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「お歳暮が届いたけれど、お礼状の書き方がわからない」とお困りの方も多いでしょう。お礼状は、相手との関係性やタイミングなどにより、ふさわしい言葉づかいや表現方法が異なります。
この記事では、お歳暮のお礼状に関する基本的マナーから、送り先に合わせた具体的な文例、さらには代筆を依頼する際の注意点まで幅広く取り上げています。適切なお礼状の書き方をマスターして、相手に心からの感謝を届けましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
お歳暮とは
お歳暮とは、日ごろお世話になっている方へ、感謝の気持ちを込めて年末に贈る品物のことです。「歳暮」という言葉自体が「年の暮れ」を意味し、昔から年末に感謝を伝える風習として「歳暮回り」という行事がおこなわれてきました。
さらにその起源をたどると、年の暮れに先祖をまつる「御霊祭(みたままつり)」でお供え物をする習わしにさかのぼるといわれています。こうした背景から、お歳暮は単なる贈り物ではなく「感謝の心を形にする日本ならではの文化」として受け継がれています。
お歳暮はいつ届くもの?
お歳暮は、一般的に12月13日から20日頃までとされているため、多くの場合はこの期間中に届きます。ただし、地域によって風習が異なるため、20日以降に届くことも珍しくありません。
お歳暮の時期についてより詳しく知りたい方は「お歳暮はいつからいつまで?地域別の違いや贈る際の基本マナーについて紹介」もご覧ください。
お歳暮が届いた時のお礼状のマナー
お歳暮を受け取ったら、贈り主への感謝の気持ちが伝わるお礼状を出しましょう。ここでは、お礼状を書く際に押さえておきたい基本的なマナーを紹介します。
1. お礼状は届いてから3日以内に出す
お歳暮が届いたら、お礼はできるだけ早めに伝えるのが基本です。郵送する場合は、遅くとも3日以内には投函しましょう。もしお礼が遅れてしまった場合は、お詫びの一文を添えて気持ちを伝えることが大切です。
2. お礼状を書く際の基本構成
封書で送るお礼状には基本的な「型」があり、それに従って書けば失礼のない文章に整います。「型」の基本的な要素は、以下の5つです。
- 頭語
- 時候の挨拶
- お礼の言葉
- 相手の健康を気遣う言葉
- 結びの言葉
順に見ていきましょう。
2.1. 頭語
頭語は手紙の冒頭に置く言葉で、相手への敬意を示す役割があります。
【頭語の例】
- 拝啓(一般的)
- 謹啓(改まった手紙の場合)
- 前略(略式)
形式を守ることで文章全体が落ち着いた印象になり、相手にも誠意が伝わります。
2.2. 時候の挨拶
季節を表現する文章を添えると、おもむきのある文面になります。
【時候の挨拶の例】
- 師走の候(ビジネス、目上の方向け)
- 歳末の候(ビジネス、目上の方向け)
- 師走の寒さが身に染みるころとなりましたが(プライベート向け)
時候の挨拶は、その時期に合った言葉を選びましょう。
2.3. お礼の言葉
ここでお歳暮のお礼を述べても問題ありませんが、より丁寧な文面にしたい場合は、先に日ごろの感謝の言葉を添えるとよいでしょう。
【日ごろのお礼の言葉の例】
- 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます(ビジネス向け)
- いつもお世話になり、誠にありがとうございます。(プライベート向け)
このように、ひとこと添えると誠実さが伝わります。このあと、お歳暮のお礼を書きましょう。
2.4. 相手の健康を気遣う言葉
最後に、相手の健康を思いやる言葉を添えると、より温かみが増します。
【健康を気遣う言葉の例】
- ご健勝をお祈り申し上げます
- ご家族皆様のご健康をお祈りいたします
- くれぐれもご自愛ください。
親しい間柄なら「お体にお気をつけて」でもよいでしょう。
2.5. 結びの言葉
文頭で頭語を使った場合は、最後に必ず結びの言葉をしるします。その際は、必ず頭語に対応した言葉を選びましょう。
【結びの言葉の例】
- 拝啓 → 敬具
- 謹啓 → 謹言
- 前略 → 草々
最後を丁寧に締めくくることで、全体が美しく引き締まります。
3. メールや電話でも問題はない?
