老後の医療費はいくら?自己負担割合は?

老後の医療費はいくら?自己負担割合は?

日本人の平均寿命は年々伸びており、厚生労働省の「簡易生命表(令和元年)」では女性の平均寿命は87.45歳、男性の平均寿命は81.41歳となっています。[注1]

長生きすればするほど、その後の生活費も増えてきます。さらに、高齢になると病気やケガのリスクも増加し、医療費にも多くのお金がかかるかもしれません。        

この記事では、老後の医療費やその自己負担割合がどのくらいになるのかについて解説します。

老後にかかる医療費と自己負担額の目安

日本人1人が生涯にかかる医療費はおよそ2,736万円です。そのうち、70歳以上の医療費はおよそ1,358万円で、生涯医療費全体の約50%にものぼります。

つまり、人生でかかる医療費のうち、約半分の医療費は70歳を超えてから支払うことになるのです。[注2]

もちろん、公的医療保険制度や高額療養費制度があるため、医療費の自己負担額については上記の金額よりは少なくなります。医療費の自己負担割合は、年齢や所得によっても異なりますが、かかった医療費の1〜3割ほどになります。自己負担額については、公的医療保険制度や高額療養費制度を考慮した上で、備えておく必要があるでしょう。

定年後の自己負担額ですが、平均すると1ヵ月あたり5,000円~7,500円程度の医療費を自己負担することになります。夫婦で考えると、月に1万円〜1万5,000円くらいとなり、年金をもらって生活している高齢者にとっての負担額としては非常に大きいと言えるでしょう。[注2]

[注2]医療保険に関する基礎資料~平成30年度の医療費等の状況~

老後の医療費を軽減してくれる公的制度

老後の医療費を軽減してくれる公的制度として、医療保険制度と高額療養費制度があります。

公的医療保険制度における医療費の自己負担割合については、以下の通りです。

年齢医療費の自己負担割合
70歳未満3割
70〜74歳2割(現役並み所得者は3割)
75歳〜1割(現役並み所得者は3割)

日本の公的医療保険制度では、年齢が上がるにつれて自己負担割合が減っていく仕組みになっています。しかし、「現役並み所得者」の場合は、自己負担割合が3割となります。

「現役並み所得者」とは、70歳以上の被保険者で年収370万円以上、標準報酬月額が28万円以上、課税所得145万円以上の人を指します。

また、日本には高額療養費制度と呼ばれるものがあります。

高額療養費制度は、医療費が一定金額を超えると、上限を超えた分のお金が国から還付されるという仕組みです。

高額療養費制度のおかげで、医療費が膨らんでも支払額がいきなり増えるという心配はありません。

70歳以上の場合、高額療養費制度における上限額は以下のように設定されています。

所得上限額
住民税非課税の低所得者1万5,000円または2万4,600円
年収約370万円未満5万7,600円
年収約370万円~約770万円8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
年収約770万円~約1,160万円16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
年収約1,160万円以上25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1%

所得に応じて高齢者以外も利用できる制度ですが、高齢者の場合、医療費の上限が低くなるため還付金を受け取れる可能性が高くなります。

高額療養費制度については、医療費や入院費などが高額になった場合に病院からも説明を受けることができますが、自分でもしっかり把握しておくようにしましょう。

老後の医療費は今後高くなる?

健康保険組合連合は2022年から、75歳以上も2割負担にする可能性があることを発表しました。[注3]

従来の公的医療保険制度では75歳を超えれば、医療費のうち1割が自己負担だったので、単純計算で2倍の医療費がかかることになります。

また、公的医療保険制度だけではなく、高額療養費制度についても今後、高齢者の負担が増えるような変更がされる可能性もあります。

これまでの日本は、高齢者に対する社会保障が厚いシステムとなっていました。

しかし、「団塊の世代」と呼ばれる昭和22年〜24年に生まれた人たちが、75歳以上になると社会保障費が膨れあがってしまう恐れがあります。また、日本では高齢化が進むだけでなく、少子化問題も深刻です。

今までのような国民皆保険制度を維持するためには、高齢者の自己負担を増やさなければならない状況となっています。

今後のライフプランを立てる際には、これから老後の医療費が高くなる可能性を念頭に置いて考えるようにしましょう。

[注3]今、必要な医療保険の重点施策- 2022年危機に向けた健保連の提案

保険や貯蓄で老後の医療費に備えよう

老後の医療費をしっかりと準備するためにも、民間の医療保険や個人年金保険に加入しておくとより安心です。

若い頃に加入した民間の医療保険については、可能であれば、50代前半までに契約の見直しをしたほうが良いでしょう。医療保険は時代の変化とともに保障内容が大きく変わってきており、最新の先進医療に対応していない保険プランもあります。

※先進医療とは、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養の他の療養」のことです。健康保険を使用することができず、治療費は全額自己負担となります。 

例えば、”がん”と診断されたとします。しかし、最新の治療に保険が対応しておらず、保障が受けられないというケースがあるのです。医学は数十年前よりも大幅に進歩しており、がんの治療についてもさまざまな治療法が見つかっています。

医療保険に加入していても、昔の保障プランのままだと、いざという場面で医療費の保障がされないという事態になりかねません。そのようなことがないように、保険もしっかり見直しておきましょう。

民間の医療保険のほかに、個人年金保険への加入もおすすめです。

個人年金保険とは、支払った保険料を積み立て、年金という形で受け取ることができる保険のことです。

急にお金が必要になった際には途中解約などでも柔軟に対応できますし、積立金を保険会社が運用してくれるため、貯蓄として口座に入れておくよりも計画的に資産を運用できます。

例えば、フコク生命の個人年金保険「みらいプラス」なら、保険料払込期間満了後から年金受取開始までにすえ置期間を設けることで、受取額を増やすことも可能です。

安定した老後生活を送るために、貯蓄も重要となります。

医療費以外にも急な支払いが発生する場合がありますので、貯蓄でカバーできるよう準備しておくと、さらに安心でしょう。

自分がどれくらいの年齢のときにどんなリスクが考えられるのかを逆算してライフプランを立て、必要なサービスを検討しましょう。

老後に必要な保険について知りたい方は「老後生活に備える保険は?不安の少ないセカンドライフにするために」も参考にしてください。

まとめ

公的医療保険制度により、老後の医療費の負担は軽減されます。しかし、日本人の平均寿命は年々延び続けており、今後は高齢者の自己負担割合が増えていくことが予想されます。そのため、これからは自分自身で老後の医療費に備えておく必要性があると言えるでしょう。

日本は諸外国に比べても非常に手厚い公的制度が整備されていますが、それだけで十分とは言えません。自分でコツコツと貯蓄していく方法もありますが、民間の医療保険や個人年金保険なども活用して、老後の医療費に備えておくことをおすすめします。

記事提供元:株式会社ぱむ