産後クライシスってどういう意味?なる理由や原因、対処法について徹底解説

産後クライシスってどういう意味?なる理由や原因、対処法について徹底解説

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「産後クライシス」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?産後クライシスとは、出産後に夫婦関係が急激に悪化し、離婚危機が訪れている状態のことを指します。本記事では産後クライシスの原因、対処法や予防法について解説します。これからお子さんが生まれる予定のご夫婦や子育て真っ最中のご夫婦は、ぜひ読んで参考にしてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

産後クライシスとは

「産後クライシス」は、メディアでもよく使われている流行語です。「クライシス(crisis)」とは英語で「危機」を意味します。出産後数年の間に夫婦の危機が訪れる現象は、決して珍しくありません。あるときからこの現象を産後クライシスと呼ぶようになったのです。

子どもの誕生は、夫婦にとっては共通の大きな喜びです。にもかかわらず、出産をきっかけに夫婦の関係が急激に悪化するのは残念なことといえるでしょう。赤ちゃんを迎え入れると、夫婦の生活環境は大きく変わります。うれしいはずの変化も、一歩間違えると夫婦の信頼関係を破綻させることになるのです。

出産直後に離婚が多いことは、厚生労働省がおこなった「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」[参考1]にも表れています。生別(主に離婚)により母子世帯になった人の末子の年齢は、0~2歳が全体の38.1%と最多となっています。産後クライシスが原因で離婚に至っている夫婦が多いことが推測されます。

参考1:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯調査

これって産後クライシス?

子どもが誕生したら、夫婦で協力しながら子育てをしなければなりません。夫婦間で子育てに対する意識の差が大きいと、産後クライシスを引き起こしやすくなります。

例えば、妻が完璧主義で育児にも手抜きをしたくない場合、夫が自分と同じようなやり方で育児をしてくれないと不満を感じるでしょう。夫は夫で、妻が子どもばかりを優先していることに不満を持つこともあります。

以下に産後クライシスの特徴を挙げてみましたので、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

  • パートナーと一緒にいるだけでイライラする
  • パートナーに愛情を持てなくなった
  • 夫婦の会話が減った
  • 夫婦のスキンシップがなくなった
  • パートナーが育児に非協力的であることに不満を持っている
  • パートナーが子育てばかり優先して自分が放置されていると感じる
  • 些細なことが原因ですぐに口論になる
  • パートナーに攻撃的な態度を取ってしまう
  • パートナーがいると家でもくつろげない

産後クライシスになる理由や原因

産後クライシスは自分一人の問題ではなく、相手があってこそ引き起こされる問題です。お互いの性格や育ってきた環境なども影響するため、原因が一つとは限りません。一般的には、以下のような要素が絡み合って産後クライシスに発展します

1. ホルモンバランスの乱れ

産後の女性の身体には、子宮を元に戻して授乳をおこなうために、オキシトシンというホルモンが大量に分泌されます。オキシトシンの作用により、子どもに対する愛情が強まる反面、他者に対して攻撃的になってしまうといわれています。出産直後の女性は、赤ちゃんを守ろうという気持ちが大きくなりすぎて、自分の夫であっても敵とみなしてしまうことがあるのです。

女性は出産後、夫に強い嫌悪感を抱くことや、夫に触られるのも嫌と感じてしまうことも珍しくありません。これはホルモンバランスの乱れによる一時的なものですが、夫の方は自分が拒絶されたと感じることがあります。その結果、夫婦間に溝ができてしまい、産後クライシスを招いてしまうのです。

2. パートナーとのコミュニケーション不足

夫婦の信頼関係を維持するために、日常的なコミュニケーションは欠かせません。しかし、産後は毎日目が回るような忙しさで、落ち着いて会話をする時間もなくなります。言いたいことが言えずに、不満を溜め込んでしまうこともあるでしょう。

コミュニケーション不足になると、誤解も増え、パートナーが何を考えているのかもわからなくなってしまいます。パートナーに対して不信感が募れば、産後クライシスになってしまうでしょう。

