保活ってなに?どう始めればいい?保活の流れやポイントを紹介

保活ってなに?どう始めればいい?保活の流れやポイントを紹介

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共働き世帯が増加するにつれ、生まれた子どもを希望する保育園に入れる「保活」の重要性が高まっています。「保活はとても大変」という保護者の声を耳にしますが、実際に子どもが生まれるまでは、保活の大変さを実感しにくいかもしれません。

この記事では、保活の基礎知識を整理し、保活の流れや年間スケジュール、保活で重要といわれる「点数」と今からでもできる加点方法、保育園選びで見るべきポイントなどを紹介します。これから保活をする方はぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

保活とは?

「保活」とは、子どもを認可保育園などに入れるために保護者がおこなう活動のことで、保育園の選択や見学、書類の提出など幅広い活動を含む言葉です。働きながら子育てしたい世帯にとって、希望する保育園に入れるための「保活」は重要な活動です。

保活をするために必要な基礎知識

希望の保育園を探す際にどのような知識が必要なのでしょうか。認可保育園と認可外保育園の違いや、保活で理解しておく必要がある「点数」について説明します。

1.認可保育園と認可外保育園の違い

認可保育園は、国が定めた設置・運営基準を満たし、市区町村や社会福祉法人、民間事業者などが設置する保育園です。
認可保育園の最大のメリットは、国の設置・運営基準を満たしている安心感です。具体的には、適切な職員数で運営されており、保育対応はすべて保育士なので、子どもたちに丁寧で質の高い保育を提供できます。また、ゆとりある空間で保育がおこなわれることも特徴です。その上、保育料が認可外保育園よりも抑えられている点も大きな魅力でしょう。

一方、認可外保育園は国が定めた設置・運営基準を満たさず、認可保育園よりも施設面積や保育士の配置基準が緩やかな保育園です。[参考1]例えば一時預かりや宿泊、夜間保育などに対応するベビーホテルや会社の従業員向けに設置している事業所内保育施設、東京都独自の基準で設置した認証保育所[参考2]など認可保育園とは異なるニーズに応える施設が挙げられます。認可外保育園のメリットは、誰でも利用できる点や休日、夜間の利用、送迎バスや習い事など保育園ごとの特色あるオプションが利用できる点です。

認可保育園と認可外保育園の違いについてより詳しく知りたい方は、「認可保育園と認可外保育園の違いとは?それぞれのメリットデメリットも解説!」もご覧ください。

参考1:厚生労働省「認可外保育施設の質の確保・向上について」p.8
参考2:東京都福祉局「認証保育所について

2.保活でよく聞く「点数」ってなに?

保活の「点数」とは、各世帯の保育ニーズを数値化し、認可保育園の選考基準としている指数のことです。保活の点数である指数は「基準指数」と「調整指数」から成り立ちます。基準指数で父親・母親の状況を指数化し、調整指数で他の状況を加味して加点・減点され、基準指数と調整指数の合算指数がより高い家庭が、希望する認可保育園に優先的に入園できます。

保活の流れについて知ろう

希望する認可保育園に入るためには、何をするべきなのでしょうか。ここでは、保活の流れについて説明します。

1.保育園の情報を収集する

最初にすることは、保育園の情報収集です。お住まいの自治体の役所に赴き、認可保育園の最新の入園案内や必要書類を手に入れましょう。自治体によっては子育て支援センターなどでも配布していることがあるため、ホームページなどで書類の配布場所を確認するのがおすすめです。

入園状況や前年度の点数などの情報も集めておくと、認可保育園に入れるかどうかの見通しをつけやすくなります。

2.保育園の見学に行く

集めた情報の中から、無理なく通える施設や通わせたいと思う施設をピックアップし、候補となった施設に見学を申し込みます。複数の施設を見学する可能性が高いため、スケジュール管理や集めた情報の整理も必要です。

