認知症保険とはどんな保険?保障内容や選ぶポイント・注意点についても紹介

認知症保険とはどんな保険?保障内容や選ぶポイント・注意点についても紹介

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高齢化に伴い、認知症による介護の必要性が注目されています。
実は介護保険のほかにも、認知症保険という保険があり、将来に備えることが可能です。
この記事では、認知症保険とはどのような保険なのか、保障内容や選ぶポイント、注意点を解説します。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

認知症保険とは

認知症保険とは、被保険者が認知症になった場合に給付金を受け取れる保険のことです。
認知症の治療や、介護にかかる費用をカバーする目的で利用されます。
給付金の受け取り方としては主に、認知症と診断されたときに給付金をまとめて受け取れる一時金方式と、診断後に毎年受け取れる年金方式があります。
保険の種類によっては、認知症にならなかった場合に給付金が支給されるタイプもあるため、自分に合ったタイプの認知症保険を選べるのもメリットです。

介護保険との違い

認知症保険と似た保障内容の保険として、介護保険があります。
介護保険は、公的介護保険制度と民間の介護保険の2つに分けられます。
公的介護保険制度とは、身体上あるいは精神上の障害により、要介助・要介護状態になった場合に、必要な介護サービスを受けられる公的な制度です。

自治体が介護認定をし、その認定レベルに合った介護サービスを受けられます。
公的介護保険制度を活用すると、介護サービスを受けた際の窓口負担を1~3割(被保険者の年齢や本人の所得によって異なる)に抑えることができます。

一方の認知症保険は、被保険者が認知症と診断された場合に給付金を受け取れる民間の保険です。
給付金の使い途は自由で、介護サービスに利用しても良いですし、認知症の治療にあてることもできます。
現物支給で、用途があらかじめ決まっている公的介護保険制度とは異なり、現金支給でさまざまな用途に使えるのが認知症保険ならではの特徴です。

なお、民間の介護保険は要介護認定を受けた場合に給付金を受け取れる商品です。
現金支給を受けられる点は認知症保険と共通していますが、認知症のみを保障対象とする認知症保険とは異なり、民間の介護保険は要介護認定を受けたすべての被保険者を対象としています。
認知症を原因とする要介護認定だけでなく、その他の原因で認定を受けた場合も保障対象となるため、認知症保険よりも保障範囲の広い保険と言えます。

個人賠償責任保険との違い

個人賠償責任保険とは、誤って他人を傷つけてしまったり、他人の所有物を壊してしまったりした場合に損害を補償するための保険です。自転車で人にぶつかってケガをさせてしまった、お店で商品を落として傷つけてしまったといった時に補償されます。
認知症になると予測できない行動をして、他人を傷つけたり、物を壊してしまったりする可能性があります。個人賠償責任保険はそういった認知症の症状による損害にも備えられます。

冒頭でご説明した認知症保険は認知症と診断されたときや損害を出してしまったときに保険金を受け取れますが、個人賠償責任保険は認知症であるか否かは問われず、損害が出た場合のみ対象となる保険です。

認知症保険はなぜ必要なの?

内閣府の「令和4年版高齢社会白書(2 健康・福祉)」によると、介護が必要になった主な原因として、認知症はもっとも多く18.1%でした。[参考1]
とくに女性の方が多く、19.9%でした。
認知症によって介護が必要になる場合が多いことを考えると、認知症保険へ加入し、介護費用に備えておくことがおすすめです。

また、介護保険に加入しておくこともひとつの方法ではないでしょうか。
前述のとおり、介護保険は公的介護保険制度ではカバーしきれない負担をカバーするための保険です。
生命保険文化センターの調査によると、介護に要した費用は1ヵ月あたり平均8.3万円です。[参考2]
これを年間で計算すると平均99.6万円にもなります。

この数字は公的介護保険制度を利用したときの自己負担額も含み、介護には年間平均100万円ほど必要です。
これだけの費用がかかると、家計に大きな負担がかかります。
認知症だけでなく、介護が必要になった原因が限定されない介護保険についても、加入を検討するとよいでしょう。
介護保険の詳細については、「介護費用はいくら必要?民間の介護年金保険は必要なのか」も参考にしてみてください。

参考1:内閣府「令和4年版高齢社会白書(2 健康・福祉)
参考2:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査

認知症保険の保障対象や内容は?

認知症保険について、もう少し詳しくみていきましょう。
ここでは、認知症保険の保障対象や内容について触れていきます。

認知症保険には2つのタイプがある

認知症保険には、治療保障タイプと損害補償タイプの2種類があります。
治療保障タイプは、認知症の治療に必要な医療費や介護費をカバーするための認知症保険です。
認知症の症状による損害賠償には対応しませんが、公的介護保険制度ではカバーしきれない治療費に備えたいときに利用できます。

損害補償タイプとは、認知症による症状で他人に危害を加えてしまったり、他人の所有物を破損させてしまったりした場合の損害賠償に備えるための認知症保険です。
前述の個人賠償責任保険と同様の保障内容ですが、認知症による損害だけをカバーします。
認知症と診断されただけでは保険金は給付されず、損害賠償の必要が出たときに保険金を受け取れます。

