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心身や環境が大きく変化する40代・50代には、「自分の人生はこれで良いのだろうか」「これからの人生をどう生きていけば良いのか」と悩み、焦りや不安を感じる方が増えてきます。これがいわゆる「ミッドライフクライシス(中年の危機)」です。しかし、人生100年時代と言われる現代において、40代・50代は単なる人生の折り返し地点ではなく、むしろ第2の人生のスタート地点です。ミッドライフクライシスを乗り越えることで、より充実した人生を送ることができるでしょう。
この記事では、ミッドライフクライシスがなぜ起こるのか、その原因と対処法について解説します。人生の転換期を迎えることの多いミッドライフクライシス。自分自身の人生をより豊かにするために、その乗り越え方をしっかりと押さえておきましょう!
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
ミッドライフクライシス(中年の危機)とは?
ミッドライフクライシス(中年の危機)とは、中年期に自分の人生やアイデンティティ(自我同一性)について惑いや不安、葛藤などが生じ、心が不安定な状態になることをいいます。
中年期とは、40歳から64歳までの25年間をいい、さまざまな面で変化の多い時期とされます。心身の衰えや、社会・家庭における役割の変化に直面し、自分の人生はこれで良いのだろうかと問い直す中で、不安や葛藤が生じやすい時期なのです。
アイデンティティは、一般に「自分は何者なのか」という葛藤を経て思春期(青年期)に確立されていきます。
心身や環境が大きく変化する中年期は、再び「自分は何者なのか」という葛藤や、「これまでのような生き方で良いのか」といった惑いが生じやすい時期。それを経てアイデンティティが変化し、再び確立されていくことから、中年期は第二の思春期とも呼ばれています。
ミッドライフクライシスが起こる原因
ミッドライフクライシスが起こる原因の一つとして、中年期が人生の折り返しを意識しやすい時期だという点があげられます。中年期には体力や気力の衰えから老いを実感するようになり、同年代で病気になったり亡くなったりする方も増えてきます。自分の死が現実味を帯びてくることで、人生や生き方について思い悩むことが多くなるのです。
ここではミッドライフクライシスが起こる原因を、女性と男性に分けて詳しくみていきましょう。
1.女性の場合
女性の場合、中年期は閉経や更年期障害など、身体の変化や不調を感じやすい時期です。身体の不調は、老いを強く意識するきっかけになります。
子どもを持つ女性の場合、子育てが一段落することが多いのもこの時期です。子どもが独り立ちして肩の荷が降りると同時に、目標や役割を失い、心にぽっかりと穴が空いたような寂しさや喪失感を感じる方は多く、「空の巣症候群」と呼ばれています。
夫婦だけの生活になることで、夫の嫌な部分が見えてきたり会話がなくなったりして夫婦関係に悩むケースも少なくありません。
子育てや家庭を優先するためにキャリアを犠牲にしてきたことを後悔する方もいます。一方で、キャリアを優先して家庭や子どもを持たない選択をしたことで、その選択が正しかったのか、老後はどうしたら良いのかといった悩みや不安を抱く方もいます。
2.男性の場合
男性の場合、仕事やキャリアが原因でミッドライフクライシスが起こるケースが多いようです。
40代、50代になると自身の能力や地位の限界が見え始めます。それによって、若い頃に抱いていた希望と現実のギャップに悩んだり、「自分の人生はこれでよかったのか」という後悔や、「本当に自分のやりたいことは何なのか」「この先どうすればいいのか」と焦りを感じたりしやすくなります。
同年代や後輩などと比較して劣等感を感じたり、目指していた目標を達成したものの思ったような幸福感は得られず、目標を失って喪失感を感じたりすることも。
体力や記憶力の衰え、社会的な役割の変化などから、今までできていたことができなくなったり、今までのやり方ではうまくいかなくなったりして、不安や焦りが生まれやすくなります。
中年期は男性もホルモンバランスが崩れやすい時期とされ、精神的なストレスや環境の変化などが加わると、抑うつや集中力の低下、不眠、物忘れ、イライラなどの症状が出ることもあります。女性の更年期障害に比べて、身体症状よりも精神症状が多くみられるのが特徴です。
ミッドライフクライシスの対処法
ミッドライフクライシスに陥ってしまった場合には、どう対処すれば良いのでしょうか。ここでは、ミッドライフクライシスに向き合い、乗り越えるための方法をご紹介します。
1.これまでの人生の棚卸しをする
ミッドライフクライシスを乗り越えて先に進んでいくには、まずこれまでの自分自身を振り返り、現実を受け止めながら人生の棚卸しをしましょう。
中年期には社会における自分自身の価値(他者からの評価)がある程度確立され、若い頃にこうありたいと望んでいた姿との差が明確になってきます。望んだ通りの人生を歩んできた方もいれば、思ったようにいかず、このままではいけないと焦りや不安を抱える方もいるでしょう。
このような焦りや不安を解消するには、これまでの生き方を振り返り、現状を確認した上で、「これからどう生きていきたいのか」、「いつまでに何をやっておきたいのか」、「それには何をすべきなのか」、生き方や時間の使い方を明確化することが必要です。
周りからどう思われるかはあまり気にせず、自分自身がどうありたいのか、どう生きていきたいのかを考えましょう。
