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子どもの成長はうれしいものですが、成長にともなって新たな悩みが発生し、壁にぶつかることがあります。「小1の壁」は、働きながら子育てをする人にとって直面しがちな問題です。
本記事では、小1の壁とは何か、起こる理由や原因について解説します。さらに小1の壁を乗り越えるために、親と子どもそれぞれができる対処法についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
小1の壁とは?
保育園・幼稚園から小学校に上がると、子どもをとりまく環境は大きく変化します。子ども自身あるいは子どもを持つ親が小学校入学時にぶつかるさまざまな問題を「小1の壁」と呼ぶことがあります。
子どもは、小学校入学により、保育園・幼稚園の友達と離れ離れになってしまいます。小学校では勉強が始まるので、ついていけずに戸惑ってしまうこともあるでしょう。こうした変化は子どもにとってストレスになります。
そして、働く親にとっては、環境の変化に戸惑う子どもを支える以外に、子どもの預け先の問題が起こります。小学校に入ると、保育園のときのように長時間子どもを預けることができません。学童保育に預けられるのは18時頃までですが、小学校入学後は時短勤務をするのも難しくなってしまうのです。
小1の壁による問題で、子育てと仕事との両立が困難になり、退職や転職を考える人も少なくありません。このように、小1の壁は、子どもにとっても親にとっても、大きな問題なのです。
子どもに起こる小1の壁の理由や原因
小学校入学をきっかけに、子どもにどんな問題が起こるのか、なぜ壁にぶつかってしまうのかをみてみましょう。
1. 子ども同士でトラブルが発生した
小学校に入ると、子どもには新たな人間関係が生まれます。友達と仲良くできないこともあれば、いじめられることもあるかもしれません。クラスメイトや友達との間でいじめなどのトラブルが発生すれば、子どもは学校に行きたくなくなるでしょう。
2. 一人で登下校や留守番ができない
親が送り迎えする保育園や幼稚園と異なり、小学校へは子どもだけで行って帰って来なければなりません。小学校に入学したばかりの子どもは、まだ一人で登下校ができないことがあります。毎日重たいランドセルを背負って学校に通うだけでも、体力的に負担になることもあるでしょう。学校が終わった後、親が帰ってくるまでの間、留守番ができない子どももいます。
3. 勉強についていけない
学校の授業が理解できず、ついていけなくなる子どももいます。幼い子どもにとっては、45分間椅子に座って先生の話を聞くことも簡単ではありません。家に帰れば宿題もしなければなりませんが、家での勉強の習慣もなかなかつかないことがあります。
4. 学校の環境に慣れずストレスを抱えている
自分のペースで動けていた保育園や幼稚園と違い、小学校では集団行動をしなければなりません。周りに合わせるのが苦手な子どもは、ストレスを感じてしまいます。また、お昼寝があった保育園と違い、小学校に入ると生活のリズムも変わります。環境の変化に対応できず、小学校生活になかなかなじめない子どももいるのです。
5. 不登校になってしまった
学校が楽しくなければ、子どもは学校へ行きたくなくなるでしょう。小1の壁にぶつかり、子どもが不登校になってしまうこともあります。子どもが学校に行ってくれなければ、働いている親は仕事に行くことができません。子どもが不登校になった場合、親が退職や転職をせざるを得ないこともあります。
6. 勉強や登下校のサポートが必要になった
子どもが勉強についていけない場合、親のサポートが必要です。親が家でわからないところを教えてあげたり、宿題を見てあげたりしなければなりません。子どもが一人で登下校できない場合には、親が付き添わなければならないこともあります。小学校入学を機に、親のサポートが必要な場面が増えることもあるのです。
7. 学童保育に通うのを嫌がっている
両親とも働いている場合、放課後は学童保育に預けることになるでしょう。しかし、子どもが学童保育に通うのを嫌がることもあります。子どもが学童保育に行ってくれなければ、親の仕事にも支障が出てしまいます。
親に起こる小1の壁の理由や原因
子どもが小学校に入ると、親にも問題が起こりがちです。特に、働く親にとっては、小1の壁が仕事に影響してしまいます。子どもの小学校入学により、親に起こる問題についてみてみましょう。
1. 学童保育で預かってもらえる時間が短い
学童保育は「放課後児童クラブ」とも呼ばれており、親が日中家にいない小学生を学校内や児童館などで預かってくれるサービスです。一般的な学童保育は、主に自治体などの公的機関によって運営されています。学童保育では保育園とは違い、子どもを預かってもらえる時間が限られています。
保育園では延長保育があるため、遅くまで子どもを預かってもらうこともできます。しかし、学童保育で預かってもらえるのは18時頃までで、延長はできません。親が帰宅するまで、子どもを家で留守番させなければならない可能性もあります。