実際の認知症保険の保障内容例

認知症保険の保障内容は保険会社によってさまざまです。
そこで例としてフコク生命の認知症重点プラン「ずっとあんしんケアダブル」の保障内容を見てみましょう。

「ずっとあんしんケアダブル」の対象者は、公的介護保険制度で要介護2以上と認定された人、または所定の要介護状態が継続している人です。
保障内容については、2つの保障からなり、ひとつ目は、上記の対象者となった場合に、介護に必要な費用を年金形式で一生涯受け取れる保障です。

2つ目の保障内容として、所定の重度認知症に該当する場合、受け取れる年金額が50%加算されます。
加算は一生涯続き、たとえば保険金額を100万円に設定した場合は毎年100万円、さらに重度認知症ならプラス50万円、合計150万円が毎年受け取れる仕組みです。

知症保険を選ぶポイント

認知症保険を選ぶとき、どのようなポイントを確認すればよいのでしょうか。
ここでは、認知症保険を選ぶときのポイントを4つ紹介します。

1. 対象となる認知症の種類

認知症保険では、すべての認知症が対象となるものではありません。
保険会社が定めた認知症の重症度基準に則り、対象の認知症であるか否かが判断されます。

フコク生命の「ずっとあんしんケアダブル」で特約年金のお支払対象となるのは要介護2以上、もしくは所定の要介護状態です。また、ずっとあんしんケアダブルに「介護保障特約<有期型>」を付加すると、要介護1と認定されたら軽度介護給付金10万円を、要介護2以上に認定または所定の要介護状態継続した場合、介護保険金100万円を受け取れます。(特約保険金額を100万円に設定した場合)。

詳しくはずっとあんしんケアダブル」のHPよりご確認ください。

2. 保障対象の期間や加入条件

保障対象の期間や加入条件も、保険会社によって基準が異なります。
認知症保険の加入で注意したいのは、不担保期間が定められているケースもあることです。
不担保期間とは、保障を受けられない期間のことで、不担保期間中に認知症になっても、その期間中は保険金を受け取ることはできません。
認知症保険を選ぶときは、不担保期間についても確認しましょう。

3. 給付される金額や受取方法

認知症保険を選ぶ際のポイントは、給付金額と受取方法です。
給付金額は、治療や介護にかかる費用として、必要な金額に設定できる認知症保険を選びましょう。
前述のとおり、認知症保険の給付金の受け取り方には一時金方式と年金方式があります。
一時金としてまとまったお金を受け取りたいか、年金として毎年受け取りたいかによって、受取方法を決めましょう。

4. 認知症以外の保障を付加できるかどうか

認知症だけでなく、その他の疾患にも対応しているかは確認したいポイントです。
前述のとおり、介護が必要になった原因第1位は認知症です。

ただ、内閣府の「男女共同参画白書 平成30年版(男女別に見た死因順位順の死亡率) 」を見ると男女共に日本人の死因の第1位はがん(悪性腫瘍)、2位は心疾患です。[参考3]
がんや心疾患といった病気になった際、治療費をカバーするためにも、認知症以外の保障が受けられる特約を付加してみてはいかがでしょうか。

参考3:内閣府「男女共同参画白書 平成30年版 (男女別に見た死因順位順の死亡率)

認知症保険に入る際の注意点

最後に、認知症保険に入るときの注意点を2つ紹介します。

加入したら家族に必ず伝える

認知症保険に入る場合、保険に加入したことを必ず家族に伝えておきましょう。
実際に認知症を発症してしまうと、認知症保険に加入していることを周囲に伝えることができなくなる可能性があります。
家族が認知症保険に加入していることを知らないと請求ができず、せっかく保険に入っているのに保険金や給付金を受け取ることができなくなってしまいます。

指定代理請求人を設定しておく

指定代理請求人とは、被保険者が自分で保険金や給付金を請求できない場合に、代理人として請求できる人です。
もし指定代理請求人を設定していないと、認知症の症状で本人が請求できない場合に保険金や給付金を受け取ることができません。
確実に保険金・給付金を受け取るためにも、認知症保険に入るときは指定代理請求人を設定しておきましょう。

まとめ

この記事では、認知症保険はどのような保険なのか、保障内容や選ぶポイント、注意点を解説しました。
繰り返しになりますが、認知症により介護状態となる人の割合が高いため、元気なうちに備えておくことが重要です。

また、認知症保険への加入を検討する際、あわせて保険全体の見直しもしてみましょう。
必要な保障や不必要な保障を見直し、自分に合った保険で将来に備えるのがおすすめです。
フコク生命では、必要な保障を自由に選べる「未来のとびら」をご用意しています。
死亡保障や介護保障、がんや認知症への保障など、必要な特約を組み合わせて自分にぴったりの保険を作ることができます。

「未来のとびら」について、詳しくはこちらをご覧ください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

【FP紹介文】
大木千夏(おおき ちなつ)
独立系FP、金融ライター。もともとは臨床検査技師として病院に勤務、その後フリーランスライターとして独立した。ライターとして活動するうち、金融業界に興味を持ちAFP取得後、独立して横浜に事務所開設。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP。