退職金の平均金額・相場はどれくらいになる?企業や勤続年数別に紹介

退職金の平均金額・相場はどれくらいになる?企業や勤続年数別に紹介

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定年退職後には生活費やローン返済費用など、賄わなければならない資金がまだまだあります。これらの資金を賄うのに重要なのが、退職金です。しかし、実際にどのくらいの退職金がもらえるかわかっていないと、資金計画を立てにくいですよね。

この記事では、退職金の平均金額・相場について解説します。また、退職金以外での老後資金を準備する方法についても紹介します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

※本記事では、一般的な例を記載しています。本記事で言及している保険商品・保障内容等について、当社では取扱いの無い場合がございます。
詳細は取扱いのある金融機関にお問合わせください。

退職金とは

退職金は、その名のとおり退職後に勤めていた会社から支給されるお金のことです。
退職金の平均金額・相場について理解するため、退職金の仕組みや「役員はもらえない」と言われる理由などを確認していきましょう

退職金の仕組み

退職金の金額は、一般的には勤続年数に比例して高くなる傾向があります。企業によっては、勤続年数の他に学歴や退職理由なども考慮される場合もあります。

なお、退職金の支給は企業に義務づけられているわけではありません。実際に、中小企業の28.3%は退職金制度を儲けていません。[参考1]
自身の勤務先に退職金制度があるか気になる場合は、就業規則を確認してみましょう。

参考1:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)

「役員はもらえない」は本当?

結論から述べると、「役員は退職金をもらえない」と言うのは正しくありません。役員の場合、「退職金」と言う名目で支払われるお金はないものの、「退職慰労金」が用意されるためです。退職慰労金は事実上、退職金とほとんど変わりません。

なお、退職慰労金があるかどうかは、各企業の退職金規程(取締役委任契約、退職慰労金支給規程)で確認できます。

退職理由によってもらえる金額は変わる?

退職理由には、大きく分けて「自己都合退職」と「会社都合退職」があります。それぞれの内容は以下の表のとおりです。

内容具体例
自己都合退職 自分の意志で退職すること ・転職
・結婚
・病気
会社都合退職会社側の事情によって退職すること ・経営破綻
・リストラ
・定年退職

自己都合退職と会社都合退職では、退職金の金額は変わります。一般的には、自己都合退職のほうが、退職金額は少なくなる傾向があります。中央労働委員会の発表によれば、自己都合退職の平均退職金支給額は447万3,000円なのに対して、会社都合退職では1,197万2,000円と約750万円も差があります(本統計では、定年退職は含まれません)。[参考2]また懲戒解雇の場合は、退職金額が減額されるケースもあります。

参考2:中央労働委員会「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査

退職金の平均金額・相場はどれくらい?

まず前提として、退職金の金額は企業が自由に決められます。よって、相場と自身の勤務先の退職金額が一致するとは限りません。退職金の平均金額・相場は、あくまで参考程度に留めておきましょう。(本項の統計では、定年退職は「会社都合退職」として含まれています)

退職理由別

退職理由別(自己都合退職・会社都合退職)の退職金平均金額と相場は、大学卒の場合で以下の表のとおりです。 [参考3]

自己都合退職会社都合退職
勤続3年約24万円約34万円
勤続5年約47万円約64万円
勤続10年約112万円約150万円
勤続15年約213万円約266万円
勤続20年約343万円約415万円
勤続25年約490万円約578万円
勤続30年約654万円約754万円
勤続33年約776万円約876万円

参考3:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)

表を見ると、自己都合退職と会社都合退職で1.1~1.4倍程度の差があることがわかります。

学歴別(大学卒・高校卒)

学歴別(大学卒・高校卒)退職金平均金額・相場は、会社都合の場合、以下の表のとおりです。[参考4]

大学卒高校卒
勤続3年約69万円約52万円
勤続5年約118万円約89万円
勤続10年約310万円約214万円
勤続15年約578万円約404万円
勤続20年約953万円約665万円
勤続25年約1,394万円約1,005万円
勤続30年約1,915万円約1,368万円
勤続35年約2,365万円約1,669万円

参考4:中央労働委員会「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査

表を見ると、大学卒と高校卒で1.2~1.4倍程度の差があることがわかります。

企業の従業員数別

企業の従業員数別の退職金平均金額・相場は、大学卒・会社都合の場合で以下の表のとおりです。[参考5]

従業員数100〜299人従業員数10〜99人
勤続15年約304万円約243〜282万円
勤続20年約485万円約374〜448万円
勤続25年約683万円約514〜628万円
勤続30年約913万円約667〜813万円
勤続33年約1,119万円約763〜933万円

参考5:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)

表を見ると、従業員数が100~200人の企業と、10~99人の企業で約1.2~1.4倍程度の差があることがわかります。

退職金の計算方法

退職金の計算方法には、以下の3つがあります

  1. 定額制
  2. 給与比例方式
  3. ポイント制方式

定額制とは、勤続年数のみで退職金額を設定する方式です。例えば、勤続年数5年なら30万円、20年なら500万円などと決められています。基本給や職位など、勤続年数以外の要素は考慮されません。

給与比例方式とは、退職金算出の際の基礎金額が、基準給与に応じて決められる方式のことです。計算式は、以下のとおりです。

退職金額=(基礎金額(基準給与)×支給率(勤続年数により変動)×(退職事由係数)

