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妊娠35週目に入ると、お腹は前にせり出すように大きくなり、出産が近いことを実感しはじめます。また、子宮が内蔵を圧迫し、腰痛・尿もれや頻尿・足のむくみ・動悸など、さまざまな症状が現れます。
臨月になると、いよいよ出産間近です。赤ちゃんの頭が骨盤に下りてきて、いつ陣痛が起きてもおかしくない状態になります。
この記事では、妊娠35週〜出産直前のママにみられる兆候や、出産当日の流れについて解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
出産が近くなると出てくる兆候6つ
35週目(9ヵ月と4週目)は妊娠の最終週です。出産が近づき、ママやお腹の赤ちゃんにもさまざまな変化が起こります。
この時期のママにみられる主な兆候は、次のとおりです。
- 腰痛や背中の痛み
- 尿もれ・頻尿
- 食後のむかつき
- 足のむくみ
- 動悸・息切れ
- 前駆陣痛(ぜんくじんつう)
1. 反り腰になり、腰痛・背部痛が起こる
お腹が前にせり出すように大きくなり、体のバランスを整えるために、反り腰ぎみになってしまいます。すると、背中の筋肉に大きな負担がかかり、腰痛や背中の痛みにつながります。
骨盤ベルトなどで腰をしっかり固定することで反り腰を防ぐ、疲れたらすぐに横になる、体を温めるなどして、できるだけ腰や背中を労ってあげることが大切です。
2. 膀胱が圧迫され、尿もれ・頻尿に悩まされる
妊娠35週目となると、子宮もかなり大きくなります。大きくなった子宮はすぐそばにある膀胱を圧迫し、くしゃみやせきなど、お腹にちょっとした力が入るだけでも尿が漏れるようになります。また、一度にたくさんの尿を溜め込めなくなり、トイレも近くなります。
「まだ大丈夫」と思ってもこまめにトイレに行く、下着に尿もれシートを装着しておくといった対応をしておきましょう。
3. 胃が圧迫され、食後に気持ちが悪くなる
妊娠35週目には、子宮がみぞおちあたりまで大きくなるため、膀胱だけでなく胃も圧迫されます。胃が押し上げられた状態になるため消化が悪くなり、食後に気持ちが悪くなるといった症状が現れるようになります。
1回の食事量を減らし、1日5回くらいに分けて食べるなど、胃に負担をかけないような工夫をしましょう。
4. 静脈が圧迫され、足がむくみやすくなる
子宮が大きくなると、その重みで足の付け根にある静脈を圧迫します。下半身から心臓への血液の流れが悪くなり、足がむくみやすくなります。
足のむくみはこむら返りや全身の倦怠感につながります。また、むくみがひどい場合は、「妊娠高血圧症候群」の可能性もあり、強い足のむくみとともに、めまいや体重急増といった症状が出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
5. 血流量が増え、動悸・息切れが起こる
妊娠中はお腹の赤ちゃんに栄養を与えるために、血流量が増加します。妊娠末期であるこの時期には、脈が早くなり、動悸や息切れを感じることがあります。また、大きなお腹で横隔膜が圧迫され、息苦しさを覚えることもあるでしょう。
疲れたら無理をせず、腰を下ろして一休みすることが大切です。
6. 前駆陣痛(ぜんくじんつう)が起こる場合もある
妊娠35週になると、子宮が不規則に収縮する「前駆陣痛」が始まります。
「前駆陣痛」は、体が出産の準備をはじめている証拠であり、「陣痛」とは異なります。お腹が張って痛みを感じたときは、まずはどこかに腰を下ろす、横になるといった楽な体勢をとりましょう。深呼吸をしながらしばらく様子を見て、徐々に収まるようなら「陣痛」ではない可能性が高いです。
お腹の張り具合や痛みの強さは人それぞれです。初めての出産であれば特に不安があるかと思いますので、事前に担当医師に「陣痛」との見分け方を教わっておくとより安心です。
出産直前にみられる兆候4つ
