健康寿命とはどういう意味?平均寿命との違いやリスクに備えておくべきことは

健康寿命とはどういう意味?平均寿命との違いやリスクに備えておくべきことは

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人生100年時代と言われるようになり、老後の過ごし方や起こり得るリスクについて考える機会が増えた人も多いかもしれません。そのなかで平均寿命だけでなく健康寿命を延ばす考え方も注目されています。

この記事では健康寿命とは何か、老後のリスクに備えるために何ができるのか解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

健康寿命とは

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。病気やケガに悩まされることがなく、心理的かつ身体的な健康状態が良好な期間を意味しています。
個人のライフスタイルにも直結する部分であり、医療費の削減などにもつながるため、重要な指標のひとつと言えるでしょう。

健康寿命は2019(令和元)年時点において、男性は72.68歳、女性は75.38歳となっています。[参考1]

参考1:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」p3

平均寿命との違い

平均寿命とは「0歳時点で平均余命はどのくらいあるのか」を示したものです。

厚生労働省の「令和3年簡易生命表の概況」では、男性は81.47歳、女性は87.57歳となっています。[参考2]
男性よりも女性は約6歳平均寿命が長くなっており、健康寿命の男女差と比べると格差は大きくなっています。
健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されない状態」が前提となりますが、平均寿命はその前提を問いません。どちらも少子高齢化社会で注目される重要な数字といえます。

参考2:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」p2 

健康寿命の重要性や公表する目的は?

健康寿命が長いほど老後も元気で自立した生活を送ることができます。国としても医療費の削減などにつながるため、健康寿命を延ばすことを積極的に推進しています。

日本は急速に少子高齢化が進んでおり、社会保障給付費も拡大し続けていて、2000年の給付費総額と比べると、2022年の社会保障給付費予算は52.7兆円増えています。[参考3]労働力が不足すると税収も減少し、行政サービス低下や国民負担増の懸念も深刻化する可能性があります。

このような背景から、国民一人ひとりの意識や関心を高めるために健康寿命の公表を行っていると考えられます。

参考3:厚生労働省「社会保障給付費の推移

【都道府県別】男女の健康寿命

健康寿命は男女や都道府県別で大きな違いがあるのでしょうか。厚生労働省が公表している2019(令和元)年時点のデータをもとに解説します。

男性の健康寿命

男性の健康寿命は先に述べたとおり72.68歳となっており、平均寿命との差は約9歳です。都道府県別では、もっとも寿命が長いのは大分県で73.72歳、短いのは岩手県で71.39歳です。[参考4]
約2歳の差はあるものの、都道府県格差は小さいと言えるでしょう。

参考4:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」p3,4

女性の健康寿命

女性の健康寿命は75.38歳です。都道府県別でもっとも寿命が長いのは三重県で77.58歳、短いのは京都府で73.68歳です。[参考5]
女性の差は約4歳で、男性に比べるとやや都道府県格差があります。

参考5:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」p3,5

健康寿命を延ばすためにできること

健康寿命を延ばすためには、具体的にどのようなことができるのでしょうか。ここでは5つの方法を紹介します。

1.生活習慣を見直す

朝昼夕にバランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠の確保などは欠かせません。過度の飲酒やタバコ、暴飲暴食は健康を害するおそれがあるため、控えるようにしましょう。

2.運動を適度に行う

健康寿命を延ばすためには適度な運動も大切です。仕事によってはデスクワーク中心で、1日の大半を座って過ごす方もいるでしょう。

長時間同じ体勢でいると筋肉の代謝や血行の低下が進み、肥満や認知症などのリスクが増加し、寿命が縮まるおそれがあるとされています。[参考6]
健康寿命への影響を考え、起立姿勢をとることはもちろん、適度な運動を取り入れることが大切です。適度な運動は、血行促進や筋肉の代謝、柔軟性改善に期待できます。

具体的な手段としては散歩やランニング、スポーツジムなどでの筋トレなど、自身にあったものを取り入れていくことをおすすめします。

参考6:厚生労働省「座位行動」p1

定期的に健康診断を受ける

早期の病気やリスクの発見につなげるためにも、病院で定期的な健康診断を受けましょう。とくに病気やケガをしていなくても、自身の健康状態を把握することで、将来的なリスク軽減にもつなげることが可能です。

人と交流できる場所を作る

病気やケガなど身体的な負担だけでなく、社会的なつながりや人間関係など心理的な負担も健康寿命に影響を与えるといわれています。

定期的に地域のイベントに参加したり、家族や友人などと交流する機会を作ったりすることで孤独感やストレスを軽減できます。社会的なつながりを維持するために、定年後もできる限り長く働くのも良いでしょう。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足は免疫力や思考力の低下、慢性的な疲労などの原因になります。最適な時間は人それぞれ異なりますが、1日6時間以上など十分な睡眠をとるように心がけましょう。
単に睡眠時間を確保するだけでなく、自身に合った寝具を揃える、眠りやすい部屋や雰囲気を作ることも重要です。

老後に起こりうるリスクを知っておこう

健康寿命を延ばすためには老後に起こりうるリスクを知り、対策を立てることも大切です。
では、老後のリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。

病気による入院や治療

老後は病気やケガによる通院や入院治療を行う機会も増えるかもしれません。窓口での自己負担割合や高額療養費などの公的医療保険制度も充実しているとはいえ、自己負担が増える可能性もあります。
万一に備えて、預貯金等の資産の確認、健康保険の加入有無、医療保険に加入している場合は契約内容の見直しを定期的に行うようにしましょう。

介護費用

高齢になると身体的な能力も衰えるため、病気やケガをする可能性も高くなります。寝たきりや認知症などで介護が必要となるケースもあります。

自宅介護だけでなく、場合によっては特別養護老人ホームなどへの入所が必要と判断されることもあります。老人ホームなどへの入所や介護サービスを受けるには費用がかかるため、事前に預貯金などの資産状況や介護保険制度の活用などの対策を考えておく必要があります。

住まいの問題

賃貸の場合は高齢によって借りるのが難しくなり、持ち家の場合は経年劣化によるリフォームの必要性に迫られる可能性が高くなります。実際に修繕するかどうかの判断や必要に応じて修繕費も準備しなければなりません。
状況によっては住まいのバリアフリー化を行ったり、掃除が最小限で済むミニマムな物件への引っ越しが必要となったりする場合もあります。住まいの維持管理は全員共通の問題といっても過言ではありません。

相続に関するトラブル

相続に関するトラブルは誰にでも起こるリスクがあります。遺された家族が争うことのないよう、健康な状態のうちにエンディングノートの活用や遺言書の作成などを準備していきましょう。

将来のリスクに備えておくことが大事

将来どのようなリスクが起こる可能性があるのか、具体的に予測することはできません。リスクや必要な対策は人それぞれ異なり、何が起こっても不思議ではない前提で対策したほうが良いでしょう。

また、病気やケガだけでなく、相続や住まいの問題に共通しているのは「お金の問題」です。万一への備えとして預貯金を十分に確保できていれば安心ですが、なかなか難しいかもしれません。
だからこそ足りない部分を保険などでカバーすることが必要です。

ただ、いざという時に保障が足りずにカバーできなかったり、逆に保障をつけすぎて月々の保険料の支払いが苦しくなったら本末転倒です。

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まとめ

健康寿命の重要性や延ばすためにできること、老後に起こり得るリスクや対策について解説しました。

生活習慣の見直しを行って健康寿命を延ばしながら、将来的なリスクへの対策も並行して行う必要があります。ご自身の状況や問題点を明確にして、保険などでカバーするのもひとつの方法です。ぜひ、あわせて検討してみてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