
「失敗したらどうしよう」「周りと比べて自分はダメだ」そんなネガティブな気持ちが頭をよぎり、行動にブレーキをかけてしまう。自信のなさは、人間関係で遠慮がちになったり、仕事でチャンスを逃したりと、人生のあらゆる場面で影響を及ぼします。
しかし、自信は「生まれつきの性格」ではなく、考え方や行動次第で誰でも育てられるスキルです。
この記事では、自信がない人の特徴や原因を分析し、今日から実践できる「自信のつけ方」を具体的に解説。一歩踏み出す勇気を手に入れるヒントが、きっと見つかります。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
自分に自信がない人の特徴
自分に自信がない人には、共通する行動や考え方があります。
ここでは、自分に自信がない人の特徴を具体的に取り上げ、どのような傾向が見られるのかを解説します。
1.ネガティブな思考になりやすい
ネガティブな思考に陥りやすい人は、「失敗したらどうしよう」と常に最悪の結果を想定し、不安を先取りしてしまう傾向があります。
そのため行動や自分に自信がもてず、挑戦を避ける傾向が高いです。特に完璧主義の傾向が強い人や、他人の評価を気にしすぎる人は、小さなミスも許せず自己批判が強くなりがちです。また、「自分にはできない」「どうせ無理」といった口癖がある人も、無意識に思考をマイナスに引っ張ってしまう傾向があります。
2.他の人と自分を比べてしまう
他の人と自分を比べてしまう傾向が強い人も、自分に自信がない人の特徴です。特に、自分より優れていると感じる人と比較することで、自分が足りていない点に目がいき、「あの人よりできない」「自分はダメだ」といった劣等感や無力感につながり、自信を失ってしまいがちとなります。
3.自分の意見が言えない・流されやすい
自分の意見が言えず、周囲に簡単に流されてしまう人も、自分に自信をもてない人によく見られる傾向です。例えば、「皆がそう言っているから正しい」「反対すると気まずい」と感じて、自分の本当の考えを引っ込めてしまいやすいです。
これは、自己肯定感が低く、自分の価値や判断に確信がもてないことが背景にあります。このような状態が続くと、自分の意思や判断力に自信がもてず、自己主張することが怖くなり、意欲的な行動がとりにくくなります。
4.人に嫌われるのが怖い
人に嫌われることを強く恐れる人もまた、自分に自信がない傾向にあります。
誰からも好かれようと振る舞ううちに、周囲の目を過度に意識してしまい、自分の本心や価値観が薄れ、自分軸で判断できなくなってしまう恐れがあるからです。
この状態が続くと、常に他人の反応を気にして行動するようになり、自分らしさを見失ってしまいます。自分の意見を言うことを避けたり、本当はやりたくないことでも断れなくなったりして、ますます自信を失う悪循環に陥ってしまうのです。
5.些細なことで落ち込んでしまう
些細なミスや小さな失敗で深く落ち込み、自分をダメだと責めてしまう傾向のある人も、自分に自信がもてない特徴です。
自分に自信がない人は、「何をやってもうまくいかない」や、日常のちょっとした出来事でも「これは重大な失敗だ」と決めつけ、行動できなくなる傾向があります。あわせて、自己否定が習慣化すると、成功体験が積めなくなり、ますます自信がもてなくなります。
6.迷惑をかけるのが怖いと感じてしまう

自分に自信がない人は、他人に迷惑をかけたくないと考え過ぎてしまい、その恐れから自分を責めやすくなります。何気ないミスですら、「迷惑をかけた」と強く感じてしまい、心身に大きな負担を抱える可能性が高いです。
迷惑をかけるのが怖いと感じる傾向が強い人は、幼少期から「迷惑をかけてはいけない」と教えられてきた人に多く、行動の全てに慎重になりがちな傾向があります。
自分に自信がもてなくなる原因
自分に自信がもてなくなる原因として、過去の失敗がトラウマになっていたり、家庭環境が影響したりすることなどがあります。
以下では、これらの原因について掘り下げていきましょう。
1.過去の失敗がトラウマになっている
過去の失敗や挫折が強く心に残り、トラウマとなることで、自分に自信がもてなくなるケースは少なくありません。
