毎月いくら貯蓄すれば良いのか、給料の何割が目安なのか分からずに迷う方は多いでしょう。とりあえず余った分を貯めている状態では、自分の貯蓄ペースが適切なのか判断しにくいものです。
この記事では、世帯別や年代別の平均データをもとに、最適な貯蓄割合の目安と、無理なく確実にお金を貯めるコツを解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
貯蓄は給料(手取り)の何割が理想?

毎月いくら貯蓄に回すべきか、目安となる割合を知っておくと家計の見通しが立てやすくなります。まずは、自分の手取り額でいくら貯蓄できるのか、具体的な金額を確認してみましょう。
1.一般的な目安は「手取りの1〜2割」
貯蓄に回す金額は、毎月の手取りに対して1〜2割を目安とするのがよいでしょう。この割合であれば生活を切り詰めることなく、無理のないペースで貯蓄を続けられます。
貯蓄額を考えるときに大切なのが「額面」ではなく「手取り」を基準にすることです。給与明細に記載されている総支給額(額面)から税金や社会保険料を差し引いた金額が、実際に自由に使える手取り収入となります。
手取り額をベースに考えないと、想定以上に生活費を圧迫してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
2.【手取り額別】貯蓄のシミュレーション
では実際に、手取り収入別に毎月の貯蓄額がいくらになるのか、確認してみましょう。「手取りの1〜2割」を貯蓄した場合の金額は、以下のとおりです。
- 手取り20万円の場合:2万円~4万円
- 手取り25万円の場合:2万5,000円~5万円
- 手取り30万円の場合:3万円~6万円
- 手取り40万円の場合:4万円~8万円
具体的な金額で見ると、目標が立てやすくなります。自分の収入と照らし合わせながら、継続できそうな金額を考えてみてください。
年代別・世帯別に見る貯蓄額・貯蓄割合の平均データ
「世の中の人はどのくらい貯蓄しているのか」がわかると、毎月の貯蓄ペースを見直すきっかけになります。ここでは、金融経済教育推進機構が公表した「家計の金融行動に関する世論調査2025年」の結果をもとに、年代や世帯ごとの貯蓄状況を紹介します。
1.年代別・世帯別の平均預貯金額
まずは、年代ごとの預貯金がどのくらいあるのか、その実態を確認してみましょう。
以下の表は、単身世帯と二人以上世帯に分けて、平均預貯金額をまとめたものです。[参考1]
| 世帯主の年代 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
| 20歳代 | 99万円 | 211万円 |
| 30歳代 | 237万円 | 344万円 |
| 40歳代 | 316万円 | 645万円 |
| 50歳代 | 367万円 | 640万円 |
| 60歳代 | 588万円 | 1,087万円 |
全年代を通じて、二人以上世帯のほうが単身世帯より預貯金額が多いです。
単身世帯は自分一人分に必要な預貯金額で年齢が上がるにつれて着実に増加しています。一方、二人以上世帯は同居家族などがいるので、20代から預貯金額が大きく、40代までに単身世帯を大きく引き離します。50代では二人以上世帯の預貯金額が横ばいになり、単身世帯との差が一時縮小します。しかし、一般的に退職金を受け取ることが多い60代になると両世帯ともに大幅に預貯金額が増加し、差額は約500万円と最大になります。
参考1:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.6、および二人以上世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.6
2.年代別・世帯別の平均貯蓄割合(毎月の収入からの貯蓄ペース)
次に、毎月の収入からどのくらいの割合を貯蓄に回しているのか、年代別のデータを見ていきましょう。
以下の表は、手取り収入からの貯蓄割合を年代別・世帯別にまとめたものです。[参考2]
| 世帯主の年代 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
| 20歳代 | 19% | 17% |
| 30歳代 | 18% | 18% |
| 40歳代 | 17% | 18% |
| 50歳代 | 16% | 17% |
| 60歳代 | 20% | 17% |
どの年代や世帯構成でも、毎月の収入の16〜20%を貯蓄に回していることが分かります。これは、一般的な目安とされる「手取りの1〜2割」ともほぼ一致するデータです。
