加湿器だけじゃない!今日からできる部屋の乾燥対策8選

加湿器だけじゃない!今日からできる部屋の乾燥対策8選

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暖房を使い始める季節になると、部屋が乾燥するため、肌のかさつきや朝起きたときの喉のイガイガが気になる方も多いでしょう。部屋の乾燥は、健康や住まいにさまざまな影響を及ぼす可能性があります。

そこでこの記事では、部屋の乾燥で起こるリスクや、加湿器がなくてもすぐに実践できる乾燥対策、最適な湿度環境を整えるためのポイントを解説します

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

部屋の乾燥で起こること

空気が乾燥していると、肌の不調や喉の痛みを感じる方は多いでしょう。しかし、部屋の乾燥がもたらす影響は、体感する不快感だけにとどまりません。ここでは、部屋の乾燥に潜むリスクを解説するので、健康と快適な暮らしを守るための参考にしてください

1.肌トラブルが起こりやすくなる

部屋の乾燥は、肌トラブルの原因になります。乾燥によって肌から水分が失われやすくなることで、外部からの刺激や、肌内部の水分蒸発を防ぐための「バリア機能」が低下するためです。

バリア機能が低下すると、ハウスダストや細菌といった、外部からの刺激を受けやすくなり、以下のような症状が起こる可能性があります。

  • かゆみ
  • かさつき
  • 湿疹

2.感染症のリスクが高まる

部屋の空気が乾燥していると、風邪やインフルエンザといった感染症にかかるリスクが高まります。

その主な理由は、乾燥した環境では、ウイルスが空気中に長く漂いやすくなるうえ、鼻や喉の粘膜が乾燥して異物の侵入を防ぐ「線毛」の動きが鈍くなり、体内へウイルスが侵入しやすくなるためです。これらの要因が重なり、感染症のリスクを高めるのです。

3.火災のリスクや家具の劣化が早まる

部屋の乾燥によって、思わぬ事故や住まいへのダメージにつながる可能性があります。空気が乾燥すると、火が燃えやすくなり、火災のリスクが高まります。ストーブやガスコンロなど、火を取り扱う際は十分な注意が必要です。

また、空気が乾燥すると、木材内部の水分が失われて収縮することで、木製の家具や床材へダメージを与えます。その結果、ひび割れや反り、隙間などができ、大切なインテリアや住まいそのものの寿命を縮めるかもしれません。

4.脱水症状を引き起こす場合も

脱水症状は夏のイメージが強いものの、冬でも注意が必要です。
人は汗をかかなくても、皮膚や呼吸を通じて、常に水分を失っており、空気が乾燥すると、失われる水分量が増加します。さらに、冬は夏に比べて喉の渇きを感じにくいため、水分補給がおろそかになり、冬でも脱水症状になるリスクがあるのです。

部屋の湿度や温度はどれくらいがベスト?

厚生労働省が定める「建築物環境衛生管理基準」によると、エアコンを設置している場合の適正な湿度は40~70%、温度は18~28度とされています。[参考1]
ただし、人が健康で快適に過ごせる湿度は40~60%の間が目安です。

湿度が40%を下回ると、目や肌、喉の乾燥を感じやすくなるほか、ウイルスが活発に活動しやすい環境になります。一方で、湿度が60%を超えると、カビやダニが繁殖しやすくなり、アレルギーの原因となったり、結露によって住まいを傷めたりする可能性があります。

乾燥によるリスクやカビ・ダニの発生を防ぎながら、快適に過ごせる湿度は40~60%、温度は18~28度だと覚えておくと良いでしょう。

参考1:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について

今日から実践できる!部屋の乾燥対策8選

特別な道具を使わなくても、日常生活の少しの工夫で、部屋の湿度を上げられます。ここでは、今日からすぐに実践できる、手軽な乾燥対策を紹介するため、ライフスタイルに合うものを取り入れてみてください

1.洗濯物や濡らしたタオルを干す

洗濯物や濡らしたタオルを室内に干すことで、布に含まれた水分が蒸発する際に空気中へ放出され、部屋全体の湿度を高められます。

洗濯物は、エアコンの風が当たる場所や部屋の中央など、空気が循環しやすい場所に干しましょう。サーキュレーターなどで風を送ると、洗濯物が乾きやすくなると同時に、湿った空気が部屋全体に行き渡るため、加湿の効率が上がります。
また、寝る前に水で濡らして固く絞ったフェイスタオルを数枚、枕元やベッドサイドに掛けることで、睡眠中の乾燥対策が可能です。

ただし、生乾きの臭いを発生させる恐れがあるため、長時間干したままにせず、定期的な換気をおこないましょう。普段の家事の一環として、コストをかけずに取り入れられる方法なので、ぜひ試してみてください。

2.水を入れた容器を置く

コップや洗面器などの容器に、水を入れて部屋に置くことで、容器に入れた水の表面から水分が蒸発し、空気中の湿度を穏やかに高められます。

口の広いお皿や洗面器などを使うと、空気に触れる面積が広くなるため、水分の蒸発量が増え、加湿の効率が上がります。また、水よりも蒸発しやすいお湯を入れることで、さらに素早く湿度を上げることが可能です。

ただし、小さな子どもやペットがいる家庭では、容器を倒す危険があります。周辺が水浸しになるだけでなく、容器の破損によるケガや、お湯を入れた場合にはやけどするリスクが考えられるため、容器は安全な場所に設置してください。また、衛生面から、水は毎日交換しましょう。

3.お湯を沸かす

水が沸騰して水蒸気になることで、短時間で部屋全体の湿度を引き上げられます。キッチンでお湯を沸かすほか、石油ストーブや薪ストーブの天板にやかんを置き、暖房と加湿を同時におこなうのも有効です。

