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近年、男性・女性ともに「結婚したくない」と考えている人が増えており、生涯独身でいることがひとつの選択肢になりつつあります。
「結婚できない」のではなく、あえて「したくない」と考える背景には、どのような事情があるのでしょうか。
この記事では、結婚したくない人が増えている理由や、その背景、結婚しないメリットなどについて解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
結婚したくない人が増えている
※数値の記載に一部誤りがありました。訂正し、お詫び申し上げます(2021年12月21日追記)。
冒頭で「結婚したくない」という男女が増えていると述べましたが、生涯未婚率は具体的にどのくらい増加しているのでしょうか。
50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を「生涯未婚率」と言いますが、総務省の「令和2年国勢調査」によると、50歳時に未婚でいる人の割合(45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均)は男性で28.25%、女性で17.85%となっています。
これは、男性はおよそ4人に1人、女性はおよそ6人に1人という割合です。
前回の 「平成27年国勢調査」 では、 男性23.4%、女性14.05% でしたので、男性は4.85ポイント、女性は3.8ポイントも上昇していることになります。
なかには「結婚したいけれどできない」という方も含まれていると推測されますが、5年前と比べて上げ幅が大きいことを考慮すると、あえて結婚しない人が増えていることが推測されます。
結婚したくない理由は?
結婚したくない理由には個人差がありますが、ここでは国が平成25~26年にかけて実施した「平成25年度『少子化社会対策大綱の見直しに向けた意識調査』報告書 第2章 調査結果」をもとに、男女別に結婚したくない理由をまとめました。
■男性の理由
男性の場合、結婚したくない理由の最多は「自分の時間を失いたくない」で、約44%(複数選択可)に上っています。
結婚すると、相手のことも考えて行動しなければならないため、好きに出歩けない・趣味に没頭できないなど、生活の自由を失うことに抵抗を覚える方が多いようです。
次いで多かったのが「経済的な制約が増える」で、こちらも、結婚したくない理由の約4割を占めています。
結婚後に得た収入は夫婦の共有財産となるため、自分の好きなもの・好きなことにお金を使えないことに抵抗を感じて独り身を選ぶ方もいます。
また、自分の経済力に自信を持てない方も多く、パートナーや、将来生まれる子供を養っていけるかどうか不安で結婚に踏み切れないケースもあるようです。
■女性の理由
女性の場合も男性同様、時間やお金に制約ができることがネックになっている方が多いのですが、男性より突出して多いのが「異性とうまく付き合えない・恋愛がめんどう」(54.8%)という理由です。
原因はいろいろ考えられますが、女性の社会進出にともない、生活に占めるウエイトが仕事>恋愛になっている方が増えていることも考えられます。
男性と比べて、女性の方は「親戚づきあいや結婚後の夫婦関係など結婚後の生活に(経済的なもの以外で)不安がある」と回答した人が17.9ポイントも高いところが印象的です。
男女平等が叫ばれて久しい現代ですが、未だに「女性は男性のもとへ嫁に入る」という風潮が根強く残っており、義理の両親や親戚との人間関係にわずらわされたくないと考えている方が多いようです。
特に現代は女性も相応の経済力を身につけていることから、「嫌な思いをしてまで結婚したくない」という考えに至る方も少なくないのでしょう。
結婚したくない人が増えている背景
結婚したくない理由には性差や個人差があるものの、社会的な背景としては、若年層の所得の減少が挙げられます。
内閣府がまとめた「令和2年版 少子化社会対策白書 第1章 少子化をめぐる現状 結婚をめぐる意識等」によると、若年層の所得階級別雇用者構成は、1997年は20代が300~399万円、30代では500~699万円がそれぞれ最多を占めていました。
ところが20年後の2017年は、20代は300~399万円の割合が最多という点は変わらないものの、1997年に比べて割合が減り、そのぶん200万円以下の割合が増えています。
一方の30代は、500万円~699万円の割合が大幅に減少し、最多は300~399万円となっています。
結婚して家庭を持つと、ひとり暮らしの時よりも支出が大きくなります。
所得の減少によって結婚を躊躇する人が増えたことが「結婚したくない」人の割合増加につながっているのでしょう。
特に男性の場合は所得と結婚の関係性が顕著にあらわれており、所得が低いほど既婚率も低くなっています。
■女性の就業率上昇も「結婚したくない人」増加の一因に
総務省の「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)平均結果の概要」で労働力人口の推移を見ると、男性はほぼ横ばいであるのに対し、女性は右肩上がりに上昇しており、2010年から2020年にかけての10年間でおよそ261万人も増加しています。
女性の就業率が低かった頃は、「男性と結婚して安定した生活を送る」という考えが定着していましたが、女性の就業人数が3,000万人を超えている今、「生活のために結婚する」という考えを持つ人は減ってきています。
女性にとって「結婚しなければならない理由」がひとつ減ったことにより、相対的に「結婚したくない人」の割合が増加しているのでしょう。
結婚しないことのメリットは?
