
期間限定キャンペーン中!
Contents
長い人生は選択の連続であり、仕事や家庭、趣味、健康、お金など、さまざまな要素で構成されています。そのような中で自分が理想とする人生を送るには、将来のビジョンを思い描き、目標を立てて計画的に準備していくことが大切です。これこそが人生設計を立てることにほかなりません。
この記事では、人生設計とは何か、その必要性やメリット、具体的な立て方とポイントについて解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
人生設計とは
人生設計とは、自分の将来のビジョンを描き、それを達成するための計画を立てることをいいます。具体的には、仕事や学業、家庭、趣味など、人生を構成するさまざまな要素を考慮しながら目標を定め、それらを達成するためにいつ何をすべきなのか、ステップを設定していくものです。
人生設計を立てることで、将来に対する漠然とした不安が軽減され、目的意識を持って日々の生活を送れるようになるでしょう。また、早いうちから人生設計を立てて行動することで、理想の人生に近づける可能性が高くなります。
マネープランとの違い
人生設計とマネープランは人生における重要な計画である点は共通していますが、異なるものです。
- 人生設計
人生全体のビジョンを描き、仕事や学業、家庭、趣味などにおける目標を達成するための計画を立てるもの。 - マネープラン
教育や住宅購入、老後、趣味など、将来必要になる資金を準備するための計画を立てるもの。
人生における目標を達成するにはお金も必要であり、マネープランは人生設計の一部といえます。
人生設計を立てるとどんなメリットがある?

人生設計を立てることで、次のようなメリットが期待できます。
1.計画に応じた目標や行動指針が持てる
目標が明確になり、具体的な行動指針を持てるようになります。こうした指針があれば、短期的なタスクから長期的なビジョンまで一貫した取り組みが可能となり、成功への道筋が視覚化されます。また、今すべきことが明確であれば時間を無駄にせず、何をすればよいのか迷うことも減るため、不安やストレスの軽減効果が期待できます。
2.目標達成にいくらかかるか分かる
人生設計を立てることで、目標達成に必要な資金を明確にすることが可能です。具体的に必要な費用をあらかじめ把握しておくことで、必要な貯金額や投資の計画を立てることができ、経済的な計画が現実的になります。これにより、無駄な出費を避け、資金が不足するリスクを軽減できます。また、達成したい夢や目標に向けての現実的なステップを踏むことで、経済的不安を軽減し、人生の質を向上させることができるでしょう。
3.将来のリスクに備えられる
将来起こりうるリスクやそのときにかかる費用を想定し、備えておくこともできます。人生は思い通りにいくとは限らず、病気や失業、家族の介護などで計画が狂ってしまうことも少なくありません。このようなリスクすべてに備えられるわけではありませんが、貯蓄や保険でカバーできる金銭的なリスクなどは事前に対策が可能です。対策をとっておけば計画への影響を最小限で抑えられ、軌道修正もしやすくなります。
人生設計の立て方

人生設計は、次のようなステップで「目標」「期限」「優先順位」「予算」を整理して進めていきましょう。
1.将来どうなっていたいか・やりたいことは何かを書き出す
まずは自分がどのような人生を送りたいのかを考え、書き出してみましょう。
- 5年後、10年後、20年後にどのような仕事、働き方をしていたいか
- どのような家族関係、交友関係を築いていきたいか
- ライフワークとして取り組んでいきたいことはあるか
- どのような環境で暮らしたいか(居住地、持ち家・賃貸など)
この段階では、実際に実現できるかどうかなど細かいことは考えず、自分が理想とする姿を思い描くことが大切です。どんなことでも思いつくものはすべて書き出してみましょう。
2.カテゴリ別に分けていく
つぎに書き出した目標を仕事(キャリア)、家庭、趣味などのカテゴリに分類します。
- 仕事(キャリア):営業トップになりたい、年収1,000万円を超えたい、資格を取得したい、起業(独立)したい など
- 家庭:結婚したい、子どもが2人欲しい、マイホームが欲しい など
- 趣味:高級車が欲しい、ホノルルマラソンに出場したい など
カテゴリに分類することで、各カテゴリにおける方向性や優先順位などがわかりやすくなります。
3.目標達成までの道筋やかかる費用を把握する
続いて、それぞれの目標をどのように達成していくのか、情報を集め、その道筋や費用を把握しましょう。これは、その目標が実現可能であるかを判断する目安になります。また、道筋を立てて具体的な行動に落とし込むことで、目標の実現可能性を高めることにもつながります。
例えば「5年後にマイホームを購入する」という目標であれば、次のような流れで進めていきます(あくまで一例です)。
- 【1年目】
- 住宅購入に関する基本的な知識を身につける
- 希望条件を洗い出す
- 資金計画を立てる(予算、自己資金(頭金)・ローン借入額)
- 自己資金(頭金)の準備を始める
- エリアや間取りの検討
- 物件探し
- 物件の決定・売買契約
- 住宅ローンの選択・審査・契約
- 物件の引き渡し
- 入居
【2〜3年目】
【4年目】
【5年目】
費用については、平均額なども参考に、希望や条件を踏まえて必要な金額を算出します。主なライフイベントにかかる費用の目安は次の通りです。
【主なライフイベントにかかる費用の目安】
- 結婚費用……約327万円[参考1]
- 出産費用……約48万円[参考2]
- 教育資金……約1,097万円/人[参考3]
- 住宅購入費……建売住宅:約3,719万円、マンション:4,848万円[参考4]
