「叱らない育児」ってどうやるの?目的やメリット、実践する際の注意点についても解説

「叱らない育児」ってどうやるの?目的やメリット、実践する際の注意点についても解説

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子育てに悩みはつきものです。どのように子育てすべきか悩んでしまいます。この記事では、子育て方法論の一つである「叱らない育児」の目的やメリット、注意点や実践する際の5つのポイントについて解説しています。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

叱らない育児とは?

叱らない育児とは、子どもに対して親が感情的になって怒りをぶつけたり激しく叱責したりせず、落ち着いて親の考えを伝える育児の方法です。叱らない育児の目的と、「叱る」と「怒る」の違いについて考えてみましょう。

1.叱らない育児の目的

叱らない育児の目的は、子どもを正しい方向に導くことです。といっても、子どもの全てを肯定して自由に育てることが「叱らない教育」というわけではありません。

子どもが誤った行動をおこなった際に、落ち着いて問題点を説明して今後どうするべきか諭すのが叱らない教育なのです。あくまでも、前向きな伝え方で子どもに働きかけることが叱らない育児の目的です。

2.「叱る」と「怒る」の違い

「叱る」は相手を良い方向に導くアドバイスであるのに対し、「怒る」は自分の感情を相手にぶつける行為です。子どもが勝手な行動をすると、親は「イライラ」してしまうのではないでしょうか。

買い物に出かけて、ダメだといってもおやつから手を離さないときについつい、大声を出してしまうかもしれません。しかし、この大声はいうことを聞かない子どもに対する「イライラ」をぶつけただけで「怒る」という行為に当たります。

一方、買い物を中断して建物の外に出て、おやつを買わない理由や、勝手な行動をしてはならない理由を伝えて納得させる行為は「叱る」に当たります。両者とも相手に対して働きかけるという点では共通していますが、子どもの受け止め方はまった違うものになるでしょう。

叱らない育児にはどんなメリットがある?

叱らない育児をおこなうと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、得られる可能性がある3つのメリットを紹介します。

1.子どもが何事にも前向きにチャレンジできるようになる

理不尽に叱られることなく育った子どもたちは、何事にも前向きにチャレンジしやすくなります。なぜなら、外的な要因ではなく、自分の心の中にある動機(内発的動機)によって自分の行動を決定できるようになるからです。[参考1]

叱られるから勉強するというのではなく、自分の将来の可能性を広げるために勉強するというように、自分で行動を決められるようになるのです。

参考1:奈良県「体罰に関する研修会(H26年5月16日開催)概要

2.保護者の精神的な負担が減る

叱るのをやめることで、保護者の精神的な負担が減ります。実は、怒りという感情は、人の健康に悪影響を与えます。なぜなら、怒りによって自律神経が乱れるからです。

怒りによるストレスは交感神経を活発化させて、血管を収縮させたり心拍数を上昇させたりします。叱らない育児にすることで、保護者が自分の健康を守るという効果も期待できるのです。[参考2]

参考2:日本医師会「健康プラザ 危険な関係 ストレスと血圧

3.子どもの自己肯定感や自主性が生まれる

自分の良さを肯定的に認める感情を自己肯定感といいます。[参考3]叱らない育児をすることで、子どもが自分を否定されたと考えず伸び伸びと育つため、自己肯定感を高めやすいと考えられます。

ある調査によると、自己肯定感が高い生徒は保護者に対して、自分のことを認めてくれている、自由にやらせてくれる、理解してくれていると感じていて、家庭での生活習慣と自己肯定感には関連があることが分かりました。[参考3]

上記の内容をふまえると、叱らない育児は自己肯定感を育てやすく、自主的に行動する子どもに成長しやすいといえるでしょう。

参考3:東京都教職員研修センター「子どもの自尊感情や自己肯定感を高めるためのQ&A

叱らない育児を実践する際の注意点

子どもを叱らない育児は、日々子どもと接することで多くの悩みを抱える保護者にとって魅力的な考えかもしれません。しかし、安易に叱らない育児を取り入れるリスクも存在します。ここでは、叱らない育児を実践する際の2つの注意点を解説します。

1.本質を理解しないままやろうとしない

本質を理解せず、「叱らない」という行動だけを実践するのはリスクがあります。そもそも、叱らない育児の本質は前向きな伝え方で子どもたちを良い方向に導くことであって、どんな時でも叱ってはならないというわけではありません。

子どもの気持ちを理解せず一方的に叱ることは弊害が多いため、子どもの気持ち寄り添って理解を示し、問題点や相手の気持ちを考えさせるのが叱らない教育の本質です。表面だけまねしても、子どもたちを良い方向に導くのは困難です。

2.してはいけないことをした場合はしっかりと教える

子どもが何をしても注意せず放置するのが叱らない育児と考えているなら、大きな誤解です。子どもが自分や他人を傷つけてしまう言動をしたときや道徳・社会のルールに反する行動をしたときなどは叱る必要があります。

例えば電車やバスといった公共の乗り物や、飲食店など多くの人が利用する場所で大声を出して騒ぐような場合は、子どもを制止する必要があります。ただし、延々と叱り続けるのはNGです。子どもが制止を受け入れたら叱るのをやめ、冷静に諭しましょう。

