天涯孤独の意味とは?充実した人生を過ごすためのポイントや将来の備え

天涯孤独の意味とは?充実した人生を過ごすためのポイントや将来の備え

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天涯孤独は、本来身寄りがまったくいない状況であることを意味しますが、頼れる人がいない状況とも解釈されます。

本記事では、天涯孤独になる人の特徴や、天涯孤独であるとなにが心配であるのかについて解説します。また、天涯孤独の方はめずらしくありませんし、今は「子どもを持たない」「結婚しない」「一人の方がよい」という選択をあえてする人が多くなっている時代です。一人でも充実した人生を過ごすためのポイントや将来について考えておく必要のある点についても、あわせて紹介します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

天涯孤独の意味

「天涯孤独(てんがいこどく)」とは、身寄りが一人もいない状況を意味します。具体的には、両親や兄弟姉妹、親類縁者など、家族や血縁者が一人もいない状態です。

本来、天涯孤独は上記での意味を指すのですが、近年では血縁者だけでなく、友人・知人などの中に頼れる人がいない状況も意味するようになっています。

天涯孤独の類義語

天涯孤独に似た言葉や、反対を意味する言葉について紹介します。

類義語として「ひとりぼっち」や「独り身」があります。
「ひとりぼっち」は「天涯孤独」よりやや柔らかめの意味合いで使われるのが一般的です。
「独り身」は、「結婚していないこと」が主な意味ですが、「生活を共にする人のいないこと」「ただひとりで生活を営んでいること」といった意味でも使われます。

天涯孤独になる理由

ここでは、天涯孤独となる理由について解説します。

1.縛られるのが嫌い・一人の時間が好き

ルールや規則に縛られるのが嫌いで、自分のペースを大切にしたいと考える人は、天涯孤独になりやすいでしょう。

他人との関係にも一定の距離を保ったり、組織の一員としての行動や、家族・パートナーとの日常的な関わりにストレスを感じたりして、自由を優先するあまり孤独を選ぶ傾向があります。
また、大勢で過ごすよりも一人の時間を好む人も、他者との絆を築く機会が少なくなりがちです。結果として、深い人間関係を築かないまま歳月が流れ、気がつけば天涯孤独になってしまうことがあります。

2.理想が高い

恋愛や結婚への理想が高すぎると、相手に妥協できず出会いの幅が狭くなりやすくなりがちです。もっといい人がいるのでは、と自分自身の理想にこだわりすぎるとなかなか見つからなくなり、結果としてパートナーができずに、天涯孤独になる可能性があります。

3.仕事に専念している

キャリア志向が強い人は、仕事を最優先にするあまり、家庭や人間関係を後回しにしがちです。仕事に熱中するのは素敵なことではありますが、一方で周りとの安定した関係を築く余裕が持てずに、気がつけば定年や退職を迎え、一人になっていた、という方もいるでしょう。

4.自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人は、自分に自信を持てず、誰にも必要とされていないと感じやすいです。
自己肯定感の低い人は、他人からの承認を過度に求めがちとなり、些細なことでも嫌われているのではとか、迷惑をかけているのではとネガティブに受け取ってしまいます。また心の壁を作って人間関係を避けてしまう結果、天涯孤独になってしまうこともあります。

5.先に家族に先立たれてしまった

中には、病気や事故などで家族に先立たれてしまった方もいることでしょう。子どもが欲しかったけど、子どもができず、パートナーに先立たれてしまったというパターンもあるでしょう。不幸にふさぎこんでしまう人もいるでしょう。

たとえ今そばにいなくても、家族との思い出は心の中に生き続けていますが、寂しいと感じてしまうものです。地域や友人、趣味の仲間など、さまざまな形で人とつながることをおすすめします。

天涯孤独だとなにが心配?

