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出産や育児で仕事を休む間、育休手当(育児休業給付金)が支給されます。収入が減る休業中の生活を支える制度で、要件を満たせば給与の一定割合が支給されます。
ただし、支給額や期間、申請の流れは、意外と知られていないことも多いものです。あらかじめ知っておくことで休業中の収入をイメージしやすくなり、より安心して育児に向き合えるでしょう。この記事では、育休手当の基本から制度改正の内容も含めて、わかりやすく解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
育休手当(育児休業給付金)とは

育児休業給付金、いわゆる「育休手当」とは、育児休業中の収入を支えるために、雇用保険から支給される給付金です。[参考1]
ここでは、育休手当と関係の深い育児休業制度の目的や取得条件、期間や金額について解説します。
参考1:厚生労働省「育児休業給付について」
1. 育児休業制度の目的
育児休業制度は、子どもを育てながら、安心して仕事を続けられるよう支える仕組みです。原則子どもが1歳になるまで、育児休業を取得できます。
この制度は、仕事と子育ての両立を支えるだけでなく、働き方やキャリアの選択肢を広げる基盤としても重要です。
育児休業制度の主な目的は、次のとおりです。
- キャリア継続と職場復帰を支援すること
出産や育児によって仕事が途切れないよう、安心して休業できる期間を確保します。その間の収入を補うのが「育児休業給付金(育休手当)」であり、生活面の不安を抑えながら職場復帰を後押しします。
厚生労働省の調査によると、第1子出産後も約7割の女性が就業を継続しており、派遣社員やパート社員でも育児休業を取得する人が増えています。[参考2] - 夫婦で子育てに関わる環境を整えること
育児は母親だけで担うものではありません。近年は父親の育休取得も広がり、2022年10月からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」も始まりました。夫婦で協力しながら子育てに関わることで、子どもの成長にも良い影響が期待できます。[参考3] - だれもが仕事と子育てを両立できる社会を実現すること
育児によってキャリアに影響が出やすいのは女性という状況が続いてきました。男女ともに育休を取得しやすい環境が整うことで、性別に関係なく働き続けられる社会につながります。
参考2:厚生労働省「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会(第8回)資料3」P1
参考3:厚生労働省「産後パパ育休」
2. 育児休業給付金(育休手当)を受け取れる条件
育児休業給付金は「育休を取っている人すべて」が対象になるわけではありません。一定の条件を満たしている場合に支給されます。
支給条件は、次の3つです。これらはすべて満たしている必要があります。[参考4]
- 雇用保険に加入しており、原則1歳未満の子どもを育てるために育児休業を取得している
- 育児休業を開始する前の2年間に、11日以上働いた月(または80時間以上働いた月)が12ヵ月以上ある
- 育児休業中は、1ヵ月ごとに見て、勤務日数が10日以内、または労働時間が80時間以内におさまっている
なお、過去に育休を取得していたり、病気などで長く働けなかった期間があったりする場合は、上記2つ目の条件が緩和されることもあります。具体的には、上記2.の育児休業開始する前の期間(受給資要件を確認できる期間)が、2年間から最大で育休開始前4年まで延長できる特例があります。[参考4]
また、契約社員などの有期雇用で働いている方は、上記に加えて以下の条件も必要です。[参考5]
- 子どもが1歳6ヵ月になるまでの間に、契約終了が決まっていない
つまり、有期雇用の方は合計4つの条件をすべて満たす必要があります。
参考4:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」P10
参考5:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q52
3.育休手当(育児休業給付金)を受け取れる期間と延長できる条件
育休手当を受け取れるのは、原則として子どもが1歳になる誕生日の前々日までです。もし1歳になる前に職場復帰した場合は、復帰日の前日で支給は終了します。[参考6]
ただし、やむを得ない事情がある場合は受給期間の延長が可能です。以下の条件を満たす場合は、1歳6ヵ月まで延長されます。[参考7]
- 保育所に入れない
認可保育所などに入所の申し込みをしているものの、1歳の誕生日以降も入れない場合 - 配偶者が育児できなくなった
1歳の誕生日以降、主に育児をする予定だった配偶者が、病気やけが、離婚、あるいは次の子の妊娠・出産などの理由で、育児が困難になった場合 - 他の休業が終了した場合
