産後に外出できるのはいつから?気をつけるべき点や外出したいと思った時の対処法について

産後に外出できるのはいつから?気をつけるべき点や外出したいと思った時の対処法について

期間限定キャンペーン中!

この記事を読んでいる人におすすめ!

大仕事の出産を終え、赤ちゃんとの生活が始まってしばらくすると、ストレス発散も兼ねて「外出したい」と思い始めるママも多いでしょう。しかし、産後ある程度の期間は母体のためにも外出は避けた方がよいといわれています。

この記事では、産後の外出について正確な情報を知りたいというママへ、産後すぐの外出がよくないといわれる理由や産褥期や産後の肥立ちについて、実際に外出できそうな時期はいつ頃なのか解説していきます。また、産後の外出で気をつけたい点や、一人で外出したい時の対処法などについても紹介します。気になる点をひとつずつクリアして、産後の外出をぜひ叶えましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

産後すぐの外出は避けた方がよい?

産後のママの体は交通事故による体への衝撃に例えられるくらい大きなダメージを負っているといわれます。そのため、産後しばらくは母体を回復させるためにも安静にしておく必要があります。そして赤ちゃんとの生活に慣れるための時期でもありますので、産後すぐの外出は避けた方がよいですし、実際には難しい場合が多いでしょう。

この時期は「産後の肥立ち」といわれ、医学的には「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれています。医療が発達していなかった時代には、産褥期に命を落とす女性も少なくありませんでした。そのため古い時代から、産後しばらくはママの心身を休ませるためにも、周りがしっかりとサポートする必要があるとされているのです。

産褥期・産後の肥立ちとは

産褥期や産後の肥立ちとは、具体的には「産後の体が妊娠前の状態に戻るまでの期間」のことを指します。出産を経たママの体には大きな疲労だけでなく、次のようなダメージや影響が発生しています。

産褥期の体の状態(個人差あり)

  • 長時間の陣痛、出産時のいきみによる体力消耗と全身筋肉痛
  • 会陰切開による傷の痛みや、帝王切開による腹部の傷の痛み
  • 後陣痛(子宮が元に戻ろうとする現象、生理痛に似た痛み、悪露)
  • 骨盤の緩み
  • 女性ホルモンがガラリと変化する(頭痛、抜け毛、不眠、貧血など)

体が妊娠前の状態に回復するまでの期間は、一般的に産後6~8週間ほどかかるとされています。他にも、産後に発熱したり、乳腺炎になったりなど「産後は予想以上のつらさだった」というママの声も多く聞かれます。医学の発達した現代でも産褥期にできるだけ養生しないと、出産で負ったダメージから回復しにくくなりますので注意が必要です。

産後の安静を少しずつ解除する「床上げ」は、産後3週間目あたりとされています。この頃には体も徐々に回復傾向にありますので、赤ちゃんのお世話の合間に、家事も少しずつできるようになっていくことが多いでしょう。

産後の外出はいつからできる?

産後4週間目以降にはママの心身の状態を確認する「産後健診」と、赤ちゃんの体調を確認する「1か月児健康診査」があります[参考1]ので、これが初めての外出となるママも多いのではないでしょうか。健診でママの回復が順調であれば、赤ちゃんと日中に近所を散歩したり、買物に行ったりなど短時間の外出が可能になります。但し体調には個人差がありますので、様子を見ながら少しずつ外出時間や行先を増やしていくようにしましょう。

中には、事情があり産後1ヵ月を待たずに外出しなければならないケースもあるかもしれません。次の項目では、このような場合も含めて外出時に注意したい点をご紹介します。

参考1:日本赤十字社医療センター「退院後の健診について

産後の外出で気をつけるべき点や出かける際のポイント

こちらでは、産後の外出を考える際にぜひ気をつけたいことを7つご紹介します。産後すぐの里帰りなど、産後1ヵ月未満でやむを得ず外出する必要がある場合には、特に注意しましょう。

産後の外出で気をつけるべき7つのこと

  1. 長時間立ち続ける・歩き続けることは避ける
  2. 体が冷えないように気をつける
  3. 遠出はなるべく避ける
  4. 人が多い場所は避ける
  5. 移動手段を考えておく
  6. 赤ちゃんに負担がかからないようにする
  7. 授乳・おむつ替えスペースを調べておく

1. 長時間立ち続ける・歩き続けることは避ける

産褥期にはママの体は大きなダメージを負っていて、女性ホルモンも急激に変化し、疲れやすい状態です。この時期に長時間立ち続けたり、歩き続けたりすることは、ママにとって激しい運動に匹敵します。また、出産時に緩んだ骨盤が歪んだり、貧血になったりする可能性もありますので、長時間同じ姿勢でいるなど、体力を消耗するような動作を続けることは避けましょう。