天涯孤独になる理由について解説しましたが、では、天涯孤独であるとなにが心配になるのでしょうか。実生活での困りごとから心理的な負担まで、具体的な課題を紹介します。

1.病気やケガ・事故の時に頼る人がいない

天涯孤独の人にとって、突然の病気や事故は大きなリスクです。入院や手術の際には家族の同意や保証人が必要になるケースがあり、一人で対応できないことも。救急搬送されたとしても、本人確認や連絡先に困ることも考えられます。さらに働けなくなるリスクもあり、収入面や生活面でも不安を感じてしまう恐れがあります。

2.将来や老後に不安を感じてしまう

配偶者や子どもがいないと、老後の生活や死後の手続きに大きな不安を感じるものです。高齢になると介護が必要になった時の対応や、認知症を発症した際の財産管理など、第三者のサポートが必要となる場面が増えます。また、自分が亡くなった後の葬儀や遺品整理についても誰に任せるのかも問題になります。事前に後見制度などを検討することが必要です。

3.孤独を強く感じてしまう

天涯孤独の状況だと、周囲の人々が家族や恋人と過ごしている様子を目にすると、自分だけが取り残されているような感覚に陥る人もいるでしょう。このような状況が続くと、自然と人との接触機会も減り、一人で過ごす時間が長くなることで、さらに孤独感が増幅されます。また、困ったときや嬉しいときに気持ちを分かち合える相手がいないことで、感情的な支えを得られない孤独のつらさも感じてしまうかもしれません。

4.周りの目が気になってしまう

一人でいることは決して悪いことではありませんが、周囲の視線が気になってしまうことがあります。残念ながら、実際に「あの人はいつも一人でかわいそう」「友達がいないのではないか」といったネガティブな印象を持たれることは全くの0ではないでしょう。周囲からの印象が気になってしまうという方もいるかもしれません。

このような思考が続くと、人前に出ることや社会的な場面への参加を避けるようになり、さらに孤立を深めてしまう可能性があります。実際には周囲がそれほど気にしていない場合でも、自分自身で勝手に想像を膨らませ、必要以上に自分を責めてしまうという悪循環に陥ってしまうでしょう。

5.身元保証人を立てることが困難になる

賃貸住宅の契約や住宅ローンの契約、介護施設への入居など、多くの場面で身元保証人が求められる場合があります。家族や親族がいないと、条件を満たすことが難しくなり、手続きを進められないこともあるかもしれません。

ただ、最近では成年後見制度の活用や、身元保証サービスで代行してもらうなどの方法により、保証人が必要な契約でも対応できるようになっています。

6.親に対して申し訳ない気持ちになってしまう

親が亡くなったあと、天涯孤独になったことにより「結婚して安心させられなかった」「孫の顔を見せられなかった」という罪悪感を抱く人もいます。

特に親への愛情が深い人ほど、自分が天涯孤独でいることが親不孝のように感じられ、親に対して申し訳ない気持ちになってしまうことがあります。

天涯孤独になる前にできること

価値観や生き方が多様化しつつある現代では、あえて一人で生きる選択をする人は少なくありませんし、悪いことでもありません。

一方で天涯孤独になりたくないという方もいるでしょう。天涯孤独になりたくないのであれば、日頃から人とのつながりを意識することが大切です。ここでは、無理なく始められる4つの交流方法をご紹介します。

1.地域のイベントやボランティアに参加してみる

一人きりで過ごす日々が続くと、孤独感が深まりがちです。そこで、地域とのつながりを築くことが効果的かもしれません。具体的には、地域のイベントやボランティアに参加し、顔見知りを作りましょう。やがて日常的な会話を交わす人間関係が育まれることで、お互いを気にかけ合う関係性が生まれます。これにより、天涯孤独な状況を回避するきっかけとなるかもしれません。また、こうした活動は孤独感の軽減だけでなく、心身の健康維持にも良い影響をもたらすでしょう。

2.同じ趣味を持つ人を見つける

同じ趣味を持つ人との出会いは、孤独感を解消するのに効果的でしょう。共通の関心事があることで、初対面でも自然と会話が弾み、そこから友人関係へと発展させやすいのでおすすめです。

