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ふとした瞬間に「人生に疲れた」と、心が重く沈み込むことがあるでしょう。真面目で責任感が強く、いつも周囲の期待に応えようと頑張っているからこそ、心と体が限界を迎え、悲鳴をあげているのかもしれません。
本記事では、人生に疲れたと感じる原因と、そのように感じやすい人の特徴を解説します。さらに、今日から試せる対処法も紹介しているので、参考にしてください。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
人生に疲れたと感じる理由
人生に疲れたと感じる時、その原因は1つだけではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。ここでは、人生に疲れを感じる原因を紹介します。
1.人間関係の悩みを抱えている
職場やプライベートでの人間関係の悩みを抱えていることが「人生に疲れた」と感じる原因としてよく挙げられる1つです。相手にどう思われているか、嫌われていないか、といった不安は、常に思考の片隅に居座り、気づかないうちに精神的なエネルギーを消費させます。
「相手を不快にさせたかもしれない」「何か悪いことをしたのかもしれない」と延々と考え、職場の上司や同僚との関係性に悩んだり、家族や友人との距離感に戸惑ったりすることがあります。考えすぎだとわかっていても、悩みのループから抜け出せなくなり、人生に疲れたと感じることがあるでしょう。
2.将来に不安を感じている
「このままでいいのだろうか」という、漠然とした将来への不安は、人生に疲れる原因となります。キャリアや結婚、お金、健康など、考えるべきことは多いのに、明確な答えや明るい見通しが立たないと、今の努力さえも無意味に感じられ、心がすり減るためです。
近年では、終身雇用制度の崩壊や社会保障制度への不安、AIの普及による職業の変化など、将来の予測が難しくなっています。将来への不確実性が日々の生活に重くのしかかるため、精神的な疲労感につながってしまいます。
3.ストレスが溜まっている
日々の生活の中で溜め込んだストレスは、人生に疲れたと感じさせます。特に、真面目で責任感の強い人ほど自分のストレスに気づきにくく、限界まで頑張りすぎる傾向にあります。
「仕事中は常に複数のタスクに追われ、息をつく暇がない」「家に帰ってからも、つい仕事の連絡やSNSをチェックし、心から休まる時間がない」など、一つひとつは些細に思えるストレスも、積み重なると心を押しつぶすほどの重荷になります。リフレッシュする間もなく日々を送ることでストレスが溜まり、人生が疲れたと感じる方も多いでしょう。
4.人生の目的がない
「何のために生きているのだろう」と、人生の目的や意味が見出せない状態も、心を疲れさせる一因です。自分が本当にやりたいことや大切にしたい価値観を見失うと、何もやる気が起きず、日々の生活を送る気力さえも失われていきます。
精神的に充実しない日々を送り続けることで、生きている実感が湧きにくく、人生に疲れたと感じる状況が生まれます。
人生の目的の見つけ方を知りたい方は「人生の目的の見つけ方は?目標との違いや見つけるためのポイントを紹介」もご覧ください。
5.環境の変化に対応できていない
転職や部署異動、引っ越しといった環境の変化も、心身のエネルギーを消耗させ、疲れる原因となります。前向きな変化でも、新しい環境や人間関係、生活リズムに順応しようと、気づかないうちに疲労が蓄積しているかもしれません。
特に、変化の渦中にいる時は、自分のキャパシティを超えて無理をしがちになるので、人生に疲れたと感じやすくなります。
6.体調不良が続いている

体調不良が続くことも、人生への疲れを感じさせる原因です。
例えば、以下のような体の不調は、心の元気を奪います。
- 十分な睡眠が取れないでいる
- 片頭痛が続いている
- 風邪を引いている
- 花粉症の症状が出ている
「疲れているだけだろう」「一時的なものだろう」と軽く考えがちです。しかし、入院や通院するレベルではない、と体の悲鳴を無視して気力だけで乗り切ろうと無理を続けると、さらに深刻な状態を招く可能性があります。
人生に疲れたと感じやすい人の特徴
人生に疲れを感じる原因はさまざまです。ただし、疲れは性格や気質が関係していることも少なくありません。ここでは、人生に疲れたと感じやすい人の特徴を解説します。
1.完璧主義な人
物事に対して常に100点満点を求める完璧主義な人は、人生に疲れやすい傾向があります。「完璧にできなければ意味がない」と、納得できるまで頑張り続けると、心が休まる暇がありません。小さなミスでも自分を責めてしまい、常にプレッシャーの中で生活しているため、人生に疲れたと感じやすくなります。
2.自分の意見を言えない人
周りの空気を読みすぎて自分の意見を飲み込む人も、気づかないうちにストレスを溜め込み、人生に疲れやすくなります。相手を傷つけたくない、場の雰囲気を壊したくないという優しさからくる行動ではあるものの、常に自分を後回しにしていると、徐々に心がすり減っていくでしょう。
本当の気持ちを表現できない状態が続くと、自分らしさを見失い、人生に疲れたと感じやすくなります。
3.自分に自信がない人
自分の価値を信じられない人は、常に他人の評価が気になり、物事をネガティブに捉えがちになります。他人の評価を過剰に気にしたり、常に他人と自分を比較して落ち込んだりすると、心を休めるのは困難です。
失敗を恐れるあまり新しいことにチャレンジできず、成長したり自信を取り戻したりする機会を逃してしまう可能性があります。
4.人に頼るのが苦手な人
人に頼ることが苦手で、何でも1人で抱え込む人は、人生に疲れたと感じやすくなる傾向があります。そのような人は「相手に迷惑をかけたくない」という優しさや「自分の仕事は自分でやるべきだ」という強い責任感があります。
