専門学校の学費はいくら?分野別の平均、支援制度を徹底解説

専門学校の学費はいくら?分野別の平均、支援制度を徹底解説

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専門学校進学にあたり「学費はいくらかかる?」という不安を抱えている方はいませんか。実は、分野によって金額は大きく異なります。この記事では専門学校の学費の内訳や大学との違い、分野別の学費目安を解説します。さらに、意外とかかる諸費用の注意点や活用できる支援制度、資金の準備方法などを詳しくご紹介します

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

専門学校の学費の内訳は?

後悔のない進路選びをするためには、まず学費の構造を正しく理解することが大切です。専門学校の学費は、主に「入学金」「授業料」「施設設備費・実習費」の3つで構成されています。それぞれが「何のための費用なのか」という目的を知ることで、学費の内訳を理解しやすくなります。

1. 入学金

入学金は、入学する権利を得て学籍を確保するために最初に支払う費用です。専門学校の入学金の平均は約18万円となっています。[参考1]

この入学金を納めるのは、初年度の1回のみ。毎年かかる授業料や設備費とは性質が異なり、入学時のみにかかる事務的な費用という位置づけになっています。金額は学校や分野によって差があります。

2. 授業料

授業料は、専門的なスキルや知識を身に付けるための基本になる費用です。実は、学費のなかでもっとも大きな割合を占めるのがこの授業料。専門学校の年間授業料の平均は約74万円となっています。[参考1]

専門学校は大学に比べて、少人数のクラスや現役で活躍するプロの先生による「現場に近い指導」が多いのが特徴です。そのため、カリキュラムが充実していて高度な技術が学べる分野ほど、授業料も高くなる傾向があります。その分、「将来の即戦力になるための投資」ともいえます。

3. 施設設備費・実習費

施設設備費・実習費は、学校内の設備維持や実習で使う材料にあてられる費用です。専門学校での年間の平均金額は約40万円となっています。[参考1]

例えば、最新のパソコンやプロ仕様の厨房設備などの設備費や、調理実習で使用する食材や美容実習で使用する薬剤などの実習費が含まれます。一見高く感じるかもしれませんが、卒業してすぐ現場で活躍できる「即戦力を養うための投資」といえるでしょう。

実際、実践を重視する専門学校では、大学よりもこの費用の割合が高くなる傾向にあります。では、この費用の違いが「学費の総額」にどう影響するのか、次の章で具体的なデータを見てみましょう。

参考1:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和7年度専修学校各種学校調査統計資料

専門学校と大学の学費はどう違う?それぞれの平均金額

文部科学省と東京都専修学校各種学校協会の統計データを参考に、専門学校と大学の「初年度にかかる納入金」と「卒業までの学費の総額」をそれぞれ比較してみましょう

初年度納入金の比較[参考2、3、4]

学校種別入学金授業料(年額)施設設備・実費等初年度納入金
(合計)
国立大学
(標準額)
約28万円約54万円約82万円
私立大学
(全学部平均)
約24万円約97万円約30万円約151万円
専門学校
(昼間部平均)
約18万円約74万円約40万円約132万円

初年度の学費だけで見ると、専門学校は「国立大学より高く、私立大学よりは低い」傾向にあります。内訳を見ると、入学金(約18万円)は抑えられています。しかし、施設設備費・実習費(約40万円)が私立大学(約30万円)より高いため、授業料自体は私立大学より安いのにもかかわらず、初年度総額(約132万円)が私立大学の平均(約151万円)に迫る大きな要因となっています。

卒業までの総額の目安[参考2、4、5]

学校種別修業年限卒業までの総額目安(学費のみ)
国立大学4年約243万円
私立大学(文系)4年約419万円
私立大学(理系)
※医歯系学部等を除く
4年約567万円
専門学校2年(※分野による)約246万円

卒業までのトータル費用で考えると、多くの専門学校は2年制のため約246万円で収まり、国立大学4年間と同等になります。私立大学文系の約419万円と比べると約6割、理系の約567万円の約半分です。

このように、1年目の学費だけに驚かず、通う年数も合わせた「総額」で比べることが、納得のいく進路選びのポイントになります。ただし、3年制など専攻分野によっては、トータルの学費が膨らむため注意しましょう。

参考2:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移
参考3:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
参考4:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和7年度専修学校各種学校調査統計資料
参考5:文部科学省「令和7年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

【専攻分野別】専門学校の学費目安

専門学校の初年度納入金の平均は約132万円です。ただし、約108万円~180万円と分野ごとの差がとても大きいため、平均だけでは実際の負担感はつかめません。ここからは7つの専攻分野に分けて、初年度納入金の目安を見ていきましょう

1. 工業

工業分野の初年度納入金は約128万~144万円が目安です。学科による差額は最大16万円ほどあり、導入設備や実習内容によって違いが見られます。ゲーム・CG系では、最新のソフトウェアやライセンスなどを使用して学ぶカリキュラムが設けられている学校があり、工業分野のなかでももっとも学費が高い傾向にあります。また、自動車整備系では、本物の車両や専用工具を用いた実習をおこなう学校が多く、こちらも比較的学費が高い傾向にあります。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
土木・建築、測量約128万円
自動車整備約133万円
情報処理・IT約129万円
電気・電子、機械約129万円
ゲーム・CG約144万円

2. 医療

医療分野の初年度納入金は約119万~180万円と、全分野でもっとも金額の幅が広くなっています。理学療法や柔道整復など身体に直接触れる高度な技術を学ぶ学科では、少人数での実技や臨床実習を重視した教育がおこなわれており、医療分野のなかでも学費が特に高い傾向があります。また、臨床検査や診療放射線、臨床工学などでは、人工心肺装置やCTスキャナ・放射線治療装置、自動分析装置などの専門的な医療機器を実習で扱うこともあり、これらの学科も比較的学費が高い傾向にあります。一方で看護や歯科衛生などの学科は、医療系のなかでは費用負担が抑えられています。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
看護約119万円
臨床検査、診療放射線、臨床工学約155万円
理学療法、作業療法約180万円
柔道整復約160万円
はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧約176万円
歯科技工、歯科衛生約119万円

3. 衛生

衛生分野の初年度納入金は約137万~175万円と、学科による金額差が大きい傾向にあります。製菓では、プロ仕様の調理設備を使用する実習や食材を扱う実習を取り入れている学校があり、衛生分野のなかでももっとも学費は高い傾向にあります。
一方で、理容・美容やメイク、ネイルなどの学科は比較的学費が抑えられています。ただし、これらの学科では入学後にハサミやウィッグなどの教材・道具代が別途必要になるケースがあります。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
栄養、調理約155万円
製菓約175万円
理容・美容約137万円
エステ、メイク、ネイル約137万円

4. 教育・社会福祉

教育・社会福祉分野の初年度納入金は約116万~131万円が目安です。保育や介護福祉、社会福祉では、座学に加えて保育所や福祉施設などでの実習を取り入れている学校が多く、分野内の価格差も約15万円と小さい傾向にあります。特に介護福祉は、専門学校の主な分野のなかでも学費が比較的抑えられていますが、どの学科を選んでも学費に大きな差は見られません。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
保育、教育約126万円
介護福祉約116万円
社会福祉約131万円

5. 商業実務

商業実務分野の初年度納入金は約114万~123万円です。主に座学中心のカリキュラムが多いため、学費が全体的に低価格の傾向があります。特に簿記やビジネス、IT系の学科は、高価な設備や実習材料を必要としないため低価格になっています。
一方で、ホテルやブライダルなどは、ホテルや結婚式場など実際の現場を再現した施設での実習や学外研修が必要となる学校もあり、この分野のなかでは高い傾向にあります。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
簿記・ビジネス・IT約114万円
旅行・ホテル・観光・ブライダル約123万円
医療秘書、医療管理事務約120万円

