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日々の生活に疲れ、一人になりたいと感じるときはだれしもあるものです。
では、どのような場合にそう感じるのか、一人になったときに何をしてストレスを解消すればいいのかについて解説します。さらに、一人になりたいときに、周りの人にどのように伝えればいいのか、日ごろより一人になる時間を確保するためにしておきたいことについてもあわせて紹介します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
「一人になりたい」と感じるのはどんなとき？
人は家庭や職場において、さまざまな役割を果たしていく間に、無意識のうちにエネルギーを消耗していき、一人になりたいと感じることがあります。では具体的に、どのようなときに一人になりたいと感じるのかについて解説します。
1.人間関係に疲れた
人と関わり続けていると、気遣いや調整が積み重なり、人間関係でのトラブルが発生すると、知らぬ間に心が重くなることがあります。
例えば、職場の人間関係や友人との付き合いで本音を隠していたり、演じていたりする感覚が続くと、精神的に疲れが生じます。
もうだれとも関わりたくないと感じたり、一人になりたいと感じたりする場合、それは単なる気まぐれではなく、心と体が休息を求めているサインかもしれません。
2.SNSやデジタル疲れ
SNSを見ているだけなのに、しんどくなったり、気分が沈んだりした場合は、一人になりたいと感じることがあります。
SNSなどにより、常に情報や連絡が入り続ける現代において、遅れてはいけないという心理が働き、無意識に他人と比較してしまいがちです。結果として、自己肯定感が低下することも少なくありません。
こうしたデジタル疲労から逃れるため、一人になりたいと感じる場面が多いです。
3.役割に疲れた
家庭では父親（母親）、あるいは夫（妻）として、職場では管理職など、人はそれぞれの場面でさまざまな役割があります。
役割の期待に応え続けると、自分という存在が役割に飲み込まれてしまうことがあるかもしれません。そのようなときに一人になりたいと感じます。
あるときふと「自分はだれなのか」「役割を離れて、ただ一人の自分でいたい」と感じるのは自然な反応です。
4.子育てに疲れた
育児の真っただなかにいる親が、一人になりたいと感じることは決して珍しくはありません。
オムツがぬれた、おなかがすいた、眠いなど、赤ちゃんは泣くことでしか意思を伝えられません。親はその声に応えながら、家事や育児を一手に担うことがあります。しかし、その苦労が周囲に十分伝わらないこともあります。
こうして育児中の親の大変さが理解されないと孤独が積み重なり、ふと心のどこかで一人になりたくなる場合があります。
5.キャパシティオーバー
仕事での責任やプレッシャー、育児や他人への気遣い、転職や引っ越しなどの環境の変化が重なることで、限界点を超えたときに一人になりたいと感じることがあります。これは単なる怠けではなく、過度なストレスにより疲れがピークに達しかけているサインです。
こうした状況では、だれとも話したくない、何も考えたくないという気持ちが強くなります。そのため頭も身体も同時に休ませるために、だれにも気を遣わない一人の空間を切実に求める瞬間といえるでしょう。
6.思考や感情を整理したい
重要な決断を迫られたり、自分の未来について熟考したりする場合、思考や感情の整理をするために、一人になる時間が必要です。こうした状況では、頭のなかでさまざまな思考や感情が渦巻き、整理されないままだと一時の感情に流されて、誤った判断をしてしまう可能性があります。
このような複雑な状況に直面したとき、私たちは自然と静かな環境を求め、だれにも邪魔されずに自分の内面と向き合いたいと感じるものです。雑多な情報や他人の意見から離れて純粋に自分自身の考えに耳を傾けたり、頭のなかを整理するために一人でゆっくりと思考を巡らせたりしたくなる瞬間といえるでしょう。
7.ネガティブな感情を消化したい
怒りや悲しみ、不安などのネガティブな感情が心のなかで渦巻いているとき、それらをだれにも見せずに処理したいと感じることがあります。
こうした状況では、他人の前で平静を装うのに疲れ果て、一人の空間で本当の感情をありのままに表現したくなります。例えば、涙を流したり、静かに自分の気持ちと向き合ったりするなど、安全な場所で心に溜まった重いものを一人で少しずつ消化していきたいと感じる瞬間といえるでしょう。
一人になりたいと思ったときの対処法
一人になりたいと思った場合、どのような行動を取るとリラックスできるのかについて、以下では8つの対処法について紹介します。