「他の休業(別の子(B)の産休・育休や家族の介護など)」によりいったん子(A)の育休が終了したあと、「他の休業」が終了し、再び子(A)の育休を取得する必要が生じた場合(※子(A)が1歳を迎えたあとも、本来は「他の休業」が続く予定だったことが前提)
さらに、以下の条件を満たすときは育休手当の期間を2歳まで延長することが可能です。[参考8]
- 保育所に入れない
認可保育所などに入所の申し込みをしているものの、1歳6ヵ月以降も入所できない場合 - 配偶者が育児できなくなった
1歳6ヵ月以降、主に育児をする予定だった配偶者が、病気やけが、離婚、あるいは次の子の妊娠・出産などの理由で、育児が困難になった場合 - 他の休業が終了した場合
「他の休業(別の子(B)の産休・育休や家族の介護など)」によりいったん子(A)の育休が終了したあと、「他の休業」が終了し、再び子(A)の育休を取得する必要が生じた場合(※子(A)が1歳6ヵ月を迎えたあとも、本来は「他の休業」が続く予定だったことが前提)
なお、2025年4月からは「保育所に入れない」ことを理由とした延長手続きが見直され、ハローワークでの確認が強化されています。制度の適正な運用の観点から見直しが行われているのです。実際に入所する意思があるかどうかや、希望条件の妥当性なども確認されるケースがあります。[参考9]
また、企業独自の延長制度があることもあります。担当部署に確認してみてください。(育休自体の延長はできますが、雇用保険の育児休業給付金申請の延長は上記の2歳までです。)
参考6:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q14
参考7:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q15
参考8:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q16
参考9:厚生労働省「2025年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります」
4. 育児休業給付金(育休手当)を受け取れる金額の目安
育児休業給付金の支給額は、休業期間によって2段階に分かれています。育休開始から6ヵ月間は、その後の期間よりも手厚い給付を受けられる仕組みです。[参考10]
具体的な支給割合は、次のとおりです。
| 育児休業期間 | 育児休業給付金額 |
| 休業開始〜6ヵ月 | 休業開始時の給与の67% |
| 6ヵ月以降 | 休業開始時の給与の50% |
ご自身の給与でどのくらい受け取れるのか、シミュレーションしてみましょう。ここでは、育休前の月給が30万円の場合を見ていきます。
【休業開始から6ヵ月まで】
休業前の給与(月額)に67%をかけて計算します。
計算式:30万円 × 67% = 20万1,000円
1ヵ月あたりの支給額の目安は、20万1,000円です。
【7ヵ月目以降】
休業前の給与(月額)に50%をかけて計算します。
計算式:30万円 × 50% = 15万円
1ヵ月あたりの支給額の目安は、15万円です。
このように、ご自身の給与に当てはめて計算すれば、受け取れる金額の目安を具体的に把握できます。
参考10:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」P16
5. 入金時期はいつ?
育休手当は、雇用保険から支給される給付です。勤務先を通じてハローワークへ申請し、審査を経て支給が決定されます。
入金は、支給決定後おおむね1週間前後が目安で、申請時に指定した金融機関の口座へ振り込まれます。
初回の給付が完了したあとは、事業主(会社)側が原則として2ヵ月に1度の頻度で手続きをおこない、2ヵ月分がまとめて振り込まれる流れです。育休開始から最初の入金まではやや時間がかかりますが、その後は一定の間隔で受け取れます。[参考11]
参考11:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」P1、P6、P7、P25
育児休暇や出産手当金との違い

育休手当と似た言葉に「育児休暇」や「出産手当金」があります。ここでは、それぞれの違いをわかりやすく解説します。
1. 育児休業と育児休暇との違い
育児休業と育児休暇は、名前が似ているため混同しやすいものの、内容はまったく異なります。ポイントは、法律に基づく制度かどうかです。
育児休業は「育児・介護休業法」に基づいて設けられています。条件を満たせば取得でき、休業中は雇用保険から給付金が支給されます。仕事を休む権利が法律で守られている点が大きな特徴です。
一方、育児休暇は企業が福利厚生の一環として独自に設けている制度です。法律上、設置が義務付けられているものではないため、制度の有無や内容は会社によって異なります。給付金はなく、有給か無給かも企業ごとの取り扱いに委ねられています。
両者の違いを表にまとめると、次のとおりです。[参考12]
| 項目 | 育児休業(法制度) | 育児休暇(社内制度) |
| 主な目的 | 子どもの養育のために休む制度。長期も短期も休める。 | 子どもの養育のために休むのは変わらないが、法制度にプラスされるもののため、短期利用であることが多い。 |