6. 服飾・家政

服飾・家政分野の初年度納入金は約117万円です。専門学校全体でも低い水準で、教育・社会福祉分野や商業実務分野と近い金額帯となっています。服飾・家政分野では、デザインや衣服制作を中心とした実習を取り入れている学校が多く、専門学校の主な分野のなかでは比較的学費は抑えられています。なお、学校によっては生地代や制作材料費などが別途必要になる場合もあります。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
服飾・家政約117万円

7. 文化・教養

文化・教養分野の初年度納入金は約108万~142万円が目安です。学科の種類が豊富なため、学ぶ学科によって金額の幅が広くなっています。語学は教室内での講義や対話演習を中心としたカリキュラムを設けている学校が多く、比較的学費が抑えられています。一方で、音楽や演劇、映画、放送では、レコーディングスタジオや音響機材を備えた学校もあり、この分野のなかでは、もっとも学費が高い傾向です。また、動物分野では、学内に動物病院に近い飼育・看護設備を整えている学校もあり、比較的学費が高い傾向にあります。

学科・区分初年度納入金の目安[参考4]
語学約108万円
美術、デザイン、写真約121万円
音楽、演劇、映画、放送約142万円
法律行政約114万円
スポーツ約126万円
動物約137万円
アニメ、声優、ゲーム約135万円

専門学校の学費以外にかかる費用にも注意が必要

専門学校に通うときにかかる費用は、学校に納める学費だけではありません。受験料や教材費・各種試験の費用や、一人暮らしの生活費がかかる場合があります。これらの見落としがちな出費についても、事前に把握しておきましょう

1. 受験料

専門学校の受験料(選考料)は、1校あたり2万円~3万円程度が一般的な相場です。受験料は合否に関係なく返金されないお金ですので、出願校数を決める段階で家計の予算にしっかり組み込んでおきましょう。

注意したいのは複数校を併願するケースです。例えば滑り止めを含めて3校に出願すれば、受験料だけで6万円~9万円になります。また、AO入試・推薦入試・一般入試といった入試方式によって金額が異なる学校もあります。そのため、志望校ごとの募集要項を早めに確認しておくことが大切です。

2. 教材費や各種試験の費用

統計によると、専門学校生の修学費の全国平均は年間12万3,100円となっています。[参考4]

この修学費とは、学費とは別に必要となる教材費や各種試験の費用などです。例えば、美容系ではハサミセット、調理系では包丁、IT系では指定パソコンなど、分野によっては高額な専門ツールが必要になることがあります。また、資格取得の受験料や実習用ユニフォーム代などがかかる場合もあります。

一方で、専門学校のパンフレットなどに記載されている「実習費」は、学校の施設利用料や共同の材料費として学費(学校納付金)に含まれます。学費以外にも、こうした隠れた出費の準備も必要です。

3. 一人暮らしなどの生活費用

自宅外から通学する場合、学費に並ぶ大きな負担となるのが毎月の生活費です。

統計によると、専門学校生のアパートなどでの一人暮らしにかかる生活費は年間約127万円(月額約11万円)にのぼります。内訳は住居・光熱費が年間約56万円(月額約4万6,000円)ともっとも多く、次いで食費が約29万円(月額約2万4,000円)となり、この2つで全体の約7割を占めます。[参考6]

さらに入学前は、家具の購入(約3万~10万円)や敷金・礼金、引っ越し費用(約3万~10万円)などを含めた初期費用として50万円前後の準備も必要です。特にその大半を占める部屋の契約時には、前家賃や火災保険料、仲介手数料などがかかり、相場は家賃の5~6ヵ月分。家賃6万円なら30万~36万円ほどが目安です。学費だけでなく、生活費や初期費用まで含めた、トータルの資金計画を立てることが大切でしょう。

専門学校生の一人暮らしでかかる生活費の年間平均[参考6]