叱らない育児を実践する際のポイント

先ほどは、叱らない育児の注意点について紹介しました。では、叱らない育児を実践するにはどうすればよいのでしょうか。実践するための5つのポイントを解説します。

1.ダメなことや気をつけることを子どもに伝えておく

あらかじめ、子どもにやってはダメなことや気を付けることを伝えておくことはとても重要です。ルール付けをおこなわず、いきなりダメな行動をたしなめたとしても、子どもはなぜダメなのか、理解できない可能性があります。

そうならないためには、事前に子どもとコミュニケーションをとり、やっていいことやダメなこと、気を付けなければならないことを伝える必要があります。

一度だけで子どもに伝わるとは限りません。ダメなことや気を付けるべきことが発生するたびに、落ち着いて子どもにダメな理由・気を付けなければならない理由を辛抱強く伝え続けましょう。

2.子どもの良いところ・良かったところを見つける

子どもの良いところやできていることを積極的に見つけるのも大事です。子育てをしていると、つい、できていない部分に目が行きがちで「直そう」という意識を強く持つかもしれませんが、できている部分を認めることはそれ以上に大切です。

自分の部屋の片づけをしたり、友達におもちゃを貸してあげたり、家事の手伝いをしてくれたりといった行動を見つけたら、こまめにそのことを認めてあげましょう。

その際は、大げさに褒める必要はありません。「部屋の片づけをしてくれてありがとう」「友達におもちゃを貸してあげられて優しいね」「お手伝いをしてくれてありがとう」といった具合に、本人の行動を具体的に認めることが重要です。

3.子どもに期待しすぎない

過度に子どもに期待しないことも、叱らない育児のポイントとなります。子供の将来に期待すること自体は、悪いことではありません。しかし、あまりに期待しすぎると、子どもにとって大きなストレスとなってしまいます。

保護者は、子どもに自分自身を重ねるときがあります。「自分は子どもの頃にもっと算数が得意だった。なのに、なぜ自分の子どもは算数で満点が取れないのか」と思い、悔しさもあって子どもを怒るかもしれません。

これは、子どもが自分の期待を満たせないことへの怒りにすぎません。保護者と子どもは別人格で、得意・不得意も異なります。保護者は必要以上に子どもに期待せず、子どもの個性を認めるゆとりを持った方がよいでしょう。

4.イライラしてしまった時の発散方法を見つけておく

子育ては思い通りにいかないことが多いため、ストレスをため込みやすいかもしれません。そこで育児でイライラしてしまったとき、自分なりの発散方法を見つけておきましょう。多くの人が実践できそうな方法を上げてみます。

  • 好きな食べ物を食べる
  • 好きな音楽を聴く
  • 好きな動画・映画などをみる
  • 友人とコミュニケーションをとる
  • 気分転換の買い物をする
  • 美容院に行く
  • 自分の気持ちを文字で書き出す

子育てが思い通りにいかないことは日常茶飯事ですので、ストレスをため込まずに発散する方法を見つけておきましょう。

5.子どもを「見守ること」と「放任すること」は別であると理解しておく

まず子どもを「見守ること」と「放任すること」一見似ているようですが、別であることをしっかり理解することが大切です。
例えば、子どもが勉強でわからない問題が解けずに困っている場面を見てみましょう。
まず似ている点は、「見守ること」も「放任すること」もまず子どもに過度に干渉せず様子を見ている点です。

違う点は、その後の子どもへのアプローチの仕方です。

  • 見守る保護者
    子どもの、わからない部分を丁寧に説明します。その際、子どもに問題の解き方の全てを教えるのではなく、自分で考えるよう促しつつ必要なサポートを提供するなど、自主性を尊重する接し方をします。
  • 放任する保護者
    早く問題を解くことを促すものの、子どもが困っている具体的な内容については、一切手を差し伸べず、ヒントを与えるようなこともしません。子どもが問題を解けても、解けなくても関心を示さず、ただ見ているだけの接し方をします。

端的にいうと、子どもに寄り添い自主性を育むのが「見守ること」であり、子どもに関心を示さず放置するのが「放任すること」といってよいでしょう。

まとめ

この記事では叱らない育児をテーマに、𠮟らない育児の定義やメリット、実践する際の注意点、実践する際の5つのポイントについて紹介しました。叱らない育児は、放置する育児ではなく子供を信頼して見守る育児である点がとても重要です。

叱らない育児をしっかり理解せず、「叱らない」という点だけに着目するのはリスクのある子育てです。内容を理解したうえで、子どもの気持ちに寄り添った育児をする必要があるでしょう。

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※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

ライター:森本 由紀(もりもと ゆき)
行政書士、FPライター。法律事務所で経験を積んだ後、独立。クライアントの生活設計や子育てについてのアドバイス、気持ちを整理するためのカウンセリングに力を入れている。FPとして、各種サイトで法律・マネー記事やコラムの執筆・監修も担当。AFP(日本FP協会認定)、2級FP技能士、行政書士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