年代による大きな差がないことから、ライフステージにかかわらず、多くの人が収入の一定割合を貯蓄に回していることが分かります。
参考2:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.9、および二人以上世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.9
3.年収別・世帯別の平均貯蓄割合
続いて、年収による貯蓄割合の違いも確認してみましょう。以下の表は、年収階層ごとの平均貯蓄割合を示したものです。[参考3]
| 世帯主の年収 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
| 収入はない | 6% | 35% |
| 300万円未満 | 22% | 21% |
| 300~500万円未満 | 16% | 16% |
| 500~750万円未満 | 19% | 17% |
| 750~1,000万円未満 | 15% | 17% |
| 1,000~1,200万円未満 | 19% | 17% |
| 1,200万円以上 | 11% | 18% |
このデータで興味深いのは、「収入はない」世帯を除くと、年収の金額にかかわらず貯蓄割合に大きな差がない点です。多くの年収層で15〜20%前後となっており、一般的な目安である「手取りの1〜2割」ともおおむね一致しています。ちなみに収入なしでも貯金できるのは年金や家族の収入の貯金などのケースです。
参考3:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.9、および二人以上世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.9
4.【参考】投資も含めた金融資産額の平均値と中央値
最近は銀行の預貯金だけでなく、株式や投資信託などを活用して資産形成する人が増えています。そのため、投資商品も含めた金融資産全体の保有額を見てみましょう。[参考4]
| 世帯主の年代 | 単身世帯 | 二人以上世帯 | ||
| 平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
| 20歳代 | 255万円 | 37万円 | 525万円 | 125万円 |
| 30歳代 | 501万円 | 100万円 | 1,096万円 | 311万円 |
| 40歳代 | 859万円 | 100万円 | 1,486万円 | 500万円 |
| 50歳代 | 999万円 | 120万円 | 1,908万円 | 700万円 |
| 60歳代 | 1,364万円 | 300万円 | 2,683万円 | 1,400万円 |
自分の状況と比べる際は、平均値だけでなく中央値もチェックしてみてください。中央値とは、データを小さい順に並べたときに中央に位置する値で、より実態に近い水準を把握できます。
単身世帯の投資商品も含めた金融資産額は、現役世代のうちに二極化が拡大する傾向があります。平均値と中央値の乖離は20代の約6.9倍から40代の約8.6倍へ広がり、資産を大きく増やす層とそうでない層との差が大きくなっています。60代になると平均値1,364万円・中央値300万円(約4.5倍)となり、乖離はやや縮小します。
一方、二人以上世帯は単身世帯に比べて金融資産額の水準が全体的に高く、例えば60代では平均値2,683万円・中央値1,400万円と、単身世帯(平均値1,364万円・中央値300万円)の約2倍の水準です。さらに、平均値と中央値の乖離も20代の約4.2倍から60代には約1.9倍まで縮小しており、年代別の資産格差も単身世帯より小さい傾向が見られます。
参考4:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.4、および二人以上世帯各種分類別データ(令和7年)シートNo.4
ライフスタイル別の貯蓄割合の目安
住まいや家族構成によって、毎月無理なく貯蓄に回せる金額は異なります。ここでは代表的な3つのケースを取り上げ、それぞれの貯蓄割合の目安を紹介します。
1.実家暮らしの会社員の場合
実家暮らしは、家賃や光熱費といった固定費を抑えられるため、人生のなかでも特に「お金を貯めやすい時期」といえるでしょう。
総務省が公表している34歳以下の単身世帯のデータを参考に、実家暮らしを想定したモデルケースを紹介します。[参考5]
- 手取り※1:約31万円
- 生活費※2:約13万円
- 毎月の貯蓄額※3:約18万円
※1. 家計調査 34歳以下一人暮らし世帯データ 可処分所得…①