項目年間平均額(月額)
食費約29万円(約2.4万円)
住居・光熱費約56万円(約4.6万円)
保健衛生費約6万円(約5,000円)
娯楽・し好費約16万円(約1.3万円)
その他の日常費約20万円(約1.7万円)
支出合計約127万円(約11万円)

一人暮らしでかかる初期費用の目安

項目費用目安
家具や家電の購入費用約3万~10万円
賃貸物件の初期費用
(月額家賃6万円の場合)
約30万~36万円
引っ越し費用約3万~10万円
合計約36万~56万円

参考6:出典 日本学生支援機構「令和6年度専門学校生生活調査結果」をもとにフコク生命が月額を試算

学費負担を減らせる支援制度を活用しよう

専門学校の学費は決して小さな金額ではありませんが、条件を満たせば負担を軽くできる公的制度や学校独自の仕組みがあります。こちらでは、知っておきたい3つの支援制度を紹介します

1. 高等教育の修学支援新制度

世帯の収入が一定以下であれば「授業料・入学金の減免(減額又は免除)」と「返さなくてよい給付型奨学金」をセットで受けられる国の制度があります。対象は住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯で、世帯の所得や資産の要件を満たし、学ぶ意欲があると認められた学生が利用できます。

制度の基本となる2つの支援内容(住民税非課税世帯等)[参考7]

  1. 授業料・入学金の減免
  2. 給付型奨学金の支給(返還不要)

また、2025年度からは多子世帯の学生への支援拡大もおこなわれています。

多子世帯への支援内容(子3人以上を同時に扶養)[参考7]

  • 所得制限の撤廃:世帯の収入に関わらず、すべての多子世帯が対象
  • 授業料・入学金の減免:国が定める一定の上限額まで、授業料や入学金が減免される
  • 対象期間の条件:3人以上を同時に扶養している間のみ、第1子から支援対象(第1子が就職などで扶養から外れると対象外)

ただし、すべての専門学校が対象ではなく「国や自治体から認められた学校」に限られる点に注意が必要です。志望校が対象かどうか、事前にしっかり確認しましょう。

参考7:文部科学省「高等教育の修学支援新制度

2. 特待生制度

特待生制度とは、優秀な成績や資格・実績を持つ学生に対して、入学金や授業料の一部(または全額)を免除する学校独自の制度です。

国の制度とは異なり、各専門学校が設けている仕組みのため、選考基準や免除額は学校ごとに異なります。主に次のような条件で選ばれるケースが多く見られます。

【専門学校の特待生制度の条件(例)】

  • 入学試験の成績が特に優秀な場合
  • 簿記や英検などの資格をすでに取得している場合
  • スポーツ・芸術分野で優れた実績がある場合

世帯の収入に関係なく、本人の努力や実力次第でチャンスが得られるのが大きな魅力です。数十万円単位で費用を抑えられることもあるため、家計への負担を大幅に減らせます。制度の有無や応募条件は募集要項に記載されていますので、志望校が決まったら早い段階で確認しましょう。

3. 教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は、社会人が専門学校などで学び直す際に利用できる国の制度で、条件を満たせば学費の一部がハローワークから支給されます。

雇用保険に一定期間加入している(または加入していた)方が対象で、厚生労働大臣が指定した講座を修了することが条件になります。給付の種類は3つに分かれており、講座の内容や目指す資格によって支給率が異なります。[参考8

教育訓練の種類対象講座の例給付率年間上限額
一般教育訓練Webクリエイター・簿記など受講費用の20%10万円
特定一般教育訓練介護支援専門員実務研修・大型免許など受講費用の50%25万円
専門実践教育訓練看護・介護・高度ITなど受講費用の80%64万円

特に「専門実践教育訓練」は国家資格などを目指す講座が多く、給付率の高さが特徴です。キャリアアップや転職のために専門学校を検討している社会人の方は、まず自分が条件に合うか、次に受けたい講座が指定対象かを厚生労働省の検索システムで確認してみましょう。

