子育て・ワンオペ育児に疲れた時の対処法は?疲れてしまう原因やNG行動について

子育て・ワンオペ育児に疲れた時の対処法は?疲れてしまう原因やNG行動について

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子どもが生まれた瞬間は喜びもひとしおですが、同時に大変な育児がスタートする瞬間でもあります。
特に初めての育児は右も左もわからないことだらけで、身も心も疲れ果てているパパ・ママは少なくありません。
子育ては親の責任であり、義務でもありますが、無理をし過ぎると自分自身の心身の健康を害するおそれがあります。「育児に疲れた」と感じ始めたら、早めの対策が必要です。

この記事では、育児に疲れたときの対処法や、疲れてしまう原因・NG行動について解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

子育てによくある悩みとは

育児に疲れたと感じた時には、まず原因を正しく理解する必要があります。
育児疲れは慢性化しやすいので、知らない間に疲れを溜め込まないよう、現在の生活を振り返って育児疲れの原因に心当たりがないかどうか確認してみましょう。

ここでは、子育てに奮闘するパパ・ママが抱えやすい主な悩みを8つ紹介します。

1.日常生活で気を緩める時間がない

小さな子どもは大人が予測しない行動を起こしやすく、ちょっとしたことが大きな事故につながることもあります。
例えば、生後1歳までは行動範囲こそ狭いものの、就寝中に亡くなる乳幼児突然死症候群(SIDS)や、うつぶせ寝・異物誤嚥による窒息などの事故が起こりやすい傾向にあります。
さらに1歳を越えて自分で歩けるようになると、飛び出しや転倒、転落などの事故リスクが高まります。

これらの事故は、親がちょっと目を離した隙に起こり得るものですので、親は常に緊張を強いられる状態になります。
毎日気を張り詰めていると、精神的な負担やストレスがかかり、気疲れが慢性化する原因となります。

2.物事がスムーズに進まない

小さな子どもは時や場所に関係なく泣いたりわがままを言ったりすることがあり、困ってしまう場面も多いでしょう。
そのたびに子どものお世話や対応に追われていると、家事や作業の手が止まってしまい、なかなかスケジュール通りに物事が進みません。

後回しにした物事のしわ寄せは後からやってきますので、やる事が山積みになって心身に大きな負担がかかります。

3.自由時間が減る

子どもが生まれると、自分よりも子ども中心の生活になるため、自分の時間が大幅に減少します。
趣味に使える時間はもちろん、外食に行ったり、ショッピングに行ったりする時間も満足に取れなくなり、我慢の連続になります。

ちょっとした息抜きやリフレッシュをする暇もないため、イライラが募り、気持ちに余裕がなくなってしまいます。

4.生活が不規則になる

生まれたばかりの赤ちゃんは昼夜のリズムが整っていないので、時間帯に関係なくお世話をしなければなりません。
特に生後1~2ヵ月は2~3時間おきに授乳しなければならないので、まとまった睡眠を取ることもできず、パパ・ママともにへとへとになりがちです。

生後2ヵ月を過ぎると徐々に生活リズムが整い、夜間授乳の頻度は少なくなると言われていますが、個人差があるため、人によっては長期間にわたって生活が不規則になることもあります。

5.イヤイヤ期やナゼナゼ期の対応が分からない

イヤイヤ期とは、自分の意に沿わないことがあると「イヤ!」と激しく拒絶する時期のことです。自己主張が激しくなる2歳前後がピークと言われています。
一方のナゼナゼ期は、イヤイヤ期が終わる3歳頃から始まり、事あるごとに「なんで?」「どうして?」という質問を繰り返すようになります。

どちらも子どもの成長や発達に欠かせない時期といわれていますが、激しく拒絶する子どもをなだめたり、質問攻めに対応したりするのは簡単なことではありません。
イヤイヤ期やナゼナゼ期にどう接していいのかわからず、心身ともに疲れ切ってしまうパパ・ママは多いようです。

6.仕事と育児の両立がうまくいかない

現代は女性の社会進出にともない、共働き世帯が増えています。
産後しばらくは産休や育休制度を利用できますが、それ以降は育児をしながら仕事もこなさなければならず、パパやママの負担が大きくなります。