しかし、1人で抱えられる量には限界があるため、キャパシティを超え、自分を追い詰めることで、人生に疲れたと感じてしまうでしょう。
人生に疲れたと思った時の対処法
心が疲れ切っている時は「何かをしなくては」と焦る気持ちと「何もしたくない」という気持ちの間で揺れ動いています。そのような中で大切なのは、無理に元気を出そうとすることではなく、まずは疲れきった心と体を優しく労わることです。
ここでは、人生に疲れたと思った時の対処法を紹介するので、今できそうだと感じるものを試してみてください。
1.休憩する時間を取る
意識的に何もしない休憩時間を取りましょう。心と体がエネルギー切れを起こしている状態で無理に行動しても、良い結果には結びつきません。
そのため、以下の例のように、生産性を一切考えずに過ごす時間を作りましょう。
- ソファに座って、ただ窓の外を眺める
- お気に入りの温かい飲み物をゆっくりと味わう
- 情報を遮断して、音楽に耳を傾ける
休息は、決して怠けや時間の無駄ではありません。次の一歩を踏み出すためのエネルギーを蓄える準備期間と考え、意識的に時間を作って、自分に合ったリフレッシュ方法を試してみましょう。
2.環境を変えてみる
人生に疲れたと感じる時は、思い切って環境を変えてみましょう。
以下の例のように、少しでも環境を変えることで、心の空気を入れ替えられます。
- いつもと違う道を通って通勤する
- 普段行かないカフェや本屋に立ち寄る
- 部屋の模様替えをする
- 観葉植物を置く
いつもと同じ景色、同じ行動パターンから意識的に離れることで、気分転換につながります。
心に余裕がある場合には、自然の多い場所へ出かけるのも良いでしょう。物理的にいつもの場所から距離を置くことで、悩み事を客観的に捉えられたり、自分の心の状態を冷静に見つめ直したりすることができます。まずは「これならできそう」と思える簡単なことから試してみてください。
3.身体を動かしてみる

心が疲れている時は、体を動かすことさえ億劫に感じるかもしれません。
しかし、以下の例のような適度な運動をすると、気分が爽快になったり、ストレスが軽減されたりする可能性があります。
- 家の周りを散歩する
- 寝る前にストレッチする
- お風呂でマッサージする
ハードなトレーニングをする必要はありません。自分が心地よいと感じる運動を選んで継続しておこなうことが大切です。運動だと構えずに、凝り固まった体をほぐすことから試してみてください。
4.好きなことをする
自分が好きなことをする時間を作りましょう。
仕事や日々のタスクを忘れて、以下の例のように、自分のためだけに時間を使うことで、リフレッシュできたり、ストレスを軽減したりできる可能性があります。
- 昔好きだった映画を観る
- 以前から気になっていた本を読む
- お気に入りの入浴剤を入れてゆっくりと湯舟に浸かる
今、自分がやりたいことを選んで実践することで、いつも頑張っている自分に安らぎの時間をプレゼントしてあげてください。
5.理想を下げて小さな目標を立ててみる
高く掲げた理想や目標により、かえってストレスが溜まり、自分を追い詰める重荷になることがあります。そのような時は、一度その理想をぐっと下げて、達成できる小さな目標を立ててみましょう。
例えば、チームのプロジェクトを成功に導くことを目標にするのではなく、今日のタスクリストをすべて完了させるなど、自分1人の努力で完結できる目標を立てるのがおすすめです。なぜなら、自分だけの努力で目標を達成することで、コツコツと成功体験を積み重ね、自信を取り戻すきっかけになるからです。まずは、クリアできそうな目標を1つ設定してみることから始めてみましょう。
自信をつけるためにどうすれば良いか知りたい方は「自分に自信がない人の特徴やその原因は?自信をつけるためにできることや注意点」もご覧ください。
6.自分の考えや価値観を見直してみる
さまざまな対処法を試しても心の疲れが取れない場合には、一度立ち止まり「本当に大切なものは何だろう?」と、自分に問いかけてみましょう。
日常生活を過ごすうちに「こうあるべきだ」という社会や他人の価値観に縛られていることがあります。「~すべき」という考えが、自分らしさを抑えつけ、疲れの原因になっているかもしれません。
自分の考えや価値観を見直す際は、ノートに自分が大切にしたいことを書き出してみるのもおすすめです。他人の価値観ではなく、自分の価値観で物事を判断できるようになると、無駄なプレッシャーから解放され、心が軽くなるでしょう。
これまで大切にしてきた価値観そのものを見直すことで「こうでなければならない」という思い込みを手放せます。さまざまな考え方があると気づけるきっかけになるので、試してみてください。
まとめ
「人生に疲れた」という感情は、心と体が発している、決して無視してはいけないSOSサインです。人間関係や将来への不安、日々のストレスなど、疲れの原因は1つではないかもしれません。
しかし、自分に合った対処法を試すことで、少しずつ状況が変わります。「これならできそう」と思えるものがあれば、今日からでも対処法を取り入れてみてください。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
高山 さとみ(たかやまさとみ)
金融・不動産専門ライター。法学部を卒業後、大手金融会社でライフプランニングの相談・提案業務に従事。その後、インテリアメーカーで建設現場の部材管理を担当。現在は「読者にわかりやすく伝える」をモットーに、ライター・ディレクターとして活動中。2級FP技能士
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