2. 体が冷えないように気をつける

急激な温度の変化は産褥期のママの体に負担がかかります。体の冷えは貧血や悪露の悪化につながる可能性も。体が冷えると体内のエネルギーが体温維持に回ってしまうため、体の回復に使えるエネルギーが減ってしまうのです。産後の肥立ちを悪くさせないためにも、行く先や服装などについては「暑すぎず、寒すぎず」を心がけるようにしましょう。

3. 遠出はなるべく避ける

産後の遠出は体力を消耗しやすく、産後のママの体には大きな負担となりますので避けましょう。特に赤ちゃんが一緒の場合には、赤ちゃんの負担になるばかりではありません。おむつや嘔吐した際の着替えなど多くの荷物を持参しなくてはなりませんので、ママにも手間や体力がより必要になります。近場への外出であれば、万一具合が悪くなってしまった時などにも融通が利くでしょう。

4. 人が多い場所は避ける

産後の外出の際には、人が多い場所はなるべく避けるようにしましょう。理由としては、特にこの時期のママは免疫力が低下していること、人が多い場所に行くと赤ちゃんもママも気疲れしてしまうことなどが挙げられます。赤ちゃんとママの負担を減らすためにも、外出先は人が集まらないような場所や空いている場所を選ぶようにしましょう。

5. 移動手段を考えておく

産褥期のママは体調が急に変わることもあります。いざという時に慌てないためにも、外出の際には無理のない移動手段を選んでおくようにしましょう。

赤ちゃんと一緒の場合には、公共交通機関よりも車やタクシーでの移動がベスト。マイカーであれば周囲に気を使う必要もなく、万一の際にも融通を利かせやすいです。車を降りた後の移動では、抱っこ紐やベビーカーを使い、ママの体力低下をできるだけ防ぎましょう。

6. 赤ちゃんに負担がかからないようにする

生後1~2ヵ月くらいまでの赤ちゃんは、一日の半分以上は寝て過ごし、体温調節機能も未熟です。また、首もまだ座っていない状態ですので、抱っこ紐を使用して縦に抱っこすることはできません。日光の紫外線も刺激が強すぎます。

そのため外出する際には「横抱き」ができる抱っこ紐や座面がフラットになるベビーカーを準備したり、基本的に薄着で小物を合わせて体温調節をしやすいようにしたり、ブランケット持参で紫外線を避けたりするなど、赤ちゃんに負担がかからないようにしっかり準備しましょう。

7. 授乳・おむつ替えスペースを調べておく

生後1~2ヵ月くらいまでの赤ちゃんは、数時間ごとの授乳やおむつ替えが必須です。そのため、外出の際には「授乳・おむつ替えスペース」がどこにあるのか事前に確認しておきましょう。赤ちゃんが急に泣き出したりママが疲れたりした時にも、安心して利用できるスペースの所在を知っていれば安心です。

一人で外出したいと思った時の対処法

産後の外出では「赤ちゃんと一緒」という場合がほとんどだと思います。かわいい赤ちゃんと過ごす時間も貴重で愛おしいものではありますが、ずっと一緒にいてお世話をする生活が続くと、ママもストレスが溜まっていってしまうものです。

そこで人によっては「産後に一人で外出したい」と感じることもあるでしょう。産後のママも、体調が許せば一人でコンビニエンスストアへちょっと行ったり、マッサージやカフェ、美容院で過ごしたりする時間を作りたいところ。

また免許証の更新など「一人で外出しないといけない用事ができた」というケースもあるかと思います。こういった際には、次のような方法で対処してみることをおすすめします。

一人で外出したいと思った時の対処法

  1. 家族に相談してみる
  2. ベビーシッターを依頼する
  3. ファミリーサポートや子育て支援センターに相談してみる

では、1つずつ見ていきましょう。

1. 家族に相談してみる

まずは子育てのパートナーであるパパに、休日の数時間だけでも赤ちゃんを任せたいことを相談してみましょう。実家が近い場合は、両親に相談して頼ってみるのも一案です。特に初めての育児ではママが疲労困憊になってしまうケースも多いですので、普段から「適度に誰かに頼る」ことをママ自身が意識的におこなっていくことが大切です。

2. ベビーシッターを依頼する

パパが仕事で多忙であったり、両方の実家が遠くて頼れなかったりする場合は、ベビーシッターを依頼するという方法もあります。料金相場や依頼内容はベビーシッター会社によってさまざまですが、0歳児から預けられたり、兄弟姉妹と一緒にお願いしたりできるところもあります。

いざという時に慌てないためにも、近隣のベビーシッター会社をチェックしておくとよいでしょう。

3. ファミリーサポートや子育て支援センターに相談してみる

行政や自治体が運営している「ファミリーサポート」や「子育て支援センター」に頼るという方法もあります。

ファミリーサポートは、子どもの預かりなど「子育ての支援を受けたい人(ママなど)」と「援助をしたい人(育児経験のある地域住民)」を結びつけて、地域で相互援助を有料で行う行政システムです。[参考2]

