家庭でできる情操教育とは?始めるタイミングや情操教育方法について紹介

家庭でできる情操教育とは?始めるタイミングや情操教育方法について紹介

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「情操教育」という言葉を耳にしたことはあるけれど、その内容は実はよく知らないというパパやママは多いかもしれません。

今回は、情操教育とはどんな教育なのかという基本的なことから、始めるべきタイミング、おこなうメリット、情操教育の具体的な方法、ポイントや注意点まで解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

情操教育とは

そもそも情操教育とはどのようなものなのでしょうか。教育基本法第2条では、「真理を求める態度を養う」「豊かな情操と道徳心を培う」「個人の価値を尊重する」「創造性を培う」「自他の敬愛と協力を重んずる」「生命を尊ぶ」といった教育の目標が掲げられています。[参考1]情操教育とはこれらに基づく教育的取り組みのことです。暗記中心の学習方針に対して、情操教育では体験・善・美・聖などに重きを置き、必要な能力や思いやりの心、豊かな感性や人間力を育むことを目的とする教育なのです。

情操教育は次の4つの方針に分類され、それぞれの意味や特徴を持ちます

  • 科学的情操教育
  • 道徳的情操教育
  • 美的情操教育
  • 情緒的情操教育

では、1つずつ詳しく見ていきましょう。

参考1:文部科学省「教育基本法」第2条1項

1. 科学的情操教育

科学的情操教育では、体験的学習を通して「なぜ?」「知りたい」といった知的好奇心や探求心を養います。知的好奇心が満たされることで、勉強や学習への積極性が生まれますので、自分で考える力のアップにつながりやすいとされています。

2. 道徳的情操教育

道徳的情操教育では、道徳的な価値観や他人への思いやりの心を育てます。善悪を判断する力や他人への配慮の心が身に付くことで、ベストな方向へ自分で考え、行動できるようになっていくのが狙いです。

3. 美的情操教育

美的情操教育では、美しいものに対して素直に感動できる心を育てます。感動する経験によって豊かな感性・個性・想像力が育ち、自己表現力がアップします。芸術への興味や関心が生まれることで、勉強や仕事以外の楽しみにもつながります。

4. 情緒的情操教育

情緒的情操教育では、命を大切にする心を育みます。自分だけでなく、家族、友達や先生など自分と関わりのある人、さらには自然界の生物の命も大切にできる心が育つことで、相手を尊重・尊敬できる心や自己肯定感が生まれます。

情操教育を始めるタイミング

情操教育を始めるタイミングは、一般的に3歳前後が適しているとされています。これは、2歳頃のイヤイヤ期のピークを過ぎて落ち着きが出てきて、相手の言葉や感情を少しずつ理解できるようになってくるのが3歳前後であることが多いためです。但し、必ずしもこの年齢から始めなければいけないというわけではありません。

10歳頃までは脳が大きく発達する時期ですので、幼児期~10歳前後までに始められると良いでしょう。

情操教育をおこなうメリット

こちらでは、情操教育をおこなうメリットをわかりやすくまとめてみました

情操教育をおこなうメリットは主に5つ!

  • 協調性や社会性が身につく
  • 学ぶことの楽しさを知ることができる
  • 思考力や想像力・感受性が豊かになる
  • 相手の気持ちを考えられるようになる
  • 自分で考え行動する力が身につく

では、それぞれ見ていきましょう。

1. 協調性や社会性が身に付く

これは道徳的情操教育により得られるメリットです。子どもたちは他人との関わり方や社会のルールを学ぶことで、集団生活でお互いに協力したり、他人の立場を尊重したりする大切さを実感するようになっていきます。結果として、社会生活に必要な協調性や社会性が自然と身に付き、円滑な人間関係を築く力につながります。

2. 学ぶことの楽しさを知ることができる

一般的な暗記による勉強法に対して、科学的情操教育では自然に触れ、実験や観察を通じて自然現象の不思議さや科学の面白さを「体験的」に学びます。この過程で子どもたちは好奇心や探求心を刺激され、新しい発見に出会う喜びを味わいます。この経験が、生涯に渡る学習意欲や探求心のベースとなり、さまざまな分野で楽しく学べる力となるでしょう。

3. 思考力や想像力・感受性が豊かになる

美的情操教育では、音楽や美術、文学などの芸術に触れることで、子どもたちの感性を磨かれていきます。作品の鑑賞や創作活動を通して、さまざまな表現方法や解釈の可能性を学び、物事を多角的に捉える思考力や豊かな想像力が養われるためです。結果として、繊細な感受性とともに豊かな心も育つでしょう。

