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最近、終活の一環としてエンディングノートを作成する方が増えてきています。
エンディングノートは自分の人生を見つめ直すきっかけになると同時に、もしものことがあった際、遺された家族に必要なことを伝える手段にもなります。
エンディングノートは思い立ったときにすぐ書き始められますので、興味・関心がある方は基本的な書き方をチェックしておきましょう。
この記事では、エンディングノートの基礎知識や目的、作成するメリット、記載する項目、書き方のポイント、注意点について解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、これまでの人生を振り返り、自分の考えや想いを綴ったり、個人情報を記録したりする備忘録のことです。別名「終活ノート」とも呼ばれており、近年は書店や文具店などで専用のノートが販売されているほか、自治体で配布しているところもあります。
エンディングノートの様式に決まりはなく、書きたいことを自由に記載します。記載する項目は、「遺された家族の負担を減らしたい」「自分の人生を振り返りたい」といった目的に合わせて決めるのが一般的です。
何歳から書くべき?
「終活」というとシニア世代が行うものというイメージがありますが、「◯歳になったら終活を始める」といった明確なルールはありません。
そもそも人生ではいつ、どんなことが起こるかわかりません。もしものときに備えて若いうちからエンディングノートを書き始めておくと、遺族の助けになるだけでなく、自分の人生の見直しもできますよ。
実際、20代や30代のうちからエンディングノートを書き始める方もいますので、もしもに備えたいと思ったら、年齢にかかわらずエンディングノートの作成に取りかかってみましょう。
遺言書との違い
エンディングノートと遺言書は、もしもの場合に備えて作成するものという点では共通しています。
しかし、適切な方法で作成すれば法的効力を発揮する遺言書とは異なり、エンディングノートはあくまで個人の備忘録であるため、法的効力を有しません。
相続財産の分割について要望がある場合は、エンディングノートではなく、正しい方法に則って遺言書を作成しましょう。
エンディングノートの目的やメリット
エンディングノートを作成する目的や、期待できるメリットは大きく分けて4つあります。
1.生活・経済状況を見直せる
今後どのような生活を目指すのか、これまでどんな人生を歩んできたのかを考えるためには、現在の生活や経済状況を振り返る必要があります。
現在の資産や収支の状況がわかれば、今後のライフプランを立てたり、遺言書を作成する際の貴重な情報源として活用したりできます。
また、現在の生活・経済状況が可視化されると、無駄な支出が見つかったり、必要な備えが不足していることに気づいたりするきっかけにもなります。
2.家族の負担を少なくできる
不慮の事故や病気によって本人が意思表示できなくなると、どのように介護してほしいのか、延命措置を施してほしいのかなどの希望や、必要な情報を確認できなくなってしまいます。
エンディングノートに介護や延命措置の希望、もしものことがあった場合の葬儀費用などの情報が記載されていれば、家族が判断に悩むような問題も解決しやすくなります。
3.万一に備えて伝えておきたいことをまとめておける
万一のことは、いつ、どこで起きるか誰にも予測はできません。
エンディングノートに家族や友人への想い、メッセージなどを綴っておけば、仮に自分で意思表示できなくなってしまった場合でも、大切な方に自分の想いをしっかり伝えることができます。
4.メモの代わりとしても使える
エンディングノートは法的な効力を持つ文書ではないため、メモ代わりとしても使えます。
日常生活で思いついたことや考えたことをメモしておけば、人生の振り返りを行うときに役立つでしょう。
エンディングノートに書く項目
エンディングノートに記載する項目に決まったルールはありませんが、一般的には以下のような項目が採用されます。
基本情報
まずは基本情報として、自分の氏名や生年月日、現住所、本籍地、血液型、家族構成などを記載しておきます。
これらの情報は、万一のことがあった場合に行うさまざまな手続きに必要なものです。
家族であれば当たり前に知っている情報ばかりですが、本籍地などは改めて調べないとわからない場合もありますので、正確な情報を記載しておきましょう。
人生の振り返りのためにエンディングノートを作成する場合は、上記の項目に加えて、趣味や資格、好きな本や映画、大切にしているものなども書いておくのがおすすめです。
資産・不動産
自身が所有している資産や不動産に関連するものの情報や在処を記載しておくと、自分に万一のことがあった場合に行う手続きをスムーズに進めることができます。
記載すべき資産・不動産の具体的な例には以下のようなものがあります。
- 預貯金
- 現金(金庫等に保管しているもの)
- 不動産
- 有価証券(株券など)
- 貴金属
- 骨董品・美術品
資産や不動産の遺産分割に関して要望がある場合は、別途遺言状に記載しましょう。
株や投資
株式や投資信託などの投資を行っていた場合は、どんな金融商品を、どの金融機関(証券会社)で、どのくらい投資していたのかをまとめておきましょう。
一定の利益を得ていた場合は確定申告が必要ですが、本人にもしものことがあった場合は、家族などが代理で準確定申告を行います。
準確定申告は、期日が決まっている通常の確定申告とは異なり、本人の死亡から4ヵ月以内に行わなければならないため、確定申告の有無についてもきちんと記載しておきましょう。[参考1]
参考1:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
医療や介護
病気や不慮の事故によるケガによって末期の状態になった場合、家族は本人に代わって延命措置を行うか否かを選択しなければなりません。
家族の精神的な負担を軽減するためにも、万一のときはどうしてほしいのか、エンディングノートに要望を書き留めておいたほうがよいでしょう。
また、認知症などになった場合も自分の意思表示が難しくなります。希望する介護の方法や費用について記しておくと安心です。
