お年玉の相場はどれくらい?渡す際のマナーや注意点についても解説

お年玉の相場はどれくらい?渡す際のマナーや注意点についても解説

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お正月の風習の1つ「お年玉」。子どもにとっては毎年ワクワクする瞬間ではありますが、大人にとっては相場の金額や渡す際のマナーなどが気になるものです。

今回はそんなお年玉について、年齢別の相場、渡す際ともらった際のマナーや注意点などについて解説します。お年玉についてお悩みの方はぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

【年齢別】お年玉の相場はどれくらい?

お年玉の金額は、渡す相手となる子どもの年齢に比例して増やしていくことが多いです。では、株式会社インテージの調査結果を参考に、年齢別のお年玉相場をご紹介します。[参考1]

参考1:出典 株式会社インテージ「2024年お年玉調査(2023年12月27日公開記事)

1. 小学生未満

小学生未満のお年玉では、1,000円以下が44.9%とボリュームゾーンになっていて、次に1,001円~3,000円が31.2%と多くなっています。まだお金の価値がよくわかっていないであろう年齢のため、500円玉でワンコインなど、1,000円以下にするケースが多い傾向にあります。また、金額が大きい場合でも5,000円までが多いようです。

2. 小学生

小学1~3年生に渡すお年玉では、1,001円~3,000円が最も多い50.3%を占めています。次に多いのが3,001円~5,000円の21.0%です。小学校低学年はちょうど授業でお金の数え方を習う年齢ではありますが、まだ自分での管理は難しいことも多いため、相場は3,000円くらいとなるでしょう。

小学4~6年生に渡すお年玉では、1,001円~3,000円が40.9%、次に3,001円~5,000円が37.6%となっています。小学校高学年にもなると、お小遣いを自分で貯めて欲しいものを買うようになる子どもが増えてきて、お金の価値も分かり自己管理もできるようになります。相場でいえばおおよそ3,000円~5,000円ですが、小学校低学年よりも金額を上げるのが一般的です。

小学生のお年玉相場について詳しく知りたい方は、「【お正月といえばお年玉】47都道府県、小学生のお年玉はいくら?」もぜひ参考にしてください。

3. 中学生

中学生に渡すお年玉では、3,001円~5,000円が49.1%を占め、次いで5,001円~10,000円が29.0%となっています。中学生は、親といるよりも友達といる時間が長くなり始める年齢でもあり、交友関係にお年玉を使うことも多くなってくるでしょう。そこで、中学生へのお年玉の相場は少なくても5,000円、多くて1万円ほどだといえます。

4. 高校生

高校生へのお年玉では、5,001円~10,000円が48.8%を占め、次いで3,001円~5,000円が38.5%となっています。高校生の場合、趣味にお金をかけるようになるケースも増えてくるでしょう。また、中学生よりも金額を上げることを考えると、1万円超となるケースがあるのも頷けます。そこで、高校生へのお年玉相場としては、1万円程度だといえるでしょう。

5. 大学生・専門学生・短大生

大学生(専門生・短大生も含む)へのお年玉でも、高校生と同額の5,001円~10,000円が67.7%を占めています。次いで3,001円~5,000円が15.3%、10,001円~20,000円が8.9%と続きます。大学生は自立を始める時期です。学費以外の生活費の負担も増えてくること、年齢的に最後のお年玉となることを前提に、ある程度まとまった金額を渡すケースが多いのかもしれません。そのため、大学生では1万~2万円ほどが相場となるでしょう。

お年玉は何歳まで渡せばいい?

お年玉を渡す側として毎年頭を悩ませるのは「お年玉は何歳まで渡せば良いのか」という点ではないでしょうか。

お年玉をあげるのは何歳まで、という明確なルールはありませんが、一般的には「子どもが経済的に自立し始めるタイミングまで」を1つの目安とすることが多いです。例えば、就職するまで、成人式を迎えるまで、などをお年玉の節目とする傾向があります。また、大学生でアルバイトを始め、子どもがお金を自分である程度稼げるようになると、お年玉を渡すのを控える家庭もあるようです。

このように、家庭の事情や価値観、伝統などによって考え方はさまざまですが、ある程度事前に「何歳まで」という決まりを設けておけば、子どもも納得して自然な形でお年玉行事を終えることができるでしょう。

お年玉を渡す際のマナー

お年玉を渡す際には、いくつかマナーがあることをご存じでしょうか。もらった子どもにも伝わりますので、お年玉を渡す際の正しいマナーを押さえておきましょう

1. ポチ袋の選び方や書き方

お年玉を入れて渡すポチ袋は、年齢や性別に合わせて選びましょう。小さな子どもには好きなキャラクターや明るい色柄ものを、中高生以上には上品でシンプルなデザインのものがおすすめです。

ポチ袋には、表側右上に受け取る人の名前(〇〇様)を、裏側左下には送り主の名前をそれぞれ縦書きで書きましょう。封はしっかり留めなくても大丈夫ですが、ポチ袋に付属のシールなどで軽く留めるとお金が見えにくくなりますので、丁寧な印象になります。糊付けする場合は、お金を取り出しやすいよう、完全には接着させないのも1つのマナーだといえるでしょう。

2. お札の準備や入れ方

お年玉用のお札には、できるだけ新札を用意します。前もって銀行やATMで新札を入手しておくのがおすすめですが、間に合わなかった場合は折り目が目立たないきれいなお札を選びましょう。また、お年玉の金額は、4(死)や9(苦)などの忌み数を避け、1,000円、5,000円、1万円など区切りの良い金額にするのが一般的です。

お札をポチ袋に入れる際は、お札の向きを揃え、広げたときにお札の表が見えるように入れるのが基本。小さいポチ袋では、お札を左右から3分の1折りにするなどして、袋の形に合わせて軽く折る方法が主流です。お札の枚数が多い場合、小さなポチ袋に無理に入れると見た目がきれいでないうえ、お金も取り出しにくいため、配慮が欠けている印象を与えてしまいます。お札の枚数が多い場合は、お札を折らずに入れられるサイズのポチ袋を選びましょう。

お年玉に使うお札の折り方についてもっと詳しく知りたい方は「お年玉の正しい入れ方やお札の折り方は?お年玉の相場やマナーについて徹底解説」もぜひ参考にしてください。

3. 渡す時

お年玉を渡す際は、必ずポチ袋に入れるのが基本です。年末年始の多忙さからポチ袋を用意できなかった場合などは、きれいな紙やティッシュで丁寧に包んで渡しましょう。その際は、「急いで準備したため、申し訳ありません」など一言お詫びを添え、相手へ気遣いの気持ちを伝えることもお忘れなく。

相手が喪中の場合は、お年玉を渡すのは控えます。喪中の期間はご遺族にとって悲しみが続く厳粛な期間ですので、お年玉などの祝い事はふさわしくありません。代わりに「お体にお気をつけて」などの言葉をかけ、相手に対して敬意や心遣いを示すに留めましょう。

現金以外で渡す方法はあり?

お年玉は現金で手渡しするのが一般的ではありますが、現金以外で渡しても特に問題はありません。2023年11月の調査結果では、9割以上の方がお年玉を現金での手渡しで、それ以外の方は現金ではない方法で渡すことを予定しているようです。[参考2]

現金以外でお年玉を渡す方法としては、遠方からであれば振込や現金書留が多い傾向にあります。また、ギフト券やスマホのキャッシュレス決済、プリペイドカードなどがあります。子どもの読書習慣を促したい場合は図書カードを選ぶのも良いでしょう。小中学生であれば、コンビニエンスストアなどで幅広く使えるQUOカードでお年玉を渡すのもおすすめです。

現金以外でのお年玉は使い道が比較的限定されるため、無駄遣いを防げることもあり、お年玉を受け取る側の保護者にも安心感を与えるというメリットがあります。但し、渡す際は相手の年齢や好みをよく考えて方法を選択しましょう。

参考2:出典 株式会社インテージ「2024年お年玉調査(2023年12月27日公開記事)

お年玉を渡す際の注意点

こちらでは、お年玉を渡す際に注意したい3点についてご紹介します。

1. 目上の人には渡さない

お年玉は、日本の伝統的な習慣として、目上の人から目下の人へ渡すものとされています。そのため、例えば会社の上司のお子さんや自分の両親などへお年玉を渡すのは避けましょう。もし、どうしても何か贈り物をしたい場合は、「年末年始のご挨拶」としてお菓子などを手渡すなど、別の形で気持ちを伝えるのが望ましいです。特に、目上の方の子どもに渡す際は、事前に保護者に確認を取ること、また「お年玉」という表現は避けることが大切でしょう。年始からこうした配慮を持つことで、スムーズな人間関係の維持につながりますし、誤解も避けることができるでしょう。

2. 親が目の前にいるときに渡す

お年玉を渡す際は、親が必ずその場に同席している状況でおこなうことも重要なポイントです。例えば、親戚の集まりで子どもだけと話をしてお年玉を渡した場合、子どもが受け取ったことを忘れてしまったり、金額を間違えて親に伝えたりしてしまう可能性があります。また、子どもが大金を持つことでトラブルに発展することも考えられます。

できれば、子どもの親に「お年玉を渡してもよろしいでしょうか?」と一声かけてから行動するのが望ましいでしょう。親がその場にいれば、お年玉を頂いた際のマナーについても、親から子どもに伝えられる良い機会となります。

もし親など保護者が不在の場合には、その旨を電話やメールなどで親に伝えることも大切です。お互いが安心できる環境を整えることで、誤解のない年始の時間を過ごすことができるでしょう。

3. 家庭別の教育方針を聞いておく

子どもの教育方針は各家庭で異なり、お金に対する考え方もさまざまです。例えば、「子どもには必要以上の金額を持たせたくない」「お年玉は子ども専用の貯金に回している」「成績とお小遣いを連動させている」など、多様な方針があります。

