会社員におすすめの副業は?始め方や注意点を解説!

会社員におすすめの副業は?始め方や注意点を解説!

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インターネットの普及によってクラウドソーシングやリモートワークが当たり前になった現代では、本業をこなしながら空き時間で副業を始める人が増えてきています。

ただ、会社員が副業を始めるときは、いくつか注意しなければならない点があります。副業を始めてから「こんなはずでは…」と後悔することのないよう、会社員の副業に関する基本的な知識をしっかりチェックしておきましょう。

この記事では、会社員が副業をするにあたって気を付けたいポイントや、確定申告の必要性、おすすめの副業などについてわかりやすく解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

副業をしている人はどれくらいいる?

かつて特定の企業に属する会社員は、本業の妨げになる等の理由から、原則として副業は禁止されていました。しかし、副業を希望する雇用者の数は年々増加傾向にあり、実際に副業をしている人の数も右肩上がりです。

厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」の調査によると、正社員の5.9%、契約・嘱託社員の10.4%、派遣社員の14.2%の人が副業をしています。

そこで政府は、平成30年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業を希望する人が安心して副業・兼業に取り組むことができる環境づくりを行っています。

また、厚生労働省が同年に改訂したモデル就業規則においても、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と明記されていることから、国が会社員の副業・兼業を認めていることがうかがえます。

こうした国の意向を受け、近年では従業員の副業・兼業を正式に認める企業が徐々に増えてきています。

ただ、国による副業・兼業のすすめに法的な拘束力はないため、今も就業規則で「副業・兼業は不可」としている企業は少なくありません。禁止されている企業で働く会社員が副業を行い、その事実が明らかになった場合には懲戒処分の対象になってしまう可能性があります。副業を始める前に必ず就業規則を確認しておきましょう。

参考:厚生労働省「副業・兼業の現状①」、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」、「モデル就業規則

副業が会社に気付かれてしまうパターンとは?

社内規則では問題が無くても、周囲には副業を内緒にしておきたい人もいますよね。会社員の副業が気付かれる理由には複数のパターンがあります。

まず1つ目は、社内に流れる噂です。特に飲食店などでアルバイトをしている場合、どこかで誰かに見られている可能性があり、知らない間に噂が広まっていることがあります。

2つ目は、住民税の金額です。副業の所得が20万円を超えた場合、会社員でも確定申告が必要になりますが、その申告内容は住民税の算定のために住まいの地方自治体に引き継がれます。

地方自治体は申告内容をもとに住民税額を算定し、主たる給与の支払を受けている勤務先(本業の勤務先)から徴収する仕組みになっています。

住民税は課税所得額に一定の税率を乗じて計算する仕組みです。したがって、地方自治体から伝えられた住民税額が、本業から得た給与所得とつじつまの合わない金額だった場合、副業をしていることに気付かれる可能性があります。

副業の確定申告を行うとき、申告書の「住民税に関する事項」の欄で「自分で交付」に◯を付ければ、勤め先を介さずに住民税を納めることが可能になりますが、「副業・兼業は不可」という会社のルールに違反していることに変わりはありません。会社の就業規則にはしっかり従いましょう。

なお、一時期「マイナンバーを提出すると副業がバレやすくなる」という説が広まっていましたが、マイナンバーの利用を許可されているのは社会保障や税に関する事務手続のみです。

民間事業者がマイナンバーから所得などの個人情報を収集するのは不可能なので、マイナンバーが原因で副業に気付かれるということはありません。

※社内規定で副業が禁止されている場合もあります。詳しくは就業規則を確認してください。

何のために副業を始めるのか考えよう

会社員は、基本的には本業で5日間8時間ずつ働いたあと、休みの日に副業をすることになるため、副業をする理由が明確でなければ続かない可能性があります。どんな副業でも仕事なので、片手間に簡単にできるというものではありません。

厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」によると、副業をしている人(会社員以外も含む)もしていない人も1週間あたりの本業の総実労働時間は「40時間以上50時間未満」という回答が最も多く29.7%、副業をしていない人も「40時間以上50時間未満」という回答が最も多く40.4%で、40時間未満という回答は副業をしている人の割合の方が多く、副業していない人よりも本業にかかる時間が短い傾向にあります。

また、正社員が副業をしている理由としては、「収入を増やしたいから」という回答が60.8%で最も多く、次いで「1つの仕事だけでは収入が少なすぎて、生活自体ができないから」が35.3%、「自分で活躍できる場を広げたいから」が21%でした。

副業を始める前に、自分は何のために副業をするのかという目的を明確にしておきましょう。

会社員が副業をして確定申告が必要になるのはどんなとき?

