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「人格者」という言葉を耳にしたとき、あなたはどんな人物像を思い浮かべるでしょうか。人格者は特別な人というわけではなく、日々の意識や行動でだれもが近づくことができる存在です。この記事では、人格者と言われる人の特徴から、目指すための実践的なポイントや注意点までご紹介します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
人格者とは
人格者とは「すぐれた人格の持ち主」を指す言葉です。一般的には、単に性格が良いだけではなく、道徳観や倫理観、人間性が高いレベルで備わった人を指します。そのため、社会や家庭、職場などあらゆる場面で模範となり、周囲から厚い尊敬と信頼を集める存在です。つまり人格者とは、その言動や考え方を通じて、周りに良い影響を与える人物といえるでしょう。
【性格】人格者と言われる人の特徴
「あの人は本当に尊敬できる」など、そう思わせる人格者には共通する性格の傾向があります。あくまで一例ですが、彼らの内面にある特徴を見ていきましょう。
1. 倫理観が高く誠実な人
人格者は、何が正しく、何が間違っているのかを自分なりにしっかりと持っています。たとえだれも見ていなくても、ズルや不正を許さず、自分自身にうそを付くことはありません。公平さや正義を重んじる姿勢は、周囲からの厚い信頼を集める理由となります。この誠実さが、人格者の土台を築いているのです。
2. 常に学ぶ姿勢を持っている人
人格者と言われる人は、自分は完璧でないと謙虚に認めていて、常に新しい知識や考え方を吸収しようとします。他人の意見や背景も理解しようと努め、自分の価値観だけを当てはめることはありません。この柔軟性と学ぼうとする心が、人としての深みにつながっているといえるでしょう。
3. 寛容な心を持っている人
人格者は、だれでも失敗や欠点はあるということを理解しているため、他者に対して非常に寛大です。自分と異なる価値観を間違いと決めつけず、「そういう考え方もあるのだな」と受け入れます。相手の良い面を見ようと努めるため、周囲の人は安心して相談でき、人間関係も円滑に保たれやすくなります。
4. 責任感が強く当事者意識を持っている人
人格者と言われる人は、問題が起きた場合、環境や他人のせいにせず「自分にできることはなかったか」と考えます。自分の選択と、そこから生じる結果に対しては、言い訳をせずに責任を全うしようとします。この強い責任感が、周囲を巻き込みながら物事を良い方向へ導く原動力となるのです。
【行動】人格者と言われる人の特徴
「あの人の行動にはブレがない」などと尊敬を集める人格者は、言葉だけでなくその行動にも明確な特徴があります。具体的にどのような振る舞いが人々を惹きつけるのか見ていきましょう。
1. 言行が一致していて裏表がない人
人格者と言われる人は、口で言っていることと実際の行動に矛盾がなく、裏表がありません。信念に基づいた発言は一貫しており、状況によって意見がブレないため、周囲から深く信頼されます。人を陥れるような言動は決して取らず、常に誠実な態度で接するのが特徴です。
2. 人の話を否定せず最後まで聞いてくれる人
人格者と評価される人は、自分の意見を一方的に押し付ける前に、まず相手が何を言いたいのかを丁寧に聞こうとします。途中で話を遮ったり、「でも」「だって」と否定から入るような言い方をしたりせず、対話を大切にするのが特徴です。これにより、相手は安心して話すことができ、良好なコミュニケーションが築かれることになるのです。
3. 約束を守る人・感謝を忘れない人
約束を守ることも、人格者と言われる人の重要な特徴のひとつです。時間や約束、ルールを守ることは当たり前、借りたものをきちんと返すなど、基本的な約束事を決して軽んじません。また、どんなに些細なことでも、助けてもらったり、仕事をしてもらったりした際には心からの「ありがとう」を具体的に伝えます。人としての基本的な信頼関係を大切にする姿勢が、人格者の証といえるかもしれません。
4. 自分の感情を他人にぶつけない人
人格者は、感情を上手にコントロールします。自身がイライラしたり落ち込んだりしているときでも、周囲に不快感を与えるような態度は見せません。態度に出して周囲に気を遣わせたり、場の空気を悪くしたりすることを避けます。常に冷静で、周囲に配慮できる点が、人格者たるゆえんです。
人格者になるために意識すべきポイント
「人格者」と聞くと、完璧な人をイメージする方も多いかもしれません。しかし、少し意識するだけでだれでも近づくことができます。こちらでは、自分自身を成長させるための6つのポイントをご紹介します。
1. 自分の「軸」を持つ
自分の価値観、つまり「人として何が正しく、何を大切に生きたいか」を明確にしましょう。この「心の軸」を持つことで、他人の意見や状況に流されることなく、常に誠実な判断を下せるようになります。例えば、仕事で倫理的な問題に直面した際も、明確な軸があれば堂々と正しい選択ができるはずです。これが周囲からの信頼を育む基盤となります。
2. 感謝と謝罪をきちんと言葉にする
「ありがとう」と「ごめんなさい」を素直に伝えることも、人格者の重要な特性です。感謝の気持ちは「〇〇してくれてありがとう」と具体的に伝えると、相手に深く届きます。一方、謝罪は言い訳をせず「私の不注意でした、申し訳ありません」と潔く伝えます。これにより、相手はあなたの誠実さを感じ、たとえミスをしても信頼関係が損なわれることはないでしょう。
3. 些細な約束もきちんと守る
信頼は、日々の小さな約束の積み重ねで築かれます。「〇時に集合」という時間厳守や「本を借りたら返す」といった当たり前の行動が、あなたへの信頼感につながります。頼まれた仕事を期日までにこなすことも同様です。「これくらいなら大丈夫だろう」と安易に考えてしまうと、相手からの信頼は簡単に崩れてしまうもの。些細な約束こそ、真摯（しんし）に守り続けることが、人としての評価につながります。
4. 相手の立場や背景を想像する癖をつける
相手が不機嫌だったり、理解できない行動があったりしたときは、すぐに悪く思うのではなく「何か事情があるのかもしれない」と背景を想像してみる癖をつけましょう。感情的な反応を避けつつ、相手の状況を理解しようとする姿勢が、より良い人間関係を築く鍵となります。このように思いやりを持って接することで、相手も心を開いてくれるでしょう。
5. 謙虚に学び続ける意識を持つ
「自分は完璧でなく、知らないことも多い」ことを、素直に認める謙虚な姿勢を持ちましょう。自分の経験や知識だけで物事を判断せず、常に新しい情報や異なる視点を取り入れようと努めることが大切です。例えば本を読んだり、異なる意見を持つ人と話したりする行動は、自分の考えを見直すきっかけにもなるでしょう。この謙虚さが、柔軟性や人としての深みを促します。
6. 感情が先走りそうなときは深呼吸をする
感情が揺さぶられる瞬間は、だれにでもあります。怒りやいら立ちを感じたとき、反射的に言葉や態度に出す前に、まずは一呼吸おいてみましょう。焦りや不満が募っても、すぐに反応せず数秒間沈黙することで、冷静さを取り戻し、建設的な対応を考えることができます。感情に流されず、落ち着いて状況を見極める姿勢は、周囲に安心感を与え、人間関係の摩擦を減らす効果があります。
人格者になるために注意すべき点
人格者を目指す際、大切なのは「自分自身を深めていくこと」ですが、次のような注意点もあります。ぜひ心に留めておきましょう。
1. 完璧であることを求めすぎない
人格者を目指すあまり「完璧でいなければならない」と強く思い込むと、一度の失敗で自分を責めたり、感情的になった自分を許せなくなったりすることがあります。その結果、他人にも少し欠点が見えると厳しく接してしまいがちです。過度な理想は、自己否定やストレス、周囲との摩擦につながりますので、ほどよく自分と周りを認める姿勢を大切にしましょう。
2. 独善的にならないように気をつける
自分の価値観が強くなりすぎると、他人の行動や考え方を間違っていると決めつけたり、「なぜ自分のようにできないのか」と否定的な目で見てしまったりすることがあります。たとえ自分が正論だとしても、相手の気持ちや状況を考えずに押し付けると、思わぬ衝突や反発を生む原因となります。相手の立場や感情を想像し、共感する姿勢を忘れないようにしましょう。
3. 人から「人格者」と思われることを目的にしない
周囲から「人格者」と評価されることが目的になってしまうと、本来の自分に無理が生じたり、言動に不一致が現れたりします。真の人格者とは、他者からの評価を追い求める行為から生まれるものではありません。大切なのは「内面から豊かな人間性を育むこと」であり、評価はその後についてくるものです。
4. 「いい人」と「人格者」を混同しない
「いい人」は他人に嫌われたくない、場の空気を悪くしたくない、争いたくないという気持ちから、相手に合わせすぎる傾向があります。こういった他人軸とは異なり、人格者は他者への配慮もしつつ、自分の信念で行動します。表面的な調和を優先する「いい人」と、本質的な信頼を築く「人格者」とは異なることを理解しておきましょう。
まとめ
「人格者」と聞くと、特別な存在のように感じる方も多いかもしれません。しかし、彼らが持つ「誠実さ」や「謙虚な学びの姿勢」「思いやり」といった特徴は、決して遠いものではなく、だれでも目指せるものです。大切なのは、日々の小さな意識と行動の積み重ねです。自分の軸を持ち、感謝や謝罪を伝え、約束を守る。これらは、私たち一人ひとりがすぐに実践できることばかりです。ただし、周囲からの評価ではなく、自分なりの信念を大切にしながら成長していくことを意識しましょう。まずは今日から自分を見つめ直し、周囲に良い影響を与えていく一歩を踏み出してみませんか？
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
是枝花名子（これえだ かなこ）
ＦＰライター。大学卒業後、大手生命保険会社にて法人営業を担当。住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金や老後資金作りを極めるため、改めてFP技能士を取得。専門知識と主婦目線を活かした記事執筆が好評を呼び、現在は主にメガバンク、大手不動産サイト等にて保険・不動産・翻訳ライターとして活動中。2級FP技能士
記事提供元：株式会社デジタルアイデンティティ