子育て支援センターは各自治体が設置しているスペースで、子どもと一緒に過ごしたり子どもを短時間預けたりできます。利用は基本的に無料なケースが多いです。

こちらは両方とも会員登録や予約が必要ですので、外出の予定が決まったら早めに動くようにしましょう。

参考2:一般財団法人 女性労働協会「ファミリーサポートセンター事業

産後に起こる可能性のある症状についても知っておこう

産後のママは体にダメージを負っているだけでなく、さらに慣れない赤ちゃんのお世話も加わるため、精神的な負担や寝不足も重なっていきます。つまり心身ともにクタクタな状態です。

ここでは、「マタニティーブルーズ」や「産後うつ」といった症状になる可能性もあることを知っておきましょう。両者は同じように捉える方もいますが、発症期間や症状、対処法などに違いがあります。

1. マタニティーブルーズ

妊娠中や出産直後に、育児に対する不安で気持ちが塞いでしまうのが「マタニティーブルーズ」と呼ばれる症状です。

産後に女性ホルモンの急激な減少と、育児疲れやプレッシャー、不眠、孤独感などが原因といわれ、日本人女性が発症する頻度は約25~50%と言われています。こちらは一時的なものであり、一般的には産後1~2週間ほどで自然に改善していきます。

マタニティーブルーズを乗り越えるポイントは次の4つです。ママ一人で抱え込まず、誰かに不安を聞いてもらうようにしましょう。

  • 出産を経て身体が変化していることを自覚する
  • マタニティーブルーズは「長く続くものではない」と考える
  • 家族にも症状についてはつらさを知ってもらう
  • 経験者や助産師などに話を聞く

2. 産後うつ

マタニティーブルーズの症状が重かったり、気分が落ち込む状態が産後2週間以上続いたりする場合は「産後うつ」が疑われます。産後うつは、産後に感じる育児への不安やプレッシャーなどにより脳の機能障害が発生し、考え方や捉え方が否定的になりがちになったり、自己嫌悪感などを抱きやすくなったりするといわれています。

産後うつは産後3ヵ月以内に発症することが多く、その発症率は10人に1人です。自然に改善することは難しいですので、精神科医の診断のもと、治療をおこなっていく必要があります。

産後うつの治療のポイントは次の3つです。「産後うつかも」と感じたら、早めに受診するようにしましょう。

  • 気分の落ち込み、食欲がない、子どもへの関心がなくなるといった症状が産後2週間以上続いている場合は「産後うつ」を疑う
  • できるだけ早めに精神科を受診する
  • 家族にも症状やつらさを知ってもらい、治療に協力してもらう

まとめ

産後のママは大きな疲労やダメージを負っています。そこにさらに慣れない新生児のお世話が加わることになります。この産褥期と呼ばれる期間は母体を回復させること、赤ちゃんとの生活に慣れることを大切にして過ごすようにしたいものです。

育児の合間に少しずつ家事ができるようになってくる頃にはママの「産後健診」や赤ちゃんの「1ヵ月児健康診査」がありますので、産後1ヵ月あたりが「外出できそうな目安」だといえます。ご紹介した産後の外出で気をつけたい点を押さえて、様子を見ながら少しずつ外出時間や行先を増やしていくようにしましょう。

「ママ一人で外出したい」と思う時は、家族に相談するだけでなく、ベビーシッターを依頼したり、行政や自治体のサービスを利用したりするのも方法です。うまく活用してストレスを溜めないようにしましょう。しかし中には、育児ストレスなどが原因でマタニティーブルーズになったり、産後うつに発展してしまったりすることもあります。産後に起こるかもしれないこのような症状や対処法についてもぜひ知っておくとよいでしょう。

そこで出産後の外出時期や体調など妊娠、出産、育児に関しての情報収集や相談ができる「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」についてご紹介します。
「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」とは、お子さまとパパママを応援する情報サイトで、0歳~12歳のお子さまがいらっしゃる方、または妊娠中の方を対象とし、育児に関する情報提供を目的としたフコク生命の会員制度です。

会員特典の一つに、産婦人科オンラインサービスがあります。1枠10分間の予約制で、電話だけでなく動画通話やメッセージチャットにも対応。LINEや電話、動画通話で産婦人科医・助産師に無料でご相談いただけます。

妊娠中のお悩みで病院を受診するべきかというご相談や妊婦健診で聞きそびれたこと、産後の身体のことや、授乳・卒乳のことなど、家でできることや病院を受診する目安などをご相談されてはいかがでしょうか。

「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」は 『入会費・年会費』無料で、当社保険への加入に関わらずご入会いただけます。 その他の入会特典はこちらからご確認ください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

ライター:馬場正裕(ばば まさひろ)
FPライター。ファイナンシャル・プランナーとして、各種サイトでマネー記事やコラムの執筆を担当した。消費者金融や外貨預金、家計管理、不動産関連の記事を執筆。FPとしての知識を生かした記事執筆の活動を行っている。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