冬のボーナスの平均額はいくら?夏のボーナスとの比較や確認方法

冬のボーナスの平均額はいくら?夏のボーナスとの比較や確認方法

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冬のボーナスは家計や将来設計に大きな影響を与える大切な収入源です。「夏のボーナスと比べてどうなの?」「周りの人は?」など気になる方も多いのではないでしょうか?この記事では、冬のボーナスをもらえる時期から平均額や手取り額、確認方法までわかりやすく解説します。かしこく活用し、安心して未来を描くためのヒントを掴みましょう。

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

そもそもボーナスとは?

ボーナスとは、毎月の給与とは別に、企業が従業員へ支給する特別な報酬のことです。従業員のモチベーション向上や企業利益の還元が目的ですので、企業の業績や個人の貢献度、就業規則により支給額や有無が決まります。

従業員にとってのボーナスは、まとまった資金形成の一助となる重要な収入源の1つです。一般的には年2回(夏・冬)支給されるケースが多く見られますが、今回は「冬のボーナス」に注目して解説していきます

ボーナス全体について詳しく知りたい方は「ボーナス(賞与)はいつもらえるの?支給のタイミングや平均金額について」もぜひ参考にしてください。

冬のボーナスが支給されるのはいつ?

冬のボーナスは、民間企業では企業によって異なりますが、12月初旬から中旬、または下旬に支給されることが一般的です。国家公務員の冬のボーナス(期末・勤勉手当)の支給日は、法律により12月10日と決められています。地方公務員の場合は各自治体の条例に定められていますが、国家公務員に準じることが多いようです。
具体的に知りたい方は、ご自身の会社の就業規則などで確認しておきましょう。

冬のボーナスの平均額

冬のボーナスの平均額はどのくらいなのでしょうか?民間企業と公務員それぞれにおいて、ここ3年の実績データをもとに解説します

1. 民間企業の冬のボーナス平均額

厚生労働省がおこなっている「毎月勤労統計調査」によると、民間企業における令和6年の冬のボーナスの平均額は、事業所規模5人以上の企業で41万3,277円となっています。
一方、30人以上の民間企業では47万8,373円であり、5人以上の企業よりも約6万円高い額となっています。
つまり企業規模が大きいほど、ボーナスの平均支給額が高くなることがデータから分かります。さらに、企業規模が大きい方が前年比増加率も高い傾向が見られます。

冬のボーナスの平均額(民間企業、全産業)[参考1、2、3]

 事業所規模
5人以上(前年比)30人以上(前年比)
令和6年41万3,277円
(2.5%増)
47万8,373円
(4.5%増)
令和5年39万5,647円
(0.7%増)
46万2,416円
(0.9%増)
令和4年39万2,975円
(3.2%増)
45万8,374円
(3.7%増)

参考1:厚生労働省「毎月勤労統計調査 全国調査 / 年末賞与2024年
参考2:厚生労働省「毎月勤労統計調査 全国調査 / 年末賞与2023年
参考3:厚生労働省「毎月勤労統計調査 全国調査 / 年末賞与2022年

2. 公務員の冬のボーナス平均額

内閣官房内閣人事局の報道資料によると、国家公務員における令和6年の冬のボーナスの平均額は65万2,800円となっています。

冬のボーナスの平均額(一般職国家公務員)[参考4、5、6]

 冬ボーナス前年比
令和6年約65万2,800円3.2%減
令和5年約67万4,300円3.4%増
令和4年約65万2,100円0.1%増

ここ3年のデータを見てみると、前述の民間企業の平均と比べると、国家公務員の方が高いことがわかります。これは、国家公務員のボーナスは俸級制度を基本とし、企業規模100人以上の民間企業の実態に見合うよう毎年調整されるためです。[参考7]

参考4:内閣官房内閣人事局「令和6年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
参考5:内閣官房内閣人事局「令和5年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
参考6:内閣官房内閣人事局「令和4年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
参考7:人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み(令和7年8月)」

