2025年の冬至はいつ?かぼちゃや柚子湯の意味、NG行動について紹介

2025年の冬至はいつ?かぼちゃや柚子湯の意味、NG行動について紹介

冬至は、1年で最も日が短く、寒さが厳しくなる日です。毎年巡ってくるものの、なぜかぼちゃを食べたり、柚子湯に入ったりするのか、その意味までご存じの方は少ないかもしれません。

本記事では、冬至の由来や2025年、2026年、2027年の冬至の日付、過ごし方を解説します。最後まで読んで、心身ともに健やかに冬を越す準備を整えるための参考にしてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

冬至とは?

冬至とは、1年の中で最も昼の時間が短く、夜が最も長くなる日のことです。
地球の地軸が傾いている影響で、地球が太陽の周りを一周するのにかかる時間(公転周期)は、約365.24日です。しかし、私たちが使っているカレンダーは1年を365日としています。このため、毎年約0.24日(6時間弱)のズレが生じます。このズレを調整するために、4年に1度「うるう年」を設けて1日を追加しますが、それでも完全には一致しません。そのため冬至の日は、年によって日にちが12月21日か22日のどちらかに変動します。[参考1]

参考1:国立国会図書館「いろいろな暦

2025年・2026年・2027年の冬至はいつ?

2025年の冬至は12月22日(月)です。天文学的に決まるため、冬至の日付は固定されておらず、例年12月21日か22日のどちらかになります。2026年と2027年は、2025年と同様に12月22日です。

冬至の風習や食べると良いとされるもの

冬至には、無病息災や運気上昇を願うさまざまな風習があります。ここでは、食べると良いとされる代表的なものを詳しく紹介します

1.かぼちゃを食べて風邪を予防する

緑黄色野菜が不足しがちな冬に、栄養価の高いかぼちゃを食べて厳しい寒さを乗り切ろうとしたことから、かぼちゃを食べる風習が生まれたといわれています。

β-カロテンやビタミンC、ビタミンEなどが豊富に含まれており、かぼちゃは免疫力を高め、風邪の予防に役立つとされる食べ物です。さらに、夏に収穫してから長期にわたって保存できるため、当時は貴重な栄養源でした。[参考2]

江戸時代に始まったといわれる、冬至にかぼちゃを食べるという習慣は、栄養学的にも理にかなっているといえるでしょう。

参考2:独立行政法人 農畜産業振興機構「今月の野菜 かぼちゃ

2.「ん」がつく食べ物で縁起を担ぐ

冬至には「ん」がつく食べ物を食べると、運を呼び込めると古くから信じられています。 この日を境に、昼の時間が長くなり太陽の力が強まっていくと考えられていたことから、冬至は太陽が生まれ変わり運気が上昇する日といわれています。また、いろは歌が「ん」で終わり、物事の一区切りを意味することから、太陽の力が生まれ変わって一区切りする冬至と結びつけられました。 冬至の日に「ん」がつく食べ物を食べることは「運盛り」と呼ばれ、運気を上げたいという人々の願いが込められています。 特に、以下のような「ん」が2つ含まれる食べ物は「冬至の七種(とうじのななくさ)」と呼ばれ、運が重なるとして、さらに縁起が良いとされています。

  • なんきん(南瓜)
  • れんこん(蓮根)
  • にんじん(人参)
  • ぎんなん(銀杏)
  • きんかん(金柑)
  • かんてん(寒天)
  • うんどん(饂飩)※うどん

いずれも縁起担ぎだけでなく、栄養価が高く、冬を健康に乗り切るための先人たちの知恵といえるでしょう。

3.冬至粥で邪気を払う

冬至の朝に、小豆を入れたお粥「冬至粥」を食べて邪気を払い、1年の無病息災を願う風習があります。古くから、小豆の赤い色には魔除けの力があると信じられてきたためです。 冬至に冬至粥を食べることで、体内の邪気を払い、良い運気を呼び込めるとされています。また、お粥は消化が良く、体を内側から温めてくれるため、寒い冬の朝にぴったりの食べ物といえるでしょう。

4.柚子湯で無病息災を願う

冬至の日に柚子湯に入るのは、邪気を払い、1年を健やかに過ごせるように、という無病息災の願いが込められた日本古来の風習です。 柚子湯は、以下の理由により、銭湯ができた江戸時代から始まったといわれています。