| 対象期間 | 子が原則1歳になるまで(延長あり) | 会社の規定による |
| 対象者 | 原則、全労働者 | 該当企業の従業員 |
| 支給元 | 雇用保険(育児休業給付金) | 休暇制度のため基本、給付金はなし(有給の場合は企業から支給) |
| もらえる額の目安 | 休業開始時賃金の50~67%(支給には条件あり) | 休暇制度のため基本、給付金はなし(有給の場合は企業により金額は異なる) |
| 所得税・社会保険料 | 給付金 ・所得税は非課税 ・社会保険料は原則免除 ※1 | 給与 ・支給の有無に応じて通常どおり発生する※2 |
※1.勤務先から給与が支給される場合は、雇用保険が発生する
※2.有給、無給いずれの場合でも、健康保険料・厚生年金保険料は発生する(無給の場合、所得税・雇用保険料は発生しない)
このように、育児休暇は企業ごとに内容が異なります。制度自体がない場合もあれば、子どもの看護や学校行事への参加を目的として設けられている場合もあります。
育児休業とは別に利用できることもあるため、勤務先の就業規則をよく確認しておきましょう。
参考12:厚生労働省 岡山労働局「育児休業と育児目的休暇の違いについて」
厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」P1、P16
2. 育児休業給付金(育休手当)と出産手当金との違い
出産や育児で仕事を休む期間の収入を支える制度として、出産手当金と育休手当金があります。どちらも大切な制度なので、それぞれの役割を表で正しく理解しておきましょう。[参考13]
| 項目 | 育児休業給付金 (育休手当) | 出産手当金 |
| 主な目的 | 育児休業中の収入を支える | 出産前後の休業中の収入を支える |
| 対象期間 | 子どもが原則1歳になるまで(延長あり) | 産前42日~産後56日 ※多胎妊娠の場合は、産前98日 |
| 対象者 | 雇用保険の被保険者(会社員など) | 健康保険の被保険者(会社員など) |
| 支給元 | 雇用保険 | 健康保険(協会けんぽ・健保組合など) |
| もらえる額の目安 | 最初の6ヵ月は賃金の 約67%、それ以降は約50% | 1日につき標準報酬日額の 約3分の2 |
※産前産後休業中・育児休業中の社会保険料の免除は会社の申請が必要です(健康保険・厚生年金保険が対象)。
このように、出産手当金は出産する母親の体を守るための制度で、対象は出産する本人に限られます。一方、育休手当は子育て期間を支えるための制度で、男女両方が対象です。
流れとしては、出産手当金の対象となる産後休業が終わったあと、そのまま育休手当に移ります。2つの制度は、途切れることなく収入を補う仕組みになっています。
参考13:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」P1、P16
厚生労働省「出産手当金|母性健康管理に関する用語辞典|働く女性の心とからだの応援サイト」
デジタル庁「e-Gov法令検索」第62条
育休をとる前に知っておきたい!子育て世帯を支援する制度
子育て世帯を支援するため、パパ・ママ育休プラスや産後パパ育休(出生時育児休業)といった制度もあります。
また、2025年には「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」が新設されました。
この章では育休や育児休業給付金のほかに、子育て支援となる制度を紹介します。
1. 夫婦で取ると延長できる「パパ・ママ育休プラス」
パパ・ママ育休プラスは、夫婦がともに育児休業を取得することで、休業期間を延長できる制度です。
通常、育休は子どもが1歳になるまでですが、この制度を利用すると1歳2ヵ月まで延ばせます。ただし、延長できるのは夫婦のうち、後から育休を取得した方です。
例えば、母親が産後から育休を取り、その後に父親が取得する場合は、父親の育休終了日を子どもが1歳2ヵ月になる日の前日まで延ばせます。[参考14]
参考14:厚生労働省「パパ・ママ育休プラス」
2. 出生直後に取れる「産後パパ育休(出生時育児休業)」
産後パパ育休(出生時育児休業)は、父親が子どもの出生直後に取得できる育休制度です。
子どもが生まれてから8週間以内に、最大4週間(28日間)まで休めます。この期間は通常の育児休業とは別枠のため、その後にあらためて育休を取得することも可能です。
また、4週間の休みは2回に分けて取得することもできるため、状況に合わせて柔軟な働き方ができます。[参考15]
参考15:厚生労働省「産後パパ育休」
3. 2025年に新設された「出生後休業支援給付金」
2025年4月から、育休中の収入を手厚くする「出生後休業支援給付金」が始まりました。
この制度は、夫婦そろって育休を取得した場合に、通常の給付金(出生時育児休業給付金もしくは育児休業給付金)に上乗せして支給されるものです。これにより、休業開始から最大28日間、手取り収入が実質10割相当まで引き上げられます。