参考1:株式会社リクルート「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ」|挙式、披露宴・ウエディングパーティ総額(全国推計値)を結婚費用として掲載、1万円未満四捨五入
参考2:厚生労働省「出産費用の見える化等について(令和5(2023)年9月7日)」
参考3:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」、「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
参考4:住宅金融支援機構「2022年年度フラット35利用者調査」
4.優先順位や期限を決める
お金と時間には限りがあるため、すべての目標を達成できるわけではありません。自分の中でどの目標を優先して達成していきたいのか優先順位をつけ、達成する期限を設定しましょう。
【例】
カテゴリ | 優先順位 | 内容 | 期限 |
仕事 | 1 | 資格を取得したい | 2026年まで |
2 | 独立したい | 2035年まで | |
家庭 | 1 | 結婚したい | 2040年まで |
2 | 子どもが2人欲しい | 2045年まで | |
3 | マイホームが欲しい | 2043年まで | |
趣味 | 1 | 高級車が欲しい | 2028年まで |
2 | ホノルルマラソンに出場したい | 2040年まで |
何を優先するかは人それぞれですが、なるべく人生や生活への影響が大きいものや時期を逃すと達成が難しくなってしまうものを優先したほうがよいでしょう。
5.老後に必要となるお金を計算する
目標を達成するためのお金とは別に、老後に必要となるお金も計画的に準備していく必要があります。
年金だけでは不足する生活費のほか、医療費や介護費など老後にかかるお金を計算して資金計画に組み入れましょう。
老後に必要となる金額の目安や備え方については、「老後資金はいくら必要?年金だけでは足りない?金額の目安や備える方法について」で解説しています。
6. アプリやExcelを活用して具体化する
達成したい目標とそれにかかる費用や期限が決まったら、アプリやExcelなどを使ってまとめ、かかる費用や時期(期限)を時系列で一覧に整理します。これがいわゆる「ライフプラン表(ライフイベント表)」です。
ライフプラン表の作り方について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
「ライフプラン表の作り方やメリット、注意点について紹介」
さらに収入と生活費や教育費などの支出、貯蓄残高などを加え、人生全体の収支を一覧できるようにしたものが「キャッシュフロー表」です。キャッシュフロー表からは、現状で目標を達成できるのか、家計は赤字にならないのかといったことがわかります。
キャッシュフロー表は、子どもが独立するまで(教育費がかからなくなるまで)や、リタイアするまでなど20年から30年を目安に作成するとよいでしょう。
ライフプラン表やキャッシュフロー表は日本FP協会でエクセルのテンプレートを無料配布しているので、利用してみてください。
日本FP協会「便利ツールで家計をチェック」
人生設計を立てる際のポイントや注意点
人生設計を立てるときには、次のような点に留意しましょう。
1.定期的に見直すことが大事
目標達成に向けて一貫して努力することはもちろん大切ですが、定期的な見直しも大切です。人生設計(ライフプラン)はあくまで計画であり、時間の経過にともなって自分が理想とする姿、目標も変化していきます。ライフプラン表やキャッシュフロー表も一度作成して終わりではなく、その時々の状況に合わせて更新していきましょう。
2.人生設計にこだわりすぎない
自分で立てた人生設計にこだわりすぎて、無理をしたり日々の生活でストレスを感じたりしては本末転倒です。目標を達成できるに越したことはありませんが、必ずしもすべての目標を達成できるとは限りません。限られた時間やお金で人生をより豊かにできるように、自分にとって優先順位の高い目標を取捨選択して達成を目指しましょう。計画通りに目標を達成するのが難しいときは完璧を求め過ぎず、許容できる範囲で目標を修正するなど、落とし所を見つけることも大切です。
3.お金のプロに相談してみる
人生設計がうまくできないときは、ファイナンシャルプランナーなどお金のプロに相談するのも良いでしょう。プロに相談することで視野が広がり、より現実的で理想に近い人生設計が可能になります。
まとめ
人生設計を立てることで人生の目標が明確になり、将来に対する漠然とした不安が軽減されたり、目的意識を持って日々の生活を送れるようになったりするメリットが期待できます。また、人生にかかるお金を把握し、想定されるリスクに備えておくことも可能になります。
まずは自分が理想とする人生を思い描きながら目標を具体的に書き出し、優先順位や期限、費用なども含めて、それを実現するためのステップを考えてみましょう。なるべく早いうちに計画を立て行動に移すことで、目標を達成できる可能性は高まります。理想の人生を実現するための第一歩を今日から踏み出しましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
竹国弘城(たけくに ひろき)
独立系FP、RAPPORT Consulting Office代表。証券会社、生損保代理店での勤務を経て独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自分のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうためのサポートを行う。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®、証券外務員一種、宅地建物取引士
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