また、健康保険証や介護保険証の在処、かかりつけ医の情報なども合わせて記載しておくことをおすすめします。
葬儀・お墓
自分の死後、すぐに必要となる葬儀やお墓の情報をまとめておくことも大切です。
希望する葬儀の方法や、費用の捻出方法、お墓の有無、遺影に使う写真について、要望や希望がある場合はわかりやすく記載しておきましょう。
家族や友人・知人の連絡先
自分に万一のことがあった場合、遺族は他の親族や友人、知人に訃報を出す必要があります。
自分の訃報を出して欲しい親族、友人、知人の名前や自分との関係性、住所、電話番号などの情報を箇条書きにしてまとめておきましょう。
ネットワーク関連
インターネットショッピングやサブスクリプションサービスなどを利用していた場合、解約や退会にIDやパスワードが必要です。
特にサブスクリプションサービスは解約しない限り、毎月料金が発生してしまいますので、もしものことがあった場合に備え、該当サービスのIDとパスワードを記載しておいたほうが安心です。
飼っているペット
犬や猫などのペットを飼っている場合、自分の死後は引き取り先が必要になります。
あらかじめ引き取り先の了承を得た上で、どこの誰に譲渡すればよいのか、正確な情報を記しておきましょう。
ペットの性格や食べ物の嗜好、病歴などの情報も記載しておくと、引き取り先も困らずに済みます。
遺言書・家族へのメッセージ
自分の遺産分割について希望や要望がある場合は、遺言書を作成します。
遺言書は自宅に保管する方法のほか、司法書士や弁護士などに預ける方法もありますので、遺言書の有無と保管場所をしっかり記載しておきましょう。
また、家族や親しい方に向けて、日頃言葉にできない感謝の気持ちやメッセージなどを個別に書いておくのもおすすめです。
加入している保険
生命保険に加入している場合、自分の死後に死亡保険金が支払われます。
保険金を受け取るには、加入している保険会社に対し、保険金の請求手続きを行わなければなりません。
請求手続きの際、必要となる書類や情報は保険会社によって異なりますので、事前に確認してノートに箇条書きにしておくとよいでしょう。
たとえばフコク生命の「未来のとびら」の場合、被保険者の方が亡くなられた場合は以下の情報が必要になります。
- 保険証券に記載の記号・証券番号
- 被保険者のお名前、生年月日
- 亡くなられた日
- 死亡原因(事故内容、傷病名など)
- 亡くなられる前の入院、手術等の有無
- 受取人のお名前とご連絡先
※一例であり、提出いただく書類はご請求内容によって異なります。
詳しくはこちらをご確認の上、お客さまアドバイザー(またはお客さまセンター)にご連絡ください。
また、保険について記載する際は、現在加入している保険の内容を見直しておくことも大切です。
必要とする保障内容は家族構成やライフステージなどによって大きく変化します。
エンディングノートの作成をきっかけに、遺された家族が困らないだけの十分な死亡保障があるかどうかなどを確認し、必要に応じて保険の見直しを行うことをおすすめします。
保険の見直し方法や生命保険の選び方については、「保険の見直しって必要?見直しのタイミングやポイントを解説!」や、「20代夫婦に保険は必要ない?!生命保険の選び方とは」で解説しています。
エンディングノートの書き方ポイント
エンディングノートを書く際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
周りと相談して書き進めてみる
エンディングノートを作成するときは、自分一人で書き進めるのではなく、周囲と相談しながらまとめるのがおすすめです。
家族がどんな情報を必要としているのか客観的に判断することができますし、他人の意見を聞くことで新たな自分を発見するきっかけが生まれることもあるからです。
身近に同じようにエンディングノートを書いている方、書いた経験のある方がいる場合は、意見を聞いて参考にしてみてもよいでしょう。
項目に迷ったら市販のノートを利用する
エンディングノートに書く項目に悩んだら、市販のノートを利用してみましょう。
市販品にはすでに書くべき項目がまとまっているので、空欄を埋めていくだけでエンディングノートを簡単に作成できます。
記載されている項目やレイアウト、デザインはノートごとに異なりますので、中身を確認して自分の好みに合ったものを選びましょう。
エンディングノートを書く際の注意点
エンディングノートを書くにあたって注意すべきポイントを3つご紹介します。
1.法的な拘束力がないことは知っておこう
遺言書との違いでも説明しましたが、エンディングノートには法的な拘束力はありません。
相続や遺産分割などについて要望・希望がある場合は、法的な効力を有する遺言書を必ず作成しましょう。
2.暗証番号などの記載には注意を
自分の死後に預金を下ろしたり、金庫を開けたりする場合、暗証番号が必要となります。
しかし、これらの情報を記載したエンディングノートを万が一、紛失してしまった場合、第三者に悪用される恐れがあります。
とくにキャッシュカードや金庫の暗証番号など、資産に直結する大切なものはエンディングノートには記載しないのがベストです。
また、記載する場合は、人目につかない場所に保管する、エンディングノートを外に持ち出さないなどの工夫を心がけることが大切です。
3.保管場所は家族に伝えておく
エンディングノートを書き終えたら、家族にノートの保管場所を伝えておきましょう。
あらかじめ保管場所を知らせておけば、自分に万一のことがあった場合、家族が必要な情報を速やかに把握しやすくなります。
まとめ
エンディングノートは、自分に万一のことがあった場合に家族が困らないよう、必要な情報をまとめておける有効な手段のひとつです。
自分のこれまでの人生を振り返ったり、現在の生活・経済状況を把握したりするきっかけにもなりますので、興味・関心のある方はぜひエンディングノートの作成に取りかかってみましょう。
ノートに記載する項目は自由ですが、遺された家族が必要とする情報を優先的にまとめておくと、自分の死後の手続きにかかる負担を軽減できます。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。