静電気はどう対策すればいい?起こる仕組みや起きやすい人の特徴についても紹介

静電気はどう対策すればいい?起こる仕組みや起きやすい人の特徴についても紹介

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ドアノブを触った瞬間「バチッ!」と痛い静電気が起こったり、髪の毛が逆立ってしまったりと、特に乾燥する季節になると静電気に悩まされる方は多いのではないでしょうか。静電気は日常生活のさまざまな場面で発生し、不快感や痛みを与えるだけでなく、電子機器の故障や火災の原因となることもある身近な現象です。

この記事では、静電気が発生する仕組みから、静電気が起こりやすい人の特徴、効果的な静電気対策の方法まで詳しく解説します。湿度調整や柔軟剤の使用、静電気防止グッズの活用など、今すぐ実践できる対策方法を紹介するので、静電気に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

静電気とは?起こる仕組み

まず静電気とは何か、どのような仕組みで起こるのかについて説明します
静電気とは、物体の表面にある電子(マイナスの電気)が移動して、一時的に電気のバランスが崩れることで発生する現象です。普段はプラスとマイナスの電気がつり合っていますが、摩擦や接触によって電子が片方に偏り、静電気を帯びていることを帯電といいます。

電気は本来であれば空気中の水分や地面を通じて逃げていきますが、湿度が低く乾燥していると電気が逃げにくくなり、体内や衣類にどんどん蓄積されてしまうのです。このため湿度が低いときに帯電が起きやすいのです。

特に湿度20%以下・気温20℃以下の環境では空気の絶縁性(電気が通りにくい性質)が高まり、電気が放出されにくいため、秋から冬にかけて静電気を感じやすくなります。この絶縁性の高さが電気の蓄積と放電の関係に深く関わっており、ドアノブや車の金属部分に触れたときにパチッとなるのは、たまった電気が一気に外へ流れるためです。静電気が起こる仕組みは大きく分けて以下の3種類があります。

接触帯電

接触帯電とは、異なる性質を持つ2つの物体が触れたときに電子が移動し、それぞれが帯電する現象です。物体の表面には「電子を放出しやすい素材」と「電子を受け取りやすい素材」があり、接触すると電子が一方からもう一方へ移動します。結果として、一方はプラスに帯電し、もう一方はマイナスに帯電します。

例えば、プラスチックと金属を接触させた後に離すと、プラスチックがマイナスに、金属がプラスに帯電することがあります。見た目には変化がなくても、内部で電子のやり取りがおこなわれているのです。接触によって移動した電気が体や物にたまったままの状態で、金属など電気をよく通すものに触れると、一気に放電してパチッとした刺激を感じます。

摩擦帯電

摩擦帯電とは、物体同士を擦り合わせることで電子が移動し、それぞれが帯電する現象です。摩擦によって接触面で電子のやり取りが起こった結果、一方の物体はプラスに、もう一方はマイナスに帯電します。

日常生活で起きる静電気の多くは、この摩擦帯電が原因です。セーターを脱ぐときにバチッと音がしたり、髪の毛をブラッシングしたときに毛先が広がったりする現象は摩擦帯電によるものです。特に化学繊維の衣類は摩擦で帯電しやすく、乾燥する冬に静電気を感じやすいのはこの仕組みが大きく影響しています。

剥離帯電

剥離帯電とは、接触していた物体同士を引き剥がすときに発生する静電気のことです。物体同士が密着していると、その境界面で電子のやり取りが起こります。剥がす瞬間にそれぞれの物体が異なる電気を帯びるため、静電気が発生するのです。

身近な例としては、粘着テープを勢いよく剥がしたときにパチッと音がしたり、ラップフィルムを取り出すときに手にまとわりついたりする現象が挙げられます。これらはいずれも剥離帯電によって生じる静電気です。摩擦帯電のように衣類や髪の毛で感じるものとは違い、剥離帯電は剥がす動作そのものが原因となっているのが特徴です。

静電気が起こりやすい人の特徴

静電気は誰にでも起こり得ますが、体質や生活習慣、身につけている衣類の素材によって発生しやすい人がいます。例えば、乾燥肌の人は体内や肌の水分量が少ないため、電気を逃がしにくく帯電しやすい傾向があります。睡眠不足や偏った食生活といった生活習慣の乱れによって肌のバリア機能が低下している場合は乾燥肌になりやすいので、静電気が起こりやすくなるかもしれません。

さらに、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維を多く含む衣類を身につけていると、摩擦によって電子が移動しやすく、静電気が強く発生します。特に乾燥する冬場に化学繊維のセーターやマフラーを重ね着すると、パチッと痛みを感じやすくなるのはこのためです。

静電気対策のためにできること

静電気は乾燥や摩擦など、身近な環境や習慣によって起こりやすくなりますが、ちょっとした工夫で発生を抑えることが可能です。ここでは日常生活に取り入れやすい静電気対策を紹介します