ただし、子どもやペットがいる家庭では、やけどのリスクに注意しましょう。また、中身がすべて蒸発すると、空焚きによる火災が発生する可能性があるため、火をつけたままその場を離れないでください。お湯を沸かす方法は、湿度が上がりやすい一方で、ケガや火事への注意が必要です。

4.カーテンやクッションを霧吹きで湿らせる

部屋にあるカーテンやクッション、ソファなどの布製品に霧吹きで水を吹きかけることで、水分が蒸発して部屋の湿度を高められます。

ただし、シルクやレーヨン、皮製品などに水を吹きかけると、シミや色落ち、縮みの原因になることがあります。事前に洗濯表示を確認し、水洗い不可の素材には使用しないでください。
また、カビの発生を防ぐため、全体がしっとりとする程度にとどめましょう。

5.お風呂のドアを開けた状態にしておく

入浴後にお風呂のドアを開けておくことで、浴室にこもった蒸気が自然に部屋へ広がり、手軽に室内の湿度を上げることができます。特別な道具を使わなくても取り入れられる方法なので、乾燥が気になる季節には日常のちょっとした工夫として役立ちます。さらに、サーキュレーターや扇風機を併用すれば、湿気を効率的に循環させることができ、リビングなど他の部屋にも潤いを届けられます。

一方で、長時間ドアを開けたままにすると結露やカビの原因になりやすいため、加湿が済んだらドアを閉めて換気扇を回すことが大切です。短時間・適度に取り入れることで、安全かつ快適に湿度調整がおこなえます。

6.窓や床を水拭きする

日々の掃除に水拭きを取り入れることも、部屋を加湿するのに役立ちます。水拭きしたあとの床や窓に残った水分が蒸発することで、部屋の湿度を穏やかに高めてくれます。加湿効果は緩やかではあるものの、ホコリや汚れを取り除きながら、自然に加湿できるのが大きなメリットです。

ただし、床の素材や塗装方法によっては、水拭きするとシミや反り、ワックスの剥がれなどの原因につながる可能性があります。床を水拭きする際は、事前に自宅の床材が水拭きできるか確認しておきましょう。

7.観葉植物を室内に置く

観葉植物は、根から吸い上げた水を葉の裏側にある「気孔」から水蒸気として放出する「蒸散」と呼ばれる働きをするため、天然の加湿器の役割を果たします。植物によっては、空気清浄効果も期待できるため、部屋の空気をきれいに保つのにも役立ちます。

ただし、観葉植物は定期的な水やりやお手入れが必要です。さらに、土に虫が発生する可能性があるほか、鉢を倒したり、子どもやペットが葉・土などを口にしたりするリスクがあります。お手入れの手間や安全面を考慮したうえで、観葉植物を取り入れるか判断しましょう。

8.加湿機能付きのアロマディフューザーを活用する

加湿機能が付いたアロマディフューザーを使えば、乾燥対策しながらリラックスできる空間を作れます。

加湿機能付きのアロマディフューザーは、本格的な加湿器ほどの加湿能力はありません。しかし、デスク周りやベッドサイドなどの小さな空間なら、十分な性能を持つ製品が多くあります。さらに、デザイン性の高いものや、間接照明として使えるLEDライト付きのものを選べば、インテリアとしても楽しめます。

ただし、健康状態や体質によっては使用中に不快感や異変を覚える可能性があるほか、子どもがいる場合には精油の誤飲に注意が必要です。また、機器の内部で雑菌が繁殖しないよう、タンクの水は毎日交換し、定期的にお手入れしましょう。

部屋を加湿する際のポイント

部屋の乾燥対策をおこなうことで、かえってトラブルを引き起こす可能性があります。ここでは、乾燥対策をする際に押さえておきたいポイントを解説します

1.加湿のしすぎはカビの原因になることも

加湿しすぎると、カビやダニが繁殖しやすい環境を作るおそれがあるため注意が必要です。カビやダニは、湿度が60%を超える高温多湿の環境を好みます。

カビの胞子やダニの死骸・フンは、アレルギーの原因物質となり、以下のような症状が出るリスクに注意が必要です。

  • 気管支ぜんそく
  • 皮膚炎
  • 鼻炎

湿度計でこまめに室内環境をチェックし、人が快適に過ごせる湿度40~60%を保つようにしましょう。

2.定期的に換気をおこなうことが大事

加湿するだけでなく、定期的に換気をすることが大切です。換気することで、室内にこもった余分な湿気や、二酸化炭素、ハウスダストなどを新鮮な外気と入れ替えられます。

エアコンをつけたまま、1時間に1回、5~10分程度を目安に、短時間でも空気を入れ替える習慣をつけましょう。その際、対角線上にある2ヵ所の窓を開けると、空気の通り道ができるため効率的です。加湿と換気はセットで考えることで、清潔で快適な室内環境を保てます。

まとめ

特別な道具がなくても、部屋の乾燥対策は可能です。部屋の乾燥は、感染症や脱水症状、火災などのリスクにつながることがあります。また、加湿しすぎるとカビやダニが発生しやすくなるため、湿度は40~60%程度を意識しましょう。

「これなら試せそう」と感じる乾燥対策と定期的な換気をセットにして生活に取り入れてみてください

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

高山 さとみ(たかやまさとみ)
金融・不動産専門ライター。法学部を卒業後、大手金融会社でライフプランニングの相談・提案業務に従事。その後、インテリアメーカーで建設現場の部材管理を担当。現在は「読者にわかりやすく伝える」をモットーに、ライター・ディレクターとして活動中。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