夏のボーナスとの比較

では、夏のボーナスの平均額とはどのくらいの差があるのでしょうか?こちらも民間企業と公務員それぞれにおいて、ここ3年の実績データをもとに解説します

1. 民間企業の場合

民間企業における夏・冬ボーナスの差額を見ると、どちらが多くなるかはその年によってバラバラであることがわかります。コロナ禍を経たここ2年では冬のほうが少々低くなっていますが、その差額は約1,300円ですので、夏・冬のボーナスは同等の支給額となる傾向にあるといえそうです。

夏・冬ボーナス平均額の比較
(事業所規模5人以上の民間企業、全産業)[参考8、9]

 夏ボーナス冬ボーナス差額(冬-夏)
令和6年41万4,515円41万3,277円-1,238円
令和5年39万7,129円39万5,647円-1,482円
令和4年38万9,331円39万2,975円+3,644円

参考8:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等 概況
参考9:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等 概況

2. 公務員の場合

国家公務員における夏・冬ボーナスにおいては、ここ3年のデータを見てみると、かつては支給割合に少し差があったことがわかります。しかし、その差額は近年ほとんどなくなってきています。こちらも、民間企業の給与水準に合わせることを目的とした、令和4年頃からの給与法改正が影響しています。

夏・冬ボーナス平均額の比較
(一般職国家公務員)[参考9、10、11]

 夏ボーナス冬ボーナス差額(冬-夏)
令和6年約65万9,400円約65万2,800円- 約6,600円
令和5年約63万7,300円約67万4,300円+ 約3万7,000円
令和4年約58万4,800円約65万2,100円+ 約6万7,300円

参考9:内閣官房内閣人事局「令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
参考10:内閣官房内閣人事局「令和5年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
参考11:内閣官房内閣人事局「令和4年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給

項目別にみる冬のボーナスの平均額

こちらでは、学歴・年齢・産業別で見た冬のボーナス平均額をご紹介しましょう。学歴と年齢別においては、冬のボーナスに限ったデータが存在しないため、年間ボーナスのデータを参考に目安となる金額を解説します

1. 学歴別のボーナス平均額

昨今では夏・冬のボーナスの差額がほとんどないため、最終学歴別における冬のボーナス額の平均についても「年間ボーナス合計額」のおおよそ半額と予想できます。まずは、一般的に最終学歴が高いほど、冬のボーナスが増加していることがわかります。

令和6年 年間ボーナスの平均額(規模10人以上の民間企業、学歴別)[参考12]

最終学歴年間ボーナス合計額冬のボーナス額の目安 (年間÷2)
中学約51万8,800円約25万9,400円
高校約76万1,700円約38万850円
専門学校約77万4,700円約38万7,350円
高専・短大約92万9,000円約46万4,500円
大学約126万4,800円約63万2,400円
大学院約209万2,100円約104万6,050円

参考12:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

2. 年齢別のボーナス平均額

年齢別における冬のボーナス平均額も「年間ボーナス合計額」のおおよそ半額が目安となるでしょう。一般的に年齢とともにボーナスは増加し、50代後半(約63万円)でピークを迎えます。一方で、60歳以降は定年や再雇用制度の影響で大きく減少していく傾向にあります。

令和6年 年間ボーナスの平均額(規模10人以上の民間企業、年齢別)[参考13]

年齢区分年間ボーナス合計額のボーナス額の目安(年間÷2)
~19歳約15万6,900円約7万8,450円
20~24歳約39万6,800円約19万8,400円
25~29歳約68万6,200円約34万3,100円
30~34歳約83万700円約41万5,350円
35~39歳約99万1,000円約49万5,500円
40~44歳約111万円約55万5,000円
45~49歳約118万6,400円約59万3,200円
50~54歳約123万7,100円約61万8,550円
55~59歳約126万7,700円約63万3,850円
60~64歳約78万7,200円約39万3,600円
65~69歳約39万8,700円約19万9,350円
70歳~約24万9,900円約12万4,950円