会社員は通常、給与所得から社会保険料や所得税などが源泉徴収(天引き)されるため、本来なら確定申告を行う必要はありません。

ただし、以下の条件に当てはまるときは、会社員であっても確定申告を行う必要があります。

  1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  2. 1ヵ所から給与支払いを受けており、かつ給与所得および退職所得以外の所得(副業での収入など)の金額の合計額が20万円を超える人
  3. 2ヵ所以上から給与支払いを受けており、かつ給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
  4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や試算の賃貸料などを受け取っている人
  5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
  7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

副業からの収入が20万円を超える会社員の方は2のケースに該当するため、翌年の2月16日~3月15日の期間中に確定申告を行う必要があります。

会社員が確定申告する必要性や、確定申告の方法については、「会社員でも自分で確定申告をする必要がある場合・したほうがトクする場合を解説!」を参考にしてみてください。

参考:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人

本業に影響が出にくい副業5選

会社が副業や兼業を禁止する理由は複数ありますが、一般的に以下のような場合、懲戒処分の対象になると言われています。

  1. 副業によって本業に支障を来す場合
  2. 副業によって会社の信用に著しい影響を及ぼす場合
  3. 同業他社で副業を行った場合
  4. 副業によって会社に不利益を生じさせた場合

1は副業をすることで体力・気力が低下し、遅刻や欠勤などが頻発する状態を指します。

一方の2~4は、同業他社に企業機密が流れたり、個人情報が漏洩したりするリスクがあり、会社に損害や不利益を生じさせる直接的な原因となります。

副業OKの会社でも、1~4や就業規則に沿った副業を行うようにしましょう。

ここでは一例として、本業に支障の出にくい副業を5つ紹介します。

1. 株式投資・FX

株式投資やFXは、あらかじめ売買取引の条件を設定しておけば、自動で資産運用することが可能です。

FXというとデイトレードのイメージがありますが、運用方法によっては中・長期で保有することも可能ですし、取引対象が外国為替なので、日中の就業時間以外に取引できるところも利点です。

株式投資によって得た配当金は「配当所得」、売却によって得た譲渡益は「上場株式等の譲渡所得等」、FXで得た利益は「先物取引に係る雑所得等」として課税の対象になるため、確定申告が必要です。

参考:国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」、「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」、「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係

2. ポイント・アンケートサイト

ポイントサイトやアンケートサイトでは、アンケートに答えたり、動画を視聴したり、商品を買ったりすることでポイントを貯めることができます。

貯めたポイントは現金や金券、電子マネーなどに交換することが可能です。

空き時間にスマホなどで簡単にポイントを貯められるので、本業に支障を来す心配はありません。また、休日などを利用して座談会に参加するとより多くのポイントをもらえることもあります。

商品を買ったときにもらったポイントは「一時所得」、その他アンケートへの回答などで得たポイントは「雑所得」として課税の対象になります。一時所得の対象となる収入が年間50万円以上、雑所得の対象となる収入が年間20万円以上の場合、確定申告が必要です。

参考:「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い

3. 覆面モニター、ミステリーショッパー

一般客を装って店舗を利用し、接客態度や店内の様子などをモニタリングする方法です。

店舗で購入または利用したサービスの料金はモニター運営会社が負担してくれる上、別途報酬も受け取ることができます。

土日祝日など仕事が休みの日に行えば本業に支障はありませんし、特別なスキルなどもいらないので、手軽に始められるところが特徴です。

覆面モニターやミステリーショッパーとして得た収入は「雑所得」扱いとなります。

4. アフィリエイト

自分で作成したブログやHPに広告を掲載し、サイト訪問者が広告を通じて商品を購入したときに報酬を得る方法です。

もともと趣味でブログやHPを公開している場合は、アフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)に登録し、サイト上に広告を掲載するだけでスタートできます。無料のブログサービスなどを利用すれば、簡単な手続きでブログを開設できるので、パソコン初心者にもおすすめです。

