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老後および定年後に仕事をする人は10年前に比べて増加しており、退職後も働くことが当たり前になりつつあります。この記事では、老後・定年後のおすすめの仕事や仕事をするメリット、仕事の見つけ方などについて紹介します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
老後・定年後も仕事をする人はいる?
定年退職した老後に働く人はどの位いるのでしょうか。内閣府が発表した「令和5年版高齢社会白書」をもとに、就業状況や何歳まで働きたいと考えているか、「高齢者就業確保措置」について解説します。
1.就業状況
高齢者の就業率は10年前に比べて明らかに上昇しています。[参考1]
【年齢階級別就業率の推移】
2012年 | 2022年 | 上昇幅 | |
60~64歳 | 57.7% | 73.0% | 15.3% |
65~69歳 | 37.1% | 50.8% | 13.7% |
70~74歳 | 23.0% | 33.5% | 10.5% |
75歳以上 | 8.4% | 11.0% | 2.6% |
全ての階層で就業率が上昇していることや、定年後の65~69歳の半数以上が何らかの形で就業していることなどが読み取れます。つまり10年前に比べると、定年後も働いていることがより一般的になったといえるでしょう。
参考1:内閣府 「令和5年版高齢社会白書概要版 第1章 高齢化の状況(第2節)」
2.何歳まで働きたいと考えている?
収入がある仕事をしている60歳以上の人のうち、36.7%が「働けるうちはいつまででも」働きたいと回答し、70歳くらいまでかそれ以上まで働きたいと答えている人と合わせると約87%の人が「高齢期も働きたい」と回答しました。[参考2]
つまり60歳を超えた後も、仕事をしている人は労働意欲を持っていることを示しています。
参考2:内閣府「令和5年版高齢者白書 第1章 高齢化の状況 第2節 高齢期の暮らしの動向(1)1 就業・所得(6)就業状況」
「高年齢者就業確保措置」とは
高年齢者就業確保措置とは、2021年4月から施行された改正高年齢者雇用安定法で追加された努力義務のことです。この措置は、高年齢者の就業率の上昇や、働く意欲のある高齢者のニーズに応じたもので、企業側に高齢者雇用の環境整備を促す仕組みです。
改正前の高年齢者雇用安定法では60歳未満の定年の禁止や65歳までの雇用確保措置が定められていました。[参考3]
改正後、65歳まで雇用を確保する義務に加えて65~70歳までの就業機会を確保する努力義務が追加されました。企業は以下のうちいずれかの措置を講じなければなりません。[参考3]
- 70歳までの定年引上げ
- 定年制の廃止
- 70歳までの継続雇用制度の導入
- 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
- 70歳まで継続的に社会貢献事業に従事する制度の導入
参考3:厚生労働省「高年齢者雇用安定法改正の概要」
老後・定年後におすすめの仕事
定年退職後は現役時代よりも自由に時間を使えるようになります。ここでは、定年後のおすすめの仕事をいくつか紹介します。
1.管理人
マンションの管理人は60代でも求人が多い職種で70代の求人もあります。雇用形態は契約社員やパートが多く、健康状態に問題なければ採用されやすい傾向にあります。
主な仕事はマンション全般の管理と清掃作業、管理組合の補助業務などです。管理業務には受付対応や共有スペースの管理(消防設備・照明器具・郵便受け・掲示板など)、小規模な修繕や敷地内の剪定の立会いが含まれます。
2.講師
講師やインストラクターといった「教える仕事」も老後の職種の選択肢の一つでしょう。教える仕事の代表が講師です。
趣味や自分の仕事の経験を活かすなら各種スクールの講師がおすすめです。例えばIT系の仕事についていればプログラミング教室の講師、地域オーケストラに所属していた方であれば音楽講師などさまざまなものがあります。
3.ドライバー
自分のペースで働きたい方におすすめなのがタクシードライバーです。タクシードライバーの約70%が未経験者からスタートしているというデータもあるため、退職後に新しく始める仕事としても適しています。[参考4]
現在働いている人の平均年齢は60歳で、現役ドライバーの半数が65歳以上であることや複数の勤務体系から働き方を選べるという点でも高齢者に向いた仕事だといえます。[参考4]
