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クエン酸が掃除に良いとは聞くけれど、「どんな汚れに効くの?」「重曹との違いは?」と、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、クエン酸で落とせる汚れや落とすのが難しい汚れ、重曹との違い、効果を引き出す使い方について解説します。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
クエン酸とは
クエン酸とは、レモンや梅干しなどに含まれる天然由来の酸味成分です。食品添加物としても使われており、安全性が高いことから、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して掃除に使えます。ドラッグストアや100円ショップなどで手軽に手に入るのも嬉しいポイントです。
そんな暮らしに身近なクエン酸ですが、掃除ではその酸性という性質が水回りの汚れなどに効果を発揮します。
1.クエン酸で落とせる汚れ
クエン酸が得意とするのは、特に水回りで気になる、白く固まってしまった汚れです。これらの汚れの多くは、水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル分が固まってできたものです。クエン酸の「酸性」の性質には、このミネラルに作用して汚れを緩めて落としやすくする働きがあります。また、ニオイの原因にも直接作用するため、消臭効果も期待できます。
具体的には、以下のような汚れやニオイが挙げられます。
- 水垢:お風呂の鏡、蛇口、キッチンのシンクなど
- 石鹸カス:浴槽の壁、洗面器、お風呂の椅子など
- トイレの黄ばみ:便器の内側、フチ裏など
- 家電の内部汚れ:電気ポットや食洗機の中など
- 嫌なニオイ:トイレのアンモニア臭、キッチンの生ゴミ臭など
2.クエン酸で落とすのが難しい汚れ
クエン酸はすべての汚れに万能というわけではありません。クエン酸で落とすのが難しいのは、以下のような種類の汚れです。
- 油汚れ:コンロ周りや換気扇のしつこいベタつき
- 皮脂汚れ:フローリングの黒ずみ、ドアノブ、スイッチ周りの手垢
クエン酸は水アカなどのミネラルによる汚れは得意ですが、油を主成分とする汚れは性質が異なるため、十分な効果が期待できません。
それぞれの汚れに合った洗剤を上手に使い分けることが、効果的なお掃除のポイントになります。
重曹との違い

クエン酸と同じく、お掃除によく使われるものに「重曹」があります。クエン酸と重曹の最も大きな違いは、クエン酸が「酸性」であるのに対し、重曹は「弱アルカリ性」という、正反対の性質を持っている点です。この性質の違いから、それぞれが得意とする汚れの種類も異なります。
使い分けに迷った時は、「水回りのザラザラした汚れにはクエン酸」「ベタベタした油・皮脂汚れには重曹」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
重曹は、前の章でご紹介したクエン酸が苦手とする油汚れや皮脂汚れに効果的です。
クエン酸を使った掃除方法
クエン酸の掃除への活用法は、主に4つあります。それぞれがどのような場面で役立つのか、詳しくみていきましょう。
1.粉末を直接かけて使う
常に湿り気がある場所や、水を流せる場所には、クエン酸を粉末のまま使うのが手軽な方法です。
汚れが気になる箇所に直接粉末をふりかけ、湿らせたスポンジなどでこすり洗いします。その場にある水分でクエン酸が溶け、高濃度で汚れに直接作用します。わざわざ液体を作る手間がないため、汚れに気づいた時にすぐに使えます。
2.水で薄めてスプレーして使う
日常的な拭き掃除や広範囲のお手入れには、水に溶かして作る「クエン酸スプレー」が使いやすいでしょう。壁などの垂直な面にも手軽に使えます。
スプレーボトルに水200mlとクエン酸小さじ1杯を入れ、よく振って溶かせば完成です。汚れが気になる場所に吹きかけて布で拭き取る、という手軽さで、一本常備しておくと日々の掃除にとても重宝します。汚れが落ちにくい時は、クエン酸の濃度を上げて試してみるのもよいでしょう。
3.ペースト状にして使う
蛇口の根元や溝といった、凹凸があって掃除しにくい場所には、クエン酸をペースト状にして使う方法が向いています。
クエン酸に少量の水を加えて練り混ぜると、汚れにしっかりと密着するペーストを作ることができます。成分がその場にとどまり、じっくりと浸透することでこびりつきを緩める効果が期待できるため、しばらく時間をおいてからこすり落としてみてください。
4.紙に染み込ませて使う
鏡や壁などの広い範囲に付着した汚れには、クエン酸水を染み込ませた紙でパックする方法が効果的です。スプレーしただけではすぐに乾いてしまうような場所でも、この方法なら長時間にわたってクエン酸を作用させ続けられます。
キッチンペーパーなどにクエン酸水を染み込ませ、汚れ全体に貼り付け、さらにラップで覆い、浸透させることで、汚れがふやけて落としやすくなります。
重曹と合わせて使うには?
