0歳児から保育園に預けるのはあり?メリットや入園までの流れ、みるべきポイントを解説

0歳児から保育園に預けるのはあり?メリットや入園までの流れ、みるべきポイントを解説

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保護者の共働きや病気など、家庭で保育できない事情がある場合には、0歳児から保育園に預けることが可能です。

この記事では、0歳児から保育園に預けるメリットや注意したいポイント、入園までの流れを解説します。保育園を選ぶポイントや入園前に準備しておきたいこともあわせて確認しておきましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。 

保育園が利用できる年齢

保育園(認定こども園を含む)を利用できる年齢は、0歳(生後57日/生後2ヵ月)から小学校入学前の5歳児までです。

保育園は、親が共働き、病気・障害、親族の介護が必要など、保育を必要とする事由に該当する場合(2号認定、3号認定)にのみ利用できます。

保育を必要とする事由に該当しない0歳から2歳までの子どもは、一時預かりなどの支援制度しか利用できません。なお、保育を必要とする事由に該当しない3歳から5歳までの子どもは、幼稚園または認定こども園(昼過ぎ頃まで(教育時間内))を利用できます。[参考1]

入園できる年齢(月齢)には園ごとの決まりもあるため、利用したい園の入園可能年齢(月齢)をホームページなどで確認しておきましょう。

参考1:内閣府・文部科学省・厚生労働省「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK(平成28年4月改訂版)

0歳児から保育園に通うメリット

0歳児から保育園に通うメリットとしては、次のようなものがあります

1.多くの人と関わることができる

保育園は乳幼児が家族以外の人と関われる貴重な場です。先生や友達との関わりを通じて人間関係が築かれ、社会性が培われていきます。共に遊び、協力の大切さや自己表現の方法を学ぶことができます。

2.生活リズムを整えることができる

決まったスケジュールの中で生活することで、子どもの成長の基本となる生活リズムが整いやすくなります。
生活リズムは成長にともなって身についていくもので、生まれたばかりの赤ちゃんには備わっていません。昼夜問わず眠ることが多い赤ちゃんですが、保育園の集団の中で規則正しい生活を送ることにより、だんだんと生活リズムが整いやすくなるでしょう。

3.発達に合わせた環境が整っている

保育園では、保育のプロである保育士が子どもの発達に合った環境を整え、保育をおこないます。プロの保育を受けることで、子どもの成長や発達が促進される効果が期待できます。また、保育士は子どもの個性や特性を理解し、一人ひとりに合った関わり方をしてくれるので、子どもは安心して園生活を送ることができます。

4.保育のプロに相談ができる

子育てに迷ったり悩んだりしたとき、すぐに保育のプロである保育士に相談できる点もメリットです。普段から子どもに接している保育士であれば、専門的かつ具体的なアドバイスが期待できます。また保育のプロへ相談することで親自身の子育てスキルの向上にもつながり、より安心して子育てに取り組むことができます。

5.仕事に復帰できる

0歳児から保育園に預けられることでキャリアに影響の少ない短いブランクで、スムーズに仕事復帰できる点は大きなメリットといえるでしょう。自ら望んで早期復帰する方もいる一方、育休がとれない(短い)、職場から早期復帰を求められた、金銭面が厳しいなど、仕事復帰せざるを得ない方もいます。早期に仕事に復帰でき、収入への影響を抑えられる点もメリットとなるでしょう。

6.0歳児でないと保育園に入れない地域も

0歳児クラスは1・2歳児クラスよりも待機児童数が少なく、0歳からであれば比較的保育園に入りやすい可能性がある点もメリットです。

こども家庭庁の待機児童調査によると、2024(令和6)年4月1日時点の待機児童数は、0歳児が161人に対し、1・2歳児は2,178人となっています。[参考2]

0歳児クラスは、定員自体は少ないものの、下の年齢からの持ち上がりがないため入りやすい傾向があります。一方1・2歳児クラスは、下の年齢からの持ち上がりに加え、産休・育休明けから子どもを預けようとする方が多く、待機児童が発生しやすいのが現状です。

参考2:こども家庭庁「待機児童調査」p.23 待機児童等の状況(年齢別)

0歳児から保育園に通う際の注意点

0歳児から保育園に通わせることでさまざまなメリットが期待できます。しかし、次のような点に注意が必要です。

1.病気や感染症のリスクがある

多くの子どもと集団で生活することで、病気や感染症にかかるリスクが高くなります。子どもが病気で苦しむ姿を見るのは親としてつらいものです。看病のために仕事を休まなければならない日も出てくるかもしれません。また子どもが病気や感染症にかかれば、病児保育の利用や仕事の調整など、保護者の負担も大きくなることを念頭に置いておきましょう。

2.仕事と育児の両立が難しい場合もある

子どもに何かあったときには、仕事の途中でもお迎えにいったり、仕事を休まざるを得なくなったりすることもあります。子どもと仕事はどちらも大切であり、両立に悩むこともあるでしょう。
また、子どもと過ごせる時間が減り、子どもに寂しい思いをさせてしまうかもしれません。限られた時間であっても、一緒に過ごせる時間を大切にし、スキンシップなどを通じて子どもが愛されていることを感じられるようすることが大切です。

