二人暮らしの生活費はどれくらい?費用の目安や手取り別のシミュレーションを紹介

二人暮らしの生活費はどれくらい?費用の目安や手取り別のシミュレーションを紹介

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同棲や結婚を始めると「二人暮らしの生活費は、毎月どれくらいかかるのだろう?」と不安になる方も多いでしょう。二人分となると出費も増えるため、計画的に使わないと家計が苦しくなる可能性があります。

ここでは、統計データに基づいた二人暮らしの平均的な生活費を紹介します。自分たちの生活と比べながら、今後の生活設計の参考にしてみてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

二人暮らしの生活費の平均はいくら?

総務省の「家計調査(2024年)」によると、二人世帯の1ヵ月の平均的な消費支出は26万8,755円です。消費支出とは、生活に必要な支出を指し、給与から天引きされる税金や社会保険料などは含まれません。主な内訳を見てみましょう[参考1]。

【二人暮らし世帯の生活費(月額)】

項目月額
食料7万5,374円
住居1万9,385円
光熱・水道2万1,120円
家具・家事用品1万1,885円
被服および履物7,366円
保健医療1万5,893円
交通・通信3万5,314円
教育571円
教養娯楽2万6,776円
その他の消費支出5万5,070円
合計26万8,755円

参考1:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-1表」Excel(シート名:二人)
※各項目は四捨五入しているため、合計と一致しない場合があります。

表を見ると、もっとも多いのは食費で、月に7万円以上かかっています。ほかにも、生活に欠かせない支出が大半を占めていることがわかります。
住居費は、家賃のかからない持ち家世帯も含まれているため、賃貸暮らしの方やローンを払っている方はもう少し高めに見積もっておく必要があるでしょう。

これらの数値はあくまで平均値であり、地域や暮らし方によってかかる金額は変わってきます。目安として参考にしながら、自分たちの家計と見比べてみてください。

二人暮らしの生活費の内訳

生活費のなかでも、具体的にどのようなことにお金がかかっているのか、気になる方も多いでしょう。ここでは、主な費用ごとに実際の支出額を見ていきます

1. 食費の内訳

食費は生活費のなかでも大きな割合を占めます。二人暮らしの平均的な月の食費は、7万5,374円です。その内訳は以下のとおりです。[参考2]

【二人暮らし世帯の食費の内訳】

分類項目月額
自炊に使う食品穀類・魚介類・肉類・乳卵類・野菜・海藻・果物・油脂・調味料3万8,781円
嗜好品菓子類・飲料・酒類1万4,730円
調理食品調理食品1万1,538円
外食外食1万326円
食料合計7万5,375

参考2:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-1表」Excel(シート名:二人)をもとに作成
※各項目は四捨五入しているため、合計と一致しない場合があります。

もっとも金額がかかっているのは「自炊に使う食品」で、約4万円です。自炊を中心にすると食費をコントロールしやすくなりますが、共働きだと毎日続けるのは難しいこともあるでしょう。

しかし、外食や惣菜が多くなると、毎月の支出はふくらみがちです。まずは、毎月のレシートや家計簿アプリなどを見返して、どの項目にどれだけ使っているのかを確認してみましょう。

2. 水道光熱費の内訳

二人暮らしの水道光熱費は、1ヵ月あたりの平均で2万1,120円です。

なかでも、金額がもっとも大きいのは電気代で、平均1万878円と、全体の約半分を占めています。エアコンや冷蔵庫、照明など、家庭内で使われる電化製品の多さを考えると、この金額にも納得できるでしょう。

そのほか、ガス代は4,497円、上下水道料は4,248円、その他の光熱費は1,497円です。[参考3]
水道光熱費は季節によって大きく変動するのが特徴です。節約を意識するなら、1年前の同じ月と比較してみると、自分たちの使い方の変化が見えやすくなります。

参考3:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-1表」Excel(シート名:二人)

3. 家具・家事用品の内訳

家具・家事用品の支出は、月に1万1,885円です。もっとも金額が大きいのは「家庭用耐久財」の4,360円で、家具や家電などの買い替えなどが含まれます。購入頻度は少なくても、一度の出費が大きいため、全体のなかで大きな割合を占めています。

そのほかは、毎日の暮らしに欠かせない支出で「家事用消耗品」が3,164円、「家事雑貨」の1,927円などです。[参考4]