保育所に預ければ仕事に専念することも可能ですが、子どもが急病になればパパ・ママのどちらかが迎えにいかなければなりませんし、自宅での看病も必要になります。

同居、あるいは近隣に住んでいるご両親に頼れれば良いのですが、核家族化が進んでいる現代日本では夫婦で乗り切らざるを得ないケースも多く、仕事と育児の両立に悩む方も少なくないようです。

子育てと仕事の両立については、「子育てと仕事を両立させたい!現役ワーママに聞いた 2つのテクニック」も参考にしてください。

7.今後の教育・養育にかかる費用に不安がある

子育てには、食費や医療費、衣服代などの養育費がかかります。さらに、子どもが成長して就学すれば、長期にわたって学費が必要です。

子どもひとりあたりにかかる教育費は、進学先や校外学習の有無によって異なりますが、文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まですべて公立に進学した場合の平均教育費用は約521万円、すべて私立に進学した場合は約1,766万円という結果が報告されています。[参考1]
さらに大学に進学した場合、国公立大学では平均約477万円、私立大学は約651万円の学校教育費がかかると言われています。[参考2]

これらの費用は一度にかかるわけではありませんが、子どもの成長に比例して必要な教育費も増えてくるため、教育費や養育費をどう捻出すべきか不安になってしまうところです。
子育て費用を計画的に貯めるために、まずは子どもが小さいうちから将来どのくらいのお金が必要になるのか、おおよその金額を把握しておくとよいでしょう。

こちらのページでは、お子さまの現在の年齢、進学先、自宅外通学かどうかなどを選ぶだけで、簡単に教育費のシミュレーションができますよ。

参考1:文部科学省 「平成30年度子どもの学習費調査」,幼稚園については幼児教育無償化を反映し授業料分を控除。
参考2:独立行政法人 日本学生支援機構 「平成30年度学生生活調査結果」、
    文部科学省「令和3年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」 国立:文理系、私立:文系、どちらも自宅通学とする。

8.相談できる人・頼れる人がいない

子育てに悩んだとき、周囲に相談できる人や頼れる人がいれば、心身の負担を軽減できます。しかし、現代日本は核家族化の傾向にあり、身近に相談できる人や頼れる人がいないという方も少なくありません。

子育てや仕事、家事などの悩みをひとりきりで抱えていると、心身がより疲弊し、悪循環に陥る原因となります。子育てに疲れたと感じたり、行き詰まりを感じたりしたら、無理をせず、誰かに助けを求めることを検討しましょう。

身内に頼ることができない場合は、自治体の相談窓口などを利用してみるのもひとつの方法です。

ワンオペ育児も原因のひとつ?

育児疲れの原因はいろいろありますが、現代日本においては、ワンオペ育児が大きな原因のひとつと言われています。
ワンオペ育児とは、ひとりがすべての仕事をこなすことを意味する「ワンオペレーション」と「育児」を合わせた造語で、仕事や出張などでパートナーを頼ることができず、自分だけで育児の一切をこなしている状態を指します。

本来、育児は夫婦が力を合わせて取り組むものですが、日本では令和になってもなお「男性は外で働き、女性は家を守る」という古い習慣が根強く残っていると考えられます。

東京都生活文化局がまとめた「男性の家事・育児参画状況実態調査報告書」によると、1週間あたりの平均育児時間は、男性が135分であるのに対し、女性は370分と、2.7倍以上も多い結果となっています。[参考3]
特に平日の育児時間の差は非常に大きく、男性はわずか100分であるのに対し、女性は350分にも上っています。

なお、フルタイムで働いている女性の場合でも、週の平均育児時間は300分を超えており、同じくフルタイムで働く男性(132分)の育児事情とは大きな隔たりがあります。

同調査の「夫と妻の育児分担の状況」においても、「妻がほぼ全て担っている」「どちらかといえば妻が多く担っている」の合計が全体の8割を超えています。

育児分担割合について、女性の4割以上が「もっと夫が担うべき」と回答していることから、もっと夫に手伝ってほしいと思っている現状がうかがえます。

参考3:東京都生活文化局「令和3年度男性の家事・育児参画状況実態調査報告書

疲れたときに考えてはいけない・やってはいけないこととは?