3. 子ども中心の生活による疲れやストレス

出産後は子どものリズムに合わせた生活になります。自分の好きな時間に寝て好きな時間にごはんを食べるといったこともできなくなります。育児に振り回されて自分の時間がなくなり、疲れやストレスが溜まりがちな状況だといえるでしょう。

疲れやストレスを解消できないままでいると、イライラしてパートナーに当たってしまうことも多くなります。お互いが相手のことを思いやる気持ちの余裕がなくなれば、夫婦関係は悪化して産後クライシスにつながることもあるでしょう。

4. ワンオペ育児をしている

夫婦の一方が多忙すぎる場合などは、二人で協力して子育てができません。実質的に一人で子育てを担う「ワンオペ育児」の家庭も少なくないでしょう。ワンオペ育児の場合、子育て中に生じる不安や悩みをパートナーと共有することも難しくなります。そのため夫婦間で心の距離ができてしまい、産後クライシスの原因になってしまうのです。

ワンオペ育児の悩みを解消する方法については、「ワンオペ育児とは?抱えやすい悩みや解消方法を紹介」で詳しく説明していますので、こちらをぜひ読んでみてください。

産後クライシスになってしまった場合の対処法

産後クライシスの状況を放置していると、やがて離婚に発展することがあります。「産後クライシスかもしれない」と思ったら、すぐに対処法を考えましょう。ここからは、産後クライシスから抜け出すための方法を説明します。

1. 話し合いの時間を設ける

お互いが何を考えているかわからなくなると、夫婦関係は悪化してしまいます。自分が思っていることや感じていることを相手に伝えるために、話し合いをする時間を作りましょう。自分の気持ちを一方的に話すだけでなく、相手の気持ちを聞くことも大事です。

また話し合いの際には、できるだけ感情的にならず、冷静かつ客観的な視点を持つ必要があります。どうしても感情的になってしまう場合には、中立的な第三者を入れて話し合うのも一つの方法です。

2. ベビーシッターや家事代行などを利用する

家事や育児を完璧にこなそうとすると、うまくいかないことでイライラしてしまいます。一方で、部屋が散らかっていたり食事がおろそかになったりすれば、疲れやストレスは増幅します。自分たちだけで頑張ろうとせず、人に頼ることを考えましょう。実家の家族などに頼る方法もありますが、ベビーシッターや家事代行を利用する方法もあります。

家事や育児を他人に任せれば、わずかの時間でも気兼ねなく休憩をとることができます。そうした休憩によって気持ちの余裕が生まれると、パートナーに対してイライラすることも少なくなるでしょう。

3. 一人になれる時間を作る

子どもが赤ちゃんの間は、子どもから目を離すわけにもいきません。出産後は一人になる時間を作るのも難しくなります。一人でゆっくりお茶を飲むだけでもリラックスできます。周りの協力を得ながら一人になれる時間を作りましょう。

普段一人で子どもの世話をしている人は、休みの日は子どもをパートナーに見てもらい、短時間でも一人で出かけてみるのがおすすめです。実家の家族、ベビーシッター、一時保育など、活用できるものは何でも活用しましょう。一人になることでイライラが解消して、落ち着いて考える余裕が生まれてくるでしょう。

産後クライシスになる前に気をつけておくべきこと

出産後は生活が大きく変わります。赤ちゃんを迎える準備だけでなく、夫婦の関係を悪化させないための心構えもしておきましょう。産後クライシスを防ぐために、気をつけておきたいことを説明します。

1. 夫が気をつけること

産後の女性は、母体の回復に時間がかかるだけでなく、ホルモンの急激な変化により心身ともに不安定な状態になります。男性は単に子どもの世話をするだけでなく、妻自身に寄り添ってサポートすることを心がけましょう。妻の心身の負担が大きくなると、産後クライシスを引き起こしてしまいます。

自治体では、男性も出産・育児に関して理解を深められるよう、両親学級の実施や父子手帳の配布などをおこなっています。出産は女性の仕事だと他人事のように考えず、自らも積極的に勉強して知識を身につけるようにしましょう。