ポイント制方式とは、勤続年数や人事考課などを「退職金ポイント」とし、そこに退職事由係数(自己都合退職の場合0.8倍)などを掛けて退職金額を算出する方式です。計算式は、以下のとおりです。

退職金額=(退職金ポイント)×(ポイント単価)×(退職事由係数)

退職金の種類や受け取るタイミング

退職金には、大きく分けて「退職一時金」と「企業年金」の2種類があります。

退職一時金は、退職時に一括支給される退職金です。
一方で企業年金とは、一定期間もしくは一生涯、定期的に支給される退職金のことを指します。退職一時金と企業年金、それぞれのメリット・デメリットは以下の表のとおりです

メリットデメリット
退職一時金・退職所得控除によって税負担が大きく軽減される
・一度にまとまった資金が手に入る
・受取総額が少なくなる傾向がある
・退職金を計画的に使う必要がある
企業年金・受取総額が多くなる傾向がある
・継続的に収入が入ってくるため収支計画を立てやすい
・税負担額が高くなる恐れがある
・住宅ローン一括返済など一度に大きな出費をしたい場合には不向き

その他、「退職金共済」「確定拠出年金」などもあります。これらも退職後の資金となります。

みんなの退職金の使い道

続いて、よくある退職金の使い道について解説します。

老後の資金

老後の生活資金は、年金や就労で得た資金で大部分を賄えます。しかし、それでも足りない部分は退職金で補うことになります。資金が枯渇しないよう、退職金は計画的に使うことが重要です。

子どもの教育費

退職時点で子どもがまだ学生の場合、学費や塾予備校代など高額な費用がかかります。そのため、資金を十分に用意できていない場合は、退職金で賄うことが多いです。

ローンの返済

退職金は、ローンの返済にも充てられます。特に、ローン残債の一括返済は、返済期間が短縮されることによって利息総額を抑えられるためおすすめです。

趣味や旅行

退職後は、それまで仕事に充てていた時間をそのまま他のことに使えます。老後の趣味や旅行で発生する費用に退職金を充てるケースも多いです。

退職後の趣味が見つからなくて悩んでいる人は、「老後に人気の趣味ランキングを紹介!楽しみ方や見つけ方、費用についても解説」も参考にしてください。

退職金の他に資金を備える方法を紹介

老後の資金は、退職金以外にも「つみたてNISA」や「iDeCo」、保険の加入や見直しによっても備えられます。

つみたてNISAやiDeCoを活用する

つみたてNISAとiDeCoは、どちらも老後資金準備に使える制度です。どちらの制度も、節税しながら資産運用できる点がメリットです。また、2024年からは新NISA制度がスタートします。新NISAによってつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になり、非課税保有期間も無期限化されます。
つみたてNISAと新NISA、iDeCoの特徴を以下の表にまとめました。[参考6][参考7][参考8]

つみたてNISA新NISAiDeCo
加入対象者日本在住かつ18歳以上の人(口座を開設する年の1月1日時点)
※一般NISAを利用している場合は利用不可
18歳以上20歳以上65歳未満の人
※一定の条件あり
積立(拠出可能額)毎年40万円まで・つみたて投資枠:120万円
・成長投資枠:240万円
毎月5,000~6万8,000円まで
※職業などによる
非課税対象運用益運用益掛金及び運用益
非課税期間最長20年間無期限原則60歳になるまで
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託・つみたて投資枠:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
・成長投資枠:上場株式、投資信託など
運営管理機関が選定する運用商品

なお、つみたてNISAは途中解約が可能なのに対して、iDeCoは途中解約が原則不可となっている点も、選択のポイントとしましょう。[参考9][参考10]

つみたてNISAと新NISA、iDeCoは、いずれか自身に合ったほうを選ぶことも、併用することもできます。

なお、つみたてNISAと新NISA、iDeCoに月々どのくらいの資金を充てたらよいか悩む場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考記事:【NISA】47都道府県、NISAを活用しているのはどこ?月々の掛金は?
参考記事:【iDeCo】47都道府県、iDeCoを活用しているのはどこ?月々の掛金は?

参考6:金融庁「つみたてNISAの概要
参考7:iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の仕組み
参考8:金融庁「新しいNISA
参考9:国税庁「NISA及びつみたてNISAの手続きに関するQ&A
参考10:iDeCo公式サイト「ご注意いただきたいこと

保険の加入や見直しを検討する

効率よく老後の資金を備える方法として、保険の加入や見直しも挙げられます。

フコク生命では、一人ひとりに必要な保障を自由に組み合わせることのできる複合型保障「未来のとびら」をはじめ、将来的に必要となる資金を準備できる個人年金保険「みらいプラス」、祝金や年金の受け取り方法や保険料払込期間を選択できる学資保険「みらいのつばさ」などをラインアップしています。
保険の加入や見直しを検討するときは、ぜひチェックしてみましょう。

まとめ

退職金額は、退職理由や学歴、企業規模によって大きく異なる傾向があります。また、退職金制度は企業ごとに自由に決められるため、相場と離れた金額が支給される可能性もあります。具体的な退職金の金額を知りたいときは、就業規則の退職金規程を確認してみましょう。
また、老後の資金形成を考えている場合は、つみたてNISAや新NISA、iDeCo、保険の加入・見直しといった方法もおすすめです。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

※本記事では、一般的な例を記載しています。本記事で言及している保険商品・保障内容等について、当社では取扱いの無い場合がございます。
詳細は取扱いのある金融機関にお問合わせください。