例えば、学生時代や職場での大きな失敗が心に刻まれてしまうと、「もう同じ過ちはしたくない」という恐れから、新しいことに挑戦できなくなってしまいます。
このような心理状態では、「どうせ自分は無理だ」「また失敗するに違いない」と自分に対して否定的な思考が習慣化し、結果として、自分の可能性を信じられず、自信を失い続けることになります 。
2.家庭環境の影響によって
自分に自信がもてない要因として、幼少期の家庭環境に深く根ざすことがあります。幼少期に親から厳しく育てられ、努力しても認められない経験を重ねると、「自分は愛されない」「価値のない存在だ」と感じ、自己肯定感が育たない恐れが高いからです。
このように日々褒められる機会が少なく、自分で選択する自由も制限されて育つと、自分を尊重されている実感が得られず、自信がつきにくくなる傾向があります。
3.理想を高くもち過ぎている
理想を過度に高く設定していることも、自信がもてない要因のひとつです。高い理想を掲げていると、それに届かない現在の自分が認められず、自信が失われがちになるからです。また達成できない内容に対して、過剰に自己批判してしまう傾向があり、結果として、さらに自信をもてなくなるといった負のループに陥ってしまいます。
自分に自信をつけるためにできること
自信は一朝一夕で身につくものではありませんが、日々のどのようなことに意識して行動することが重要なのでしょうか。
以下では、自分に自信をつけるためにできることを6点紹介します。
1.自分を否定することを止める
自分に自信をつけるためにできることとして、まずは、自己否定を止めることです。自分を否定する言葉や考えをやめ、「ありのままの自分」を受け入れることは、自信回復の大きな一歩となります。
そのためには、自分自身が自己否定しがちである点に気づくことが重要です。自分を否定せず、「今日はよく頑張った」と自分を褒める習慣をもてば、否定のループから抜けやすくなります 。
2.物事の見方・視点を変えてみる
物事の見方や視点を変えることも、自信をつけるためにできることのひとつです。
ネガティブな経験や自分の短所をポジティブに転換できるようになります。
具体的には、失敗を自分の成長の機会と捉えたり、緊張しやすい性格を慎重さや観察力という長所に考え直したりすることで、見方・視点が変化します。
こうした視点の転換と客観的な自己理解を積み重ねることで、物事に対する反応が柔軟になり、自己肯定感が育まれて、自信をもって行動できるでしょう。
3.小さな目標を立ててみる
小さな目標を設定し、それを少しずつ達成していくことは、自信を育む非常に効果的な方法です。
例えば毎朝20分読書するとか、夕方30分走るなどといった行動を明確にし、実行・達成できたら自分を褒める習慣をつけましょう。
実行することにより自己効力感が醸成され、ポジティブな循環が生まれます。
「自己効力感」とは、自分を信じて、実際の行動に移せる力をいいます。類似した言葉である「自己肯定感」とは、自己を尊重し、自身の存在を肯定できる力を指します。
大きな目標を直接目指すのではなく、中間目標や段階的なステップを組み込むことで、達成感を繰り返し感じられ、やる気の維持もしやすくなります 。
4.資格を取得してみる
資格取得に挑戦することは、自信を育てる有力なステップです。学習を始めて合格まで努力を積み重ねるプロセスそのものが、達成感を生み出し、自己効力感を高めてくれます。
資格は単なる知識やスキルの証明だけでなく、自分の成長の証として機能し、さらなる自信につながります。また取得した資格がきっかけで周囲から信頼が得られ、身につけたスキルが社会的に認められることで、自信につながる経験となるでしょう。
5.好きなこと・やりたいことを見つける

好きなことに取り組むことで自然とモチベーションが上がり、新たなスキルや成長の可能性に気づく機会が増えます。結果として、自己の軸を感じられるようになり、新しい挑戦にも意欲的に取り組めるようになります。このような体験を通じて自信を築いていくことができます。