見学するときは、保育園の建物のつくりや教室・園庭などの広さ、遊具といった施設の充実度を比較する共通のチェック項目を決めてから始めるとよいでしょう。

3.申込の準備をする

入園したい保育園が決まったら、申込の準備を開始します。書類の記入方法や入園に必要な点数を満たしているかについて不安がある場合は、自治体の保育課などに相談します。

また、就労証明書や医師の診断書、介護の状況に関する書類の写しといった書類が必要な場合は、手続き開始前にそろえます。就労証明書は勤務先に作成を依頼し、手続き開始前に入手できるように郵送を依頼しましょう。

4.申込の手続きを進める

必要書類をそろえて自分の点数を確認したら、自治体に希望する認可保育園の入園申し込みをします。その後、各自治体で審査がおこなわれて入園の可否が決定します。

5.入園準備をする

入園する保育園が決定したら、入園準備を始めます。入園する年齢によって用意するものは異なりますが、どの年齢でも通園バッグやリュック、絵本バッグ、お弁当箱、スプーンやフォークなどのカトラリー、歯磨きセット、着替え、お昼寝セットなどは必要です。

入園準備に必要なものについて、より詳しく知りたい方は「保育園の入園準備リスト完全版!ママ・パパは要チェック」をご覧ください。

保活の年間スケジュールの考え方

保活はやるべきことが数多くあるため、効率よく進めるためには月別におこなうべき行動内容を把握する必要があります。例として、4月に入園するための年間スケジュールをご紹介します。

4月~5月保育園の情報を集める
6月~9月気になる保育園を見学する
10月~12月自治体に申込(一次申込)
1月~2月一次申込の結果が通知される
2月~3月二次申込の結果が通知される
4月入園

一次申込で内定が出た場合、面談をおこなうことがあります。一次申込で内定しなかった場合は、空きがある認可保育園の二次申込に応募しましょう。二次申込で内定が出たら、一次申込と同じように面談をおこなうことがあります。

一次申込も二次申込も内定しなかった場合は、認可外保育園に申し込むか育児休業を延長するといった代替策を検討しなければなりません。

4月になり子どもが入園すると、数週間の慣らし保育をおこなった後で通常保育に移行します。

保活の点数の計算の仕方や加点の例を紹介

保活は、先ほどご紹介した通り、「基準指数」と「調整指数」の合算指数が高い方が、希望する認可保育園に入園できます。ただし合算指数が同点の場合は、「優先順位」にもとづいて選考がおこなわれ、希望する認可保育園に入園できるかどうかが最終的に決定します。そこで希望する認可保育園への入園を決める3つの要素である「基準指数」「調整指数」「優先順位」について詳しく見てみましょう。

詳細な算出基準は自治体により異なる場合がありますので、お住まいの自治体にお問い合わせください。本章では、栃木県宇都宮市の一般的な例をご紹介します。

1.基準指数

基準指数は、保護者に関する基本的な情報の指数で保護者の就労状況や健康状態(病気・障がい・出産など)、家族の介護状況などを数値化した指数です。宇都宮市の場合は、主に以下の項目が指数化されています。加点の基準として就労時間が長かったり、健康状態や介護状況の負担が大きい項目ほど、大きく加点される傾向があります。

就労状況月の常態の就労時間
健康状態入院・居宅内療養の状況、障がいの等級、妊娠・出産
介護状況同居親族の介護の状況

このほかにも、保護者の求職状況や災害の罹災状況、就学状況なども加点の基準となります。[参考3]

参考3:栃木県宇都宮市「宇都宮市保育の実施選考基準」p.1

2.調整指数

調整指数は、各家庭の詳しい状況をふまえて加点・減点する指数のことです。宇都宮市の場合、加点されるのは虐待や子ども本人の障がい、低所得などの場合です。これらの項目でより保護の必要性が高い項目ほど大きく加点されます。一方、保育料未納が6ヵ月以上あり、かつ、納付の相談がない場合などは減点されます。[参考4]