育児に疲れているときはネガティブ思考に陥りやすく、悪循環になりがちです。
育児に疲れたときは以下のような考えや行動は控えるようにしましょう

全てに完璧を求めない

責任感が強い人や、妥協することを良しとしない完璧主義者の人ほど、自分の思い通りにならない現状にストレスを感じやすい傾向にあります。家事も育児も仕事も、何もかも完璧にこなそうとするのは現実的ではありませんので、育児に疲れたときはそれぞれのハードルを下げてみましょう。

きちんとやるべきことと、多少手抜きしてもよいことを明確にし、メリハリをつけておけば、心身への負担を軽減できます。

他の人と比べない

子育て中は、同じくらいの年齢の子どもを育てている人と比較してしまいがちです。「同じ年代の子がいるのに、いつもお部屋がきれい」「子どもがわがままを言わず、育てやすそう」など比べてしまうときりがありません。

比べてしまうと落ち込んで、疲れや不安をより感じやすくなります。そんなときは、他人は他人、自分は自分と割り切ることが大切です。
自分を主軸にして、「今日は仕事をがんばった」「子どもと笑顔で過ごせた」など、できたことを自ら褒めるようにすれば、自己肯定感が増して他人と比較することも軽減されるでしょう。

全てを自分のせいにしない

子育ては自分の思い通りにいかないことの方が多く、時には失敗したり、後悔したりすることもあります。その都度、「もっとこうしておけば」「あんなことしなければよかったのに」などと自分を責めていると、どんどん追い詰められてしまいます。

ただ、前述のとおり、子育ては計画通りにいかないことがほとんどです。子どもが健康かつ安全に生活するために必要なことをこなしていれば、多少の失敗があっても必要以上に自分を責めることはありません。

些細なミスであれば「仕方ない」「こういうこともある」と自分を許す意識を持つことも大切です。

ひとりきりで抱え込まない

相談できる人や頼れる人が身近なところにいない方は、子育てに関して疲労や悩みがあってもひとりで抱え込んでしまいがちです。「自分がやらなければ」「このくらいはひとりでやらないと」と気負ってしまうと、心に余裕がなくなってしまい、育児疲れが増長する原因となります。

何もかも自分ひとりで抱え込もうとせず、疲れたときは周囲の人に助けを求めたり、アドバイスを仰いだりすることを積極的に検討しましょう。

育児疲れを解消する方法は?

日々の育児疲れを解消するために、今すぐ実践できる方法と、少しずつ取り入れていきたい対策法を9つ紹介します。

1.がんばっている自分にご褒美をあげる

子育てをするのは親の義務ですが、自分の思い通りにならない子どものお世話をするのはとても大変なことです。
「育児をこなせて当たり前」とは思わず、毎日がんばっている自分に対して、たまにはご褒美をあげましょう。

例えば美味しいものを食べたり、欲しかった服を買ったりすると、やる気や元気が湧いてきます。
ストレスやイライラが溜まってからご褒美を買うというより、定期的に自分にご褒美をあげて、ストレスを溜めないようにするのがポイントです。

2.今の気持ちをノートに書き出す

パートナーが仕事で忙しく、まわりに頼れる人もいない方は、心の中にストレスを溜め込んでしまいがちです。

そんなときは、今の気持ちをノートに書き出して、心の整理をつけましょう。
心の中に溜まったものを文字という形で外に発散させると、ストレス解消に役立ちます。
後から読み直せば育児日記にもなりますので、子育ての記録を残しておきたいという方にもおすすめです。 

3.体を動かす

体を思いっきり動かすと、ストレスが発散され、育児で疲れた心を癒すことができます。
子どもを抱っこしていると肩こりや腰痛を発症しやすくなりますが、定期的に運動していればコリもほぐれるので、一石二鳥の効果も期待できます。