親しい相手であれば、メールや電話でお礼を伝えても差支えありません。
ただし、取引先やビジネス関係者には封書で送るのが基本です。プライベートの場合はハガキでも問題ありませんが、改まった相手にはやはり封書が無難です。
メールや電話には、郵送よりも早く気持ちを届けられる利点があります。届いたその日のうちに感謝を伝える手段として活用するとよいでしょう。
会社の人や取引先にお礼状を送る場合の例文
お歳暮のお礼状は、相手との関係性にふさわしい文面を選ぶことが大切です。ここでは、取引先や会社の人に向けた例文を、手紙とメールの2つのケースに分けて紹介します。
1. 封書で伝える場合

改まった形で感謝を伝えたい時は、封書でのお礼状が適しています。取引先と会社の部下、2パターンの例文を見ていきましょう。
1.1. 例文1:取引先
ビジネス文書では、時候の挨拶のあとに「日ごろのご厚意への感謝」を伝えるのが一般的です。
【例文】
謹啓
師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
このたびはご丁寧なお歳暮の品を賜り、誠にありがとうございました。
心からお礼申し上げますとともに、今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
謹言
感謝の気持ちを明確に示しつつ、今後の取引継続への期待も添えるとより丁寧です。
1.2. 例文2:会社の部下
部下へのお礼状は、敬意を示しつつも過度に堅くならないよう、感謝の気持ちを端的に伝えるとよいでしょう。
【例文】
拝啓
歳末の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より業務に尽力いただき、心より感謝しております。
このたびは結構なお歳暮の品を頂戴し、誠にありがとうございました。
お心遣いに心より感謝申し上げます。
来年も共に、さらなる良い成果を目指していければと願っております。
寒さ厳しき折、どうかご自愛ください。
敬具
このように、率直な感謝を添えることで、気持ちの伝わるお礼状になります。
2. メールで伝える場合
メールは形式を整えることで手軽さと丁寧さを両立できます。取引先と会社の方宛ての例文を見てみましょう。
2.1. 例文1:取引先
取引先へのメールでは、頭語や時候の挨拶を省略しても問題ありません。
【例文】
件名:お歳暮の御礼 株式会社〇〇
株式会社〇〇
〇〇部課長 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇でございます。
このたびは結構なお歳暮の品を頂戴し、誠にありがとうございました。
日頃のご支援に加え、このようなお心遣いをいただき、心より感謝申し上げます。
今後も皆さまのお役に立てるよう、一層精進してまいります。
まずは略儀ながら、メールにて御礼申し上げます
株式会社〇〇
〇〇部(役職)(氏名)
メールでは、手紙より柔らかな表現が多くなります。
2.2. 例文2:会社の部下
メールの場合は手紙より、日常のやり取りに近い形で気持ちを伝えられます。
【例文】
件名:お歳暮のお礼
〇〇さん
このたびは心のこもったお歳暮をいただき、誠にありがとうございます。
日頃から業務に尽力いただいているうえに、お心遣いまでいただき、大変うれしく思っております。
これからも体調に留意しながら、共に力を合わせてがんばりましょう。
お礼なので、普段よりは丁寧さを意識しつつ、堅苦しくなりすぎないようにしましょう。
両親や親戚にお礼状を送る場合の例文
プライベートの場合は、最低限の礼儀は守りつつ、温かみのある言葉を添えるのがポイントです。
1. 封書やハガキで伝える場合
親しい親族へのお礼なら、封書にこだわらずハガキでも十分に気持ちは届きます。では、両親と親戚宛ての例文を、それぞれチェックしてみましょう。
1.1. 例文1:両親
両親にお礼状を送る際は、頭語や結びの言葉を省略しても問題ありません。形式にこだわらず、気軽に感謝の気持ちを伝えましょう。
【例文】
厳しい寒さが続きますが、お元気ですか。こちらはみんな元気にしています。
昨日、お歳暮が届きました。〇〇は家族全員大好物で、子どもたちも大喜びです。いつも本当にありがとうございます。
寒さはこれからが本番です。風邪などひかぬよう、体調にはくれぐれもお気をつけください。
またみんなで会いに行きますね。
受け取った時の喜びが伝わる文章にすると、両親にも喜んでもらえるでしょう。
1.2.例文2:親戚
親戚へのお礼状は、節度をわきまえながらも、親しみを込めた文章を意識しましょう。
【例文】
拝啓
歳末の折、皆さまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
このたびは心のこもったお歳暮をいただき、誠にありがとうございました。
さっそく、家族そろって美味しくいただいております。
温かなお心遣いに改めて感謝申し上げます。
皆さまもお体にお気をつけて、良いお年をお迎えください。
敬具
親戚宛ての場合は基本の型に沿いつつ、感謝の気持ちを込めた文章を心がけてみてください。
2. メールで伝える場合
形式ばらずに感謝を伝えられるのがメールのよいところです。両親と親戚に向けた例文を見てみましょう。
2.1.例文1:両親
両親へのメールは改まった表現にこだわらず、自分の言葉で感謝を伝えましょう。
【例文】
件名:お歳暮のお礼
お父さん、お母さんへ
寒い日が続きますが、お元気ですか?