クエン酸と重曹、この二つを上手に組み合わせることで、お掃除の可能性はさらに広がります。主に、汚れの性質に合わせて「使い分ける」方法と、「混ぜる」方法の2つがあります。
お風呂場のように性質の違う汚れが混在する場所では、それぞれを順番に使うのが効果的です。まず浴槽のザラザラした皮脂汚れを重曹でこすり落とし、一度洗い流します。その後に残った白い水垢にクエン酸を作用させることで、両方の汚れを落とし、浴槽をきれいにできます。
また、クエン酸と重曹を混ぜて、発泡作用を利用する方法もあります。ブラシでの掃除が難しい排水口のお手入れに特に効果的です。排水口に重曹を振りかけ、その上からクエン酸水を注ぐとシュワシュワと泡が発生します。この泡の力が奥のぬめり汚れを浮かせてくれるので、しばらく放置した後に、お湯でしっかりと洗い流しましょう。
クエン酸を使った掃除に適している場所
クエン酸が得意とする水垢などの汚れは、主に「水回り」で発生します。ここでは、場所ごとにたまりやすい汚れの種類と、それに適した掃除方法を紹介します。
1.お風呂の掃除
お風呂場は、鏡のウロコ状の水垢、蛇口やシャワーヘッドの白い固まり、お風呂の椅子や洗面器に付く石鹸カスなど、クエン酸が得意な汚れが多く発生する場所です。
日常的なお手入れには、手軽なクエン酸スプレーが活躍します。鏡や壁に白くこびりついてしまった汚れには、紙に染み込ませて使う方法でパックをすると、汚れがふやけてこすり落としやすくなります。
2.キッチンの掃除
キッチンの中でも特にシンク周りは、水道水が原因の白いくすみや水垢が発生しやすい場所です。シンク全体の日々の掃除には、クエン酸スプレーで全体を拭き上げるのがおすすめです。蛇口の根元に固着した汚れには、ペースト状にして使う方法を試してみてください。
排水口のぬめりやニオイには、重曹と合わせて発泡させることで、ぬめりと一緒にニオイの元からすっきりさせることができます。
3.トイレの掃除
トイレ特有のアンモニア臭や、便器の黄ばみにも、クエン酸での掃除が効果的です。
日々の便器内部や床・壁の拭き掃除には、広範囲に使えるクエン酸スプレーが便利でしょう。フチ裏などに固まってしまった尿石には、トイレットペーパーを使いクエン酸を紙に染み込ませて使う方法でパックすると、汚れが緩んでブラシで落としやすくなります。
4.家電の掃除
電気ポットや食洗機の庫内は、水道水に含まれるミネラル分が固着して白い汚れができやすい場所です。これも水アカの一種なので、クエン酸で安全にお手入れができます。
電気ポットの場合は、満水にした水にクエン酸を大さじ1杯ほど入れて沸騰させ、そのまま1〜2時間放置した後に数回すすぎ洗いをします。食洗機は、洗剤投入口にクエン酸を入れ、食器を入れずに標準コースで運転させれば、内部の水アカをきれいにできます。
ただし、機種によっては専用の洗浄モードがあったり、クエン酸の使用が推奨されていなかったりする場合もあります。安全にお手入れするためにも、まずはお使いの家電の取扱説明書を確認することをおすすめします。
掃除でクエン酸を使用する際のポイントや注意点
クエン酸は食品にも使われる安全な成分ですが、安全で効果的に掃除をおこなうために、以下5つのポイントと注意点を必ず守るようにしましょう。
1.アルミや鉄、大理石など使用できない素材がある
クエン酸は酸性の性質を持つため、酸に弱い素材には使用できません。例えば、アルミや鉄などの金属製品はサビの原因になることがあります。また、大理石やモルタル、コンクリートといった素材は、クエン酸に触れると溶けてしまい、シミになったりツヤが失われたりする恐れがあります。
使用する前には、まず掃除したい場所の素材を確認し、目立たない場所で試してから使うようにすると安心です。
2.塩素系の洗剤と一緒に使用するのは危険

カビ取り剤などの塩素系漂白剤と、酸性のクエン酸が混ざると、有害な塩素ガスが発生します。絶対に直接混ぜないでください。
また、同じ場所を続けて掃除する場合も注意が必要です。クエン酸を使った後に塩素系洗剤を使う、あるいはその逆をおこなう場合は、間に必ず水で洗剤成分を完全に洗い流すようにしてください。安全のために、このルールは必ず守るようにしましょう。
3.ゴム手袋をつけて使用すると安全
クエン酸は素手で触れても比較的安全な成分ではありますが、掃除に使う際はゴム手袋の着用をおすすめします。酸性の液体に長時間触れていると、肌の表面のタンパク質が影響を受け、手荒れを引き起こす可能性があるためです。
特に、ペースト状にして使う場合や、クエン酸パックで長時間作業する場合、また肌が敏感な方は注意が必要です。
4.つけ置きする際は時間に気をつける
クエン酸パックやつけ置きする際は、時間を置きすぎないように注意が必要です。汚れをしっかり落としたいからといって長時間放置しすぎると、サビや変色の原因となることがあります。
汚れの度合いに合わせて時間を調整し、最初は短い時間から試すのが安心です。つけ置きが終わった後は、クエン酸の成分が残らないように水で十分に洗い流してください。
5.保管の仕方に気をつける
クエン酸は湿気を吸って固まりやすい性質があります。品質を保つため、使用後はしっかりと密閉できる容器に入れ、直射日光が当たらない涼しい場所で保管してください。
なお、水に溶かして作ったスプレーは長期の保存には向いていないため、2〜3週間を目安に早めに使い切りましょう。
また、砂糖や塩と見た目が似ているため、誤って口にしてしまうことがないよう、掃除用であることが一目で分かるようにラベルを貼っておくと安心です。特に小さなお子さまやペットがいるご家庭では、手の届かない場所に保管しましょう。
まとめ
クエン酸は食品由来の安心な成分で、酸性の性質を活かして水アカなどの汚れを効果的に落とします。掃除する場所や汚れの度合いに応じて、粉末やスプレー、ペーストなどを使い分け、油・皮脂汚れが得意な重曹と組み合わせることで、掃除の幅がぐっと広がります。塩素系洗剤と混ぜないなどの注意点を守り、日々の掃除に上手に取り入れてみてください。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
佐藤 静香(さとう しずか)
FPライター。損害保険会社に20年勤務後、Webライターとして活動中。保険会社での経験とFPとしての専門知識、また子育て中の母である目線を活かし、難しいお金の話を分かりやすく解説することを得意としている。金融系メディアを中心に、保険、資産形成、家計管理などの記事執筆を担当。2級FP技能士
記事提供元:株式会社デジタルアイデンティティ