0歳児から保育園に入園するまでの流れ

0歳児から保育園に入園するまでの流れは、次のとおりです。

  1. 入園を希望する保育園を決める
  2. 教育・保育支給認定、保育施設利用(入園申込)の申請
  3. 保育にあたることができない状況の調査
  4. 入園選考・利用調整
  5. 内定連絡
  6. 入園

1.入園を希望する保育園を決める

欠員状況や入所基準指数※などを確認し、入園を希望する保育園(保育施設)を決めます。施設に相談の上、事前に施設の見学や体験保育も可能です。

※保育することが困難な理由ごとに保育の必要性を点数化したもので、入園審査・利用調整に利用される。

2.教育・保育支給認定、保育施設利用(入園申込)の申請

教育・保育支給認定とは、子どもの状況から教育・保育の公的給付を受ける要件を満たしているかを市町村が確認し、認定する手続きです。教育・保育支給認定と保育施設利用(入園申込み)の申請は同時に手続きできます。

申請には各月ごとに決められている申込締切日までに、次のような書類の提出が必要です。

【入園申込みに必要な書類(認可保育園、東京都豊島区の場合)】[参考3]

  • 保育を必要とする状況を証明する書類(父母(事実婚含む)両方の書類が必要)
  • 教育・保育給付認定申請書兼認可保育施設等入所申込書
  • 家庭の状況
  • 申込みチェックシート・提出書類チェックシート
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 本人確認書類

住んでいる自治体や世帯の状況などにより、必要な書類が異なったり、追加で必要となる書類がある場合もあります。詳細は各市町村のホームページでご確認ください。

参考3:東京都豊島区「申込みから入園までの流れ」入園までの流れ

3.保育にあたることができない状況の調査

保育にあたることができない状況にあるのか、担当者が調査します。調査は電話や訪問によりおこなわれることもあります。

4.入園選考・利用調整

提出書類をもとに保育の必要性が確認され、子どもごとに教育・保育給付認定(保育の必要性の認定)がおこなわれます。

希望する施設に欠員(空き枠)がない場合は、空き枠が出るまで待たなければなりません。入園希望数が欠員数を上回る場合は、入所基準指数表に基づいて、指数(保育の必要性)の高い世帯から順に、入園が内定します。

5.内定連絡

入園が内定した方には、市町村の担当部署または保育園から電話・文書などで連絡が来ます。郵送で支給認定証も届くので受け取りましょう。

その後、入園が内定した園で集団保育が可能かどうかを判断するための、面接と健康診断を受けます。集団保育が可能であれば、市町村から入所承諾書と保育料決定通知が届き、翌月1日から通園できるようになります。

入園が内定しても、面接・健康診断で集団保育に適さないと判断されたときは、入園が承諾されない場合があります。また、利用申請から入園までに仕事を辞めたなど、保育の必要性に変更があった場合や、事実と違う内容で申請していた場合には、入園を取り消される場合もあるので注意しましょう。

欠員(空き枠)がないなどの理由で内定が出なかった(保留となった)場合には、郵送で「保留通知書」と「支給認定書」が届きます。利用申込書類には、申込日時点で申込可能な月から数えて6ヵ月間の有効期限があり、期限後は改めて入園申込が必要です。

6.入園

入園当初は、無理なく保育園になじめるよう、短時間の保育からスタートします。

なお、通園を続けるには入園後も保育が必要な状態が続いていなければなりません。家庭状況に変更などがあった場合は、必要書類の提出が必要です。

0歳児から保育園を検討する際にみるべきポイント

0歳から保育園を検討する際に考慮しておきたいのは、次のようなポイントです。

1.立地

保育園に通うようになると、毎日の送り迎えが必要になります。そのため、家から近い、通勤経路の途中にあるなど、保育園の立地は重要なポイントです。天気が悪いときや持ち物が多いときの負担も考えると、家から近い保育園のほうが良いでしょう。

2.保育時間

認可保育園の場合、保育時間は午前8時頃からおおむね8時間を基本として、1日最大11時間、短時間認定の方については最大8時間です。実際の利用時間は、就労時間や通勤時間などを考慮して認定された「保育の必要量の区分」の範囲内で、実際の勤務状況などを踏まえて決まります。必要量の認定を受けた最大時間を超えて子どもを預ける場合、延長保育料が発生します。0歳児の場合、時短勤務で仕事復帰する保護者が多いため、短時間認定のことが多いでしょう。また、8ヵ月に満たない子どもは発達の観点から、最大8時間程度と決められている園、自治体もあります。

開園時間や延長保育の利用時間などは園によって異なる場合があるため、利用を希望する園に確認しましょう。

認可外保育園は、園によって延長保育の対応もさまざまで、夜遅くまで預かってくれる園もあります。子どもをいつからいつまで預けられるのか、保育時間も重要なポイントです。勤務時間にあわせて預けられるか、延長保育の可否や料金はしっかり確認しておきましょう。