ブログの記事はパソコンやスマホなどから24時間投稿できるので、昼休みや寝る前の時間などを使って記事を作成すれば、本業の妨げになることはないでしょう。

アフィリエイトで得た収入は「雑所得」あるいは「事業所得」扱いとなります。

5. フリマアプリ、ネットオークション

フリマアプリやネットオークションを利用して不要品を売却し、利益を得る方法です。

日常生活に使用した資産の売却であれば、所得税は原則として非課税になりますので、確定申告も不要です。

ただし、衣類や雑貨、家電などの資産を新たに仕入れて売却した場合、売上による所得は「雑所得」扱いとなります。

参考:国税庁「ネットオークションやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による収入がある場合

会社員の立場を活かして副業をするには?

会社員が副業するメリットは、

・収入を増やせる
・本業以外の気づきがある
・人脈や本業の知識を活かして仕事ができる

といった点です。

本業と競合しないよう注意が必要ですが、会社員として得た知識やスキルを活かして副業ができると、身体的にも負担が少なく行えるかもしれませんね。

知識やスキルを活かす副業の例としては、ファイナンシャルプランナーが金融系メディアでライターをする、事務員が在宅でデータ入力をする、アパレル店員がモデルとして活動する、本業でマーケティング支援会社に勤める人が知り合いのカフェのSNSやSEOマーケ支援をするなどがあげられます。

会社員で副業をしていた人の体験談

(30代女性)

マーケティング支援会社でオウンドメディアを制作していたところ、知り合いから声をかけられたので別メディアで執筆していました。平日は本業で働いていたため、昼休みや夜、休日を使って月数本を書きました。

家事や子育てもあるため、時間的に難しいし疲れるのですが、本業も副業も重なっている部分があったのと、何より楽しかったので副業ができていたと思います。とはいえ、納期が迫っているときは深夜2時まで起きていたので、健康面ではあまり良くなかったですね。

会社員が副業をするメリットは、自分の仕事の幅が広がることだと思います。会社員として得た知識や経験を活かした副業をすれば、本業にも副業にも役立ちます。

私は本業で編集者、副業でライターに近い立場でした。両方の立場を経験することでどちらの気持ちも分かり、指示の伝え方や接し方の勉強になりました。

別の知り合いは副業がきっかけで転職したり、フリーランスになったりしています。自分の可能性を広げたいと考えている人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

知り合いが相手だろうと、お試しだろうと、仕事を開始する前にお互いのために契約書をしっかり結ぶことをおすすめします。請求書や確定申告などの知識も必要です。本業では法務や経理などがやってくれますが、副業分は少額だろうと自分で行わなければなりません。

会社員が副業をするときの注意点

会社員の場合、給与所得からすでに所得税が源泉徴収されているため、副業による収入・所得が20万円以下の場合は原則として確定申告は不要です。

ただし、住民税にはもともと源泉徴収制度がなく、給与所得以外の所得と合算した上で納税額を計算する仕組みになっています。

そのため、副業で給与所得以外の収入を得ている場合は、20万円を超えるか否かに関係なく、住民税の申告の必要があります。

住民税の申告は、市町村役場の市民税課や、市税事務所の市民税担当窓口などに「住民税申告書」を提出することで行いますが、手続きの場所は自治体によって異なりますので、事前に役所に問い合わせておきましょう。

また、働き方にも注意が必要です。本業・副業ともに守秘義務を守り、社内規則(競合で副業しないなど)に則って副業をしなければ、本業を失ってしまうかもしれません。また、本来は休日である時間に副業をすることになることが多いため、体を壊さないよう適度に休息を取ることをおすすめします。

何のために副業をしているのかという目的を明確にし、本業をおろそかにせず(本末転倒になってしまいます)、健康第一で取り組みましょう。

まとめ

副業が禁止されている企業に勤める会社員でも、本業に支障がない場合は、副業を行うことが可能です。たとえば、株式やFX、アフィリエイト、フリマアプリを使った売却などは、すき間時間や就業時間外に行えます。

ただ、給与所得以外に20万円を超える収入・所得がある場合は、会社員であっても確定申告を行わなければなりません。

副業の収入が20万円以下の場合、確定申告は不要ですが、住民税は別途市町村役場などで申告する必要がありますので、あらかじめ注意しましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

記事提供元:株式会社ぱむ