「貯金」と「預金」の違いがよく分からず、同じ意味だと思っている方は意外と多いかもしれません。
この記事では「貯金」「預金」に「貯蓄」も加え、それぞれの意味や違いを分かりやすく解説します。言葉の定義だけでなく、将来を見据えたお金の管理方法や資産形成の考え方も紹介。今後のお金との付き合い方を考える参考にしてください。
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「貯金」「預金」「貯蓄」の違いは?
普段、同じような意味として使われがちな「貯金」「預金」「貯蓄」ですが、実はそれぞれ意味が異なります。まずは、3つの言葉が持つ本来の意味合いから見ていきましょう。
1. 預貯金や投資を含めた総合的な資産「貯蓄」
「貯蓄」は、3つの言葉のなかでもっとも広い意味を持つ言葉です。銀行などの預貯金に加え、株式や投資信託、生命保険なども含めた金融資産全体を指します。「預金」や「貯金」よりも幅広い概念で、将来のために蓄えているお金全体を表す言葉です。
2. 銀行などの金融機関に預けるお金「預金」
「預金」とは、銀行や信用金庫、信用組合などの金融機関に預けるお金のことをいいます。給与の受取りや公共料金の引去りなど、日常的に利用している銀行口座をイメージすると分かりやすいでしょう。お金を安全に保管し、必要なときに引き出せる、私たちの生活にもっとも身近な仕組みといえます。
3. 郵便局やJAなどに貯めるお金「貯金」
「貯金」とは、主にゆうちょ銀行やJAバンク(農業協同組合)などに預けるお金を指します。一般的な銀行では「預金」、ゆうちょ銀行やJAバンクでは「貯金」と呼ばれるなど、預け先の金融機関によって名称が異なります。お金を預けたり引き出したりといった基本的な仕組みや利用方法に大きな違いはありません。
なお、日常会話では「お金を貯めること」全般を「貯金」と呼ぶこともあります。本来はゆうちょ銀行などに預けるお金を指しますが、現在ではより広い意味で使われています。
貯金と預金の代表的な種類と特徴
貯金口座や預金口座には、いくつかの種類があります。自分のお金を上手に管理するためにも、各口座の特徴や「どのようなときに使うべきか」を理解しておきましょう。
1. 普通預金・通常貯金
普通預金や通常貯金は、自由にお金を出し入れできるので「日常使いの口座」にぴったりです。給与の受取りや、家賃、光熱費といった生活費の支払いに適しています。日々の生活に必要なお金を入れておき、お財布代わりとして利用できます。
2. 定期預金・定期貯金
定期預金や定期貯金は、すぐに使う予定のない「貯めるためのお金」を預けるのに適した口座です。あらかじめ預入期間を決める商品で、満期までは自由に引き出せない代わりに、一般的には普通預金・通常貯金より高い金利が設定されています。
例えば、「3年後の車の購入資金」や「来年の海外旅行の費用」といった、目的が決まっているお金を分けて管理するのに向いています。お金を確実に貯めたいときに活用したい口座です。
3. その他の預金
普通預金や定期預金のほかにも、目的に応じて利用できるさまざまな預金があります。ここでは、その一例を紹介します。
- 当座預金:主に法人が事業の決済(支払いや引去りなど)に利用する預金。利息はつかないが、預金保険制度の対象となり全額保護される
- 貯蓄預金:銀行が定める金額以上を預けると、普通預金より高い金利が適用されることが多い預金。いつでも自由に出し入れできるが、給与や年金の受取り、公共料金などの口座振替には利用できない
- 外貨預金:外国の通貨で預金する方法。一般に円預金より高い金利が設定される傾向がある。ただし、為替変動による元本割れのリスクがあり、円と外貨を交換する際には為替手数料がかかることが多い
このように、お金の使い道に合わせてさまざまな種類の預金が存在します。
金融機関に万一のことがあったときの「預金保険制度」
金融機関が万一の事態に陥った場合に備え、私たちの預金は「預金保険制度」で保護されています。ここでは、その仕組みについて見ていきましょう。
1. 制度の仕組みと保護される金額
万一、金融機関が経営破綻した場合に備え、預金保険制度(ペイオフ)という仕組みがあります。この制度によって、1つの金融機関に預けているお金のうち、預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息が保護されます。
例えば、ある銀行の普通預金と定期預金に合計800万円を預けていた場合は、元本全額とその利息が保護の対象です。
一方で、合計1,500万円を預けていた場合に保護されるのは、元本1,000万円までとその利息のみです。
1,000万円を超える部分については、破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われるため、一部が戻ってこない可能性があります。
預金保険制度の詳細は、金融庁の「預金保険制度」をご確認ください。
2. 1,000万円を超えるお金はどう管理する?