4. 相手の気持ちを考えられるようになる

これは情緒的情操教育や道徳的情緒教育を通して得られるメリットです。子どもたちは話し合いなどさまざまな感情体験を通じて、自分の気持ちを適切に表現する方法を学び、同時に他者の感情も理解できるようになっていきます。これにより、相手の立場に立って考える力が育ち、共感性や思いやりの心が養われ、良好な人間関係を築くベースとなるのです。

5. 自分で考え行動する力が身につく

科学的情操教育の重要な側面として、自分で考え行動する力の育成が挙げられます。実験や観察を通じ、子どもたちは仮説を立て、検証し、結論を導き出すプロセスを体験します。この過程で、自分で考えて判断し行動する力が養われ、さらに磨かれていきます。このような経験で得た「自ら考え解決策を見出す力」は、日常生活や将来の職業生活においても不可欠なスキルだといえるでしょう。

家庭でおこなえる情操教育の具体的な方法

子どもの情操教育は、幼稚園や学校などの各教育機関、塾や習い事などにおいてさまざまな形で導入されています。こちらでは、家庭でおこなえる方法についてご紹介します。取り入れられそうなものや子どもの年齢に合いそうなものを選び、ぜひ試してみてください。

家庭でおこなえる主な情操教育

  • 生き物や自然と触れ合う
  • スポーツなど体を動かす
  • 絵本の読み聞かせをする
  • 工作や絵を描いたりする
  • 音楽と触れ合う
  • 芸術や文化に触れる
  • 季節の行事に参加する
  • 一緒に料理をする

1. 生き物や自然と触れ合う

生き物や自然との触れ合いは、子どもの感性や思いやりの心を育てる上で非常に重要です。家庭菜園で野菜を育てたり、休日に公園や森林などでハイキングをしたりすることで、自然の美しさや生命の尊さを体感できます。例えば、家族でトマトの苗を植え、水やりなどの世話をして、実がなるまでの過程を観察します。そうすることで、生命の成長や食物への感謝の気持ちが芽生えるでしょう。また、近くの森や川へ出かけて、季節の変化や生き物の営みを肌で感じたりするのもおすすめです。

2. スポーツなど体を動かす

スポーツは、子どもの協調性や思いやりの心を育むのに最適です。例えば家族や友人とサッカーやバスケットボールを一緒にプレーすることで、チームワークの大切さを肌で感じることができます。相手の動きを理解して仲間に的確にパスをしたり、味方のシュートをアシストしたりする中で、お互いを思いやる気持ちが芽生えていきます。また、ゴールを決めるために全力で走り、シュートを打つ経験は、目標達成のために努力することの尊さを教えてくれます。そして、勝利の瞬間に味わう喜びは、日頃の練習の成果であり、努力が報われた証だと実感できるでしょう。

3. 絵本の読み聞かせをする

絵本の読み聞かせは、子どもの想像力や言語能力を育みます。例えば、「桃太郎」などの昔話を通して、勇気や正義感を伝えることができ、子どもの道徳心を育てることができます。また、異なる文化の絵本を選び、多様性への理解や共感力を養うのにもおすすめです。読み聞かせの時間は、親子のコミュニケーションを深めると共に、子どもに安心感を与える大切なひとときとなります。就寝前や休日など無理のない範囲で時間を作っておこなうのがポイントです。

4. 工作や絵を描いたりする

 
身近な材料を活用した工作や自由な発想で絵を描くことを通して、子どもたちの創造性や表現力を育むことができます。例えば、空き箱を自由に組み合わせて動物や乗り物を作ったり、新聞紙を丸めて自由に形作ったものに色を塗ったり。指を使ってダイナミックに描くフィンガーペイントも、感性を刺激するのに効果的です。
これらの遊びを通して、子どもたちは創造性や表現力を育むだけでなく、ものを大切にする心や達成感を味わうこともできます。

5. 音楽と触れ合う

歌を歌ったり、楽器を演奏したりすることで、情緒や感性が豊かになります。家族で動揺や季節の歌を歌ったり、タンバリンやカスタネットなど簡単な楽器でリズム遊びをしたりしましょう。時にはクラシック音楽やジャズなどさまざまなジャンルの音楽を一緒に聴くのもおすすめです。感想を話し合うことで、音楽の多様性や表現の豊かさを学ぶことができるでしょう。

6. 芸術や文化に触れる

まずは、「美術館や博物館に一緒に行く」という体験をしてみましょう。絵画を見て「この絵からどんな気持ちが伝わってくる?」と子どもに問いかけて、子どもの感じ方を尊重しながら対話を楽しみます。また、伝統工芸を体験するワークショップへの参加などもおすすめです。これらの体験を通して、子どもはさまざまな表現方法や価値観に触れ、豊かな心が育まれていくでしょう。