福祉的配慮虐待、DVの恐れがある、子ども本人の障がい、生活保護世帯など
養育環境の配慮希望する保育所に兄弟姉妹がいる、2人以上の同時申込など
子育て支援・
少子化対策の配慮
第3子以降の申込、親族などの協力なしなど

参考4:栃木県宇都宮市「宇都宮市保育の実施選考基準」p.2

3.優先順位

優先順位は、基準指数・調整指数が同じ数値になった場合に利用される優先順位の基準です。優先順位を公表していない自治体もありますが、公表していれば公式サイトなどで確認できます。
宇都宮市の場合は、子どもの虐待や保護者の不在、疾病などの項目、待機期間の長さ、住民税の課税額などの項目を優先順位化しています。ここで基準指数と調整指数の合算指数が同点の方が希望する認可保育園へ入園できるかを判断します。[参考5]

参考5:栃木県宇都宮市「宇都宮市保育の実施選考基準」p.2

今からでも加点できる方法はある?

認可保育園に入るため、今からでも加点する方法はあるのでしょうか。加点するためにできることを3つ紹介します。ただし、加点する条件は自治体によって異なる場合があるため、お住まいの自治体で確認しましょう。

1.仕事をフルタイムで復帰する

仕事をフルタイムで復帰をすると加点できます。就労日数が増え、就労時間も長くなることで、基準指数の得点を伸ばすことができるからです。フルタイムで職場復帰できるか、勤務先に相談してみましょう。

2.ベビーシッターなどの利用実績を作る

ベビーシッターを日常的に利用することで、加点することもできます。
目黒区の場合であれば、受託証明書があれば子どもを週3日かつ一日4時間以上預けて対価を支払っていることを証明できるため、調整指数が加点されます。[参考6]

参考6:東京都目黒区「受託証明書

3.認可外保育園に入園する

認可保育園に申し込む前に、一度、認可外保育園を利用することでも加点されます。目黒区の場合であれば、認可外保育園又は個人(三親等以内の親族は除く)などに週3日かつ1日4時間以上の利用を1ヵ月継続して預けて、対価を支払うことで調整指数が加点されます。[参考7]

参考7:東京都目黒区「令和5年度 保育施設利用のご案内」p.30

保育園を選ぶ際に見るべきポイントや注意点

保育園の資料の確認や見学の際、どの点に注目するべきなのでしょうか。保育園選びで見るべき6つのポイントや注意点を紹介します。

1.保育園に入園できる人数は何名までなのか

保育園を選ぶ際は、定員だけではなくあと何名入園できるかといった空き状況を確認する必要があります。保育園の空き状況は地域や時期によって異なるため、認可保育園を管轄している各自治体に問い合わせ、最新の情報を入手するようにしましょう。

2.登園しやすい距離なのか・駐輪場や駐車場、ベビーカー置き場はあるのか

自宅から保育園までの距離も非常に重要です。自宅から近い場所にあれば、短時間で送迎できます。距離が近ければ、子どもが体調不良になった際も迎えに行きやすいというメリットがあります。

駐輪場や駐車場の場所の確認も重要です。自転車や自動車が止めやすいかどうかもチェックします。その際、ベビーカー置き場の有無も調べておき、子どもと一緒に通いやすいのかも確認しましょう。

3.保育園の方針や設備は整っているか

保育園の教育方針や教育内容についても調べておく必要があります。園長や保育園のスタッフに保育の考え方や内容を聞きましょう。連絡帳や保育参観の有無を通じて、保育園と保護者の連携がどうなっているかも確認します。

赤ちゃんが静かに眠れる場所があるのか、子どもがのびのびと遊べるスペースがあるのか、遊び道具がそろっているのか、いざというときに避難しやすいのかといった部分を中心に、設備面のチェックもしておきましょう。