注目したいのは「家事サービス」に1,052円が使われている点です。平均支出を出したものなので、家事サービスの金額を考えると、全家庭が家事サービスを使っているとは考えにくいのですが、家事代行をお願いしている家庭が一定数いることのあらわれです。ライフスタイルの多様化がうかがえます。

参考4:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-1表」Excel(シート名:二人)

4. 保険・医療費の内訳

保険・医療費の支出は、月に1万5,893円で、生活費全体のなかでも意外と高めです。

内訳で多いのは、病院での診察や治療などの「保健医療サービス」で9,231円。次いで「医薬品」が3,024円、「保健医療用品・器具」が2,279円、「健康保持用摂取品(サプリなど)」が1,358円となっています。[参考5]

保険・医療関係は比較的見えにくい出費ですが、健康を保つための費用として、毎月これだけかかっていることを意識しておきましょう。

参考5:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-1表」Excel(シート名:二人)

5. 交通費の内訳

月あたりの交通費は3万5,314円ですが、その大半を占めているのが自動車関連の出費です。自動車等維持費(ガソリン代、駐車場代、保険料、車検整備費など)が1万5,346円、自動車等購入費も含めると合計で2万628円と、交通・通信費全体の約6割を自動車関連が占めています。
一方、自転車にかかっている費用は157円と、ごくわずかです。[参考6]

家計調査はあくまで平均値のため、都市部で車を持っていない人、逆に地方住まいで自動車を所有しているので自転車は不要な家庭も含まれていますので、あくまで目安としてください。

自動車を持つかどうかは、生活スタイルや通勤距離などによって大きく変わるため、二人の暮らしにとって必要かどうかよく話し合って決めましょう。

参考6:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-1表」Excel(シート名:二人)

二人暮らしの家賃の目安は?

家賃は「手取りの3割」が一般的な目安とされています。例えば、ふたりの手取り合計が月30万円なら、家賃は9万円前後が理想です。ただし、これはあくまで目安で、実際は収入の安定性や貯蓄額によって適正額は変わります。

例えば、収入が不安定な場合は、家賃は低めに抑えたほうが安心です。反対に、安定した収入と貯蓄があれば、多少高めでも暮らしやすさを重視した選択が可能です。

また、家賃相場は地域や間取りによっても差があります。
自分たちのライフスタイルや通勤の利便性などもふまえ、無理のない範囲で検討しましょう。

年代別・年収別で見る生活費の平均

生活費の水準は、年代や収入によって大きく変わります。ここでは、統計データをもとに、二人以上の暮らし世帯の平均的な生活費(消費支出)を見ていきましょう

1. 【年代別】1ヵ月の生活費の平均

年齢を重ねるごとに、収入だけでなく支出の内容や金額も変化します。
二人以上の暮らしの生活費は、年代によってどれくらい違うのか、下のグラフで確認してみましょう。[参考7]

【年代別 二人以上の暮らし世帯の生活費(月額)】

参考7:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第3-2表」Excel(シート名:二人)をもとに小数第2位(百円単位)を四捨五入して作成

20代~30代の生活費は月に28万円前後ですが、40代以降は30万円を超えて大きく上昇しています。これは、子どもの教育費や住宅ローン、車の維持費など、ライフステージの変化が影響しているのでしょう。

一方、70代以上になると25万円台まで減少し、年金生活に合わせて出費を抑えた暮らしぶりがうかがえます。

2. 【年収別】1ヵ月の生活費の平均

収入が上がると生活費(消費支出)も増えるのは自然な流れですが、その増え方には特徴があります。二人暮らしの家庭では、年収によって毎月どれくらい差が出るのか、下のグラフで確認してみましょう。[参考8]

【年収別 二人以上の暮らし世帯の生活費(月額)】

参考8:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第2-3表」Excel(シート名:二人)をもとに作成

グラフを見ると、年収が上がるにつれて生活費もゆるやかに増えていきますが、1,000万円を超えるあたりから一気に伸びています。
このあたりから、日々の支出に加えて、趣味や外食、旅行など「ゆとり」の出費が増えていると考えられます。