先ほど解説した預金保険制度があるため、1,000万円を超えるまとまったお金は、複数の金融機関に分けて預けるのがおすすめです。例えば、1,500万円ある場合、A銀行に800万円、B銀行に700万円と分けて預金すれば、万一の際でもそれぞれの口座が保護の対象となります。
また「決済用預金」を活用する方法もあります。「決済用預金」とは、利息がつかない代わりに、金融機関が破綻した場合でも預けた全額が保護される預金です。手続き方法は金融機関によって異なるため、詳しくは利用している金融機関に確認しましょう。
お金を貯めるための口座の使い分けや仕組みづくり
ここからは実践編として、預金口座や貯金口座をどのように活用すれば家計管理がしやすくなるのか、具体的なテクニックを解説します。
1. 目的別に口座を使い分ける

お金を効率よく貯めるには、目的別に口座を使い分ける方法が有効です。1つの口座で管理していると、どこまで使ってよいのかが分かりにくく、つい貯めようとしている分まで使いすぎてしまうからです。
例えば、次のように口座ごとに役割を決めておくと、お金の管理がしやすくなります。
| 口座の目的 | 用途 | 主な内容 |
| 生活費用 | 毎月の生活費を管理する | 給与の受取り、家賃、光熱費、通信費、食費など |
| 特別出費用 | 不定期に発生する支出に備える | 旅行、冠婚葬祭、家電の買替えなど |
| 貯蓄用 | 将来に向けて計画的に貯める | 教育資金、住宅購入資金、老後資金など |
このように口座ごとの役割を明確にしておくと、お金の流れを把握しやすくなり、計画的にお金を貯めやすくなります。
2. 先取り貯蓄でお金が貯まる仕組みづくりをする
お金を確実に貯めるためには「先取り貯蓄」の仕組みを作ると効果的です。先取り貯蓄とは、給料などが入ったら、使う前にあらかじめ貯蓄するお金を取り分ける方法です。
例えば、金融機関が提供する「自動積立定期預金」などを利用すれば、毎月決まった日に決まった金額を自動で積み立てられます。先に貯蓄分を確保してから残ったお金で生活するため、お金の使いすぎを防げます。先ほど紹介した目的別の口座と組み合わせれば確実でしょう。
意志の力に頼らなくても貯蓄の習慣がつき、無理なくお金を貯められます。
ライフイベントで変わるお金の考え方
人生のステージが進むにつれて、お金の役割や貯め方も少しずつ変化します。ここでは代表的な3つのステージに分け、それぞれの年代に合った資産形成の考え方を解説します。
1. 独身期:まずは「預金・貯金」で生活の基盤をつくる
独身期は、将来のための資産形成よりも、まずは日々の生活を安定させることが最優先です。
病気や転職といった予期せぬ出来事があっても暮らしを維持できるよう「万一に備えるお金」を準備しておきます。すぐに引き出せる普通預金などで確保しておくと、いざというときにも安心です。
生活の基盤が整い、毎月の収支に余裕が出てきたら、その余裕資金を活用した資産形成も検討してみましょう。この時期は大きな金額を投資する必要はありません。まずは少額から始め、お金が変動する感覚に慣れることを意識すると良いでしょう。
2. 結婚・子育て期:「投資商品」「保険」などを組み合わせて将来に備える
結婚や子育てが始まると、住宅購入や子どもの教育費など、まとまったお金が必要になるライフイベントが増えてきます。そのため、これまでの預貯金に加えて投資や保険も組み合わせながら、将来に向けて準備を進めましょう。
数年以内に使う予定のあるお金は預貯金で確保し、当面使う予定のない余裕資金を資産形成に回すなど、目的に応じた使い分けを意識します。
病気やケガなどへは保険で備えると安心です。特に結婚や子どもが生まれると自身の家計への影響も増します。病気などで収入の減少と出費の増加が重なると、預貯金の減少にもつながりかねません。保険での保障があると将来設計が崩れにくいでしょう。
また、独身期から資産形成を始めている場合は、家計に無理のない範囲で積立額を調整し、ライフプランに合わせて計画的に資産を育てていきましょう。
3. セカンドライフ準備期:老後に向けて「貯蓄」を守りながら育てる

子どもが独立し、定年退職が見えてくると、老後の生活資金を本格的に準備する時期に入ります。
この年代は、万一、資産が大きく減ってしまった場合、回復を待つ時間が限られます。そのため、これまで築いてきた資産を守る意識を持ちながら、必要に応じて運用も続けるなど、バランスを意識した管理が必要です。
値動きの大きい資産に偏っている場合は、その割合を少しずつ減らすなど、リスクを抑えた資産配分への見直しを検討してみてください。
日々の生活や急な出費に備える預貯金は手元に確保しながら資産運用も継続し、老後資金を着実に準備していきましょう。