中年期は「自分が何者なのか」を問い直し、アイデンティティを再構築していく時期です。ミッドライフクライシスをきっかけに、自分自身を客観的に見つめ直すことができれば、これからの人生がより生きやすく、充実したものになっていくでしょう。
2.今自分が大切にしていることは何かを確認する
今自分が何を大切にしているのか、自分の価値観を確認し、明確にしておきましょう。
価値観は生きていく上での重要な判断基準です。自分の価値観が明確になっていれば、それに合わせて適正な判断ができるため、人生がより豊かになっていきます。
家族、友人、時間、健康、お金、仕事、趣味など、自分が大切にしていることをピックアップし、優先順位を考えみましょう。
価値観は年齢や経験を重ねることで変化するものであり、若い頃と中年期では大切なことの判断基準やその優先順位は変わってきます。中年期には心身の衰えや死がより身近になり、「これが最後になるかもしれない」といった意識が強くなることで、価値観にも影響するのです。
価値観が変われば、選択や行動も変わります。そのため、「今」自分が何を大切にしているのか、これから何を大切にしていきたいのかを再確認しましょう。
3.とにかく体を動かしてみる
自分の生き方や人生について考えることは大切です。しかし、考えてもすぐには答えが出ないこともあり、余計にモヤモヤしてしまうことも。そのようなときは、一旦考えることをやめて、体を動かしてみましょう。
例えば、近所の公園でウォーキングやジョギングを始めたり、ヨガやダンスレッスンに参加したりするのをおすすめします。体を動かすことで、心もリフレッシュされ、新しい視点が得られることがあります。また、自然の中で運動をすれば、季節の変化を感じられ、一層のリラックス効果が期待できるでしょう。
4.趣味や習い事を始めてみる
これまでやりたいと思いながらやれていなかったことを始めるのも効果的です。
スポーツや楽器、旅行などの趣味や習い事、語学や資格取得の勉強など、興味のあるものにチャレンジしてみましょう。
新しいことへのチャレンジで、視野や人間関係が広がり、自分の可能性に気づいたり、前向きな姿勢や自信につながったりします。今さらと思うかもしれませんが、自分のために何かを始めるのに遅すぎることはありません。ミッドライフクライシスは、人生の第2のスタートを切れるよいきっかけにもなりえるでしょう。
5.大きな決断をする場合は今一度冷静に考えてみる
転職や独立、離婚といった人生を左右する大きな決断は、一旦冷静になって考えましょう。
ミッドライフクライシスは、自分を見つめ直し、変化するきっかけになります。
しかし、「変わらなければならない」との焦りや不安から、心が不安定な状態で下した決断はうまくいかないケースが多いです。急に仕事を辞めてしまい家族関係が悪化してしまうことも。
信頼できる人に相談する、時間をおいて考えるなどして、冷静な判断を心がけましょう。
6.家族や友人に相談してみる
ひとりで思い悩み心がふさいでしまったときは、少し休んで、信頼できる家族や友人、先輩などに相談してみるのも良いでしょう。相談することで、客観的な意見をもらえたり、新たな気づきを得られたりするかもしれません。あるいは、似たような経験をした人から、乗り越え方のヒントをもらえる場合もあります。
悩みはあくまで自分自身の問題であり、他人の意見が必ずしも参考になるとは限りません。しかし、話を聞いてもらうことで気持ちが楽になったり、彼らの言葉から新たな視点を得て、問題解決の糸口が見つかったりすることもあるでしょう。
7.専門家に相談してみる
臨床心理士など、専門のカウンセラーに相談してみるのも有効な方法です。例えば、自分の感情や思考パターンを客観的に分析してもらったり、ストレス解消法を提案してもらったりできます。また、ミッドライフクライシスに悩む多くの人の事例を知る専門家から、具体的な対処法を学べるかもしれません。
カウンセリングを通して、自分が何に悩んでいるのか、どのような不安を抱えているのかが整理され、具体的な行動につなげやすくなります。専門的なアドバイスを受けたい方、身近な人に自分自身について相談することに抵抗がある方などは、専門家のカウンセリングを活用してみると良いでしょう。
まとめ
ミッドライフクライシスは、中年期を迎えた多くの方が直面する可能性のある問題です。自分の人生や生き方、アイデンティティについて惑いや不安、葛藤などが生じ、心が不安定になってつらい思いをする方も少なくありません。
しかし、そのような葛藤を経て、「自分が何者なのか」を問い直し、アイデンティティが再構築されていきます。ミッドライフクライシスに向き合い、乗り越えていくことで、これからの人生がより生きやすく、充実したものになっていくのです。
人生100年時代ともいわれる今、40代・50代は人生の折り返し地点ではなく、第2の人生のスタート地点です。この記事でご紹介した対処法を参考に、ミッドライフクライシスに向き合い、乗り越えていきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
竹国弘城(たけくに ひろき)
独立系FP、RAPPORT Consulting Office代表。証券会社、生損保代理店での勤務を経て独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自分のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうためのサポートを行う。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®、証券外務員一種、宅地建物取引士
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