参考4:厚生労働省「タクシードライバーになろう」p.2
4.警備員
警備員も高齢者の求人が多い仕事です。警備員のうち60代が約30%、70代が約18%であるため高齢者でも就業しやすいことがわかります。[参考5]
警備の中でも最もおすすめなのが施設警備員です。オフィスビルや商業施設、公共施設などで働きますが、肉体的な負担が少ないため高齢者に向いています。接客することがあまりないため、黙々と仕事がしたい人に向いています。
参考5:厚生労働省 「職業情報提供サイト」
5.清掃員
清掃員の仕事も求人が多く未経験からスタートできる点で良いでしょう。中高年を採用する企業が多く、女性用トイレの清掃なども含む場合は、特に女性が活躍しやすい職場です。
ホテルや病院、オフィスビル、商業施設、マンションなどで仕事をするケースが多く働き口が多いのが特徴ですが、体力を使う職場もあるため体力と相談しつつ働くのが望ましいです。
6.介護士
介護士として介護や福祉の現場で働くという選択肢もあります。実際、多くの高齢者が介護事業所で働いており、65歳以上の労働者がいる割合は全体の69.1%と約7割の事業所で高齢者が働いています。[参考6]
高齢者が介護士として働くことで、利用者がコミュニケーションを気軽に取りやすくなると共に、自身が介護の知識や技能を身につけられるため、今後の生活に役立つでしょう。
参考6:介護労働安定センター「令和4年度 介護労働実態調査結果」p.4
7.家事代行
家事代行やハウスキーパー(家政婦)は掃除や洗濯、住宅内の整理整頓、料理などが主な仕事で、主婦であれば自身の長年の経験を活かすことができます。また基本的に未経験者でもスタートしやすく、パートやアルバイトとして週1日・数時間から働けるため負担が少なく、高齢者に向いているといえるでしょう。
8.シニアアドバイザー
定年後のキャリアの一つに会社で後輩を育成するシニアアドバイザーの仕事があります。これまで会社員として蓄積してきた豊富な知識や経験を活かし、会社の実務を担うほか、アドバイザーとして勤務します。
70歳までの就業機会の確保策の一つとして導入が図られており、シニア社員のモチベーションアップなどの効果が期待されています。
9.シルバー人材センター
シルバー人材センターは定年退職者などの健康で就業意欲のある高年齢者を会員とする組織で、ライフスタイルに合わせた臨時的・短期的な仕事を会員に提供します。シルバー人材センターに会員登録しておくことで、自転車置き場の管理や植木の剪定、清掃、福祉・家事援助サービス、観光案内など幅広い仕事から自分が好きな仕事を選んで請け負うことができます。[参考7]
参考7:公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センターとは」
老後・定年後にも仕事をするメリット
高齢者が老後・定年後に働くことでどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは老後資金、やりがい、健康維持の3つのメリットをとりあげます。
1.老後資金への不安が軽減される
令和2年の高齢者世帯(65歳以上の人のみで構成する世帯および、65歳以上の高齢者と18歳未満の未婚者で構成される世帯)の平均所得金額は332.9万円でその他の世帯の689.5万円に比べると大きく落ち込みます。こうしたデータを見て収入面に不安を持つ人も少なくありません。[参考8]定年後も働くことで、年金以外で収入を得る機会となり、老後資金に対する不安を少しでも軽減することができます。
参考8:内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向(1) 1 就業・所得」
2.やりがいや生きがいを感じられる
収入にゆとりがある人でも、仕事をすることでやりがいや生きがいを感じたいという理由で働いている人がいます。仕事を通して社会とのつながりを維持し、自分が「役に立っている」と実感することでやりがいや生きがいを感じやすくなります。
3.健康維持につながる
退職後も現役時代と同じように仕事をすることで規則正しい生活を送ることができます。また体力に応じた仕事をしていれば、職場を通じて社会とコミュニケーションも維持できるので、身体的にも精神的にもよい状態を保てることができ、健康維持にもつながりやすいでしょう。
仕事の探し方・見つけ方