そのためお年玉についても、金額や渡し方などは事前に保護者に確認しておくのがベストです。もし考えていた金額よりも少なめを提示された場合は、金額を控えめにするか、別の形で気持ちを伝えるのもおすすめです。こういった気遣いは、特にお金に関してはとても重要だといえるでしょう。

お年玉をもらったときのマナーや注意

ここからは、お年玉をもらった場合のマナーや注意点について解説します。受け取る側にもマナーはありますので、ぜひ知っておきましょう。

1. しっかりとお礼を伝える

お年玉を受け取ったら、まずは心を込めてしっかりとお礼を伝えましょう。お年玉を渡す側にとっては単なるお金ではなく、お正月を迎えるにあたっての気持ちや願いが込められている贈り物です。「お年玉をありがとうございます。大切に使わせていただきます」「今年もがんばります」などお礼に一言プラスして、軽くお辞儀もするとさらに良いでしょう。

お年玉を頂くという行為は、家族や親しい方との大切な交流の1つでもあります。相手への感謝だけでなく敬意を示すためにも、しっかりとしたお礼の挨拶は欠かせません。

2. その場で中身を確認しない

お年玉の中身をその場で確認するのは、相手への配慮に欠けた失礼な行為です。金額を確認したい気持ちはあっても、その場で袋を開けることは、お金にとても関心があるような印象を与えてしまいます。お年玉を受け取ったら、帰宅後に自分の部屋などプライベートな空間で開封しましょう。親にも金額を伝え、親からも相手へお礼を伝えましょう。

もし渡してくれた方に「開けてみて」と言われた場合でも、「申し訳ありません。帰ってからゆっくり確認させていただきますね」など丁寧にお断りするのがマナーです。

3. 金額に不満を言わない

お年玉の金額は、あくまでも贈る側の気持ちや経済状況、家族同士の話し合いなどによって決められるものです。もし予想より少なかったり、兄弟や友達と金額が違っていたりする場合でも、決して不満を口にすべきではありません。「去年より少ない」「〇〇ちゃんの方が多くてずるい」などの否定的な発言は、相手の好意を踏みにじることになります。

また、SNSなどでお年玉の金額を公開することも控えましょう。お年玉を受け取った際には前向きな態度を心掛け、お年玉をくれた背景にある思いやりの気持ちに感謝することが大切です。

お年玉はどう管理する?

以上のように、お年玉は親戚間で渡し合うのは一般的であり、渡す側、頂く側双方が正しいマナーを知っておく必要があります。さらに、お年玉ならではの特徴がもう1つあります。それは「金額については普段のお小遣いよりも大きくなることが多い」ということです。そのため、特に子どもが小さい場合はお年玉の管理方法についていろいろと迷う場面でもあります。

お年玉の管理方法については、子どもが小さいうちは親が管理し中高生になったら子どもが管理する、一部は子どもに渡すなど家庭によってさまざまなようです。子どものお年玉を親が管理している方では、子ども名義の円普通預金に入れておくという方法が一般的かもしれません。他に、円定期預金に入れる、将来の学費用に投資信託や株式、債券など投資で運用する、学資保険の保険料に充てるという方もいるようです。

但し親がお年玉を預かる場合は、本人の意志も確認しておくことも大切でしょう。子どもの成長と共に、子どもの手元に残すお年玉の金額を増やしたり、預けた先の残高などを見せたりするなど、一緒におこなっていくのがおすすめです。

まとめ

お年玉は日本の伝統的なお正月の風習であり、渡す際には年齢に応じた相場やマナーを考慮することが大切です。子どもの年齢に応じて金額を増やしていくのが一般的で、小学生未満では1,000円以下、小学生は1,001円~5,000円が多く、中学生では5,000円以上、高校生や大学生になると1万円以上が相場となっています。また、お年玉を渡すのは「子どもが経済的に自立するまで」が目安とされ、成人や就職を機に終わりにすることが多いようです。

お年玉を渡す際には新札を用意し、ポチ袋に入れて正しい書き方で渡すことがマナーであり、さらに親が同席している状況で渡すのが望ましいです。お年玉は現金以外に電子マネーやギフトカードで渡す方法もあります。また、渡す際の注意点としては、お年玉は目上の人には渡さず、相手の教育方針に沿うように意識しましょう。

一方、お年玉をもらった側はお礼をしっかり伝え、その場で中身を確認せず、金額に不満を言わないことがマナーです。管理方法については、子どもが小さい間は親が預金などでおこなう方法が一般的ですが、子どもの意志も確認しながらおこなうことが大切です。毎年子どもと話し合い、手元に残す金額を増やしながら、子どもの金銭感覚を養っていきましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

是枝花名子(これえだ かなこ)
FPライター。大学卒業後、大手生命保険会社にて法人営業を担当。住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金や老後資金作りを極めるため、改めてFP技能士を取得。専門知識と主婦目線を活かした記事執筆が好評を呼び、現在は主にメガバンク、大手不動産サイト等にて保険・不動産・翻訳ライターとして活動中。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