妊娠36週を過ぎ、いわゆる「臨月」になると、出産に向けてさまざまな兆候が見られるようになります。
- お腹が頻繁に張る
- 食欲が増す
- 腰回りや恥骨の辺りが痛む
- 胎動が減る
1. お腹が頻繁に張り、石のように固くなる
お産が近づくと、子宮が収縮し、お腹がカチカチに硬くなります。この状態を「お腹が張る」といい、体が出産の準備をしている段階です。1日に何度もお腹が張るようになるママも多く、少しでも動くのがつらい時期です。
お腹の張りを感じたら椅子やソファに座る、横になるなどして、体を楽にしましょう。
2. 胃の圧迫がなくなり、食欲が増す
出産間近のこの時期は、赤ちゃんの頭が骨盤まで下りてくるため、これまで苦しめられてきた胃の圧迫感が解消されます。1度の食事でたくさんの量を食べられるようになり、出産が近づくにつれ、食欲がどんどん増していくママもいます。栄養を取ることは大切ですが、食べすぎて体重が増加しないように注意することが大切です。
3. 骨盤が開き、腰痛や恥骨辺りが痛む
出産準備に入った体は、骨盤が開き、関節や靭帯がゆるんでいきます。そのため、腰回りの筋肉に負担がかかり腰痛が悪化することがあります。また、関節や靭帯のゆるみは、恥骨周辺の痛みにつながります。人によっては、起き上がるだけで強い痛みを感じる場合もあります。
4. 赤ちゃんの頭が骨盤に下り、胎動が減る
出産間近になると、赤ちゃんの頭が骨盤内に収まるように下りてきます。赤ちゃんはこれまでのように自由に動かなくなり、胎動を感じることが少なくなってくるでしょう。「前よりも胎動が減ったな」と感じたら、陣痛が近い証拠です。
とはいえ、胎動が全くなくなるわけではありません。胎動をほとんど感じなくなった、1時間近く胎動がないという場合は、すぐにでも出産予定の産科に連絡しましょう。
出産が近いかも!?と感じたらやっておくべき行動
減っていた胎動が急に激しくなり下腹部に強い痛みを感じるとき、前触れもなく破水してしまったときは、陣痛が始まるサインです。まずはかかりつけの産科に電話をし、すぐに病院に向かいましょう。
次に、病院に向かうタクシーの中で、パートナーに(立会い出産を希望している親族がいればその方に)電話します。妊婦が家族全員に連絡するのは難しいため、妊婦が最初に連絡をする人から親族へ連絡を入れるよう事前に連携をとっておくことが大切です。
臨月になれば、いつ陣痛が来てもおかしくない状態です。お産は突然やってきますので、前もって出産グッズを準備し、いつでも病院に行けるよう、手元に置いておきましょう。
このときに持っていくものは、母子手帳・健康保険証・診察券・バスタオル・ハンドタオル・ストロー付きの飲み物・軽食(おにぎりやゼリーなど)・携帯充電器・スリッパなどです。退院時のママや赤ちゃんの服は、家族に後から持ってきてもらうほうがいいでしょう。
他にマタニティパジャマや母乳パッドなど、入院前に購入しておくと良いものリストを「出産準備は「いつから・何を・いくらで」用意するかをリスト化!」で解説していますので、ぜひこちらも参考にしてください。
また、いつでも電話ができるよう、携帯はしっかり充電しておくことも大切です。
まとめ
妊娠35週を過ぎたあたりから、体は出産に向けてどんどん変化していきます。子宮が大きくなり、膀胱や胃、心臓などを圧迫し、頻尿や尿もれ、腰痛、気持ちが悪くなるなど、さまざまな症状が現れます。
臨月になれば、お腹の赤ちゃんの頭が骨盤に下りてくるため、関節や靭帯が緩み、腰痛の悪化や恥骨周辺への痛みが出てきます。お腹が頻繁に張るようになり、起き上がるのも大変な日もあるでしょう。
こういった症状を前もって知っておくことで、出産間近によくあるトラブルに
も落ち着いて対処できるようになるでしょう。パートナーや両親にも知らせておき、的確な対処ができるようにしておきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
記事提供元:株式会社ぱむ