朝も保育園は7時半頃から預けられますが、小学校は8時~8時半頃に校門が開くため、原則それまでは登校できません。親が子どもよりも先に家を出なければならない場合、子どもが自分で戸締りをして登校しなければならなくなります。
2. 時短勤務ができなくなってしまった
時短勤務(短時間勤務制度)があれば、出勤時間や退勤時間を子どもの登下校に合わせることもできるでしょう。しかし、子どもの小学校入学と同時に時短勤務ができなくなる会社が多いため、子どもの預け先の問題が生じます。
育児・介護休業法では、3歳までの子どもを養育する従業員が希望した場合、会社は時短勤務制度を設けることが義務付けられています。さらに、小学校入学前までの子どもがいる従業員についても、時短勤務の措置を講ずるよう努力義務が課されています。[参考1]実際にいつまで時短勤務ができるかは会社によりますが、多くの会社では法律の規定を考慮し、小学校入学前までとなっているのです。
時短勤務については、「時短勤務(短時間勤務制度)とはどんな働き方?対象者やメリットについて徹底解説」で詳しく説明していますので、こちらも読んでみてください。
参考1:e-Gov 法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
3. 行事やPTAなど、保護者の平日参加が多い
保育園では、運動会や発表会など親が参加する行事は、土日におこなわれることが多くなっています。一方、小学校では参観日、個人懇談、PTAなどで親が平日に学校に行かなければならない機会が増えます。働いている親は、学校行事やPTAに休みを取って参加しなければなりません。PTAは「働いている」という理由では免除になりにくく、役員になればさらに負担が増えるでしょう。
小1の壁で親ができる対処法
小学校入学と同時に起こるさまざまな変化に対し、親はどう対処していったらよいのでしょうか?ここからは、小1の壁への対処法について説明します。
1. 民間の学童保育の利用を検討する
学童保育には、自治体などが運営する公的な学童保育のほか、民間が運営する学童保育もあります。民間の学童保育の利用料金は公的な学童保育と比べると高くなりますが、長時間子どもを預けることが可能です。民間の学童保育なら、勉強のサポートや習い事のサービスなどもあります。公的な学童保育が合わない場合や長時間の預かりを希望する場合には、民間の学童保育の利用も考えてみましょう。
2. 地域・自治体のサービスを利用する
自治体によって、子どもの居場所づくりの活動がおこなわれています。予習・復習などの学習支援、工作教室、スポーツ教室、農業体験などが地域住民の協力により実施されており、実費以外は原則無料で参加できるケースも多くなっています。学校からの案内や自治体の広報誌・ホームページなどで情報を探してみましょう。[参考2]
参考2:文部科学省「こどもの居場所づくりに関連する資料」
3. 両親やママ友・パパ友に相談してみる
両親が近くに住んでいれば、子どもを預かってもらったり、家で子どもを見てもらったりできるかもしれません。近所のママ友やパパ友に相談すれば、帰宅までの少しの時間、お友達の家で遊ばせてもらえる可能性もあります。
困ったときには、人に頼ることも大切です。助けてもらった人に感謝しながら、こちらが助けてあげられる場面では積極的に協力するようにしましょう。
4. 習い事をさせてみる
学校が終わった後、子どもに習い事をさせる方法もあります。学童よりも遅い時間に終わる習い事に行かせれば、子どもを留守番させずにすみます。
習い事は送迎の問題がありますが、スクールバスが出ているスイミングスクールなどを利用することもできます。最近はタクシー会社などでも習い事の送迎サービスをおこなっています。その他、ベビーシッターや家事代行サービスなどで送迎してもらう方法もあるので調べてみましょう。
5. 会社の上司に相談してみる
残業で帰りが遅くなると、子どもを一人で留守番させる時間が長くなってしまいます。仕事との両立が厳しいと感じる場合には、上司に相談してみることも必要です。そうすれば仕事の時間や量などの調整により、早く帰れるよう配慮してもらえる可能性があります。
6. ファミリーサポートを活用してみる
ファミリーサポートとは、子育てを援助したい会員と、援助を依頼したい会員とをつなぐ公的な組織です。放課後に子どもを預かってもらったり、習い事への送迎をお願いしたりできます。ファミリーサポートの利用には事前に会員登録が必要なため、時間があるときに登録手続きをしておくのがおすすめです。
7. 放課後の過ごし方について子どもと話をしてみる
子どもが学童に通うのを嫌がっていたり、一人で留守番するのを怖がっていたりするときには、子どもの気持ちも聞いてみましょう。原因がわかれば、対処法が見つかることもあります。親の都合だけで勝手に決めるのではなく、子どもとコミュニケーションをとりながら放課後の過ごし方を考えましょう。
8. 無理に学校に通わせるようなことはしない
子どもが不登校になったり、外に出るのを嫌がったりしている場合、無理に学校に行かせるようなことはしない方がよいでしょう。まずは子どもの精神状態が安定するまで、学校を休めるようにすることも大切です。家族や職場の協力を得ながら対処できないか考えてみましょう。
小1の壁で子どもができる対処法は?
