固定費を削減することで、浮いた資金を貯蓄や資産運用に回すことが可能です。

家計簿は、アプリでつけるのがおすすめです。手軽で継続しやすく、便利な機能もついています。
家計簿については「家計簿に必要な項目とは?家計簿をつける際のポイントなども徹底解説!」の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はぜひご覧ください。

2.住宅ローンを見直す

住宅ローンを見直すことで、金利が下がって返済額を抑えられる可能性があります。例えば、ローンの残債が2,000万円、残りの返済期間が10年の場合、年利0.6%と0.5%で総返済額が以下のように変わります(固定金利)。[参考17]

  • 年利0.6%:約2,062万円
  • 年利0.5%:約2,051万円

このように、年利が0.1%下がるだけで総返済額を約11万円も抑えられます。ローン残債や返済期間によっては、総返済額の差はより大きくなります。
ただし、年利低下によって浮いたコストよりも、ローン借り換え手数料が高額になる可能性もあります。よって、ローン借り換えは慎重に行いましょう。

参考17: 住宅金融支援機構の「フラット35サイト」「借入希望金額から返済額を計算」を元に試算

3.NISA・iDeCoを活用する

NISA・iDeCoは、どちらも一定額までの投資による運用益が非課税となるため、節税しながら資産を増やせる可能性があります。
NISA・iDeCoはいずれも積立金額をある程度自由に決められるため、毎月無理のない金額を着実に資産運用資金へ回していくことが可能です。
NISA・iDeCoそれぞれの詳細については下記の記事で解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。

関連記事:【NISA】47都道府県、NISAを活用しているのはどこ?月々の掛金は?
関連記事:【iDeCo】47都道府県、iDeCoを活用しているのはどこ?月々の掛金は?

4. 保険の検討や見直しを行う

子なし夫婦は、困ったときに子どもに頼るという選択肢がないため、夫婦で支えあうケースが多いようです。医療費の不安や、どちらかに万一のことがあった場合の生活費のやりくりについて、考えておく必要がありますので、医療保険や生命保険で備えることをおすすめします。反対に不必要な保険を解約することによって、貯蓄や資産額を増やしておいたほうがよいでしょう。

まとめ

ベストなライフスタイルは、個人や夫婦の価値観によって異なります。子どもを持たないという選択肢は、価値観が多様化している現代では珍しいものとはいえません。
ただ、子どもがいる方と比較すると夫婦で支えあうケースが多くなりますので、老後の備えについてもしっかりと考えておくことが大切です。
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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。