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出産前後には、赤ちゃんの出生届や保険、出産費用の助成、会社への申請など、さまざまな手続きを行う必要があります。
妊娠中は妊婦さんの体調を最優先に考えたいところですので、事前にご家族で話し合い、誰がどんな手続きを担当するのか決めておくと良いでしょう。
この記事では、出産前後に必要な手続きについて、わかりやすく解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
出産前後の手続きチェックリスト
出産前後に必要な手続きは人によって異なりますが、以下では妊娠・出産するすべての方が行うべき手続きをまとめました。自治体、手続きによっては代理人による申請も可能ですので、出産前後で時間がないという方は、代理人による申請も検討しましょう。
何を | いつまでに | 誰が |
出生届 | 生後14日まで | 夫または妻または代理人 |
健康保険の加入 | 出生日から14日以内 | 夫または妻または代理人 |
児童手当の申請 | 出生日の翌日から15日以内 | 夫または妻または代理人 |
乳幼児医療費助成 | 健康保険証発行後早めに | 夫または妻または代理人 |
出産育児一時金申請 | 出産翌日から2年まで | 夫または妻 |
高額療養費の申請 | 診療翌月初日から2年以内 | 夫または妻 |
保険の検討 | なるべく早く | ご家族 |
■出生届
期限 | 生後14日まで |
提出先 | 子どもの出生地・本籍地もしくは届出人の所在地の役所・役場 |
必要書類 | 出生証明書1通 |
手続き対象者 | 夫または妻または代理人 |
[出典]法務省「出生届」をもとに株式会社ぱむ作成
赤ちゃんが生まれたら、生後14日目までに出生届を提出する必要があります。
子どもの戸籍を作るための手続きですので、提出期限を待たず、なるべく早めに届け出るようにしましょう。 提出先は一般的に子どもの本籍地の市町村役場ですが、里帰り出産など本籍地以外の場所で出産した場合は、子の出生地もしくは夫婦の所在地の市町村役場に提出してもかまいません。
■健康保険の加入手続
期限 | 出生から14日以内(国保の場合) |
提出先 | 現住所の市区町村役場 |
必要書類 | 保険証・母子健康手帳 |
手続き対象者 | 夫または妻または代理人 |
日本では国民皆保険制度を導入しているため、すべての国民は何らかの健康保険に加入しなければなりません。
健康保険に加入していないと、病院などで治療を受けるとき、全額自己負担になってしまいますので、なるべく早めに手続きを済ませたほうが良いでしょう。
夫婦のどちらか、または両方が会社員として働いている場合は、会社の総務部などに申請し、保険証を発行してもらいます。
一方、夫婦が自営業者などで国民健康保険に加入している場合は、住民票のある市区町村役場で申請を行います。
■児童手当の申請手続
期限 | 出生日翌日から15日以内 |
提出先 | 現住所の市区町村役場 |
必要書類 | 児童手当認定請求書 請求者の健康保険証のコピー 請求者の身元確認書類(運転免許証など) 請求者とその配偶者のマイナンバーがわかるもの 手当金の振込先口座(請求者名義)がわかるもの |
手続き対象者 | 夫または妻または代理人 |
[出典]内閣府「児童手当制度のご案内」をもとに株式会社ぱむ作成
児童手当とは、子どもを持つ家庭における生活の安定と、次代の社会を担う子どもの健やかな成長をサポートするために、国から支給される手当のことです。
支給額は子どもの年齢や人数に応じて、1人あたり10,000円~15,000円が支給されます。なお、子どもを養育している方の所得が所得制限限度額以上の場合、特例給付として月額一律5,000円が支給されます。所得制限限度額は以下のとおりです。
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 収入額の目安 |
0人 | 622万円 | 833.3万円 |
1人 | 660万円 | 875.6万円 |
2人 | 698万円 | 917.8万円 |
3人 | 736万円 | 960.0万円 |
4人 | 774万円 | 1,002.1万円 |
5人 | 812万円 | 1,042.1万円 |
児童手当の認定請求は、市区町村役場で配布されている児童手当認定請求書に必要事項を記入し、以下の書類を添えて提出します。
- 印鑑
- 請求者の健康保険証のコピー
- 請求者の身元確認書類(運転免許証など)
- 請求者とその配偶者のマイナンバーがわかるもの
- 手当金の振込先口座(請求者名義)がわかるもの
認定請求に必要な書類は市区町村によって異なりますので、あらかじめホームページで調べるか、役所に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。
市区町村の認定を受けられれば、原則として申請した月の翌月分から児童手当を支給してもらえますが、遅れた月分の手当をさかのぼって受けることはできません。
子どもの出生日の翌日から15日以内に申請すれば、たとえ月をまたいでも、出生月の翌月分から支給を受けられますので、生後15日までに必ず申請を済ませましょう。
■乳幼児医療費助成の手続き
期限 | 健康保険証発行後なるべく早め |
提出先 | 現住所の市区町村役場 |
必要書類 | 子どもが加入している健康保険証 請求者の本人確認書類など |
手続き対象者 | 夫または妻または代理人 |
乳幼児医療費助成とは、各自治体が乳幼児にかかる医療費の一部または全部を助成してくれる制度のことです。
国ではなく自治体が独自に導入している制度なので、助成の対象や金額、手続き方法、名称などは自治体によって大きく異なります。
いずれの場合も健康保険に加入していることが大前提ですので、健康保険証が発行されたら、なるべく早めに手続きを済ませましょう。
■出産育児一時金の申請手続き
期限 | 出産翌日から2年まで(国保の場合) |