また、好きなことややりたいことに取り組むことは、日常のストレスから解放され心がリセットされるため、自信が育まれやすい心理的な環境が整います。このリラックスした状態で実際に行動することで確実に自信が生まれ、その自信がさらに積極的な取り組みを促す好循環が生まれます。このように、好きなことを実践することで、自然と自信を高める良いサイクルが形成されるのです。
自分の好きなことがわからない、と悩んでいる方は、ぜひこちらの「好きなことが見つからない…見つけるための方法やコツを紹介!」をご覧ください。
6.自信がある人・ポジティブな人と関わりをもってみる
自信にあふれた人と関わることは、自信をもつうえでとても効果的です。そのような人と関わることで、「自分もできるかもしれない」という「自己効力感」が高まりやすくなります。
自信がある人との関わりでは、堂々とした振る舞いや決断力のある行動を間近で観察でき、「自分もこうありたい」というロールモデルが明確になります。ポジティブな人との関わりでは、困難な状況でも前向きに捉える姿勢や、失敗を成長の機会として受け止める考え方を自然と学べます。
このような代理体験により、目にした他人の成功を自分のこととして感じられ、自信の土台が育ちます。このように自信がある人やポジティブな人と関わりをもつことは、想像以上に自己効力感に影響を与えてくれるでしょう。
自信をつけるための行動で注意すべきこと
自分に自信をつけるための行動について紹介しましたが、それらの行動において注意すべき点として、以下の3点があります。
- すぐには変わらないことを理解しておく
- 全てを完璧にしようとしない
- 周りに頼ることも大事
それぞれ順を追って解説します。
1.すぐには変わらないことを理解しておく
自信は一朝一夕で身につくものではありません。どんなに意識的に行動を改善しても、習慣化や心の変化には時間が必要であることを理解しておくことが重要です。
自分自身に過度に期待したり焦って変化を求めたりすると、変わらない自分に落胆しかねません。結果として、自信をもつ障害になる恐れがあります。
そこで現実的な目標と長期的な視点をもち、少しずつ前進することこそが、自信の本質的な土台を築く点を認識することが重要です。
2.全てを完璧にしようとしない
完璧を求め過ぎると、ほんの少しのミスでさえ、自己否定に陥り、自信をもつことが難しくなります。過剰な完璧主義は、精神的なストレスや自己批判につながり、モチベーションの低下を引き起こすこともあります。
そこで、完璧を目指すのではなく、「まずはやってみる」「これで十分」という気持ちで物事に取り組むことが大切です。寛容で柔軟な心をもつことで、行動へのハードルが下がり、失敗を恐れず行動できるようになります。その結果、自己効力感が高まり、自信を取り戻すきっかけになります。
3.周りに頼ることも大事
自分ひとりで抱え込もうとする人ほど、自信がもてず、精神的に負荷を抱えてしまい、やがて自信をもてなくなります。
周りに頼ることにより、自信を取り戻すことが可能です。他人に助言や支援を求めることで、見えなかった視点や解決策が得られ、ストレスや不安が和らぎます。
他人に頼むことで、困難をひとりで抱えず共有できる環境を作ることができ、自信や安心感が得られます。周囲に頼ることで負担を分散し、助け合える関係を築くことは、自分を支える力となり、徐々に自信を取り戻すことにつながるでしょう。
まとめ
自信は一朝一夕で身につくものではありませんが、原因を知り、小さな改善を積み重ねることで必ず変わります。自分を否定せず、視点を広げ、周囲の力も借りながら少しずつ前向きな自分を育てていきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
宮本 建一(みやもと けんいち)
マネーライター。銀行・消費者金融・信用組合の勤務を経て独立。融資経験・FPの知見を生かし、各種サイトで主に資金調達、不動産関連記事の執筆を行う。金融専門誌への寄稿、金融機関行職員向けの通信講座教材執筆経験あり。2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP
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