湿度を調整する

静電気は空気が乾燥していると発生しやすく、特に湿度20%以下・気温20℃以下の環境では放電が起こりやすいといわれています。空気中に水分が多いと電子が水分を伝わって自然に逃げやすくなりますが、乾燥した状態では電気がとどまりやすく、体や衣類にどんどん蓄積してしまうのです。

そのため、室内の湿度を50〜60%程度に保つことが静電気対策には効果的です。加湿器を使うのはもちろん、洗濯物を部屋に干したり、濡れタオルを吊るしたりするだけでも簡易的な加湿になります。オフィスや自宅での乾燥対策を心がけることで、静電気による不快感を減らせるでしょう。

柔軟剤を使う

衣類に柔軟剤を使うことも、静電気対策として有効です。柔軟剤には繊維の表面をコーティングして滑らかにする成分が含まれており、衣類同士がこすれたときの摩擦を軽減してくれます。摩擦が減ることで電子の移動が起きにくくなり、静電気の発生を防ぐ効果が期待できるのです。

特にセーターやフリース、インナーなど、化学繊維や毛織物は摩擦によって帯電しやすい素材です。こうした衣類を洗濯する際に柔軟剤を使用することで、静電気の発生を抑えられます。

静電気防止グッズを活用する

市販されている静電気防止グッズを取り入れるのも効果的です。例えば衣類や髪の毛に吹きかける静電気防止スプレーには、帯電を抑える成分が含まれており、摩擦による電子の移動を防いでくれます。

また、ドア付近に貼り付けられる静電気除去シートや、手首に着けるブレスレット型のグッズなどもあります。これらは体にたまった電気を逃がす仕組みで、金属に触れる前に自然と放電されるため、不快な衝撃を感じにくくなるでしょう。車のドアやドアノブなど、静電気が起きやすい場面で使うと安心です。

保湿を徹底する

肌が乾燥していると、電気を逃がす役割を持つ水分が不足してしまい、体に静電気がたまりやすくなります。特に乾燥肌の人は皮膚表面のバリア機能が弱まり、わずかな摩擦や接触でも帯電しやすい状態になるため、日常的な保湿ケアが重要です。

静電気対策としては、ハンドクリームやボディクリームをこまめに塗り、肌の水分と油分のバランスを整えることが効果的です。外出前や手洗い後、就寝前など、乾燥しやすいタイミングで意識的に保湿をおこなうと静電気の発生を防ぎやすくなります。さらに、化粧水や乳液で全身のうるおいを保つ習慣を持つことで、冬場の静電気トラブルを減らせるでしょう。

素材に気をつける

衣類の素材によっては静電気が起こりやすい組み合わせがあります。例えばウールやナイロンはプラスに帯電しやすく、ポリエステルはマイナスに帯電しやすい素材です。これらを重ね着すると電子の移動が活発になり、静電気を生じやすくなります。つまり、同じ素材でコーディネートを組んでおけば、静電気の発生を抑えることが可能です。

逆に、綿のような天然素材は比較的帯電しにくいため、インナーやシャツなどで取り入れると静電気の発生を抑えられます。衣類を選ぶ際には、帯電しやすい素材同士を避け、天然素材を組み合わせることで静電気を和らげられます。

静電気を逃がす方法

静電気を完全に防ぐことは難しいため、体にたまった電気の逃し方を知っておくことも大切です。例えば、金属に触れる前に木材やコンクリートといった電気を通しにくい素材に一度触れておくことが効果的です。そうすることで体の電気が少しずつ放出され、ドアノブや車のドアに触れた際に静電気が発生するのを抑えられます。

また、指先の一点で触れると放電が集中して痛みを感じやすくなるため、手のひら全体を使って面で触れるようにすると衝撃を和らげることが可能です。さらに、鍵やコインなどの小さな金属を先に対象物へ当ててから手を触れると、体内の電気があらかじめ逃げるため、不快な放電をほとんど感じずに済みます。静電気を防ぐだけでなく、逃がす方法を覚えておくことで、乾燥する季節も快適に過ごしやすくなるでしょう。

まとめ

静電気は乾燥した空気や衣類の摩擦などによって発生します。特に湿度が低く気温が下がる冬場は、空気中の水分が少ないため電気が逃げにくく、静電気が発生しやすくなります。

ただし、仕組みを理解し、体質や生活習慣、衣類の選び方に注意することで対策は可能です。加湿や保湿で乾燥を防ぎ、柔軟剤や静電気防止グッズを活用すれば静電気の発生を抑えられます。さらに、金属に触れる前に木材やコンクリートに触れるなどの工夫を取り入れれば、たまった電気を安全に逃がすことができます。

静電気対策は、少し工夫を加えるだけで実践できるものが大半です。冬場を快適に過ごせるように、本記事で紹介した静電気対策を取り入れてみてください。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

宮崎 千聖(みやざき ちさと)
FPライター。神戸大学経済学部卒業後、銀行の融資課にてローンの相談・手続きを担当した。退職後はライターとして、メガバンクや司法書士法人のオウンドメディアなどで記事を執筆。カードローンやクレジットカード、資産運用、債務整理など幅広いジャンルで執筆している。2級FP技能士、証券外務員一種

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