さらに今の時代は、地域のサークルや習い事教室への参加はもちろん、SNSを活用したオンラインコミュニティも充実しており、全国の同じ趣味を持つ人々とつながることが可能です。これらの活動は、社会参加を促進し、孤立感の軽減や健康維持にも役立つでしょう。

3.友達と会う機会を増やす

友達と会う機会を増やすことは、孤独感の解消に大きな効果があるでしょう。具体的には、地域の公民館やコミュニティセンターで開催される趣味のサークル活動への参加、近所の方との散歩やお茶会、ボランティア活動での仲間づくりなどが挙げられます。また、定期的な食事会やカフェでの集まり、地域のイベントや祭りへの参加も友人との交流を深める良い機会となります。

これらの活動を通じて仲間と定期的に交流することで、心の支えとなる関係性が築かれ、気持ちを穏やかに保つことが期待できるでしょう。

4.いろんな場所に出かけて人と交流する

いろんな場所に出かけて人と接することも心と体に大きなプラスとなるでしょう。

例えば旅行に行って現地の人と会話してみたり、出会いの場に赴いて人と話をしてみたりすることで、さまざまな人と話す機会を自分で作っていくことが大事です。こうした機会を増やすことで、気持ちが軽くなり、健康の維持や気分転換にもつながるでしょう。

充実した人生を過ごすためのポイント

天涯孤独であっても、前向きに人生を楽しむことは十分に可能です。一人だからこそできる、充実した日々を送るための工夫をご紹介します。

1.天涯孤独に対するネガティブな考えを捨てる

天涯孤独という言葉には、ネガティブな印象があるかもしれません。しかし、現代では自由に自分らしく生きるために、あえて孤独を選択している人も少なくありません。好きな時間に起きて、好きなことに時間やお金を使うことができるというメリットもあります。好きな場所に住めるし、好みの部屋にすることもできるなど、家族や周りに合わせて我慢をする場面が少なくなるのは、一人の良いところでしょう。

このように天涯孤独をネガティブにとらえるのではなく、むしろ自立して生きていると前向きに受け止めることで、気持ちがぐっと軽くなります。

2.一人で楽しめる趣味を見つける

一人暮らしでも没頭できる趣味を見つけることで、充実した日々を過ごせます。趣味があることで、今日もやることがあり、それができたという達成感や自己肯定感が得られます。

具体的には、園芸や手芸なら自宅で始められ、完成した作品や花を眺める喜びが得られるでしょう。囲碁やクロスワードなどの脳トレ系は、知識を使いながら集中力を高め、認知機能の維持にも効果的です。

外に出て一人で好きな場所に旅行したり、グルメを楽しんだりするのも素敵なことです。こうした一人の時間を豊かにする趣味は、人生を充実させる最良の投資です。今日から新しい一歩を踏み出してみませんか。

3.健康に気を配る

天涯孤独の不安のひとつに、健康面の心配があります。特に一人暮らしでは、体調の変化に気づいてくれる人がいないため、日頃の心がけが何より重要です。

具体的には、バランスの取れた食事や規則正しい生活を意識し、適度な運動や十分な睡眠を確保しましょう。また、定期的な健康診断の受診により、病気の早期発見・早期治療を心がけることが健康寿命を延ばすうえで大切です。一人で生きていくためには、健康が最も重要な財産であることを意識しましょう。

4.資格の勉強をしてみる

興味のある資格の勉強をしてみてはいかがでしょうか。

まず資格の勉強は目標が明確で、資格取得に向けて毎日に張り合いが生まれます。また学びを通じて資格を取得することで自信がつき、心の充実感や達成感も得られるはずです。さらに取得した資格を活用して、他人との関わりが持て、社会貢献にもつながるでしょう。