具体的には、通常の給付率67%に13%が上乗せされ、合計80%が支給される仕組みです。さらに、育休中は給与の約20%相当の社会保険料負担も免除されるため、給付金80%と合わせると、手取りは休業前の実質10割相当になります。
支給を受けるには、原則として男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内に、それぞれ14日以上の育休を取得する必要があります(一部例外あり)。[参考16]
ご自身が対象になるかは、厚生労働省の「出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツール」で確認できます。
参考16:厚生労働省「2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設しました」
復帰後の収入減を補う「育児時短就業給付金」
育児時短就業給付金は、子育てにともない時短勤務で働く人を支えるために、2025年4月から始まった制度です。子どもが2歳になるまでの間に時短勤務を選んだ際に、減った収入の一部を補います。
この制度は時短勤務を取り入れやすくし、仕事と育児の両立をより柔軟にサポートするものです。
具体的には、時短勤務中に支払われる賃金の10%が支給されます。例えば、育児休業から復帰して時短勤務を始める方はもちろん、育児休業を取得せずに時短勤務をする方も対象です。[参考17]
この制度の利用により、収入の減少を補いながら無理のない働き方につなげられます。
参考17:厚生労働省「2025年4月から「育児時短就業給付金」を創設しました」
厚生労働省「Q&A〜育児休業給付〜」Q70
育休手当の申請方法
育休手当を受け取るには、会社を通じた申請手続きが必要です。必要書類の提出を求められるため、事前に流れを確認しておきましょう。
一般的な申請の流れ
- 育児休業の取得を会社に申し出る
- 会社からの案内に沿って、必要書類を準備する
- 会社がハローワークへ申請する
- 支給決定後、指定口座へ給付金が振り込まれる
初回申請時に必要な書類[参考18]
提出書類は、以下の2種類が必要です。
【提出書類】
| 書類名 | 補足 |
| 育児休業給付受給資格確認票・ (初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書 | 受給資格確認票と初回の支給申請書が一体になった書類 |
| 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 | 育休前の賃金を確認する書類 |
さらに、以下の添付書類を準備します。
【添付書類】
| 書類名 | 補足 |
| 賃金台帳・出勤簿・タイムカードなど | 勤務状況や賃金の額などを証明できる書類 |
| 母子健康手帳など | 出産日や育児の事実を確認することができる書類 |
| 出生後休業支援給付金の要件確認書類 | 該当する場合のみ必要 |
申請期限
- 初回申請:育児休業を開始した日から4ヵ月を経過する日の属する月の末日
- 2回目以降:原則2ヵ月ごとに申請
申請が遅れると給付金を受け取れなくなる可能性があるため、早めに準備にとりかかりましょう。
参考18:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」P18、P19
育児休業を夫婦で取得したらどうなる?
育児休業制度は1歳未満の子を持つ男女に適用される制度ですので、共働きの場合、夫婦ともに育児休業を取得することが可能です。
夫婦で育児休業を取得する方法にはいくつかのパターンがありますので、 夫婦で話し合い、自分たちにとって最適な形での育休取得を目指しましょう。
1. パパ・ママ交替で育休を取得
ママが産休を取得している8週間のうちに、パパも一度目の育休を取得し、ママの育休が明けるタイミングで「パパ・ママ育休プラス」を使って育休を取得するパターンです。
パパが二度目の育休を取る頃には子どもも1歳になっており、0歳の頃よりは授乳の負担が減っている場合も多いことでしょう。
昼間にママがいなくてもお世話がしやすくなったタイミングでパパに子どもを任せることで、ママが安心して職場復帰できるなど大きなメリットがあります。
2. パパ・ママが一緒に長い期間育休を取得
パパとママができるだけ長い期間、一緒に育休を取得するパターンです。育児休業はパパ・ママが同時に取得することもできるため、同じタイミングで休業を開始すれば、両方が育児に携われる時間が増えます。
夫婦がともに育休を取得する場合はパパ・ママ育休プラスを利用できるため、例えばパパが2ヵ月分多く育休を取得すれば、ママの職場復帰を助けることができます。
3. 祖父母などに子どもを見てもらい、交替で育休を取得
パパ・ママが交代して育休を取得する場合、必ずしも休業期間が連続している必要はありません。
例えば最初にママが育休を取得し、育休明けからしばらくは祖父母に子どもを見てもらった後、パパが育休を取得するという方法もあります。
4. こんなパターンには要注意!
