2ヵ月を目安に始めよう!赤ちゃんの予防接種スケジュール

2ヵ月を目安に始めよう!赤ちゃんの予防接種スケジュール

赤ちゃんの予防接種には、「定期接種」と、「任意接種」の2つがあります。定期接種は予防接種法に基づき、誰もが受けられ、かつ努力義務が課せられている予防接種のことです。

定期接種では、赤ちゃんは目安として生後2ヵ月から6ヵ月までに数多くのワクチンを接種します。疾病によって接種期間が定められているため、かかりつけ医師と相談しながら、スケジュールを計画的に立てていきましょう。

この記事では、赤ちゃんの予防接種スケジュールや予防接種の種類について解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

赤ちゃんが受ける予防接種は?

まずは厚生労働省「予防接種情報:よくある質問」をもとに、赤ちゃんに必要な予防接種の種類と接種にかかる費用を紹介します。

出生直後はママから受け継いだ免疫を持っていますが、次第に薄れ数ヵ月で失われます。そのため、この時期から予防接種が始まります。

予防接種の目的は、赤ちゃんが病気にかかったり、重病化したりしないようにする「個人防御」、集団感染を防ぐための「集団防御」、さまざまな事情で予防接種を受けられない方たちが感染症にかからないようにする「集団免疫」の3つです。

予防接種には、定期接種とそれ以外の予防接種(任意接種)の2種類があります。

A類疾病の定期接種

定期接種は、予防接種法に基づいた「A類疾病」の予防接種で、感染症予防として重要度が高いため、接種が勧められるものです。

居住している市町村にて公費で、つまり無料で予防接種を受けることができます。A類疾病には、病気ごとに感染しやすい月齢や季節があるため、接種期間が決められています。感染しないためには、かかりつけ医と相談しながらなるべく期間内に接種することが大切です。

定期予防接種で指定されているA類疾病のワクチンは次のとおりです。

  • B型肝炎ワクチン
  • ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチン
  • ロタウイルスワクチン
  • 日本脳炎ワクチン
  • 肺炎球菌感染症ワクチン
  • BCG(結核)ワクチン
  • 水痘ワクチン
  • MRワクチン(麻しん・風しん)
  • 4種混合(DPT-IPV)(百日せき・ポリオ・ジフテリア・破傷風)

このほか、市町村から接種についての案内は行っていませんが定期接種のワクチンとして、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症ワクチンがあります。

定期接種以外のワクチンも任意で接種できる

予防接種法に基づいたA類疾患の定期接種以外にも、次の2種類のワクチンを任意で接種できます。これを「任意接種」といいます。

基本的には健康保険が使えず全額実費となりますが、お住まいの自治体によっては助成金をもらえることもありますので、事前に自治体ホームページや役所の窓口で確認してみてください。

  • おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチン

1歳と小学校入学前の2回接種することが推奨されており、費用は1回当たり約5,000円です。

  • インフルエンザワクチン

小学校入学前までは年2回の接種が目安で、費用は1回当たり約3,000円~5,000円です。

予防接種スケジュールの目安

ここでは、日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点」をもとに、生後36ヵ月までに受けるべき定期接種のスケジュールの目安を紹介します。

生後6ヵ月までに受けたい予防接種は非常に多いため、計画的な接種スケジュールを立てることが大切です。今回紹介したスケジュール目安は推奨期間なので、事情があって推奨期間に接種できない、接種可能期間を過ぎてしまいそうな場合などは、かかりつけ医に相談して決定しましょう。

ワクチン定期接種推奨月齢
ヒブ(インフルエンザ菌b型)1〜3回目:生後2ヵ月〜4ヵ月(それぞれ4〜8週空ける) 4回目:12〜17ヵ月(3回目から7ヵ月以上空ける)
肺炎球菌1〜3回目:生後2ヵ月〜4ヵ月(それぞれ4週以上空ける) 4回目:生後12〜15ヵ月(3回目から2ヵ月以上空ける)
B型肝炎1回目:生後2ヵ月 2回目:生後3ヵ月(1回目から4週以上空ける) 3回目:生後7〜8ヵ月(1回目から20週以上空ける)
ロタウイルス1価1,2回目:生後2,3ヵ月(1回目から4週以上空ける)
5価1〜3回目:生後2〜4ヵ月(それぞれ4週以上空ける)
4種混合(DPT-IPV)1〜3回目:生後2ヵ月〜11ヵ月(それぞれ3〜8週空ける) 4回目:生後12〜23ヵ月(3回目から6ヵ月以上空け、12〜18ヵ月以内に接種するのが標準的)
BCG12ヵ月未満に接種
標準的には5〜8ヵ月未満に接種する
MRワクチン1回目:生後12〜24ヵ月未満
水痘1回目:生後12〜15ヵ月 2回目:生後18〜23ヵ月(1回目から6〜12ヵ月空ける)

予防接種を受けるにあたって必要なことは?

市町村から定期接種の通知や予診票が届いたら、まずは赤ちゃんが受けるワクチンの種類や接種期間を確認しましょう。接種後の副作用についてなど、何か気になることがあれば、かかりつけの医師に相談し、理解と納得の上で接種を検討しましょう。

予防接種前のスケジュール管理にご注意を

赤ちゃんの予防接種は、生後6ヵ月までは非常にタイトなスケジュールとなります。赤ちゃんは体調を崩しやすいため、スケジュール通りに進まない場合もあります。何らかの事情で接種できなくなってしまった場合は、スケジュールの調整についてかかりつけの医師に相談してください。

また、予防接種は事前予約が必要なことが多いです。予防接種当日は予約時間をしっかり守りましょう。接種当日は記入済の予診票のほか、診察券と母子手帳を忘れずに持参しましょう。念のため保険証や受給者証も一緒だと安心です。

無料の予防接種でも、対象年齢を越えたり予診票を持参し忘れたりした場合、有料になってしまう可能性があります。

日常的に使用しているカレンダーやスケジュール帳にあらかじめ記入し、それを家族と共有しておくことをおすすめします。

予防接種後に気を付けること

予防接種を受けた日は、赤ちゃんの様子をよく観察し、急な副反応や体調の変化がないかチェックしましょう。万が一副反応が出た際は、速やかに接種した小児科に連絡してください。

接種した部位は触ったりこすったりせず、清潔に保ちましょう。

厚生労働省「予防接種情報:定期接種で予防できる病気について」をもとにまとめた定期接種ワクチンの副反応の主な症状は次のとおりです。

ワクチン副反応
ヒブ(インフルエンザ菌b型)接種部位:赤み、腫れ、しこり、痛み 発熱、不機嫌、食欲不振、下痢など
肺炎球菌接種部位:赤み、腫れ、しこり、痛み 発熱など
B型肝炎接種部位:赤み、腫れ、しこり、痛み 発熱、頭痛、倦怠感など 重大な副反応として、アナフィラキシー症状、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の報告もあり(極めてまれな例)
ロタウイルス重大な副反応として、アナフィラキシー症状を起こす可能性あり 接種後1〜2週間は腸重積症のリスクが高まるという報告あり
4種混合(DPT-IPV)接種部位:赤み、腫れ、しこり、痛み 発熱、せき、鼻水、発疹、食欲減退、嘔吐、喉の赤みなど 重大な副反応としてアナフィラキシー症状、けいれん、脳炎、血小板減少性紫斑病の報告あり
BCGリンパ節の腫れや皮膚症状など 摂取前に結核菌に感染していた場合、コッホ現象(接種部位の発赤、腫れ、化膿→2〜4週間後に消え、瘢痕化)が起こる可能性あり
MRワクチン接種部位:赤み、腫れ、しこり 発熱、かゆみ、リンパ節の腫れ 重大な副反応としてアナフィラキシー症状、脳炎、急性血小板減少性紫斑病の報告あり
水痘まれに接種部位の赤み、腫れ、しこりほか、発熱、発疹を起こす可能性あり 重大な副反応(まれ)としてアナフィラキシー症状、急性血小板減少性紫斑病の報告あり

まとめ

予防接種には、定期接種と任意接種2つがあり、定期接種は予防接種法に基づき、誰もが受けるべき予防接種です。赤ちゃんを感染症から守るだけでなく、社会に病気をまん延させないためにも、かかりつけ医と相談しながら定期接種を受けるようにしましょう。

生後6ヵ月までに受けたい予防接種はたくさんあります。感染症によって接種期間が定められているため、計画的にスケジュールを立て、管理することが大切です。

予防接種についてよりくわしく知りたい方は、厚生労働省「予防接種情報」や日本小児科学会ホームページも確認してください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

記事提供元:株式会社ぱむ