参考8:厚生労働省「教育訓練給付金のご案内

足りない学費を準備する方法

専門学校の学費は進路で異なります。制度を利用しても足りない場合や、収入制限などで支援制度が使えない場合もあるでしょう。こちらでは、その差額を埋める代表的な準備方法を5つご紹介します

1. 貯蓄による資金準備

学費準備の基本は、元本割れのない預貯金での確実な積み立てです。「余ったら貯める」のではなく、給与から自動的に天引きされる「先取り貯蓄」を仕組み化するのがコツです。

【おすすめの先取り貯蓄方法】

  • 財形貯蓄制度(会社の給与天引き)
  • 自動積立定期預金(銀行の自動振替)

例えば、小学校入学時から毎月1万5,000円を貯めた場合、12年後の専門学校入学時には約216万円になります。生活費と貯蓄用の口座を分けて、うっかり使い込むのを防ぎましょう。

2. 学資保険での備え

学資保険は、進学のタイミングに合わせて教育資金を準備できる仕組みです。子どもが小さいうちから毎月積み立て、17~18歳などの節目でまとまった満期学資金を受け取れます。

【学資保険のメリット】

  • 元本を上回る魅力的な返戻率である場合が多い
  • 親に万一の事態が起こってしまったら保険料が免除され、学資金は予定どおり支給される
  • 毎月決まった保険料を積み立てるため、計画的に教育資金を準備しやすい

専門学校の入学時にはまとまった費用が必要になるため、進学時期に合わせて着実に教育資金を準備したい方に適した方法といえるでしょう。

教育資金の準備方法として学資保険を検討したい方は、フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」もぜひチェックしてみてください。

3. NISAを活用した資産形成

進学までに10~15年以上の時間的余裕がある場合、現金を口座に眠らせたままにせず、NISAを活用して効率的に資産形成をおこなうのも1つの方法です。

NISAのメリット

  • 少額からでも長期間・積立・分散投資を続けることで、複利効果による資産の成長が期待できる
  • 通常約20%かかる運用益への税金が非課税になる
  • 必要なときにいつでも現金化できる

NISAは効率よく資金を増やせる可能性がある一方、売却時の価格によっては元本割れのリスクには注意が必要です。貯蓄や学資保険で最低限の資金を確保した上で、余裕資金の範囲内で活用していくのが良いでしょう。

4. 奨学金制度の利用

学費が足りない場合は奨学金を使う方法もあります。日本学生支援機構(JASSO)が運営する公的な奨学金を例に挙げ、奨学金の主な2種類をご紹介します。

奨学金の種類特徴
給付型返済不要。主に住民税非課税世帯などが対象
貸与型要返済。無利子の「第一種」、有利子の「第二種」がある

このうち給付型奨学金は、先に述べた修学支援新制度を指します。貸与型奨学金では、有利子の第二種が緩やかで利用しやすくなっています。

奨学金は国だけでなく、地方自治体や学校独自の制度、民間の支援なども存在します。加えて、医療・福祉系に多い「企業(病院)奨学金」など、卒業後に指定の施設で働くと返済が免除される仕組みも整えられています。このように奨学金は種類が豊富なため、早期に情報収集をすることが大切です。

5. 教育ローンの活用

入学前の資金不足には、教育ローンも有効です。教育ローンは、国・民間ともに奨学金との併用が可能です。

教育ローンの種類[参考9]

種類特徴
国の教育ローン世帯年収上限あり。一名につき最大350万円(自宅外通学等の場合は最大450万円)。在学中は利息のみ返済可
民間の教育ローン金融機関により異なる。変動金利が主流だが固定金利もある

国の教育ローンは長期固定金利の安心感があり、ひとり親家庭などへの優遇措置もあります。現在の平均的な金利は国のほうが低い傾向です。ただし、金融機関や優遇プラン次第では、国より低金利で利用できるケースがあります。双方の条件をよく比較することが大切です。

参考9:日本政策金融公庫「ご利用条件や金利・ご返済方法

専門学校の学費を準備する際のポイントと注意点

専門学校の学費は、金額そのものだけでなく「いつ、どのように支払うか」で負担が大きく変わります。支払い時期や学校選びの確認事項、万一のリスクまで、準備段階で押さえておきたい3つのポイントと注意点を解説します