定年後に新しい仕事を見つけるにはどうすればよいのでしょうか。仕事の探し方・見つけ方を3つ紹介します。
1.自分の今の体力、体調に合わせて選ぶ
最初に考えなければならないのは自分の体力や体調との兼ね合いです。定年後は若いころに比べて体力が落ちているため、激しい肉体労働はできません。体調面で不安を抱えている場合も同様です。今の自分の体力や体調でできる仕事が何かを考えて、仕事を選びましょう。
2.スキルや経験の棚卸しをする
今の自分に何ができるか考えるため、これまでのスキルや経験を棚卸する必要があります。スキルといえば取得している資格をイメージするかもしれませんが、それ以外にも対人関係の能力や営業などで培ったトークスキル、事務処理能力、IT関連の処理能力など幅広く考えて自身の棚卸しをしてみましょう。
3.条件の優先順位を明確にする
再就職に関する優先順位をはっきりさせておく必要もあります。収入面を優先するのか、勤務時間や自由度を優先するのか、健康維持を優先するのか、自分にとって何が一番大切かを考えて明確化することで、再就職先を選択しやすくなるでしょう。
仕事を探す前に確認すべきこと
仕事探しをする前に経済面の現状把握や今後のリスク、保険の見直しなどを確認します。
1.現在の生活水準や収支を把握する
最初にするべきことは現在の月別の生活水準や収支を正確に把握することです。退職後の主な収入は公的年金と退職後に働いて得る収入です。両者を足しておよその1ヵ月の収入を把握しましょう。
また退職後にも必要なお金は食費、住居費、水道・光熱費、被服費、保険医療費、交通・通信費、娯楽費など多岐にわたります。住宅ローンの支払いが残っている場合は、その分も必要です。これらの支出を合計して、およその1ヵ月に支払うべき支出を割り出しましょう。こうしておよその収支バランスを把握したうえで、現在の生活水準を維持するために問題がないかを考えてから仕事を探すことが大切です。
2.今後起こりうるリスクを想定しておく
定年後に起こりうるリスクについてもあらかじめ想定しなければなりません。主なリスクは働けなくなることで起きる収入減少リスク、病気やけがなどの医療に関するリスク、長生きすることで資産が枯渇するリスクの3つです。
これらの3つリスクを想定して、無理なく続けられる仕事を探すことが大切です。
働けなくなることで起きる収入減少リスクは本記事にて対策に向け行動できるでし
ょう。病気やけがなどの医療に関するリスクについては、次章の「保険の見直しを行う」にて対策が可能です。長生きすることで資産が枯渇するリスクについては「老後資金はいくら必要?年金だけでは足りない?金額の目安や備える方法について」にて紹介していますので、ぜひこちらでご確認ください。
3.保険の見直しを行う
老後は生活スタイルが大きく変わるため、備えるべきリスクも変化します。それに合わせて保険を見直すことも重要です。退職後は現役時代に比べて収入が減るため、それに見合った医療保険中心の保険にするのがおすすめです。
しかし、退職後も働き続けることを考えると他の選択肢を考慮することもできます。一生涯保障が続く医療保険や介護や認知症に備えた保険、一定期間の万一を保障する保険など多くの選択肢から保険を見直すことができます。さまざまな観点から保険を見直したい方はぜひフコク生命に「資料請求」をしてみて下さい。
取っておくと良い資格も知っておこう
退職後の再就職をスムーズに決めるのに役立つのが資格です。資格を取得することで特定分野の知識や技能を持っていることが客観的にわかりやすくなるため、再就職に有利になります。
また行政書士や宅地建物取引士(宅建士)などは独立・開業するときにも役立つ資格です。取って置くとよい資格について詳しく知りたい方は「理想の老後を叶えるための、稼げる資格10選!」もご覧ください。
まとめ
この記事では老後・定年後に仕事をしている人の現状やおすすめの仕事、老後・定年後に仕事をするメリットなどについてお伝えしてきました。老後に働くことを肯定的にとらえ、老後資金の不安解消ややりがいの獲得、健康維持といったプラスの面を前向きにとらえるとよいでしょう。
ただし、再就職するといっても自分の健康が第一です。仕事を見つける際は自分の今の体力やライフスタイルを考え、無理のない働き口を探しましょう。
また、仕事を探す前に現在の生活水準や今後起こりうるリスクを想定し、自分に必要な保険の見直しをすすめましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