7. 季節の行事に参加する

季節の行事に参加することで、子どもは日本の伝統文化や自然の移ろいを体感し、情緒豊かに成長していきます。例えば、七夕では短冊に願い事を書いて笹に飾り、家族で星空を眺めながら織姫と彦星の物語を語り合います。また敬老の日には祖父母を招いて一緒に過ごしたり、お正月には家族で初詣に行き、おみくじを引いたりして新年をお祝いしましょう。

8. 一緒に料理をする

料理は五感を使う創造的な活動ですので、子どもの情操教育に向いています。休日に家族でおこなうピザ作りは、作業が比較的シンプルでおすすめです。子どもに生地をこねさせたり、好きな具材を選んでトッピングさせたりすることで、創造性を育むことができます。料理の過程で材料の変化や香りを観察させて「どんな匂いがする?」「触った感じはどう?」など問いかけると、感性も磨かれます。最後に、完成した料理を家族で分け合って食べると、達成感や喜びを共有することができるでしょう。

情操教育のポイントや注意点

子どもの適切な成長の助けになる情操教育ですが、効果的に進めていくためには、親として次のようなポイントや注意点を押さえておく必要があります。

情操教育で押さえておきたいポイント・注意点

  • 自主性を尊重する
  • 親の理想や考えを押し付けないようにする
  • 子どもの話を最後までしっかりと聞いてあげる
  • 自由な発想を否定しない

では、1つずつ説明していきましょう。

1. 自主性を尊重する

子どもの自主性を育むには、まずは選択肢を与えて、その後に自分で決める機会を増やしてあげることが大切です。例えば、服や趣味の選択など、年齢に応じて決定を子どもに委ねるようにしていきましょう。失敗しても、その経験から学ぶことを重視し、過度な干渉は控えるのがポイントです。自主性を育てることで、責任感や判断力も養われていくでしょう。

2. 親の理想や考えを押し付けないようにする

親の価値観や経験は子どもにとって貴重な指針となりますが、それを押し付けると、子どもの自主性や独自性を損なう可能性があります。子どもには、親と異なる個性や価値観があることを理解し、それを尊重する姿勢を持つことが大切です。親は子どもの興味や特技をしっかり観察し、それをもとに適切な支援や励ましをおこない、子どもの可能性を最大限に引き出す手助けをしましょう。

3. 子どもの話を最後までしっかりと聞いてあげる

子どもの話を最後までしっかりと聞くことは、子どもに対する愛情や信頼を示す行動の1つです。子どもは話を聞いてもらうことで安心感を得ると同時に、自分の意見を大切にしてくれていると感じます。親が途中で話を遮ったり、結論を急いだりしてしまうと、子どもは意見を述べるのをためらうようになる可能性があります。子どもの話にきちんと耳を傾け、共感の姿勢を見せることで、心の交流が深まり、親子間の信頼関係が強化されるでしょう。

4. 自由な発想を否定しない

子どもの自由な発想を否定しないことは、創造力豊かな人格の形成に大切です。子どもが独自のアイデアや表現を発信する際、それが常識とは異なっていても、否定せずに受け入れるようにしましょう。例えば、動物の絵を異なる色で塗るような選択にも価値があり、それによって創造的思考が育まれます。但し、他人に迷惑を掛けたり、危険をともなったりする発想については、親が適切に指導し、安全で思いやりのある行動を促す必要があるでしょう。

まとめ

情操教育とは、科学的・道徳的・美的・情緒的情操教育という体験的な4つのアプローチにより、生きていく上で必要な能力や思いやりの心、豊かな感性や人間力を育むことを目的とする教育方法です。始めるタイミングとしては幼児期~10歳前後までがおすすめです。

家庭では、自然に触れる、スポーツに励む、絵本の読み聞かせ、音楽や芸術に触れる、季節の行事を意識する、一緒に料理をするなどの方法で情操教育をおこなえます。

一方で、塾や習い事で情操教育を受ける場合には費用がかかることも多いです。親として継続的な情操教育を考えるなら、子どもの学費としてある程度の準備をしていく必要があるでしょう。例えば「フコク生命の学資保険 みらいのつばさ」の活用を検討するのも一案です。

家庭でも、塾や習い事でも情操教育を始める際に大切なのは、まずお子さんの成長に合わせて自主性を尊重し、自由な発想を大切にすることです。その上で、親の考えを押し付けず、話を聞く姿勢を持つことを心掛けましょう。お子さんと一緒に、楽しみながら情操教育を取り組んでみてはいかがですか。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

是枝花名子(これえだ かなこ)
FPライター。大学卒業後、大手生命保険会社にて法人営業を担当。住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金や老後資金作りを極めるため、改めてFP技能士を取得。専門知識と主婦目線を活かした記事執筆が好評を呼び、現在は主にメガバンク、大手不動産サイト等にて保険・不動産・翻訳ライターとして活動中。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