3.保育環境

長い時間を過ごすことになる保育園の環境も重要なポイントです。

施設見学では、温度や湿度が適切に保たれているか、換気がしっかりおこなわれているか、掃除が行き届いているか、静かに眠れる環境が整っているか、体を動かせる十分なスペースがあるかなどといった点を確認しておきましょう。

保育士の人数は適正か

保育士ひとりが担当できる子どもの数は、子どもの年齢に応じて次のように定められています。[参考4]

保育園の職員(保育士)配置基準

子どもの年齢保育士配置基準
満1歳未満(乳児)おおむね子ども3人につき1人以上
満1歳以上満3歳未満おおむね子ども6人につき1人以上
満3歳以上満4歳未満おおむね子ども15人につき1人以上
満4歳以上おおむねこども25人につき1人以上

認可保育園の場合は、上記が守られています。認可外保育園に預ける場合は、子どもを安心して預けるためにも、上記の基準かそれ以上の保育士が配置されている園を選びましょう。

参考4:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十三条

保育園の方針はどういったものなのか

個性を伸ばし自主性を育むことを重視する園、正しい行儀作法や生活習慣を身に付けるためのしつけを重視する園など、保育方針は保育園によってさまざまです。英語教育や音楽教育を取り入れる園、自然との触れ合いや運動遊びを積極的におこなう園などもあります。

ご自身が希望する形の保育をしてもらえそうか、園の方針や一日の過ごし方などを確認して選びましょう。

保育料はいくらになるか

認可外保育園を選ぶなら、保育料がいくらかかるかも保育園を選ぶ重要なポイントです。

認可保育園の場合、保育料は自治体ごとに異なり、子どもの年齢や家庭の収入などに応じて決まりますが、年収300万円で月額1~2万円程度、年収600万円で月額2~4万円程度、年収1,000万円で月額4~6万円が目安となります。
一方、認可外保育園の保育料は、施設の運営形態やサービス内容、地域、子どもの年齢などによって異なりますが、事業所内保育施設で月額2~3万円程度、ベビーホテルで月額5~6万程度、ベビーシッター事業者月額2~2.5万円程度、その他認可外保育施設で月額4~5万円程度が目安です。

保育料は保育園選びの重要なポイントですので、まず希望する保育園の金額を調べてみましょう。その上で、幼児教育・保育の無償化や各自治体の補助制度や助成金も確認して、家庭の予算に合った保育園を選ぶことが大切です。

具体的な保育料の計算方法や目安は、こども家庭庁やお住まいの市区町村、園のホームページ、「保育園の費用はどれくらい?認可と認可外の違いや無償化についても詳しく解説」をご覧ください。

0歳児から保育園に入園する前に準備するべきこと

0歳児から保育園に入園させる場合、出産からあまり時間に余裕がないため、計画的に準備を進めておくことが大切です。

必要なものを揃える

入園に必要なものとしては、次のようなものがあります。

  • 着替え
  • タオル
  • お昼寝用布団
  • 哺乳瓶
  • 粉ミルク
  • 食器・マグ・水筒
  • 歯ブラシ・コップ
  • 食事用エプロン
  • おむつ
  • おしり拭き
  • かばん・袋 など

実際に必要なものは入園時の月齢や園によっても違ってきます。家でも使えるもの以外は、園から案内をもらってから購入したほうが良いでしょう。

基本的にすべての持ち物に名前を記入しなければならないため、その準備もしておきましょう。油性マジックで記入しても構いませんが、量が多いため名前スタンプや名前シールなどを使ったほうが効率的です。

予防接種を受けておく

多くの子どもと集団生活をするようになると、さまざまな病気や感染症のリスクが高くなります。特に0歳児は感染症に対する免疫が未発達のため、重症化したり命にかかわったりするおそれもあります。すべての病気を防げるわけではありませんが、リスクを少しでも減らすため、生後2ヵ月になったらすぐに予防接種を受け始めるようにしましょう。仕事が始まるとバタバタしてしまうという点でも、受けられる予防接種はなるべく受けておくことをおすすめします。

粉ミルクや哺乳瓶に慣れさせておく

保育園に預けている間は授乳ができないため、粉ミルクや哺乳瓶に慣れさせておく必要があります。母乳育児をしている方も、母乳と粉ミルクを併用するなど、早いうちから哺乳瓶でミルクを飲む練習をしていきましょう。

対応は園によっても異なるので、希望する保育園が決まったら電話などで確認しておいても良いでしょう。

まとめ

0歳児から保育園を利用することで、親は早期に仕事復帰できるほか、希望する保育園に入園しやすくなる、保育のプロに頼れるといったメリットが期待できます。子どもにとっても、社会性が養われる、生活リズムが身につくなどのメリットがあります。

利用する保育園は、立地、保育環境、保育方針などを比較検討して、希望に近い園を選びましょう

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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

竹国弘城(たけくに ひろき)
独立系FP、RAPPORT Consulting Office代表。証券会社、生損保代理店での勤務を経て独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自分のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうためのサポートを行う。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®、証券外務員一種、宅地建物取引士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