今からできる将来の備えについて

将来の不安を減らすには、早めの備えが欠かせません。保険やお金、ライフプラン、終活まで、一人でも安心して暮らすための準備をご紹介します。

1.保険を見直す・加入を検討する

天涯孤独の方にとって、将来の医療費や介護費用への備えは切実な問題です。頼れる家族がいない状況では、病気やケガで働けなくなった時の収入減少や、高額な治療費が大きな不安要素となります。
現在加入している保険が、一人暮らしの現状に本当に適しているか定期的に見直すことが重要です。特に医療保険や介護保険、就業不能保険などは、天涯孤独の方にとって経済的な支えとなる心強い味方になります。

保険の見直しといっても、何から始めたらよいか分からない方も多いでしょう。まず、万一の事態となったときの「公的保障からの⽀給額」を知ることが必要です。それを補うのが保険であるべきだからです。

フコク生命が提供しているライフプラン作成ツール「ライフコンパス」では、無料で将来のリスクや公的保障なども含めた、将来のお金のシミュレーションができます。シミュレーションが完了すれば、将来の収支バランスや教育費・年金・公的保障などを踏まえたうえで、必要な資金と備えを可視化できます。将来のお金のイメージを明確にしたい場合は、ぜひライフコンパスを活用してみてください。

2.生活防衛資金を準備しておく

天涯孤独の方にとって、頼れるのは自分の備えだけです。万が一の病気やケガ、思わぬ出費に備えるためには、生活防衛資金を準備しておくことが大切です。一般的には生活費の3~6ヶ月分が目安とされていますが、天涯孤独の場合はより長期間の備えが必要かもしれません。専用口座を作って他の貯金と分けて管理し、元本保証のある預貯金で確保することをおすすめします。無理のない範囲で少しずつ積み立てを行い、生活の安心を手に入れましょう。

準備しておきたい生活防衛資金の目安などについて詳しく知りたい方は、「生活防衛資金とは?金額の目安や貯め方のポイントを紹介」を参考にしてください。

3.ライフプランを作成してみる

家族の支援が見込めない場合こそ、自分の今後を見通す「ライフプラン」が必要です。ライフプランとは、これからの生活費や医療や介護にかかる費用、住まいの維持などを具体的に整理し、人生の終盤をどのように過ごすかを計画するものです。
一人で歩む人生だからこそ、しっかりとした計画と準備があれば、必ず安心できる未来を築くことができるでしょう。

ライフプランの詳細については「ライフプラン表の作り方やメリット、注意点について紹介」にありますので、参考にしてください。

4.終活しておくことも大事

天涯孤独で生きる方にとって、終活は自分の最期を自分の手で整える大切な作業です。葬儀やお墓のこと、財産の管理、医療や介護の希望などをあらかじめ整理しておくことで、亡くなったあとに行政や第三者の負担を減らすことが可能となります。特にエンディングノートは、自分の意思を残す手段として有効です。
天涯孤独という状況であっても、しっかりとした準備と計画があれば、誰にも迷惑をかけることなく、自分らしい最期を迎えることができるでしょう。

終活については「終活はどう始めればいい?やり方や準備すべきこと、メリットについて解説」で詳しく解説していますので参考にしてください。

まとめ

天涯孤独とは、身寄りがない状態をさし、高齢になるほど不安や孤独感が強まりやすくなります。その背景には性格的な傾向や生き方の選択があり、老後の心配も多岐にわたります。

しかし、地域とのつながりや趣味、前向きな心がけで、孤独感はやわらぐことが期待できます。さらに、保険や生活資金、終活などを準備しておくことで、将来の安心にもつながるでしょう。価値観やライフスタイルが多様化している現代では、一人の方が自由に人生を楽しめるという方も増えています。どのような生き方でも、その選択を前向きにとらえることが重要です。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

宮本 建一(みやもと けんいち)
マネーライター。銀行・消費者金融・信用組合の勤務を経て独立。融資経験・FPの知見を生かし、各種サイトで主に資金調達、不動産関連記事の執筆を行う。金融専門誌への寄稿、金融機関行職員向けの通信講座教材執筆経験あり。2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