今の生活費が、収入に対して無理のない範囲かどうか、見直すきっかけとして、参考にしてみてください。

二人暮らしの生活費をシミュレーション

「この収入で、みんなどう暮らしているのだろう?」と気になる方のために、手取り額別に生活費の目安を紹介します。

今回のシミュレーションは、総務省の家計調査をもとに、同程度の収入に該当する、二人以上の世帯の支出データを参考に作成しています。(二人以上の世帯を対象としているため、三人以上の世帯のデータも含まれる可能性があります)

なお、家計調査には持ち家や社宅の世帯も多く含まれており、住居費が低めに出ています。賃貸にお住まいの方は、住居費の差を補うため、他の支出を調整する必要があります。

1. 月の手取りが20万円の世帯のシミュレーション

世帯手取り収入が月20万円の場合、二人暮らしには相当なやりくりの工夫が必要です。
今回のシミュレーションでは、手取り20万円に平均的なボーナスを加味して年収350万~400万円世帯の支出データを参考にしています。[参考9]

【手取りが20万円の場合の生活費シミュレーション】

項目月額
食料7万7,294円
住居1万5,281円
光熱・水道2万3,693円
家具・家事用品1万1,668円
被服および履物5,772円
保健医療1万5,461円
交通・通信3万402円
教育2,140円
教養娯楽2万3,905円
その他の消費支出4万5,641円
貯蓄(または住宅費補填分)マイナス5万1,257円
合計20万円

参考9:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第2-3表」Excel(シート名:二人)

手取り20万円で二人暮らしをする場合、たとえ家賃のかからない持ち家に住んでいても、赤字は避けられない状況です。日々の出費を抑えるにも限界があるため、節約だけで黒字にするのはむずかしいかもしれません。

まずは保険や通信費などの固定費を中心に、ムダな支出がないか徹底的に見直しましょう。そのうえで、副業や転職も視野に入れ、収入を増やす方法も検討してみてください。

2. 月の手取りが30万円のシミュレーション

手取り30万円での二人暮らしなら、一見すると楽に生活できそうに見えます。しかし、現実には「なかなか貯金ができない」と感じている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、手取り30万円に平均的なボーナスを加味して年収500万~550万円世帯の支出をもとに、シミュレーションを作成しました(年収には税金やボーナスなどが含まれています)。ご自身の家計と照らし合わせてみてください。[参考10]

【手取りが30万円の場合の生活費シミュレーション】

項目月額
食料8万2,405円
住居1万9,863円
光熱・水道2万3,144円
家具・家事用品1万2,020円
被服および履物7,743円
保健医療1万4,512円
交通・通信4万1,147円
教育5,690円
教養娯楽2万7,277円
その他の消費支出4万7,744円
貯蓄(または住宅費補填分)1万8,455円
合計30万円

参考10:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第2-3表」Excel(シート名:二人)

この試算では、月に約1万8,000円を貯蓄にまわせる計算になっていますが、実際には思い通りにいかないケースも多いでしょう。

通信費や食費、娯楽費などは工夫次第で大きく変えられる部分なので、支出を調整して安定した家計を目指してください。

3. 月の手取りが40万円のシミュレーション

手取りが月40万円あれば、二人暮らしでも比較的ゆとりをもって暮らせます。
ここでは、手取り40万円に平均的なボーナスを加味して「年収700万~750万円」世帯のデータから算出したシミュレーションで、支出と貯蓄のバランスを確認してみましょう(年収には税金やボーナスなどが含まれています)。[参考11]

【手取りが40万円の場合の生活費シミュレーション】

項目月額
食料8万5,472円
住居2万1,130円
光熱・水道2万2,864円
家具・家事用品1万2,863円
被服および履物1万881円
保健医療1万4,920円
交通・通信5万1,152円
教育1万6,285円
教養娯楽2万8,223円
その他の消費支出5万2,367円
貯蓄(または住宅費補填分)8万3,843円
合計40万円

参考11:総務省「2024年家計調査(家計収支編)第2-3表」Excel(シート名:二人)

このように、手取りが月40万円あれば、生活費と貯蓄のバランスがとりやすくなります。
収入にある程度のゆとりがあるうちに、将来に向けた資産づくりを少しずつ始めておくと安心です。ライフイベントを見据えた計画を立てて、無理のないペースで準備していきましょう。