- ドライブに行く
- カラオケに行く
- 旅行に行く
- 自然が多い場所に行く
- 好きなものを好きなだけ食べる
- 音楽を聴く・映画鑑賞をする
- デジタルデトックスを試みる
- あえて何もしない
1.ドライブに行く
一人になりたいと感じたとき、ドライブはもっとも手軽な方法のひとつです。ハンドルを握り、好きな音楽を流しながらただ走るだけで、日常の雑音が少しずつ遠のいていきます。流れる景色やエンジン音が、思考をゆっくり整理してくれます。
車内という小さな空間は、自分だけの空間です。人間関係や仕事のストレスから少し距離を置く時間を持つことで、再び前向きな気持ちが生まれやすくなります。
2.カラオケに行く
カラオケに行くことも、一人になりたいと思った場合の対処法です。
思い切り声を出すことで、ストレスが発散でき、感情のデトックスに最適です。
だれにも気を遣わず好きな歌を歌うことで、溜め込んでいたストレスや怒り、不安が発散されていきます。
自分の声と向き合う時間は、心の解放と自己再確認につながり、感情を音に変えることで、心のバランスが自然と整っていきます。
3.旅行に行く
一人旅は、非日常に身を置くことで、自分をリセットする効果があります。
誰かに気を遣わず自分のペースで過ごせるので、ストレスからも解放でき、旅先でゆっくりカフェに入ったり、朝日を眺めたりするだけでも心は軽くなります。
また見知らぬ景色や人との出会いは、凝り固まった考えを和らげ、新しい視点を与えてくれるでしょう。そうして帰る頃には、思っていた以上に自分が落ち着いていることに気づくでしょう。
4.自然が多い場所に行く
自然のなかに身を置くと、人は本能的にリラックスします。木々の香りや風の音、小鳥のさえずりや土の感触は、交感神経の緊張を和らげ、心を静かに整えてくれます。
特に森林浴は、副交感神経の働きが飛躍的に高まり、交感神経が穏やかになるといわれています。ストレスで心身が疲れたときこそ、自然のなかにただいるだけでもリフレッシュできるでしょう。
5.好きなものを好きなだけ食べる
心が疲れているときは、理屈抜きで「好きなものを好きなだけ食べる」特別な時間をつくりましょう。例えば、熱々のラーメンに追いチャーシューと味玉をのせて、濃厚なスープを心ゆくまで味わう至福のひととき。あるいは、子どもの頃から好きなチョコレートケーキを、食べたいだけ堪能する小さな贅沢。
こうした純粋に「おいしい！」と感じる瞬間は、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質が分泌され、張り詰めていた心がふわりと解き放たれるのを感じるはずです。一口ごとに蓄積されたストレスが溶けていくような満足感と安らぎが心を満たし、また明日へ向かう活力を取り戻してくれるでしょう。
6.音楽を聴く・映画鑑賞をする
一人の時間を過ごしたいとき、音楽や映画は感情を代弁してくれる心強い相棒となります。
例えば、心が沈んでいるときには、静かなクラシックピアノやアコースティックなバラードに身を委ね、内なる感情を静かに見つめ直すことができます。また、前向きな気持ちを取り戻したいときは、困難を乗り越える主人公を描いたヒューマンドラマや、心温まるアニメーション映画の優しい世界観が背中を押してくれるでしょう。
このように音楽や映画は、言葉にならない複雑な想いを感じながら、一人の空間で心を癒してくれます。
7.デジタルデトックスを試みる
スマートフォンやSNSから距離を置くことで、頭のなかの情報過多をリセットできます。常に通知に追われる生活は、心を休ませる時間を奪います。意識的にスマートフォンを手放し、情報を遮断する時間を確保するだけで、思考は整理され、感情が穏やかになるでしょう。
デジタルデトックスは、孤立ではなくリセットのための時間です。自分の感覚を取り戻すために、週末だけでも試してみると効果的です。
8.あえて何もしない
「何かしなければ」と焦る気持ちこそ、心の疲れの表れです。そんなときは、思い切って何もしない勇気を持つことが大切といえます。ベッドで横になる、空を眺める、ただぼーっと過ごすだけで十分です。
何も生産しない時間は、怠けではなく再生のプロセスです。頭と心を無にすることで、自然と次のエネルギーが湧いてきます。
一人になりたいときに相手にどう伝えればいい？
一人になりたいと思ったときに周りの人、家族や友人、恋人・パートナーにどのように伝えればいいのでしょうか。
以下では一人になりたいときの伝え方について紹介します。
1.自分の状態を主語にして伝える