パパ・ママ育休プラスを利用するには、制度を利用する本人が、配偶者の育児休業開始日より後に育児休業を取得する必要があります。
例えば、ママが最初に育児休業を取得した後からパパが育児休業を取得した場合、パパ・ママ育休プラスを利用できるのはパパのみです。
パパ・ママ育休プラスを利用する場合は、どちらが休業を延長するのか、申請の前によく話し合って決めておきましょう。
育休手当の疑問
最後に、育休手当についてよくある質問への回答をまとめてみました。
1. 退職した場合の育休手当はどうなる?
育休の途中で退職した場合でも、退職日までは育休手当を受け取れます。[参考19]
例えば、4月1日から育休を開始し、6月10日に退職した場合、6月10日までが支給対象です。以前は退職日が属する月(支給単位期間)がまるごと不支給となっていましたが、2025年4月1日以降は制度が変わり、退職日当日まで支給対象となりました。
ただし、育休手当は職場復帰を前提とした制度です。そのため、育休を取得する時点ですでに退職が決まっている場合は、支給対象外となるので注意しましょう。
参考19:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q50
2. 育休中でも働くことはできる?
臨時・一時的であれば、育休中でも働くことができます。
ただし、働く時間には上限があります。「支給単位期間」と呼ばれる1ヵ月ごとの期間で、就業日数が10日以下である必要があります。もし10日を超える場合は、就業時間が80時間以下でなければなりません。
例えば、会社の仕事はしていなくても、在宅ワークで80時間を超えて働くと、その期間の育休手当が支給されなかったり、減額されたりする場合があります。[参考20]
参考20:厚生労働省「育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について」
3. 育休手当の税金や雇用保険はどうなる?
育休手当は課税対象ではないため、所得税は引かれずに支給されます。ただし、住民税は前年の所得をもとに計算されるため、育休中でも納付が必要になります。
また、雇用保険料は就業していない場合は納付対象となりません。ただし、事業主から給与が支払われた場合は雇用保険料の納付が必要です。
健康保険や厚生年金などの社会保険料については、育休中は負担が免除されるため、保険料を支払う必要はありません。社会保険料の免除申請は事業主が行うため、被保険者自身の手続きは不要です。[参考21]
参考21:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q56、Q57、Q100
国税庁「税の学習コーナー」
参考8:厚生労働省「 Q&A〜育児休業給付〜 」
まとめ
育休手当は、育児休業中の家計を支え、安心して子育てに向き合うための心強い制度です。この記事で解説した支給条件や金額、申請方法を参考に、ご自身の状況に合わせた資金計画を立ててみてください。「パパ・ママ育休プラス」などの制度を夫婦で活用することも、柔軟な働き方につながるでしょう。
育休手当によって休業中の収入の見通しが立つと、次に気になるのが、子どもの将来にかかる教育費ではないでしょうか。万一の事態も想定し、早めに準備を始めることでより大きな安心感が得られます。
育休中はお子さまの教育費について考えてみませんか。フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」は、返戻率が高く、貯蓄と保障を両立しながら、効率的に教育資金を準備できます。契約者である保護者に万一のことがあった場合には、祝金・満期保険金は保険料が払い込まれたものとして受け取ることができます。教育費を準備する方法の一つとして、ぜひ検討してみてください。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ
~47Life編集部より~
育児休業制度、それにともなう給付金は、仕事と育児の両立をしやすくする仕組みです。育休は子育てに専念する期間ですが、これから夫婦でどう協力して育児や家事を回していくかを考える時間でもあります。
男女ともに育休を取得しやすい状況が整いつつある今、それぞれの働き方や家庭の事情に合わせて、無理のないワークライフバランスを考えてみてはいかがでしょうか。