1. 学費の支払い時期と方法を把握する

専門学校の学費は「支払い期限から逆算した計画」が重要になります。

授業料は前後期の分納が一般的ですが、入学金と前期授業料を合わせた初回納入金は、合格発表後1~2週間以内に求められるケースが多く注意が必要です。一方で、奨学金は進学後に振り込まれるため、入学前の支払いには間に合いません。そのため、自己資金や教育ローンでの一時的な立て替え準備が必要です。

また、最初にかかるお金だけでなく、後期の授業料をいつ支払うのかもあわせて確認しておきましょう。初回納入金の準備に気を取られ、後期授業料の資金が不足しないよう注意が必要です。奨学金を生活費にも充てる予定がある場合は、後期授業料も見据えて毎月計画的に資金を準備することが大切です。納付期限を過ぎると、学校生活に影響が生じる場合もあります。

学費については、早めに募集要項で期限と金額を確認し計画を進めましょう。

2. 学校が「認可校」か確認する

専門学校選びでは、都道府県知事の「認可校」であるかを必ず確認しましょう。

認可を受けない「無認可校」は違法ではないものの、奨学金や通学定期の学割が利用できないケースがあります。その結果、学費や交通費の自己負担が大幅に増えるデメリットが生じます。見通しの立った資金計画を立てるためにも、志望校の認可状況や利用できる制度を事前にしっかりと把握しておきましょう。

3. 中退や進路変更時のリスクを知っておく

中退や進路変更は学費の大きな損失を招くため、事前の学校選びが何よりも大切です。

納入した入学金や授業料は原則返還されず、中退時に数十万円を失うリスクがあります。また、貸与型奨学金は中退で支給が止まるものの、過去の借入分の返済義務は残ります。就職をする前から返済が始まるケースもあり、経済的な負担はとても重くなります。こうしたミスマッチを防ぐため、オープンキャンパスなどに参加し、学校の雰囲気やカリキュラムを必ず自分の目で確かめましょう。

まとめ

専門学校の初年度学費は平均約132万円ですが、分野で異なり、商業実務系の約114万円から医療系の約180万円まで幅があります。2年制の総額は約246万円と私立大学より抑えられますが、教材費や生活費など学費以外の出費も見落とせません。

負担を軽減する方法としては、国の修学支援新制度や学校独自の特待生制度などがあります。また、資金の準備方法には貯蓄や学資保険のほか、NISAや奨学金の活用、教育ローンなどが挙げられます。さらに、進学時は支払い時期や認可校かの確認、中退リスクへの備えも重要です。早めの情報収集と資金計画で、安心して進学時期を迎えましょう

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

是枝花名子(これえだ かなこ)
FPライター。大学卒業後、大手生命保険会社にて法人営業を担当。住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金や老後資金作りを極めるため、改めてFP技能士を取得。専門知識と主婦目線を活かした記事執筆が好評を呼び、現在は主にメガバンク、大手不動産サイト等にて保険・不動産・翻訳ライターとして活動中。2級FP技能士、年金アドバイザー3級

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ

~47Life編集部より~
進路を考えるとき、「どんなことを学びたいか」と同じくらい、学費について不安を感じる方もいることでしょう。

専門学校の学費は分野によって異なるため、早めに情報を集めて必要な金額の目安を知ることが安心につながります。また、国や自治体、民間の奨学金制度や教育ローンなど、学費負担を軽減するための制度もありますので、ご家庭の状況に合わせて活用を検討してみてください。

教育資金の準備方法は、貯蓄や学資保険、NISAを活用した資産形成などさまざまです。お子さまの年齢やご家庭の状況に合わせて無理のない方法を選びながら、少しずつ備えていくことが大切です。この記事を参考に、ご家庭に合った教育資金の準備方法や利用できる制度について考えてみてください。