小学校入学時にはさまざまな問題が発生しがちですが、これを子どもの成長のきっかけにすることもできます。小1の壁を乗り越えるために、子どもができる対処法についてみてみましょう。
1. 留守番の練習をする
小学校入学前から、留守番の練習を始めましょう。いきなり長時間の留守番は難しいので、短時間の留守番から始めます。ゴミ出しに行っている間、スーパーに行っている間など、少しずつ時間を増やしていくとよいでしょう。
誰かが来てもドアを開けない、火や包丁には触らない、ベランダには出ないといった、留守番中のルールを話し合うのがおすすめです。
2. 登下校のルートを確認する
小学校に通うとなると、登下校のルートを覚える必要があります。近所に上級生が住んでいれば、しばらく一緒に行ってもらえるよう頼んでみましょう。入学前に、親子で一緒に学校までの道順を何回か歩いてみるのもおすすめです。交通ルールをきちんと教え、危ない場所があれば気を付けるよう言い聞かせておきましょう。
3. 電話のかけ方を練習する
留守番している間に何かあったときに、子どもが親に連絡できるよう、電話のかけ方を練習しましょう。家の固定電話からは、ママやパパの携帯電話にワンタッチでつながるように登録しておくと安心です。スマートフォンやタブレットからアプリを使って電話する方法もあります。
4. 家の鍵のかけ方を練習する
子どもが朝一人で家を出る場合には、外から家の鍵をかけなければなりません。子どもが学校から帰って留守番するときには、外から鍵を開けて家に入り、家の中から鍵をかけて、戸締りをする必要があります。家の外と中のどちらからでも鍵を締めたり、開けたりすることができるように練習しておきましょう。
国でおこなっている取り組み
共働き家庭が増え、小1の壁は深刻な問題となっています。そこで学童保育の待機児童をなくし、子どもたちが安心して過ごせる放課後の環境を提供するために国が2015年から開始したのが「放課後子ども総合プラン」です。これにより、共働き家庭の子どもを対象にした「放課後児童クラブ」とすべての子どもを対象とした「放課後子ども教室」の整備がおこなわれました。[参考3]
2018年からは、「放課後子ども総合プラン」を拡充した「新・放課後子ども総合プラン」がスタートし、支援が続けられてきましたが、「新・放課後子ども総合プラン」は2023年度末に終了しています。
放課後児童対策については、「放課後児童対策パッケージ」となって取り組みが続けられており、すべての子どもが放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動をおこなうことができる場所の拡充を目指しています。
参考3:こども家庭庁「「放課後児童対策パッケージ」について(通知)」
まとめ
小学校に入学すると、子どもたちは新しい環境に適応するのに苦労することがあります。初めての学校生活、新しい友達、そして学習内容の変化などに直面し、ストレスを感じることもあるでしょう。また、親にとっても、子育てと仕事の両立がより難しくなる場合があります。子どもの学校生活のサポートと、仕事との調和を図ることは容易ではありません。
こうした「小1の壁」と呼ばれる課題を乗り越えるために、国や地方自治体による様々な取り組みや支援がおこなわれています。学童保育の充実、放課後子ども教室の開設、家庭教育支援などがその一例です。また、地域のコミュニティでも、子育て支援グループやボランティア団体が活動しています。これらの支援策や活動について情報を集め、利用可能なサービスを積極的に活用することが大切です。
さらに、職場の理解と協力を得ることや、家族や周囲の人々に助けを求めることも重要でしょう。親子で力を合わせ、小1の壁を乗り越えていきましょう。
ただ子育て中はいろいろな壁にぶつかることがあります。悩んだときに情報を集めたり相談できたりするサービスも知っておきましょう。
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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
森本 由紀(もりもと ゆき)
行政書士、FPライター。法律事務所で経験を積んだ後、独立。クライアントの生活設計や子育てについてのアドバイス、気持ちを整理するためのカウンセリングに力を入れている。FPとして、各種サイトで法律・マネー記事やコラムの執筆・監修も担当。AFP(日本FP協会認定)、2級FP技能士、行政書士
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