資産はバランスを考えて持つのが大切
将来のためにお金を準備する際は「万一に備えるお金」と「育てるお金」の両方を、バランス良く持つ視点が欠かせません。ここでは、資産を築く上で押さえておきたいポイントを紹介します。
1. 生活防衛資金を預貯金で確保する
資産形成を考える上で、まず備えておきたいのが「生活防衛資金」です。生活防衛資金とは、病気やケガ、失業といった予期せぬ事態で収入が途絶えても、当面の生活を維持するためのお金です。
一般的に、会社員なら生活費の3ヵ月から6ヵ月分、自営業やフリーランスの方は約1年分が目安とされています。必要なときにすぐに引き出せるよう、普通預金などで管理するのが望ましいでしょう。
生活防衛資金についてより詳しく知りたい方は「生活防衛資金とは?金額の目安や貯め方のポイントを紹介」もご覧ください。
2. 物価高(インフレ)による「お金の価値の目減り」に備える
物価の上昇、いわゆるインフレが続くと、お金の価値は実質的に目減りしてしまいます。銀行の預金金利が物価の上昇率に追いつかない場合、お金の価値が実質的に下がってしまうからです。
例えば、物価が2%上昇すると、これまで100万円で買えたものが102万円になります。銀行に100万円預けていると、1年後に預金と利息を合わせても同じものが買えなくなるイメージです。
このような状況に備えるため、預貯金だけでなく、投資も取り入れながら資産を増やしていきましょう。将来に向けた「貯蓄」は、預貯金と投資を目的に応じて組み合わせることを意識してください。
3. NISAやiDeCoなど運用益が非課税の投資制度を活用する
余裕資金で投資を始めるなら、国が用意した税制上有利な投資制度である「NISA」や「iDeCo」の活用を検討してみましょう。
それぞれの制度には、以下のような特徴があります。[参考1]
- NISA:通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAなら非課税になります。少額から始めやすく、長期的な資産形成に活用できる制度です。
- iDeCo:老後資金作りを目的とした私的年金制度です。NISAと同様に運用益が非課税になるほか、掛金が所得控除の対象になるなど税制上のメリットがあります。
生活に影響のない余裕資金の範囲で、自分の目的に合わせてこれらの制度を活用しましょう。
参考1:金融庁「NISAを知る」
国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」
4. 万一に備えながら貯める「貯蓄型保険」という選択肢も
リスクを抑えて運用したい方や、セカンドライフ準備期の方は、万一に備えながらお金を準備できる「貯蓄型保険」を検討してみましょう。
貯蓄型保険には、主に次のような特徴があります。
- 保険料を払いながら、将来に向けた資金を準備できる
- 死亡保障など、万一に備える保障もある
このように、保障を得ながら着実に資産を準備できるのが貯蓄型保険の魅力です。
例えば、お子さまの教育資金には「学資保険みらいのつばさ」のような学資保険、ご自身の老後資金には「個人年金保険みらいプラス」のような個人年金保険があり、目的に合わせて選ぶことができます。
まとめ
この記事では「貯金」「預金」「貯蓄」の違いについて解説しました。預金は銀行、貯金はゆうちょ銀行など、預ける場所で呼び方が変わります。そして貯蓄は、これらを含めた金融資産全体を指す言葉です。
まずはこの違いを理解し、目的別の口座管理や先取り貯蓄から始めてみてください。将来のライフプランに合わせて、NISAなどの制度も活用しながら、自分に合った方法で資産を築いていきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
田辺 容子(たなべ ようこ)
FPライター。証券会社にて個人向け資産運用のアドバイス業務に約10年間従事。現在は、実務経験と金融資格、自身の投資経験を活かし、金融分野に特化したライターとして活動中。メガバンクのコンテンツ制作や大手金融メディアでの記事執筆など、信頼性が重視される案件を多数手がけている。2級FP技能士、証券外務員一種。
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ
~47Life編集部よりコメント~
「貯金」「預金」「貯蓄」は、日常では同じような意味で使われることが多い言葉ですが、それぞれが指す範囲には違いがあります。
言葉の意味を知ることで、ご自身がどのようにお金を管理し、将来に向けて準備しているのかを改めて整理するきっかけにもなるでしょう。この記事が、ライフプランに合わせたお金との付き合い方や、無理のない資産形成について考える参考になれば幸いです。