「あなたのせいで疲れた」ではなく、「少し疲れていて、一人の時間が欲しい」と自分の状態を主語にして伝えることで、相手を傷つけずに気持ちを共有できます。
人間関係での摩擦は、言い方ひとつで大きく変わるものです。感情的にならず、今の自分の状況を冷静に説明することが大切です。
自分の状態を主語にして、「少し考えを整理したい」「静かに過ごす時間を持ちたい」といった表現なら、相手も受け止めやすくなるでしょう。
2.相手へのフォローも入れる
一人になりたい気持ちを伝えるときは、相手への配慮を添えることで関係をこじらせずに済みます。
あなたに問題があるわけではないことを伝えるために「今は一人で考えを整理したいだけなの」「少し休んだらまた話したい」など、相手を責めていないことを明確にするのがポイントです。
特に親しい関係ほど、一人になりたいということが拒絶に聞こえてしまうことがあります。フォローの言葉を添えることで、相手の不安を和らげ、自分の時間を確保しやすくなります。
3.理由は簡潔に伝える
細かい理由を並べると、相手に誤解を与えたり、余計な説明責任を生んだりします。大切なのは「今は少し一人で過ごしたい」とシンプルに伝えることです。
相手との距離を一時的に置くことは、関係を断つことではありません。無理に正当化せず、簡潔で誠実な言葉を選ぶと、相手も納得しやすくなるでしょう。
気持ちを素直に表現することで、人間関係をこじらせることを回避できます。
一人になりたい時間を確保するためにできること
一人になりたい時間を確保するために、あらかじめやっておくと良いことがあります。
以下では、事前にやっておきたいことについて説明します。
1.一人時間を予定として組み込んでおく
一人で過ごす時間は、時間が空いたから取るものではなく、以前から意識して確保しておくことを心がけましょう。
仕事や家事、予定に追われていると、自分の心身を整える時間が後回しになりがちです。そこで一日の予定に、一人時間を組み込んでおくことをおすすめします。
週に1回カフェで1時間など、小さな習慣でも続けることで、リセットのサイクルが生まれます。自分のための時間を予定に組み込むことで、心の健康を守ることに役立つでしょう。
2.「小さな一人時間」を習慣化してみる
まとまった時間が取れないときでも、1日5〜10分の「小さな一人時間」を習慣にすることをおすすめします。
例えば、通勤中はSNSを閉じて好きな音楽を聴いたり、目を閉じて数分間呼吸を整えたりしてみる。また、昼休みは一人で公園のベンチに座り、風を感じながら静かに過ごしたり、ランチを早めに食べて残りの時間を自分だけの時間として使ったりするのも効果的です。
このような「小さな一人時間」を取り戻すコツは、「何をするか」よりも「だれにも気を遣わない」瞬間を意識することです。こうした小さな時間でも継続することで、メンタルの安定につながります。
3.パートナーと話し合っておく
家庭や恋人関係のなかで、一人時間を確保するには、あらかじめ話し合っておくことが大切です。距離を取りたいのではなく、お互いがより良い関係を保つために必要な時間として共有すれば、誤解を生まずに済みます。
相手に理解を求める際は、「少し自分を整える時間を取りたい」と目的を明確に伝えると良いでしょう。パートナーとの信頼関係を深めるためにも、あらかじめ話し合い、一人の時間をお互い尊重し合う姿勢が大切です。
まとめ
一人になりたいと感じるのは、人間関係に疲れたり、自分自身のキャパシティを超えていたりなど、心が限界にきていることを知らせるサインです。
人間関係や情報過多、役割の重圧などに疲れたときに少し一人になることで心が整っていきます。大切なのは、自分自身がその感情を否定せず受け止め、無理なくリセットすることです。ドライブやカラオケ、自然のなかで過ごすなど、自分に合った方法で心を休めましょう。
また、周囲には一人になりたい理由を誠実に伝え、必要な時間を確保することも大切です。一人時間を意識的に取り入れることで、心に余白が生まれ、周りとの関係もより穏やかに保てるでしょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
宮本 建一（みやもと けんいち）
マネーライター。銀行・消費者金融・信用組合の勤務を経て独立。融資経験・FPの知見を生かし、各種サイトで主に資金調達、不動産関連記事の執筆を行う。金融専門誌への寄稿、金融機関行職員向けの通信講座教材執筆経験あり。2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP
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