※2. 同上データの消費支出から「住居」「光熱・水道」「家具・家事用品」を除いて推計…②
※3. 同上データ ①-②で推計算出…③
この場合、手取りの半分以上にあたる約6割を貯蓄に回せる計算になります。家に5万円入れたとしても、毎月約13万円、手取りの約4割を貯められます。
実家暮らしの期間はお金を貯めるチャンスです。この環境を活かして計画的に貯蓄しておくと、将来の選択肢を大きく広げられるでしょう。
参考5:総務省「2025年家計調査(家計収支編)単身世帯 第2表」
2.一人暮らしの会社員の場合
一人暮らしの場合は、家賃や光熱費、食費などをすべて自分で負担するため、実家暮らしよりも貯蓄に回せる金額が少なくなりやすい傾向にあります。
総務省が公表している34歳以下の一人暮らし世帯データを見てみましょう。[参考6]
- 手取り※1:約31万円
- 生活費※2:約18万円
- 毎月の貯蓄額※3:約13万円
※1. 家計調査 34歳以下一人暮らし世帯データ 可処分所得…①
※2. 同上データ 消費支出…②
※3. 同上データ ①-②で推計算出…③
データ上では、手取りの約4割を貯蓄に回せます。
ただし、このデータの生活費に含まれている住居費は実態より低く見える場合があります。なぜなら、持ち家や親族所有の住宅など、住居費負担が少ない世帯も含めて平均値を算出しているため、一般的な賃貸住宅の家賃相場より低くなる傾向があるからです。また、地域によって家賃水準が異なるため、平均値に影響している可能性もあります。そのため、賃貸住宅に住む世帯では生活費がデータより高くなり、毎月貯蓄に回せる金額も想定より少なくなるケースもあるので注意しましょう。
家賃負担が大きい場合は、無理に平均値を目指す必要はありません。まずは生活の安定を優先し、手取りの10〜15%を目安に継続して貯蓄することから始めてみてください。
参考6:総務省「2025年家計調査(家計収支編)単身世帯 第2表」
3.共働き夫婦の場合
二人の収入を合わせられる共働き世帯は、家賃や光熱費などの固定費を分担できる強みがあります。一人で生活するより支出を抑えやすく、多くのお金を貯蓄に回せます。
総務省のデータをもとにした、共働き世帯のモデルケースを見てみましょう。[参考7]
- 手取り※1:約61万円
- 生活費※2:約36万円
- 毎月の貯蓄額※3:約25万円
※1. 家計調査 夫婦共働き世帯データ 可処分所得…①
※2. 同上データ 消費支出…②
※3. 同上データ ①-②で推計算出…③
この場合、毎月の貯蓄額は手取りの約4割に相当します。
ただし、このデータの生活費に含まれている住居費の見方には注意が必要です。持ち家世帯や住宅ローン返済中の世帯は住居費がほぼゼロとして集計されるため、住居費の平均額は賃貸住宅の家賃相場より低く算出される傾向があります。そのため、一般的な賃貸住宅にお住まいの方でも生活費がデータより高くなり、毎月貯蓄に回せる金額が少なくなるのが一般的です。
共働き世帯は、子どもの有無や住宅事情によって家計の状況が大きく異なります。手取りの4割はあくまでも目安として考え、自分たちの生活に合わせて無理のない貯蓄割合を決めましょう。
参考7:総務省「2025年家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 第3-11表」Excelシート名:勤労(60歳未満)
無理なく確実にお金を貯めるコツ
毎月の収入から継続的に資産を増やしていくには、ちょっとした工夫が必要です。ここでは、貯蓄を無理なく続けるための方法を紹介します。
1. 貯蓄の目的と目標金額を明確にする
「何のために」「いつまでに」「いくら貯めるのか」を具体的に決めると、貯蓄へのモチベーションを維持しやすくなります。明確なゴールがあると、日々の節約にも前向きに取り組めます。
例えば「2年後のハワイ旅行資金として50万円」「5年後の結婚資金として200万円」のように、目的・期限・金額をセットで考えてみてください。
目標が具体的であるほど、毎月いくら貯蓄すれば良いかが分かり、計画的にお金を貯めやすくなります。
2.家計簿で「何にいくら使っているか」を把握する

効率よくお金を貯めるには、まず家計簿をつけて「何にいくら使っているか」を把握することから始めましょう。お金の使い道が分からないままでは、どこを節約すれば良いか判断が難しくなります。
最近は、レシートを撮影するだけで記録できたり、銀行口座やクレジットカードと連携できたりする便利な家計簿アプリが増えています。まずは1ヵ月続けて、自分のお金の流れを確かめてみてください。