  • 邪気払い:柚子の強い香りが邪気を払いとされていた
  • 語呂合わせ:「冬至(とうじ)」と温泉で療養する「湯治(とうじ)」や「柚子」と「融通(ゆうずう)が利く」にかけて、縁起が良いとされていた

さらに、柚子湯には、血行促進やリラックス効果も期待できます。[参考3]

柚子湯をする際は、柚子を丸ごと湯船に浮かべるほか、香りをより楽しみたい場合には皮に数ヵ所切れ込みを入れましょう。ただし、皮に含まれる成分が肌への刺激となることもあるため、肌が敏感な方は注意が必要です。

参考3:高知県立大学 #13  柚子湯の効能/健康栄養ちょっといい話

冬至にしてはいけないこととは?

運気が上昇に転じる大切な日だからこそ、避けた方が良いとされる行動があります。ここでは、冬至の日に控えた方が良いとされる代表的な行動を紹介します

1.体を冷やす

冬至の日に体を冷やすことは避けましょう。1年で最も太陽の力が弱まり「陰」の気が強まるとされるこの日に体を冷やすと、心身のバランスが崩れやすくなり、運気を下降させると考えられています。 体温が下がると免疫力が低下するといわれているため、冬至の日には意識的に体を温め、万全の状態で、新たな運気の流れを迎える準備をしてください。

2.大掃除をする

大掃除のような体力を使う活動は避け、ゆったりと過ごしましょう。冬至はこれから訪れる新しい幸運の「芽」が生まれる日と考えられており、慌ただしく動き回る大掃除は、生まれたばかりの良い運気を外に掃き出すとされています。 冬至の日は、心穏やかに過ごすことが、新しい運気をしっかりと根付かせるために大切です。

3.ネガティブな行動や言動をする

ネガティブな言動は、冬至を機に芽生えた良い運気を遠ざけるとされているため慎みましょう。運気が「陰」から「陽」へと転じる冬至の日に発する言葉や、とる行動は、その後の運勢に大きな影響を与えると考えられています。 日本には古くから、言葉に魂が宿るという「言霊(ことだま)」の思想があり、節目となる日には、特にその力が強まると信じられてきました。冬至の日は、穏やかな心持ちで過ごし、良い運気を迎え入れる準備を整えるのがよいでしょう。

4.夜更かしをする

冬至は1年で最も夜が長い日ではあるものの、夜更かしは避けましょう。冬至は「陰」のエネルギーが頂点に達する日とされており、自然のリズムに合わせ、人間も活動を控えて静かに過ごし、早めに体を休めることが大切だと考えられています。 翌日から力強く再生していく「陽」のエネルギーをスムーズに体内に取り込めるよう、しっかりと睡眠をとり、エネルギーを蓄えることを意識してはいかがでしょうか。

冬至の対となる「夏至」とは?

冬至と正反対の関係にあるのが、毎年6月21日頃に訪れる「夏至」です。冬至が1年で最も夜が長く昼が短い日なのに対し、夏至は1年で最も昼が長く夜が短い日となります。

夏至を境に徐々に日が短くなっていくため、太陽の力が最も強まる日として古くから重要視されてきました。

冬至のように、夏至にも地域に根差した習慣があり、関西地方では「稲の根がタコの足のようにしっかり根付きますように」と豊作を願いタコを、関東地方では新小麦で作った焼き餅を食べることがあります。夏至は冬至ほどの習慣はありませんが、2つの日は対をなす、節目の日です。

まとめ

冬至は、1年で最も日が短く、心身ともにエネルギーを蓄える大切な節目です。かぼちゃを食べる、柚子湯に入るといった古くからのならわしには、厳しい冬を健やかに乗り越え、新たな運気を呼び込むための先人の知恵が込められています。

今年の冬至は心と体を優しく労わってみてはいかがでしょうか。1つでも「やってみよう」と思えるものがあれば、ぜひ取り入れて、穏やかな気持ちで新年を迎える準備をしてみてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

高山 さとみ(たかやまさとみ)
金融・不動産専門ライター。法学部を卒業後、大手金融会社でライフプランニングの相談・提案業務に従事。その後、インテリアメーカーで建設現場の部材管理を担当。現在は「読者にわかりやすく伝える」をモットーに、ライター・ディレクターとして活動中。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