二人暮らしで生活費を節約するには

節約を成功させるには、パートナーと協力しながら取り組むことが大切です。ここでは、二人で取り組みやすい6つの方法を紹介します。

1. 収支を把握し固定費を見直す

節約の第一歩は「現状を知ること」です。家計簿アプリなどで収入と支出を整理し、毎月の固定費を見直してみましょう。
とくに、以下の支出は金額が大きくなりがちです。

  • サブスクリプションサービス(使っていないサービスを解約)
  • 電気・ガスの契約プラン(比較サイトを使って見直す)
  • 家賃(更新時に交渉も検討)

「当たり前に払っている費用」を見直すだけで、月に数千円の節約になることもあります。二人で定期的にチェックすると良いでしょう。

2. 1ヵ月の予算を決めておく

毎月の生活費に上限を設定しておくと、二人の金銭感覚をすり合わせるよい機会になります。ざっくりとした予算でも立てておけば、お金の使い方について相談しやすくなるメリットもあります。

生活費の全体像がつかめたら「先取り貯蓄」を取り入れて、より計画的にお金を貯めていきましょう。
「先取り貯蓄」とは、給料が入ったらすぐに貯金分を別の口座に移しておき、残りの金額でやりくりする方法です。「今月あとどれくらい使えるか」が明確になり、無意識に使いすぎることが減ります。

3. 外食を減らして自炊を心がける

外食が増えると、それにともなって食費もかさみやすくなります。月に数回だけでも自炊に切り替えることで、出費を大きく抑えられます。

「自炊は大変そう」と感じる方も、簡単な一品から挑戦してみましょう。外食派の方も、これくらいなら手軽に取り入れられるはずです。また、自炊をする際は、どちらか一方に負担が偏らないように、あらかじめ役割分担を決めておくことをおすすめします。

4. 節電や節水を意識する

光熱費は、少しの工夫で年間1万円以上の節約につながることもあります。例えば、次のような対策が有効です。

  • エアコンの温度設定を適切にする
  • 冷蔵庫の開閉を減らす
  • こまめに電源を切って待機電力をカットする
  • 洗濯はまとめ洗いを心がける
  • お風呂の残り湯を洗濯に使う

二人暮らしは電気やガス、水道の使用量が増えるので、こまめに意識するだけでも節約につながりやすくなります。

5. 通信費を見直してみる

スマートフォンやインターネットなどの通信費は、節約効果が高いので、一番に取り組みたい項目です。二人暮らしなら、工夫次第で大幅な節約が期待できます。

具体的な対策は、以下のとおりです。

  • 格安SIMや格安スマートフォンに乗り換える
  • 実際の使用量を確認してプランを見直す
  • 家族割やシェアプランを活用する
  • Wi-Fi環境を見直す

一度の見直しで、毎月数千円の削減も期待できるので、今すぐ取り組んでみましょう。

6. 保険も定期的に見直しておくことが大事

保険は、一度加入するとそのまま放置しがちですが、ライフスタイルの変化に合わせて定期的な見直しが必要です。
とくに結婚後は、必要となる保障が大きく変わることがあるため、早めに現在の保障内容を確認しておきましょう。

見直しのステップは、次の3つが基本です。

  1. 現在、自分が入っている保険の保障内容を確認する
  2. 内容が重複している場合は、解約や変更を検討する
  3. 今後必要になる保険について、情報収集する

保険の内容は、時代に合わせて多様化しています。必要な情報を見逃さないよう、普段からアンテナを張っておきましょう。

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まとめ

二人暮らしの生活費は、収入や住まい、ライフスタイルによって大きく異なります。
大切なのは「自分たちの暮らしにちょうどいい支出バランス」を把握することです。まずは毎月の支出額を確認して、ひと月の予算を立ててみましょう。

生活費を見直すと、将来に向けた貯金ができて、心にもゆとりが生まれます。
小さな一歩でも暮らしは着実に変わっていくので、未来の二人のため、自分たちのペースでできることから始めてみましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

田辺 容子(たなべ ようこ)
FPライター。証券会社にて個人向け資産運用のアドバイス業務に約10年間従事。現在は、実務経験と金融資格、自身の投資経験を活かし、金融分野に特化したライターとして活動中。メガバンクのコンテンツ制作や大手金融メディアでの記事執筆など、信頼性が重視される案件を多数手がけている。2級FP技能士、証券外務員一種。

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