家計簿についてより詳しく知りたい方は「家計簿に必要な項目とは?家計簿をつける際のポイントなども徹底解説!」もご覧ください。
3.先取り貯蓄を習慣にする
確実にお金を貯めるには、給料が振り込まれたら先に貯蓄分を別の口座へ移す「先取り貯蓄」が効果的です。手元にあるとつい使ってしまう方でも、仕組みを作ることで自然と貯蓄を続けられます。
主な方法は以下の3つです。
- 積立定期預金:毎月決まった額を自動で定期預金として積み立てる
- 自動振替:毎月決まった日に、指定額を普通預金から貯蓄用口座へ自動で移動させる(銀行により手数料が必要)
- 財形貯蓄:給料から天引きで積み立てる勤務先の制度
こうした仕組みを活用すれば、意識しなくても着実に貯蓄が増えていきます。
4.固定費を最優先で見直す
節約を始めるなら、一度見直すだけで効果が続きやすい「固定費」から取り組むのがおすすめです。日々の我慢や努力を必要としないため、ストレスなく支出を減らせます。
例えば、以下のような項目に見直しの余地がないか確認してみましょう。
- 通信費:スマートフォンの格安SIMへの乗り換えや料金プランの変更、不要なオプションの解約
- 保険料:保障内容の重複確認や不要な特約の解約
- サブスクリプションサービス:利用頻度の低い動画配信サービスや音楽配信アプリの解約
これらを見直すだけでも、毎月数千円の節約につながる可能性があります。
5.NISAやiDeCoの活用でお金を育てる
現在の低金利では、銀行預金だけで資産を増やすのは簡単ではありません。さらに物価が上がると、お金の価値が目減りする可能性もあります。
そのため、長期間使う予定のない資金は投資で運用し「お金を育てる」という考え方も取り入れてみましょう。税制面で優遇を受けられるNISAやiDeCoを利用すれば、効率よく資産形成ができます。
それぞれの主な特徴は以下のとおりです。
- NISA:投資で得た利益が非課税になる制度。必要なときに売却・引き出しが可能。購入可能額は年間最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、非課税保有限度額は1,800万円。【参考8】
- iDeCo:自分で掛金を積み立てて運用する私的年金制度。掛金が所得控除の対象となり、運用中の利益も非課税になるなどの税制優遇がある。原則60歳まで引き出せない。【参考9】
どちらも少額から始められるため、投資初心者でも取り組みやすい制度です。
ただし、投資には元本割れのリスクもともないます。生活費や急な出費に備える資金は現金で確保した上で、当面使う予定のない余裕資金の範囲内で始めましょう。
お金を貯めるコツや具体的な実践方法についてより詳しく知りたい方は「少ない収入でお金を貯める方法はある?お金を貯めるコツや注意点について」や「1000万円貯金の方法とは?貯金額の割合や貯めるポイントを紹介」もご覧ください。
参考8:金融庁 「NISA特設ウェブサイト:NISAを知る」
参考9:厚生労働省「iDeCoの概要」
まとめ
一般的に貯蓄の目安は手取りの1〜2割といわれますが、最適な割合は年代やライフスタイルによって異なります。平均データはあくまで参考と考え、周囲と比べるのではなく、自分に合った目標を立てて継続することが大切です。
まずは家計の状況を正確に把握し「何のために、いくら貯めるのか」を明確にしましょう。その上で「先取り貯蓄」で強制的にお金を確保したり「固定費の見直し」で支出を削減したりと、自分に合った方法を試してみてください。
本記事を参考に、まずは手取りの1〜2割を目安に貯蓄額を決め、自分に合った方法で無理なく続けていきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
田辺 容子(たなべ ようこ)
FPライター。証券会社にて個人向け資産運用のアドバイス業務に約10年間従事。現在は、実務経験と金融資格、自身の投資経験を活かし、金融分野に特化したライターとして活動中。メガバンクのコンテンツ制作や大手金融メディアでの記事執筆など、信頼性が重視される案件を多数手がけている。2級FP技能士、証券外務員一種。
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ
~47Life編集部からのコメント~
貯蓄額や貯蓄割合を周りとつい比べたくなってしまいますよね。
しかし、家族構成や住まい、将来の目標によって、無理なく貯められる金額は人それぞれ異なります。
大切なのは、周りや平均ではなく、自分の暮らしに合ったペースで貯蓄を続けることです。
まずは「何のために貯めるのか」を考え、小さな金額でも継続することから始めてみてはいかがでしょうか。