では、結婚しない人生を選択すると、結婚した場合に比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは結婚しないことのメリットを4つご紹介します。
1.時間・お金を自由に使える
結婚すると、パートナーの生活費や子どもの学費などにお金がかかりますし、子育てなどで自分の時間がとりづらくなります。
独身なら、時間もお金も自分ひとりのためだけに使えるので、好きなことや趣味に没頭できます。
仕事面でも、出張や残業、勉強など無理しない程度に好きなだけ取り組めます。転職時も家族の住む場所を考えなくても良いので、独身のほうが好きな場所で好きな仕事をしやすいと言えるでしょう。
2.家事の負担が少ない
結婚して家族が増えると、掃除や料理、洗濯といった家事の手間も2倍、3倍になります。
独身なら、自分のぶんだけ家事を済ませれば良いので、自由な時間と体力を確保しやすくなります。
一緒に暮らすと家事の分担ややり方で揉めることもありますが、独身なら自分の好きなように家事ができるのもメリットです。
3.新しい人間関係にわずらわされない
結婚すると、パートナーだけでなく、その両親や親戚などともお付き合いしなければなりません。
結婚後、相手の身内に気を遣ったり、人間関係に悩んだりする人は意外と多く、人によってはストレスを感じてしまいます。
お正月やお盆の帰省で義実家の手伝いをさせられた、同居した義父母と合わないといったトラブルは、既婚者ならよくある話です。
独身なら、他人の親族と付き合う機会もありませんので、新しい人間関係にわずらわされずに済みます。
4.自由に恋愛を楽しめる
独身ならひとりに縛られることなく、さまざまな人と自由に恋愛することができます。
複数の人との出会いを楽しみたい!という方は、結婚しない方が人生を謳歌できるでしょう。
結婚したくない人の老後はどうなる?
結婚しないことにはたくさんのメリットがありますが、その反面、独身でいることのデメリットも決して少なくありません。
特に経済面の不安は大きく、独身でいると、万一自分が病気やケガで働けなくなった場合、収入が一気に途絶えてしまいます。
助けてくれる家族がいなければ、家事代行などをお願いする必要があるかもしれません。万一のときは入院費や治療費のほか、生活費や病院までのタクシー代、家事代行代などもかかる可能性があるのです。
自分が働けなくなってしまったとき、どのくらい公的保障を受けられるのか、その公的保障だけではどのくらい足りないのかは、「働けなくなったときの不足金額シミュレーション」で確認してみてください。
また、老後は一人で生きていかねばならないのと、定年退職する前にセカンドライフの資金を貯めておく必要があります。独身者は自分のためにお金を使えるのがメリットですが、その分貯蓄が必要です。
若いうちからコツコツ貯蓄しておくのはもちろんですが、万一のことも考慮し、保険などで備えておくことをおすすめします。
まとめ
近年は若年層の所得減少や、女性の社会進出、価値観の多様化などにより、あえて結婚しない道を選ぶ人が増えてきています。
結婚しないことにはメリットも多い反面、経済面での不安が大きいので、貯蓄や保険などで計画的な資産形成を目指しましょう。
※本記事は2021年3月24日に公開した内容を2021年12月21日に内容を更新して掲載しています。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
記事提供元:株式会社ぱむ