このたびは〇〇を送っていただき、ありがとうございました。
よく使うものなので、本当に助かります。
いつも気にかけてもらって感謝しています。
風邪などひかないよう、体に気をつけて元気でいてくださいね。
お正月に会えるのを楽しみにしています。
普段伝えにくい想いを、メールだからこそ素直に書ける点も魅力です。
2.2.例文2:親戚
親戚に宛てる場合は、礼儀を踏まえつつも親しさを感じさせる文面が適しています。
【例文】
件名:お歳暮のお礼
○○叔父様
寒さがいっそう厳しくなってまいりましたが、皆さまお変わりございませんか。
先日は結構なお歳暮をお送りいただき、誠にありがとうございました。
昨夜、夕食の一品としてさっそくいただきました。
やはり、〇〇産の〇〇は間違いのない美味しさで、家族みんな大満足です。
お心遣いにあらためて感謝いたします。
皆さまにも、くれぐれもよろしくお伝えください。
メールなら、少しくだけた言い回しでも親族ならではの距離感として受け入れてもらえるでしょう。
友人へお礼状を送る場合の例文
気の置けない友人へのお礼状は、親しみやすさを前面に出したほうが、気持ちがよく伝わります。ここでは、郵送で送る場合と、メールやSNSで送る場合とに分けて紹介します。
1. 封書やハガキで伝える場合
スマートフォンでのやりとりが当たり前になった今だからこそ、手書きのお礼状を受け取ると新鮮で心に残ります。喜ぶ友人の顔を思い浮かべながら書いてみましょう。
1.1.例文
次の例文は、離れて暮らしている学生時代の友人を想定しています。
【例文】
寒さが厳しくなってきましたね。そちらではもう雪がちらついている頃でしょうか。
先日は〇〇を送ってくれてありがとう。さすが〇〇さん、私の好みをよくわかっていらっしゃる。箱を開けた瞬間、思わず笑みがこぼれました。こちらでは手に入りにくい品なので、とてもありがたくいただきました。
次回の里帰りの際には、ぜひ声をかけてください。また会える日を楽しみにしています。
このように、気負わず素直な気持ちをそのまま言葉にしてみましょう。
2. メール・SNSで伝える場合

SNSで直接つながっていない友人とは、メールでやりとりをする機会がまだあるかもしれません。手紙より気軽に送れるのが、メールならではの良さです。
2.1.例文1:メール
次の例文は、最近、久しぶりの再会を果たした友人を想定しています。
【例文】
こんにちは、〇〇さん。先日は久しぶりに会えて、本当にうれしかったです。
昨夜、突然お歳暮が届いたので驚きました。ありがとうございます。
忙しい時でも手軽に食べられる〇〇、育児で忙しい今の私には、まさに救いの神でした。
きっと「栄養をつけてがんばって」という、あなたからの応援メッセージですね。
おかげさまで力がわいてきました。本当にありがとう。
よかったら今度、我が家に遊びに来てください。お菓子でも食べながら、ゆっくりおしゃべりしましょう。
メールはSNSと比較すると、落ち着いて丁寧に気持ちを伝えられるのが魅力です。
2.2.例文2:SNS
親しい友人とのSNSでは、くだけた表現でも許されます。
【例文】
〇〇さん、今日お歳暮が届きました。いつもありがとう!
いただいたチョコレートは、家族で取り合いになるくらい大好評でしたよ。
やっぱりあなたはセンスがいいですね。
また今度、ゆっくりランチに行きましょう!
気の置けない友人なら、絵文字やスタンプも活用してやりとりを楽しみましょう。
代筆で書く場合はどうすればいい?
お礼状を家族が代筆する場合には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、妻や部下が代筆する場合を想定し、気をつけたいポイントや書き方の例を紹介します。
1. 代筆で書く際のマナー
代筆する場合は、署名の左下(横書きの場合は署名の下)に小さく「内」や「代」を添えて、誰が書いたのかを示します。
- 妻が書く場合:「内」
- 部下が書く場合:「代」
なお、親戚や友人など互いに事情を理解している関係であれば「内」を付けなくても失礼にはあたりません。形式を理解したうえで、相手との関係性に応じて柔軟に判断しましょう。
2. 代筆の場合の例文
「妻が代筆する場合」と「部下が代筆する場合」の基本的な書き方を紹介します。
【妻が代筆する場合の例文】
拝啓
寒冷のみぎり、貴社にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびは心のこもったお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。
家族でありがたく頂戴しております。
平素は夫が大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
寒さ厳しき折柄、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
略儀ながら書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。
敬具
(夫の名前)
内
【部下が代筆する場合の例文】
拝啓
歳晩の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは結構なお品を頂戴し、誠にありがとうございます。
(品物名)は、早速社員一同でありがたく賞味させていただきました。
日頃より格別のご厚情を賜り、重ねて御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
〇〇株式会社
〇〇部(役職)(上司の氏名)
代 (代筆者の氏名)
代筆であっても、誠意をもってしるせば、感謝の想いは先方に届きます。
まとめ
お歳暮をいただいたら、できるだけ早いタイミングで感謝の気持ちを伝えることが大切です。手書きのお礼状なら、遅くとも3日以内には投函してください。
送る方法に迷った時は、相手の立場や関係性に合わせて判断します。ビジネス関係なら改まった表現を、親しい相手にはやわらかな言い回しを心がけるとよいでしょう。
短い文面でも、自分らしい言葉を添えれば温かさが伝わります。気持ちのこもったお礼状は、相手との関係をさらに深めてくれるでしょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
田辺 容子(たなべ ようこ)
FPライター。証券会社にて個人向け資産運用のアドバイス業務に約10年間従事。現在は、実務経験と金融資格、自身の投資経験を活かし、金融分野に特化したライターとして活動中。メガバンクのコンテンツ制作や大手金融メディアでの記事執筆など、信頼性が重視される案件を多数手がけている。2級FP技能士、証券外務員一種。
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ
