育児休業を取りたい!給付金額や期間、申請方法をまるっと解説

育児休業を取りたい!給付金額や期間、申請方法をまるっと解説

育児休業制度は、仕事と育児の両立を目指すパパ・ママのためにできた制度ですが、「そもそもどんな制度なのか」「育児休暇と何が違うのか」など、基本的な情報がわからないという方も少なくありません。

自分自身またはパートナーが出産を控えている方、もしくは将来的に子どもを望んでいる方は、今のうちから正しい知識を理解しておきましょう。

この記事では、育児休業制度の概要や、取得の条件、給付金の対象となる人の要件などについて解説します。

産前休業・産後休業についても知りたい方は「産休の基本。期間や申請方法は?男性も取得できる?」で詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。

育児休業制度とは

育児休業制度とは、育児・介護休業法のもと、原則として1歳に満たない子どもを養育する従業員が取得できる休業制度のことです。[注1]

日本では少子高齢化が大きな社会問題となっていますが、その一方で未だに「仕事か育児か」の二者択一を迫られる風習が根強く残っており、最新の統計では、第1子出産前後に女性が就業を継続する割合は53.1%と半数程度に留まっています。[注2]

そこで国では、 仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の実現を後押しする ため、育児休業制度を含む育児・介護休業法を1991年に制定・施行しました。[注3]

同制度を利用すると、子が1歳になるまで育児休業を取得することができます。

なお、保育所に入れないなど所定の理由がある場合は、最長2歳まで休業期間を延長することが可能です。

[注1]厚生労働省「育児休業制度
[注2]内閣府 男女共同参画局「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2018(概要)社会で支える継続就業?「働きやすさ」も「働きがい」も? 内閣府男女共同参画局仕事と生活の調和推進室
[注3]e-GOV法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

育児休業中は、一定の要件を満たすことで育児休業給付金が支給される

育児休業期間中は、一定の要件を満たすことにより、育児休業給付金を受け取ることができます。

育児休業給付金の支給額は、休業開始~6ヵ月までは休業開始時の給与の67%(約3分の2)、6ヵ月経過後は給与の50%と決まっています。[注4]

また、育児休業中は社会保険料が労使ともに免除されるほか、給与所得がなければ雇用保険料も発生しません。

さらに育児休業給付金は課税の対象とならないため、所得税もかからないことを考えると、実質的には休業前の手取りの最大約80%が支給されることになります。

[注4]厚生労働省「Q&A〜育児休業給付〜

育児休暇との違い

育児休業と育児休暇は字面が似ているので混同されがちですが、前者が法律に基づいて制定されている制度であるのに対し、後者は企業が独自に定めているものです。

育児休業は法のもと、さまざまな権利が保護されていたり、給付制度が適用されたりしますが、育児休暇は法の適用範囲外ですので、権利の保護や給付制度などは設けられていません。

そもそも、育児休暇の制定は企業側の任意ですので、職場によっては育児休暇制度が設けられていないところもあります。

ただし、育児休暇の中には育児休業制度と併用できるものもありますので、一度就業規則をよく確認してみましょう。

育児休業を取得できるのはどんな人?

育児休業を取得するには、以下3つの条件をすべて満たしている必要があります。[注5]

①1歳に満たない子を養育する男女労働者(日雇いは除く)であること
②同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
③子が1歳6ヵ月に達する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

ここでいう「子」とは法律上の親子関係がある子どもを意味しているため、実子だけでなく、養子も対象となります。

所定の要件を満たしている方は、事業主に対して申し出を行うことで育児休業を取得することができます。

一般的には、 育休開始予定日の1ヵ月前までに書面で「育児休業申出書」を提出します。

ただし、申し出は就業規則に基づき、一定の期間に一定の方法によって行う必要がありますので、育児休業を取得する予定がある方は、あらかじめ就業規則を確認しておきましょう。

職場によっては子の出生等を証明する書類の提示を求めるところもありますので、申出書をもらうときに必要な書類を確認しておくことをおすすめします。

[注5]厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし

パパママ・育休プラス、パパ休暇

現行の育児休業制度には、夫婦が協力して育児できるよう、「パパ・ママ育休プラス」や「パパ休暇」などの特例が設けられています。

パパ・ママ育休プラスとは、夫婦で育児休業を取得する場合、原則として子が1歳になるまで取得できる育児休業期間を、子が1歳2ヵ月に達するまで延長できる制度のことです。[注6]

2ヵ月分はパパあるいはママのプラス分とする、という概念の制度で、延長した期間も育児給付金を受け取ることができます。

一方のパパ休暇は、ママの出産後8週間以内にパパが育児休業を取得した場合、再度パパが育児休業を取得できる制度です。[注7]

特別な事情の有無は問われないので、パパもしっかり育児に参加し、ママの育児・職場復帰をサポートすることができます。

いずれも育児休業同様、職場への申し出が必要ですので、必要に応じて忘れずに取得するようにしましょう。

[注6]厚生労働省「育児休業の期間2-両親ともに育児休業をする場合(パパ・ママ育休プラス)の特例-
[注7]厚生労働省「両親で育児休業を取得しましょう!

育児休業給付金を受け取れるのはどんな人?

育児休業期間中は育児休業給付金が支給されると説明しましたが、実はすべての人が受け取れるわけではありません。

育児休業給付金を受給するには、1歳に満たない子を持つ親で、

①育児休業を開始した日より前の2年間で、1ヵ月に11日以上就業した月が12ヵ月以上あること
②同一事業主のもとで1年以上雇用が継続していること

という2つの要件を満たす必要があります。[注8]

なお、①の条件は正社員であれば、要件を満たすケースが多いですが、就職あるいは転職直後に妊娠が発覚した場合は②の要件を満たすことができず、育児休業給付金の支給は受けられないので注意が必要です。

パートや契約社員などで働いている方は、自身が受給要件を満たしているかどうか確認したうえで申請を行う必要があります。

また、企業が独自に設けた制度により、育児休業期間中の1ヵ月ごとに、休業開始前の1ヵ月の給与の80%以上が支払われている場合は、育児休業給付金を受給できません。

また、育児休業期間中、1ヵ月につき10日以上働いている事実がある人も、給付金の支給対象外となるので注意が必要です。

なお、給付金の申請に必要な書類は、一般的に企業側が作成・提出するため、受給者本人が行うことは特にありません。

給付金について、詳しくは「育児中に受け取れる手当のすべて」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

[注8] 厚生労働省「育児休業給付の内容及び支給申請手続について

育児休業を夫婦で取得したらどうなる?

育児休業制度は1歳未満の子を持つ男女に適用される制度ですので、共働きの場合、夫婦ともに育児休業を取得することが可能です。

夫婦で育児休業を取得する方法にはいくつかのパターンがありますので、 夫婦で話し合い、自分たちにとって最適な形での育休取得を目指しましょう。

ここでは夫婦で産休・育休を合わせて取得する際の代表的なパターンを4つご紹介します。

1.パパ・ママ交替で育休を取得

ママが産休を取得している8週間のうちに、パパも一度目の育休を取得し、ママの育休が明ける1年後に「パパ休暇」を使って育休を取得するパターンです。

パパが二度目の育休を取る頃には子どもも1歳になっており、0歳の頃よりは授乳の負担が減っている場合も多いことでしょう。
昼間にママがいなくてもお世話がしやすくなったタイミングでパパに子どもを任せることで、ママが安心して職場復帰できるなど大きなメリットがあります。

2.パパ・ママが一緒に長い期間育休を取得

パパとママができるだけ長い期間、一緒に育休を取得するパターンです。

育児休業はパパ・ママが同時に取得することもできるため、同じタイミングで休業を開始すれば、両方が育児に携われる時間が増えます。

夫婦がともに育休を取得する場合はパパ・ママ育休プラスを利用できるため、例えばパパが2ヵ月分多く育休を取得すれば、ママの職場復帰を助けることができます。

3.祖父母などに子どもを見てもらい、交替で育休を取得

パパ・ママが交代して育休を取得する場合、必ずしも休業期間が連続している必要はありません。

例えば最初にママが育休を取得し、育休明けからしばらくは祖父母に子どもを見てもらった後、パパが育休を取得するという方法もあります。

4.こんなパターンには要注意!

パパ・ママ育休プラスを利用するには、制度を利用する本人が、配偶者の育児休業開始日より後に育児休業を取得する必要があります。

例えばママが最初に育児休業を取得した後からパパが育児休業を取得した場合、パパ・ママ育休プラスを利用できるのはパパのみです。

パパ・ママ育休プラスを利用する場合は、どちらが休業を延長するのか、申請の前によく話し合って決めておきましょう。

まとめ

日本には、1歳未満の子を持つパパ・ママが育児休業を取得できる制度が設けられています。

育休中は休業取得前の給与の67%(約3分の2)、6ヵ月以降は50%に相当する育児給付金が支給されるため、パパ・ママともに安心して育児に携わることが可能です。

パパ・ママ育休プラスや、パパ休暇などの制度を併用すれば、さまざまなパターンで育休を取得できますので、自分たちのニーズに合わせて最適なスタイルの育休を取りましょう。

記事提供元:株式会社ぱむ