参考13:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

3. 産業別の冬のボーナス平均額

産業別における冬のボーナス平均額は、業種によって大きな差が見られます。生活に欠かせない電気やガスなどの基盤を支える仕事や、高い技術や知識を活かして大きな利益を得ている情報通信業、金融業、製造業産業では高い水準である一方、飲食サービス業、生活関連サービス業、医療・福祉などの対人サービス業は全産業の平均を大きく下回る水準です。特にもっとも高い電気・ガス業の約94.3万円と、もっとも低い飲食サービス業の8.3万円では、約11倍の差となっています。

令和6年冬のボーナス平均額(事業所規模5人以上の民間企業、産業別)[参考14]

調査産業計41万3,277円
鉱業、採石業等61万2,066円
建設業54万0,595円
製造業55万8,186円
電気・ガス業94万3,474円
情報通信業70万7,303円
運輸業・郵便業39万8,540円
卸売業、小売業37万3,565円
金融業、保険業64万1,032円
不動産・物品賃貸業55万1,281円
学術研究等58万8,937円
飲食サービス業等8万3,199円
生活関連サービス等18万4,277円
教育、学習支援業58万9,333円
医療、福祉30万8,846円
複合サービス事業45万5,496円
その他のサービス業23万6,048円

参考14:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等 概況

ボーナスの手取り額はいくらになる?

ボーナスを受け取るとき、「手取りはいくらくらいになるのか気になる」という方も多いでしょう。実は、ボーナスの金額はそのまま受け取れるわけではありません。実際には、ボーナスからは社会保険料や税金などが引かれ、手取り額は支給額の約75%~85%になることが一般的です。これは冬のボーナスに限らず、夏のボーナスについても同様です。

具体的には、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、そして所得税などが差し引かれます。これらの税金の割合は、扶養家族の有無や地域、年収などによって異なるため、計算が複雑です。そのため、ボーナスの手取り額を正確に把握するためには、詳細な計算が必要となります。詳しい情報は「ボーナスから引かれる税金はどれくらい?計算方法や手取り額について」に関する記事をご覧ください。

ボーナスがもらえるかどうか確認する方法

こちらでは、「ボーナスがもらえるかどうか気になる」という方へ確認方法をご紹介します。現在お勤めの会社でボーナスの有無を確認したい場合、まずは就業規則や給与規定を見てみましょう。支給条件や計算方法が明記されているはずです。もし疑問があれば、人事に直接問い合わせるのも確実ですし、過去の源泉徴収票やボーナス明細を振り返ってみるのもおすすめです。

もしこれから転職する場合は、求人票や採用ページで情報を得られます。社員による口コミ情報が掲載されているサイト、就職活動サイトなどでも、ボーナスに関する情報を得られる場合があります。また可能であれば、面接時に直接確認を取ってみたり、転職エージェントを利用している場合はエージェントに問い合わせてみたりするのも良いかもしれません。

まとめ

令和6年における冬のボーナスの平均額は、民間企業で約41万円、公務員で約65万円となっており、年々増加傾向にあります。支給時期は12月の中旬頃が一般的で、夏のボーナス額と比較されることも多いですが、近年はその差が少なくなっています。但し、ボーナス額は、学歴や年齢、産業によっても大きく異なります。

ボーナスの手取り額は税金等を差し引き、額面のおおよそ75%~85%となります。この支給額や確認方法は、在職中であれば就業規則や人事への問合せをすることで把握できます。転職活動中の場合は、求人票や口コミサイトを参考にしたり、面接時に確認したりする方法があります。さらに、転職エージェントを利用している場合は、エージェントが企業の内情を把握していることがあるため、相談してみるのもおすすめです。このような手段を駆使してボーナスの情報を適切に把握することで、将来設計に役立てましょう

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

是枝花名子(これえだ かなこ)
FPライター。大学卒業後、大手生命保険会社にて法人営業を担当。住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金や老後資金作りを極めるため、改めてFP技能士を取得。専門知識と主婦目線を活かした記事執筆が好評を呼び、現在は主にメガバンク、大手不動産サイト等にて保険・不動産・翻訳ライターとして活動中。2級FP技能士

記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