実際に育児が始まると、妻の側から夫にサポートしてほしいことが増えます。自分の役割分担以外にも自分にできることはないかを常に考えながら動きましょう。

2. 妻が気をつけること

夫にサポートしてほしいことは、できるだけ具体的に伝えましょう。「言わなくても気が付いてほしい」と思うかもしれませんが、夫には言葉で伝えないとなかなか分かってもらえません。自分一人で頑張る必要はないので、夫に頼めることはどんどんお願いしましょう。やってもらったことに対しては「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることも大切です。

子育て中に我慢をしすぎると、子どもにも夫にも気持ちの余裕を持って接することができません。そこで夫や実家の家族などに子どもを任せて、自分一人でリフレッシュできる時間を作れるようにしておきましょう。さらに困った時のために子育てを相談できる人や相談できる機関も把握しておきましょう。このように子育てを一人で我慢し過ぎない体制を作るようにしましょう。

3. 夫婦で気をつけること

子どもが生まれた後は、話し合いをする時間も取りにくくなります。産後の家事や育児については、妊娠中から夫婦でよく話し合っておきましょう。

3.1 役割分担を決めておく

母乳の授乳は妻しかできませんが、それ以外の育児は夫にもできるはずです。例えばお風呂やおむつ替えは原則的に夫が担当、妻は授乳や寝かしつけを担当など、無理なく続けられる育児の役割分担を決めておきましょう。

また家事の役割分担も、出産前と同じではうまくいきません。妻は子どもの世話を優先的におこない、夫が主に家事をおこなうなど、出産後は新たに家事の役割分担を見直しましょう。

3.2 ルールを決めておく

夫が育休を取れない場合、産後の家事や育児の負担が妻に偏ってしまいます。「夫が休みの日には夫が子どもの世話をする」などの基本的なルールも決めておきましょう。

子どもが生まれてからも、夫婦の時間は必要です。「月に一度は子どもを実家の親に預けて夫婦で外出する」といったルールを決めておくのもおすすめです。出産後にコミュニケーション不足に陥らないですむよう、夫婦の時間をどう確保するかを話し合っておきましょう。

産後クライシスに関するQ&A

産後クライシスが心配な方も多いのではないでしょうか?産後クライシスに関するよくある疑問に回答しますので、参考にしてください。

1. どのくらいの期間続くの?

産後クライシスになる期間は、産後の体調や子育ての状況によって変わってきます。一般的には産後2~3年ですが、長ければ4~5年続くこともあります。

産後クライシスになっても、早めに対処すれば離婚を回避できる可能性は高くなります。自分一人で悩まずに、誰かに相談するようにしましょう。

2.産後うつとはどう違う?

産後うつとは、出産後の女性に起こるうつ病の一種です。極度な気分の落ち込みといった精神的症状のほか、頭痛、不眠などの身体的症状が出ることも多くなっています。産後うつはホルモンバランスの変化やストレスが原因で起こる病気で、治療が必要です。

一方、産後クライシスとは出産をきっかけに夫婦関係が悪化した状態をいいます。病気ではなく、夫婦が経験する危機状態です。妻の産後うつをきっかけに、産後クライシスの状態になることも多くなっています。「産後うつかもしれない」と思ったら、我慢しないで病院を受診しましょう。

まとめ

出産後のさまざまな変化を引き金に、夫婦関係が悪化して産後クライシスになることがあります。夫婦で共に子どもの成長をよろこびながら子育てするために、夫婦関係が良好であることにこしたことはありません。産後クライシスの予防法や対処法について知っておくことで、さまざまな場面で夫婦が思いやり、理解し合うことを意識しましょう。
また妊娠、出産、育児に関して一人でかかえ込まないように相談できる人や相談できる機関や情報収集できるサービスを利用して、知識を深めておくことも大切です。

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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

ライター:是枝花名子(これえだ かなこ)
FPライター。大学卒業後、大手生命保険会社にて法人営業を担当。住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金や老後資金作りを極めるため、改めてFP技能士を取得。専門知識と主婦目線を活かした記事執筆が好評を呼び、現在は主にメガバンク、大手不動産サイト等にて保険・不動産・翻訳ライターとして活動中。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