4.延長保育は可能かどうか

仕事が忙しく、子どもを引き取りに行くのが遅くなってしまう人にとって、延長保育はとても助かる仕組みです。

しかし、延長保育の時間設定や仕組みは一律ではありません。保育園ごとに設定が異なるため延長保育の有無や時間を確認しましょう。

5.保育士の人数は適切か

保育士の数も保育園をチェックするときの重要ポイントの一つです。法律で決められた配置基準ギリギリの人数の保育士で運営されている保育園よりも、余裕を持った人数の保育士で運営されている保育園の方がきめ細かく対応できるでしょう。保育園選びで迷ったら、保育士の人数が多い保育園を選ぶのもおすすめです。

6.清潔感はあるか・手入れは行き届いているか

清潔感や施設の状態も確認すべき点です。全体的に汚れが目立つ状況であればあまりおすすめできません。0~2歳児は体調を崩しやすいため、清潔感がなく衛生面で不安をおぼえる施設は避けたほうがよいでしょう。

安全面での確認も大事です。室内が整理整頓されておらず、道具類が乱雑に置かれていると思わぬケガをするかもしれません。子どもの手が届きそうな場所にハサミなどが放置されているような保育園であれば、再考したほうがよいでしょう。

入園できなかった場合はどうすればいい?

希望する認可保育園に応募し、選考に漏れてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。入園できなかったときにする4つの行動を解説します。

1.2次募集に応募する

1次募集で入園できなかった場合は、まだ入園できる別の認可保育園の2次募集に応募します。2次募集は、内定辞退などが出て保育園の受け入れ枠に空きができた時などにおこなわれます。自治体のサイトなどを調べ、2次募集をおこなっている保育園に応募しましょう。

2.育児休業を延長できないか確認してみる

育児休業の取得は、原則として子どもが1歳になるまでの間と定められています。しかし、1歳になる時点で保育園に入れない場合は最長で2歳になるまで延長できます。入園できなかった場合は、勤務先に育児休業の延長を申請しましょう。
[参考8]

参考8:厚生労働省「「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ

3.ベビーシッターを利用する

ベビーシッターに、保護者の代わりとして子どもの保育を依頼する方法もあります。令和6年度ベビーシッター派遣事業の一環で「ベビーシッター利用割引券」を利用すると、1日最大で4,400円の割引が受けられます。[参考9]

厚生年金適用事業所に勤務している人であればだれでも利用できるため、勤務先に利用できるか確認し、利用券を受け取って本事業の割引券等取扱事業者であるベビーシッターサービスを利用しましょう。[参考9]

[参考9]公益社団法人 全国保育サービス協会「ベビーシッター利用割引券 案内ガイド

4.認可外保育園を検討してみる

認可保育園に入園できなかったとしても、認可外保育園に申し込めます。保育士の数や設備、広さという点で認可保育園よりも小規模な施設が多いですが、一定の基準をクリアしているため、通園を検討してもよいでしょう。しかし、認可外保育施設指導監督基準を満たさない認可外保育園は、2024年10月から幼児教育・保育の無償化の対象外となるため、検討している認可外保育園が基準を満たしているか事前に調べておきましょう。[参考10]

参考10:こども家庭庁「基準を満たさない認可外保育施設の無償化に関する経過措置について

まとめ

この記事では、保活がどのようなものか、保活の基礎知識や流れ、点数の仕組みや加点する方法、保育園を選ぶときに見るべきポイントについて紹介しました。すべての人が希望する保育園に入園できるとは限らない以上、保活についてよく知り、対応しなければなりません

保活は出産直後、あるいは妊娠中からおこなう活動であるため保護者の負担が非常に重くなります。保活以外にも出産や育児について悩むこともたくさんあるでしょう。そんな方に利用していただきたいのが「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」です。

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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

馬場正裕(ばば まさひろ)
FPライター。ファイナンシャル・プランナーとして、各種サイトでマネー記事やコラムの執筆を担当した。消費者金融や外貨預金、家計管理、不動産関連の記事を執筆。FPとしての知識を生かした記事執筆の活動を行っている。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