4.ゆっくりお風呂に入る

お風呂に入ってゆっくり体を温めると、心の緊張もほぐれ、リラックスすることができます。
子どもと一緒に入浴するとのんびりバスタイムを楽しむ余裕がないので、お風呂に入っている間はパートナーに子どもを任せましょう。

5.手を抜ける部分はないか考える

育児や家事を完璧にこなそうとすると大変なので、物事に優先順位をつけ、手を抜ける部分は思い切ってカットしてしまうのも1つの方法です。

例えば、離乳食は手作りにこだわらずにレトルトも活用してみる、大人の食事は宅配やデリバリーを活用するなど、さまざまな方法があります。
近年は育児や家事をサポートしてくれる便利なサービスがたくさん提供されていますので、上手に活用して日々の負担を減らしてみましょう。

6.プロに子どもを預ける

パートナーや身内に頼れないという人は、託児所やベビーシッターの利用を検討しましょう。託児所やベビーシッターの利用には事前登録や予約が必要なので、今すぐに預けるというわけにはいきませんが、準備が整えば、1日数時間に渡って子どもをプロに預けられます。

育児に忙しくて家事に手が回らないという場合は、家事代行サービスを利用するのもひとつの方法です。
なお、ベビーシッターの利用については、国の支援制度を利用することが可能です。[参考4]

政府は子ども・子育て支援新制度の一環としてベビーシッター派遣事業を実施しており、利用対象となった場合は対象児童ひとりにつき、1回あたり2枚(最大4,400円)の割引券が付与されます。(多胎児2人の場合は9,000円、多胎児3人以上の場合は18,000円)

同支援制度を利用するには、勤務先がベビーシッター派遣事業の利用を予定しており、かつ利用者自身が割引券の使用条件を満たしていることが条件となります。

割引券の使用条件については、内閣府のホームページで事前に要件を確認しておきましょう。

参考4:内閣府「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和4年度の取扱いについて

7.夫婦間で育児の負担割合を考える

どちらか片方に育児の負担が偏っていると感じたら、夫婦で話し合いの場を設け、育児比率を見直してみましょう。
あらかじめスケジュール表を用意して、「土日はパパがお風呂に入れる」「月水金はママが寝かしつけを担当する」などと役割分担をしていくと、夫婦で協力しながら育児に関わっていくことができます。

8.家族や友達に相談してみる

初めての子育ては心身ともに疲れやすいため、困ったことや悩み事があったら、両親や身近にいる先輩パパ・ママに相談してみましょう。頼れる人が身近にいない場合は、自治体の相談窓口や、無料の子育て支援サービスなどを利用すると、解決策の糸口が見つかることがあります。

夫婦だけで悩んでいると共倒れになってしまう可能性がありますので、完全に行き詰まってしまう前に、周囲にどんどん助けを求めることが大切です。

9.ファミリー・サポート・センターを活用してみる

ファミリー・サポート・センターとは、育児の援助を受けたい人と、援助を行いたい人を結ぶサービスのことです。それぞれがファミリー・サポート・センターの会員となり、センターが会員同士を仲介し、援助を求める人に必要な支援を届ける仕組みになっています。[参考5]

相互援助活動の内容は多岐に亘りますが、例えば、子どもの保育施設への送迎をお願いしたり、保育施設の時間外などに子どもを預かってもらったりすることが可能です。

ファミリー・サポート・センターは市区町村で実施しているため、子育て支援が必要なときはお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

参考5:厚生労働省「ファミリー・サポート・センターのご案内」p2

まとめ

育児中は、子どものお世話であっという間に一日が過ぎてしまい、なかなか自分の時間を取ることができません。特にパートナーが仕事で忙しく、ワンオペ育児になってしまうと、心身ともに追い詰められてしまうおそれがあります。

育児疲れが慢性化してしまう前に、自分にご褒美をあげたり、ゆっくりお風呂に入ったりして、ストレスと疲れをうまく発散させましょう。
時には託児所やベビーシッターなどプロの力を借りて、疲れを癒す時間を確保するのもおすすめです。また、夫婦で抱え込むと煮詰まってしまうことも多いので、両親や知人、自治体などへの相談も検討してみるとよいでしょう。

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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