提出先 | 現住所の市区町村役場 |
必要書類 | 出産育児一時金支給申請書 直接支払制度の利用有無に関する医療機関等との合意文書 医療機関等が発行した領収・明細書 |
手続き対象者 | 夫または妻 |
[出典]協会けんぽ「出産育児一時金」をもとに株式会社ぱむ作成
出産育児一時金とは、各種健康保険の被保険者が出産したときに支給される手当のことです。
支給額は赤ちゃん1人につき42万円(産科医療保証制度加算の対象外の病院で出産した場合は40.4万円)で、健康保険組合などから直接医療機関に支払われる仕組みになっています。
申請方法は産院が導入している制度によって異なりますので、入院までに問い合わせておきましょう。 なお、出産育児一時金は産後申請することも可能ですが、申請期限は出産翌日から2年までなので要注意です。
■高額療養費の申請手続き
期限 | 診療翌月初日から2年以内 |
提出先 | 現住所の市区町村役場 |
必要書類 | 必要事項を記入した高額療養費支給申請書 医療機関等に支払った領収書 |
手続き対象者 | 夫または妻 |
[出典]協会けんぽ「高額な医療費を支払ったとき」をもとに株式会社ぱむ作成
月内の医療費合計が自己負担限度額を超えた場合、高額療養費の支給を受けることができます。
自己負担限度額は70~74歳以上と70歳未満で異なり、後者の限度額は以下のとおりです。
区分 | 所得金額 | 月額限度額 |
ア | 901万円超 | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% (4回目以降限度額:140,100円) |
イ | 600万円超 901万円以下 | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% (4回目以降限度額:93,000円) |
ウ | 210万円超 600万円以下 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% (4回目以降限度額:44,400円) |
エ | 210万円以下 | 57,600円 (4回目以降限度額:44,400円) |
オ | 世帯主及び国保加入者全員 が住民税非課税 | 35,400円 (4回目以降限度額:24,600円) |
帝王切開などは健康保険の対象となる医療行為に適用されますので、状況に応じて申請を行いましょう。
申請は事前・事後のどちらでも可能ですが、事前に認定を受けられれば窓口での自己負担額が減るので、手元にまとまったお金がない場合は事前申請をおすすめします。
申請手続きは健康保険組合の窓口にて行います。
■子どもの学資保険や夫婦の保険の見直しも行っておこう
赤ちゃんという新しい家族が増えると、将来の学費の確保や、夫婦に万一のことがあった場合の保障についても考えなければなりません。
独身または夫婦二人の頃に加入した保険では、万一のときの保障が不十分になる可能性が高いので、一度加入している保険の内容を見直してみましょう。
子どもの学費に関しては、大学まで進学した場合、すべて国公立なら1人あたり約1,000万円、すべて私立の場合は1人あたり2,000万円の学費が必要とされています。
計画的に積み立てないと学費が不足してしまうおそれがありますので、子どもが生まれたら学資保険への加入を検討することをおすすめします。
妊娠中でも加入できる学資保険もありますので、妊娠がわかったら、ご家族で早めに話し合っておくと良いでしょう。
【関連記事】フコク生命「しっかり知ろう!学資保険豆知識」https://www.fukoku-life.co.jp/gakushi/trivia/trivia18/index.html
働くママが申請できる手続きリスト
ママが働いている場合は、申請によって以下の手当や給付金を受け取ることができます。
■出産手当金(産後57日目以降~2年まで)
多くの企業では、産休中は無給または一部給与のみの支給となりますが、出産手当金の申請手続きを行えば、給与のほぼ2/3に相当する手当金の支給を受けられます。手当金は出産日以前42日から出産日の翌日以降56日までの間で、給与の支払いがなかった期間が対象となります。
産前・産後の2回にわけて申請することも可能ですが、産後にまとめて手続きしたほうが二度手間になりません。
出産手当金は、健康保険証に記載されている管轄の協会けんぽ支部へ申請します。申請書には産院が記入する項目もありますので、退院前に用紙を準備し、記入を依頼しておくと良いでしょう。
■育児休業給付金の申請手続き(育休開始以降)
出産すると、産休から育休へ移行しますが、育休中は2ヵ月に一度のペースで育児休業給付金の支給を受けられます。
申請手続きは勤め先で行いますが、申請期限や手続き方法は会社によって異なりますので、事前に確認が必要です。
自治体によっては費用助成がある場合も
自治体の中には、妊娠・出産に対して独自の費用助成を行っているところもあります。
たとえば東京都渋谷区では「ハッピーマザー出産助成金」という制度があり、出産育児一時金(付加給付除く)とは別に、子ども1人の出産につき最大10万円の助成金を支給しています。
一方、北海道旭市では、1年以上市内に住む方が第2子以降を出産した場合、第2子は10万円、第3子以降は20万円の祝い金を支給する「出産祝金」の制度があります。
妊娠・出産に対してどのような支援・助成を行っているかは自治体によって異なりますので、妊娠がわかったら、お住まいの自治体のホームページなどで助成の有無や内容をあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
出産前後は、出生届や健康保険への加入手続き、出産育児一時金の給付申請など、さまざまな手続きを行う必要があります。
中には申請までの期限が設けられているものもありますので、すみやかに手続きを済ませられるよう、妊娠中に手続き計画を立てておくことをおすすめします。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
記事提供元:株式会社ぱむ